藤井聡太 (ふじい そうた)
「羽生さんの『新提案』によって、今後は女流棋戦の実績だけでプロ棋士として認められることになりました。具体的には、今年8月30日から始まる『ヒューリック杯白玲戦』で、女流最高位タイトル『白玲』を通算5期獲得した女流棋士が、その権利を得られます」
ところが、前述の総会ではひと悶着あったという。
総会に出席した棋士の一人はこう明かす。
「件の議案については、ベテラン棋士らが“羽生さんが提案するのだから”という理由で賛成の意向を示していましたが、採決に入るタイミングで一人の若手棋士が挙手をしたのです」
その棋士とは、竜王・名人など現在、叡王以外のタイトルを独占している藤井聡太七冠(23)。
「総会の参加者は誰もが“藤井さんが手を挙げた”と驚いていました。しかも彼は、最前列に座り、清水新会長や羽生前会長、理事たちと最も近い位置にいた。会場に緊張感が漂う中、藤井さんは“棋力の担保は取れているのでしょうか”などと発言したのです。その口調は、普段テレビのインタビューなどで見られるように淡々として、表情も冷静でした」(同)
別の参加者によれば、
「藤井さんのすぐ後ろには、女流タイトルを分け合う女流棋士の2強が座っていましたが、怯むことなく疑義を唱えたように見えました。彼の指摘に対して、担当理事らは通り一遍の説明を繰り返すばかり。最後まで藤井さんは納得した表情を見せていませんでしたね」
こうした「藤井発言」が、女流棋士をはじめ羽生前会長ら連盟幹部に反感を持たれることは必至。それでも波風が立つことを承知の上で質問した理由はどこにあったのか。
「若手を中心に反対の声は根強く、“よくぞ言ってくれた”との感想を抱いた棋士もいました。多くの棋士は幼少期から人生を将棋に捧げて、血のにじむ努力をしてきた。それでもプロ棋士への正規ルートである奨励会を勝ち抜けず、涙ながら将棋界を去った人たちの姿を見ている。藤井さんは新制度でプロ棋士のレベルが担保されるのか。伝統が壊れやしないかと心配なのでしょう」(前出の参加者)
そもそも将棋界でプロになるためには、奨励会で25歳までに三段リーグを勝ち抜く必要がある。年間4人しか選ばれない狭き門。規定の年齢を超えるとプロになることは不可能に近い。こうした厳しさが、将棋界で数々のドラマを生んできたゆえんでもある。
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