ASD20XX.08.10.16:44
~モゴラ大陸上空~
地球外生命体の母艦「ベームベース」が空を覆う。
C・Pは避難コミュニティにいた力ある決闘者を集め,翌日地球外生命体の母艦に攻め入る算段をする。
超官「コミュニティ内の有能な決闘者諸君。我々C・Pは君たちを新たな仲間として迎えうける。さぁ地球を守るために戦おうじゃないか」
モブ「うおおお!!」
地球規模の危機を救おうとする多勢がいる一方で,少数の決闘者たちはそれぞれの想いを浮かべていた。
ディック「シャークはどこに行ったんだろう・・・」
にろく「ディック,お前はコスモなんちゃらの一員になって戦うんだな?」
ディック「うん,あのスーツがないとA細胞の感染を阻止できないし。君たちはいいよな,あのダサいスーツを着なくてすむんだから」
ナル「僕たち
契約決闘者は命を賭しているからね」
契約決闘者・・・それはインキュベーターQBが集めた決闘者集団。
契約内容は,地球外生命体の侵略を命をかけて防ぐこと。
そして報酬は・・・
ディック「それにしても二人とも大事に至らなくてよかったな」
ナル「普通の決闘者だったらしばらくは動けなかったでしょうね。これも契約の報酬のひとつだな」
にろく「決闘で負ったダメージは,決闘が終了するとリセットされる。命を落とさない限りはな」
手を開くとそこにはあの宝石が光っていた。
シャークとの戦いがあった時に比べて,濁りが増しているようだ。
ディック「それが
ソウルジェム・・・だっけ?」
ナル「うん,そう。契約決闘者の命を具現化して宝石化したものだよ」
ディック「こないだより黒くなってない?」
にろく「『
星の力』を使った代償だ。まったくあのインキュベーターは報酬を使うのに代償を必要とするなんて説明してなかったんだ」
ナル「詐欺だよねまったく」
ソウルジェムは,命を具現化した宝石。
元は持ち主の命の輝きを放っているが,『星の力』を使用すると輝きが薄れていく。
輝きが失われたとき,それは持ち主の死を意味する。
契約決闘者は,常に死と隣り合わせの戦いをしているのだ。
ナル「そのおかげでA細胞の影響は受けないし,何より『宇宙文字』が詠めるんだけどね」
ディック「気になってたんだけどさ,ソウルジェムが壊れたら・・・」
にろく「死ぬだろうな」
ディック「魂が身体の外にあるってことか。魂は身体の外側にあるってどんな感じ?」
ナル「ん~いいづらいけど・・・」
ナル「人間じゃなくなったみたいだなw」
にろく「・・・今の俺たちの身体は入れ物に過ぎない。肉体的なダメージとは無縁になったが,俺たちは”生きている”といえるのだろうか・・・」
ディック「魂の在り処・・・か・・・」
~~
バウンダー星人「私の身体は機械でできています。あなたたちの言う魂というものは持ち合わせていません」
バウンダー星人「自我があります。感情があります」
バウンダー星人「・・・私は・・・生きているといえるのでしょうか・・・」
ライトレイ「突然どうしたんだ?」
バウンダー星人「いえ,ふと思ったのです。命とはなんなのか,と」
ライトニング「あなたには魂がある。私はそう思います」
ライトニング「根拠や確証はありません,ただ・・・一緒にいるとあなたの命の鼓動を感じますから」
~~
姿かたちが異形のものとなってしまった
デュエリアン。
彼らの魂は変化する前と同じく身体の中に存在しているだろう。
しかし外見は人間とはかけ離れたものとなっている。
人間の身体をもち,魂が身体の外に存在する「契約決闘者」・・・
機械の身体を持ち,魂をうちに秘める「機械人」・・・
異形の身体を持ち,魂は人間である「デュエリアン」・・・
命とはなんなのか。魂とはなんなのか。
偶然にもそんなことを考えるものが多いそんな夜。
翌日には,そんなことを考える暇も無いほどの戦いが迫っているのだ。
ASD20XX.08.11.09:49
~母艦「ベームベース」最下層~
デュエリアン【幻獣】「このフロアは俺が守ってるんだぜぇ。ワイルドだぜぇ」
十也「そろそろ終わりにしよう。ねた的な意味も含めて」
デュエリアン【王蛇】「このイライラを抑えるには,戦うしかねぇんだよ!!」
遊馬「カットビングだ。何度でもつきあってやるぜ」
デュエリアン【恐竜】「特にいうことは無いザウルス」
ゴーシュ「そのノリは好きになれねぇな。たたきなおしてやるよ」
デュエリアン【兜虫】「戒めを胸に。ただ私はここにいる!!」
ヴァルゲイツ「ちょいやくですんません。とりあえず倒しておきますから」
ASD20XX.08.11.17:36
~母艦「ベームベース」中心層~
フロアにはほかのデュエリアンもいたのだが,いまや総数1000を超えるC・Pはそのすべてを浄化し人間に戻していく。
中には異形の姿から人間の姿に変わらない者もいたが,敵意がなくなったようなので放置し,彼らは先に進んでいく。
アポロニウス「多い。あまりに多い」
ボルケーノ「はかどっていいじゃねーか。どうせいつかはやらなきゃいけないんだから」
ラメイル「C・Pの皆さん・・・では多すぎますね。番号の若い9名は私たちについてきて下さい」
超官「何か罠のような気もします,様子を見ながら行きましょう」
ライトニング(チームメサイア・・・強力なあいつらを相手にするのはいささか骨が折れる。戦わずにすんだようだが・・・何をする気だ?)
ASD20XX.08.12.00:41
~母艦「ベームベース」最上層~
かっとびんぐで真っ先に最上部に到達した遊馬の前に立ちふさがったのは・・・
遊馬「お前は・・・シャーク!?」
シャーク「遊馬。お前が最初か」
遊馬「いつから
エーリアンの仲間になったんだ!?」
シャーク「・・・うるさい。少し黙れ」
遊馬「エーリアンに洗脳されているんだな。待ってろ,俺が今助けてやる」
遊馬「く・・・強い・・・」
意識を失う遊馬の元に,C・P一行が到着する。
シャーク「数の多さだけは褒めてやる。さぁかかってこい!!」
瑠奈「シャーク,剣を納めなさい。彼らには説明すれば十分です」
超官「おや,あなた方ここにいるのは理解できませんね。避難コミュニティにもいませんでしたし・・・最初から母船に搭乗していたのではないですか?」
瑠奈「さすがは【星護守】ですね。母船を”かの国”上空に運航させたのも私の一存です」
超官「もしや・・・あなたは・・・」
ひざまずく超官。
超官「【星龍王】様では・・・?」
瑠奈「いかにも」
シャーク「へぇなかなかいい名前持ってんだな」
瑠奈「いまは茶化さないでください」
超官「・・・【星龍王】様がなぜ・・・地球外生命体の船におられるのですか?敵対するエーリアンの母船に!!」
瑠奈「それは・・・」
ズーンズーン
シャークと瑠奈の後ろに広がる暗闇から何者かの足音が聞こえてくる。
しだいのその足音は姿をあらわにする。
天に伸びる頭髪。耳まで裂けた口。4本の腕。その先の爪。
マザーエーリアン「地球人よ,すべて話しましょう。私たちが地球に来た理由を」
~三沢博士の考察~
三沢「星の力・・・宇宙呪文・・・大宇宙呪文・・・」
モモジリ「たくさんのワードが登場したモモ♪」
三沢「どうやら『星の力』が今回のキーワードになるようだな」
モモジリ「モモー♪」
三沢「詳細は辞典で補足するとして」
三沢「エーリアンの目的とはなんなのだろう?地球の侵略ではないのか?」
三沢「そもそも敵対しているものという認識はあっているのだろうか?」
三沢「俺にはエーリアンたちが地球人をあるレベルまで高めているようにも思えるのだが・・・モモジリどう思う?」
モモジリ「地球人は知らなすぎる。彼らが持つ力を。そして宇宙のことわりを」
三沢「モモジリよ・・・改めて聞くが,お前たち
使い魔はエーリアンと関係あるんだろ?」
モモジリ「僕からはなんともいえないよ。次の話でマザーエーリアンが全てを話してくれるだろうから,もうしばらく待っててね」
最終更新:2012年10月20日 21:47