アットウィキロゴ
4対1、絶望的な戦い。
防衛システムは、早々に殲滅対象の撃破をあきらめていた。
攻撃にまわす出力も全て防御にまわして、自己修復機能で猛攻に耐え続ける。
仲間が少しでも遠くに逃げられるようにするための時間稼ぎ。

(4対1……あの時を思い出す。
 秘宝の力を使えば、神にもなれただろうに、自分の父親を救うためだけに使った彼とその親友達……
 彼らの戦いに邪念はなかった。ただ自分達も一枚かんでしまった世界崩壊を己の手で止めようとする戦い……
 だが……目の前の……この敵は……!)

攻撃を全身に浴びつつ、防衛システムは近くに転がる肉塊を見た。

(ネル……私は結局、一人の人間すら防衛できなかった……
 我が心の師よ、私はあなたのように核爆弾を無効化する真似はできない。
 ましてや、敵だった存在を許し、生き返らせて宴会を開くことなど、選択肢が用意されていない。
 少なくとも私は、目の前の敵を、許すことはできない……!)

耐え続け、考え続けた。
そしてしばらくして、飛んでくる爆撃……核爆弾がなくなった。

「あーもう! 私は早く3の宣伝をしにいかないといけないのに!
 ほら友蔵、新しい核爆弾(×99)よ!」

そして、それがすぐに補充された。
遠くの空を飛んでいるからわかりにくいが、防衛システムがそれを見間違えることはなかった。
自分の創造主であり上司、めがみだったのだから。

「あ……あんたって神はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「え?」

次の瞬間には、めがみは防衛システムの光線により吸収されていた。
秘宝の塊であるめがみは、僅かながら防衛システムの傷も癒す。

(最初からおかしいとは思っていましたよ。核爆弾の支給はともかく、数が多すぎた。
 でもまさか、よりよってうちの神が主催者についているとは……
 皆さん、本当にごめんなさい。上司の責任は部下の責任でもあります……)

「……エネルギーシフト。ディフェンスプログラムオールオフ……
 ……エネルギーシフト。超魔導回路出力最大……」
「な、何をする気だこの鉄屑!?」
「コア損傷……発射に影響無し、エネルギーシフト続行。
 ……防衛続行不可能。次善、敵殲滅。周囲考慮、攻撃範囲の一点集中。
 ……対象を自分に変更。自爆による殲滅が最善」
「なっ!?」


「出力100パーセント。 イ ン フ ィ ニ テ ィ バ ー ス ト 発 射 」




星よりも人を守ることを選択した機械から警告音らしきものが流れた直後。
山梨県に局所的な大爆発が起こり……
あとには、底が見えない程の巨大な穴だけが残された。






「今の爆発は……」
「くっ……」

巻き起こる大爆発は、あの場にいた者なら何があったのかを察するには十分だった。

「……どうして人は、争いを続けるのでしょうか?」
「どこの世界でも、権力や支配、自己顕示が好きな人が多いんだね……」

元々戦いに疲れ、疲労した体ではそう遠くまで移動することはできない。
防衛システムの運命を悟った夫婦は、樹にもたれかかっていた。

「現実逃避……そういうわけじゃないけど、あの宴会はなかなか楽しかったね。
 僕たちを含めて、死んでしまった人が生き返って……あのKAITOも笑みを浮かべていた。
 シャアさんも聖杯の子と楽しげに話してたな……」
「えぇ……とても賑やかでしたね。師範さん達も、武将さん達も、一緒にお酒を飲んでいました……
 ……あれは、やはり夢だったのでしょうか? 世界はまた、悲しみに包まれている……」
「夢、か……」

ラグナはポツリと呟き、妻に方に顔を向ける。

「朝が近づいてきたね……そろそろ、眠いんじゃないかな?」
「ま、まだ大丈夫です……それに……」

エリスは吸血鬼であり、朝眠り夜に活動する種だ。
それ故に、かつては繋がりっぱなしで睡眠強制妨害という策を使っていたのだが……

「あはは……さすがに、リンちゃんの前に合体しながら現れるわけにはいかないね。
 ……だから、今は……眠るんだ……」
「んっ!? ぅ……?」

ラグナがエリスの唇を奪い、舌を侵入させる。
それは愛情表現でもあり……残酷な手でもあった。

「大丈夫……今の状況こそ、悪い夢なんだ……
 君は、あの宴会の席でちょっと酔って眠ってしまっただけだ……
 次に目が覚めた時には……またみんなで……笑っていられるはずさ……」
「……ん…………」

理解し、頷き、やがてエリスはゆっくりと眠るように息を引き取った。
先程口移しで飲ませたのは、毒薬の一種。
支給品と道端の草でも作れてしまうのは、植物と薬学に精通しているからこその芸当だ。

「……ごめんよ。
 あの連中に君が惨たらしく殺されるくらいなら……せめて自分の手で安らかに眠らせたかった。
 君一人守る力を持たない僕を……どうか許してくれ……
 僕もすぐにそっちにいくから……」

涙を拭い、剣士は剣を握り締める。
視線の先、薄暗い空には傷だらけの機械が飛んでいた。




「くそっ! くそっ! くそっ! あの野郎……よくもおおおおぉぉぉぉぉ!」
全身に傷をおいながら、インパルスガンダム……シン・アスカは生きていた。
防衛システムの自爆直前、キュリオスを盾として、だ。
アレルヤの苦痛は尋常ではなかっただろう。いや、あの出力ではどちらにせよ痛みは一瞬だったかもしれない。
だがそれでもシン・アスカは気にしない。
彼はただ、自分が主人公、対主催にさえなれればいいのだ。
仮にこのあとインパルスが大破しても問題はない。
アンチ連盟本部に戻れば、デスティニーが復活しているはずだから。

「まあいい……あの屑鉄は潰した! あとはあのムカつくバイクの奴を……」
「させるか……!」

インパルスガンダムの装甲の一部が斬り飛ばされる。
シンがモニターを見れば、人間離れした跳躍力で剣を振りぬく男の姿があった。

「こ、この……! どこまで俺の邪魔をしたら気が済むんだあんたらって人はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「邪魔……?」
「そうさ! お前達みたいな奴らがいるから俺は、俺たちは主役に、対主催になれないんだ!
 お前達みたいな悪が……お前やブロントや不破のような奴らがいるからあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

金属が砕ける音とともに、長剣が装甲を破ってシンの肩を少し切り裂く。
傷から流れるのは、赤い血。

「あなたは、いや、お前は間違っている……! なんで同じ対主催の目的を持つ人を手にかける!?」
「ぐっ……!同じじゃない! あいつらの激しい自己主張のせいで、俺達は主役になれないんだ!」
「ブロントさんも師範さんも、確かに濃い人だった!
 だけどそれは主役だとかそんなくだらないことのためじゃない! 元からだ!
 それでも思っていることは同じだった! みんなで生きて帰る……そのために一緒に戦ってくれた人達だ!
 それをよくも……! お前は対主催でも主役でもなんでもない……!
 ただ自分が目立つことしか考えていない、最低最悪の殺人鬼だ!」
「ほ、ほざけええええええええええ! 生身で俺のインパルスに挑んだこと、後悔させてやる!
 お前らはおとなしくしていればいいんだ! 女が心配か?
 あのVOCALOIDも含めて、ヒロインポジションでいるなら俺が守ってやるから心配せずに死ねえぇ!」
「下種が……手負いの機械兵なら、まだ要塞戦車のほうが手強い……! お前はこの場で倒す!」








「ぐっ……!」

雨でさんざん濡れた体、それも機械の体にあの電撃は相当に堪える。
人の姿に戻ったプラシドは、背負ったリンの様子を覗う。
大切な家族を目の前で殺された少女は、今は意識を失い大人しい。
だが目覚めれば、きっと今まで以上に泣くだろう。
辛く、冷たい嘆かわしい現状に、誰かに助けを求めて泣き叫ぶだろう……

(……似ているな。この俺と……)

プラシドの口から息が漏れた。
彼もかつて、突然地獄の様な世界に放り込まれた。
そして自分の目の前で家族を殺された。

(……あの絶望は、忘れられるわけがない。それはこいつも同じだろう。
 だが……俺は乗り越えたぞ……その絶望を……!)

そしてプラシドは奇跡的に生き残り、兵士として戦うことを決めた。
圧倒的な力を持つ敵を相手に、命がけの戦い。
気の合う戦友が何人もいた。自分の相棒でもある恋人もいた。
だがそれもやがて……

(同じだな……今と、あの日々は……
 あの時と違うのは……剣を取り銃を向ける相手も同じ人間だということ……)

「み……みづけだぞ……このバイク男が……!」
「っ! 貴様は……!」

プラシドの思考に割って入ってくる男の声。
その正体は、血塗れになりながらもプラシドとリンに迫るシン・アスカだった。

「おおお前たちがいるからああああ俺ばぐぶっ……!?」

だがシンは、最後まで言葉を発することなく後ろから男に貫かれ、息絶えた。
そしてシンを貫いた男もまた血塗れだった。

「危なかった……ここまで執念深いとは……思いませんでした……
 リンちゃんは……眠ってるみたいですね……これ以上血を見せなくて済んだぶん……都合がいい」
「おい! しっかりしろ!」
「僕よりも……プラシドさんとリンちゃんとでわけて使ってください……」

そう言うとラグナは、自分のカバンから一本のビンをプラシドに手渡す。
青みがかった清涼感のある液体……回復薬だ。

「途中……アンチ連盟兵にも出くわしましたが……全員黙らせてあります。
 これでしばらくは安全のはず……リンちゃんが起きたら……
 僕達の仲間だった飛竜さんや、かつての主催者である信長さんを探してください……
 きっと力に……なってくれるはずです……プラシドさん、あとは…………」

そこまで喋り、支えとしていた剣と一緒にラグナの体も崩れ落ちる。
辺りに残されたのは、眠る少女と、バイクの青年だけとなった。





「……なんなんだ。この不快感は……
 俺は、俺達は三つの絶望を味わった。それ以上の絶望を味わうことなど……!」

プラシドは雨で濡れた髪を掻き毟り、行き場の無い怒りをぶつける。
久々に見つけた好敵手との決着がつけられなくなったからか?
それともついさっきまで普通に話していた仲間がいなくなったからか?
あるいは自分が背負う少女の未来が自分と同じになりそうだからか?
わからない。わからないがこの感じはあの時の絶望と同じ。
四つ目の絶望だ。
そして騒ぎのせいでリンは気づいていないのか、しかし放送では彼女の姉の名前が呼ばれていた。
絶望は、加速する。
もし目を覚ましたら、どう対応すればいい?

「俺は…………」


【一日目・5時20分/静岡県/天候・雨】
【プラシド@遊戯王5D's】
【状態】ダメージ(中)、激怒、絶望
【装備】サイクロン号、機皇帝ワイゼル∞(スターダスト入り)
【道具】支給品一式、覇邪聖皇剣、回復薬
【思考】
基本:世界の破滅の根源であるニアラを消す。不動遊星は保留。
1:…………
2:リンを防衛する
※神龍ニアラがシンクロモンスターだと思ってます
※7期の世界を知りました

【鏡音リン@VOCALOID】
【状態】ダメージ(中)、絶望、悲しみ、混乱、睡眠
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
  0:ネルの死によるショック
※7期とは別人です。
※7期の世界を知りました

【防衛システム@SaGa2秘宝伝説GOD】 死亡確認
【めがみ@SaGa2秘宝伝説GOD】 死亡確認
【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 死亡確認
【アレルヤ・パプティズム@機動戦士ガンダムOO】 死亡確認
【さくら友蔵@ちびまる子ちゃん】 死亡確認
【エリス@ルーンファクトリー】 死亡確認
【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】 死亡確認
【ラグナ@ルーンファクトリー】 死亡確認
最終更新:2011年02月07日 00:52