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鼓動

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朝久しぶりの一人での登校

獄寺はダイナマイトの仕入れに一度イタリアへ戻り山本は試合が近いとかで朝早くから学校に行き既に練習中

二人とも昨夕綱吉に申し訳なさそうに頭を下げて分かれ道で違う方向へ進んだ。何も、たった1日だけでそこまで頭を下げる必要もないのだがここで本当に俺って大切にされているんだな、とうぬぼれているわけではないがそう思った綱吉

鳥のさえずりと出勤中の車の音、後ろから追い抜いていく自転車通学の学生
その音しか聞こえない久しぶりの静かな朝
いつも綱吉の隣では獄寺と山本の喧嘩の声が絶えなかった
こんなに穏やかな朝は本当に久しぶりだった

しかしその静寂はこの後崩される

遠目に見えてきた校門は黒で埋め尽くされていた
よく目を凝らすと朝から風紀委員が校門に立っていた
しかし、今日は遅刻をしたわけでも服装が乱れているわけでもない

だんだん校門に近づきはっきりと見えてくるリーゼントの集団
そそくさと校門をくぐろうとしたとき

「まって」

突然後ろから腕をつかまれて体が後ろへと傾いた
そのまま腕に体を抱きこまれた

「!?」

『まって』 その声は明らかにこの学校の秩序の象徴雲雀恭弥だった

それを脳が理解したときには脳の回線がショート寸前
思考は愚か体の神経がショートしてしまったかのように動かない

「おはよう、沢田綱吉」
・・・
「今日は君に話があるんだ」
「・・・」
「君が好きだ」
「・・・」
「ねぇ、付き合ってよ」

耳から入ってくる幾つもの単語


オハヨウ、ツナヨシ
今日ハ君ニ話ガアルンダ
君ガ好キダ
ネェ、付キ合ッテヨ

それは脳で処理されずに記憶としてツナヨシの脳に蓄積された
突然肩をつかまれて向きを変えられると頭1個分大きい雲雀の背に自然と胸に顔を埋める体制になってしまった

「ねぇ、聞いてる?」
「・・・・ぇ・・・・ぁ・・・はい」

いまだに理解できない脳みそ

君ガ好キダ

君が好きだ・・・・
好き?

「・・・好き?」
「うん、好きだ、ずっと前から好きだった」

トクン、トクン
耳に届く規則正しい心臓の音
しかし普通より幾分早い気がする

そっと自分の胸にも手を当ててみた

トクン、トクン
雲雀と一緒で幾分早い鼓動

そっと額に唇を落とされた
片手に持っていた鞄は既に地面に投げ出されて足元にころがっていた


トクントクントクン

もっと早くなる鼓動
耳から入ってくる鼓動も早くなる

トクントクントクン
トクントクントクン

ぎゅっとまた抱きしめられてまた鼓動が早くなる

雲雀さんの鼓動と自分の鼓動と
周りの嬌声

トクントクントクン
トクントクントクン




この気持ちを言い表すなら


「雲雀さん、俺・・・・『    』」


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