特別トレイン「ポケモンの能力の仕組み」 > 1号

執筆時期:2011年11月~2012年2月 著:高宮 毅彦
元々pixivに上げていたもの(現在は公開停止)を一部を改訂してこちらに公開。
機会があればそちらで再度公開するかもしれない。
なお、この文章はBW時代に書かれたもの為、現在とはやや異なることに注意されたし。



特別トレイン「ポケモンの能力の仕組み」1号

【0号車 はしがき】

 ▲このお話は何?
バトルサブウェイにて定期的に運行される、臨時トレイン「能力の仕組み」号。
それは、とある白黒車掌がお客様の為に、「ポケモンの能力」について事細かに解説をするという、何とも不思議なトレイン。
各バトルトレインに来訪する挑戦者の実力底上げの為に、その白黒車掌自らが発案し、定期的に挑戦者を育成するプロジェクトが行われているという。
「能力の仕組み」号はその一環にして、入口となる大事な路線。
そんな架空の設定。

 ▲解説は誰?
ノボリ。
ライモン名物、バトルサブウェイの黒服車掌。
ポケモンバトルが大好き。中でもシングルバトルが得意。
くどいくらいに丁寧な口調が特徴。

 ▲何の為に?
サブウェイマスターに惹かれ、彼ら会いに行くべくサブウェイへ挑戦しても、
準備不足ではノーマルはともかくスーパーでは簡単に返り討ちに遭ってしまいます。
「そもそも育て方が分からない!」という人もいることでしょう。
そんな駆け出しトレーナーに送る、能力の解説書でございます。
どちらかというとアニマス寄り、かも。キャラ崩壊注意。


【1号車 プロローグ】

本日は当トレインにご乗車頂き、誠に有難うございます。
さて、皆様はポケモンの能力についてどれくらいの知識がございますでしょうか?
ただ何となくレベルを上げて育てているだけ、そのような方が多いのではないでしょうか?
かくいうわたくしも昔はそのうちの一人でございました。
ですがある時、その仕組みを事細かに教えて下さった方がおりまして、
それ以来わたくしはポケモンの育て方を大きく変えることになりました。
ポケモンバトルを極めるにあたり、この仕組みを理解し、使いこなすことなくしては、
わたくしがサブウェイマスターになることはなかったでしょう。

そうです、ポケモンの能力は、ただ単にアトランダムに決められているわけではございません!
いくつもの「法則」によって決められており、そのうちほんの僅かな部分がアトランダムであるだけなのです!
当トレインではその「能力の仕組み」について、「仕組みの中身」から「強いポケモンの育て方」まで解説を致す次第でございます。
担当はわたくし、サブウェイマスター、ノボリが務めさせて頂きます。


それでは、出発進行ーッ!


【2号車 能力に関わる3つの「値」】

さて、ポケモンの能力はどのように決まっているのかと申しますと、
先ほども申し上げましたいくつもの「法則」、具体的に申し上げますと、特別な「値」が大きな影響を及ぼしております。
そして、「数」でございますので計算式がございます。ございますが、
いきなり計算式を持ち出して説明を始めますのは、大変に不親切であると考えております。従いまして、それらの「値」の解説から始めさせて頂くことに致します。


さて、その「値」といいますのは、以下の3つでございます。

 ▲種族値
 ▲個体値
 ▲努力値

これらは全て目には見えませんし、公式的な用語ではございません。
しかしながら、電脳世界を始め多くのコミュニティで使われており、非常に知名度の高い用語となっております。
従いまして、これら3つの「値」について、意味が分からないまでも、名前ぐらいでしたら耳にしたことがある、そういう方もいらっしゃると思われます。
(なお、この3つの「値」を総称して、俗に「3値」と呼ばれることもございます)


そうです、この3つの「値」がポケモンの能力に大きな影響を及ぼしているのでございます!
これら1つ1つにつきまして、順を追って解説を進めることに致しましょう。


次の停車駅は「種族値」、「種族値」でございます。


【3号車 「種族値」とは?】

「種族」の「値」、つまり何かと申しますと、ポケモンの種類ごとに決まっております「能力の伸びやすさ」のことでございます。
この数値が高ければ高いほど、基本的な能力が高くなります。
例えばわたくしのパートナーでございますシャンデラは、いかようなシャンデラでありましても特攻が凄くよく育ちます。
これは、シャンデラの種族値が次のようになっているからでございます。


 シャンデラ:HP60-攻撃55-防御90-特攻145-特防90-素早さ80


見てみますと「特攻」が大変に高いですね。ポケモンの種族値は3桁を超えますと「高い」と言われますが、145もありますと高過ぎるくらいでございます。
次に高いのが「防御」と「特防」となっております。こちらは3桁を超えておりませんので、そこそこといった所でしょうか。
一方「攻撃」は低く、どのようなシャンデラであってもあまり伸びないことが分かります。
このような「能力の伸びやすさ」、「どれが伸びやすいか伸びにくいか」の目安となるのが「種族値」でございます。


また、「種類ごと」に決まっておりますので、「進化」しますともちろん種族値は変化致します。
例えばシャンデラの進化前でありますヒトモシ、ランプラーの種族値を見て参りましょう。

 ヒトモシ:HP50-攻撃30-防御55-特攻65-特防55-素早さ20
 ランプラー:HP60-攻撃40-防御60-特攻95-特防60-素早さ55

上がヒトモシ、下がランプラーとなっております。
見てみますと、進化するごとに「特攻」を中心として種族値が上がっているのがお分かり頂けるかと思われます。
とはいいましても、中にはランプラーからシャンデラに進化した際の「HP」のように上がらないものや、

 カブルモ:HP50-攻撃75-防御45-特攻40-特防45-素早さ60
 シュバルゴ:HP70-攻撃135-防御105-特攻60-特防105-素早さ20

上記、カブルモからシュバルゴに進化する際の「素早さ」のように下がってしまうものもございます。
種族値が下がってしまった場合、勿論能力も下がってしまいます。


進化ではなくとも「フォルムチェンジ」という、形態が変わることによって種族値が変わる場合もございます。
例えば特性が「ダルマモード」のヒヒダルマは、ダルマモードになった瞬間に能力が変化致します。

 ヒヒダルマ(通常):HP105-攻撃140-防御55-特攻30-特防55-素早さ95
 ヒヒダルマ(ダルマモード):HP105-攻撃30-防御105-特攻140-特防105-素早さ55

見てみますと、フォルムチェンジした瞬間「攻撃」と「特攻」の高さが大きく入れ替わりますね。
それと引き換えに素早さが低くなり、フォルムが変わった途端に鈍足になることが分かります。


以上のような性質がございますので、よく迷信で言われますような「何レベルで進化した方が能力が高くなる」等と言ったことは全くございません。
進化によって能力の値が変化するのは「種族値」だけで、それ以外は一切増えたり減ったり致しません。
ですので、同じ条件であればいつ進化させても同じ能力となります。


また、種族値はサブウェイのダイヤのように予め決められておりますので、覆すことは絶対にできません。
そして、予め決められていることから、時刻表のような「一覧表」がございます。
その「一覧表」は、例えば次のようなサイト様に置かれております。

「ポケモンの友」様:http://pokemon.maruamyu.net/data/status.html
「ポケモン徹底攻略」様:http://bw.yakkun.com/zukan/syuzoku_list.htm
「トレーナー天国」様:http://trainer.geo.jp/bw/data.html

この他様々なサイト様に置かれております。
先ほどもちらりと申し上げましたが、「種族値が3桁を超えていれば、その能力は高い」とされております。
さて、貴方のお好きなポケモンの種族値はいかがでしょうか?

余談ですが、6つの数字から成り立っておりますので、覚えようと思えば覚えることも可能でございます。中には大半の種族値を丸暗記してしまう酔狂な方もいらっしゃいます。
わ、わたくしですか?
そうですね、シャンデラの種族値くらいでしたら暗唱可能でございます。



次の停車駅は「個体値」、「個体値」でございます。


【4号車 「個体値」とは? その1】

「個体」の「値」、つまり何かと申しますと、「ポケモン1匹ごとに決められた『素質』ないし『才能』のこと」でございます。
「素質」や「才能」と言いましてもあまりピンと来ないかと思われますので、実例を挙げて説明致しましょう。


例えば、レベルと性格が同じ2匹のポケモンを捕まえてみましょう。
低いレベルですとあまり分からないかと思われますが、そうですね、タワーオブヘブンに行きましてヒトモシなど捕まえてみるとよいかと思われます。
同じ性格のポケモンが中々捕まらない時は、そうですね、特性「シンクロ」のポケモンを先頭にしてみましょう。そうすれば同じ性格のポケモンが集まりやすくなります。




実際に捕まえた個体がこちらに2匹ございます。
するといかがでしょう、2匹の能力、微妙に差がございますでしょう?
種族値は当然、同じヒトモシという種類のポケモンであれば同じはずなのに、何故能力の差が存在するのか。
そうです、「同じポケモンでも捕まえた時に能力の差がある」ことこそが、正に「個体値に差がある」ということなのでございます。


この「個体値」、「HP」から「素早さ」までの6つの能力にそれぞれ「0から31まで32段階の値」が決められております。
個体値が高ければ高いほど、能力は勿論高くなります。
例えば、捕まえたポケモンが次のような個体値であったとしましょう。

 HP12-攻撃0-防御31-特攻15-特防6-素早さ21

見てみますと、「防御」の個体値が最も高いですね。最高値である「31」となっております。同じ種類の他のポケモンよりも「防御」がよく伸びます。
次いで「素早さ」、「特攻」、「HP」、「特防」、「攻撃」と続きます。
「攻撃」は何と0……最低値でございます。同じ種類の他のポケモンよりも「攻撃」は伸びません。
このような、「生まれ持った能力の強さ」が個体値なのでございます。


さて、この「個体値」は、ポケモンバトルを志す方達の間では「こだわらなければならぬ値」と言われております。
確かに「種族値」と比べますと最高で31しかございませんので、微々たる差ではございますが、
個体値0と個体値31とでは、レベル50でしたら15、レベル100にもなると32もの能力の差が出てしまいます。
「攻撃」や「特攻」が1低いだけで倒せるはずの相手が倒せない。「防御」、「特防」、「HP」が1低いだけで倒されないはずの攻撃で倒されてしまう。
ポケモンバトルではこのようなことが往々にして起こりえるシビアな世界でございます。

そこまで極端でなくとも、そうですね、分かりやすい所でいいますと、相手よりも「素早さ」がほんの僅か1低いだけで、バトルにおいて後手に回ってしまいます。
もし同種のポケモン、そうでなくても、「素早さ」の種族値が同じ値のポケモン、例えばシャンデラでしたら「素早さ」は80ですので、「素早さ」の種族値が同じ値のポケモンですとサーナイトやトゲキッス等が当てはまります。
このようなポケモン達にバトルにおいて先手を取らなければならないのであれば、「素早さ」の個体値をなるべく高くしなければならないのでございます。

以上のような現象が起こりうることを考えますと、個体値は「高ければ高いほどよい」、「できれば最高個体値で揃えたい」、そう考えるのは至極当然のことでございます。
その為、ポケモンバトルを志す方達は高い個体値を目指して日々ポケモン達を選定しているのでございます。


さて、この「個体値」は1匹1匹ごとに決められておりますが、当然目に見えるものではなく、
お知りになりたいのであれば自らの手で調べなくてはなりません。
しかしながら、個体値を調べるには、山道を走るトレインのように相応の準備をしなくてはなりません。
従いまして、また後ほど、詳しく解説をさせて頂きます。


なおこの「個体値」は、生まれながらに持っている値でございます。
ポケモンを捕まえた時に、もしくはタマゴ等で人から貰う時に既に決まっており、変化することはございません。
言ってみればサブウェイを走るトレインの車体のようなものでございます。
同じ形式の車体でございましても、例えばスピードが出しやすいもの、座席の座り心地がよいもの、空調設備が優れているものなど、様々な特徴がございます。
従いまして、例えば個体値がとても低いポケモンをお持ちであったとしても、もっと個体値の高いポケモンが欲しい時には、
新たに捕まえるか、タマゴ等で人から貰うかしかございません。

かつ、「とある1匹がどのような個体値になるか」は「ランダム」となっております。能力の要素の中で数少ない「ランダム」な要素でございます。
従いまして「同じ個体値のポケモン」といいますのは通常ではほぼ会うことが叶いません。


なお当トレイン、この「個体値」にて少々停車を致します。


【5号車 「個体値」とは? その2】

さて、いささか脱線したお話にはなりますが、「個体値」の表記方法には何種類かございます。
先ほど記しました、

 HP12-攻撃0-防御31-特攻15-特防6-素早さ21
こちらですと、数字と文字が混ざってしまい入力が大変に煩わしくなっております。従いまして、文字を取りました

 12-0-31-15-6-21

こちらか、もしくは「HABCDS方式」と申しまして、「ポケモンの能力」の6つの項目、「HP」から「素早さ」を簡略化し、
「HP」と「素早さ」はそれぞれ英訳の「Hit Point」「Speed」の頭文字を取り「H」と「S」、それ以外は「A」から「D」までを順番に当てはめることで、
「HP=H」「攻撃=A」「防御=B」「特攻=C」「特防=D」「素早さ=S」と、このような置き換えがお客様の間で流行しております。
それにのっとりまして、

 H12-A0-B31-C15-D6-S21

以上のような表記が一般的となっております。


ところで、「ポケモンバトルを志す方達は個体値にこだわる」と申し上げました。
そのような方達におかれまして、例えば高い個体値だけを記したい、といった場合がありますでしょう。
その際に、「32進数」を使い手早く個体値を記すことがございます。
「32進数」とは何かと申しますと、1~9までを普通に記し、「10」を「A」、「11」を「B」と置き換えて、そのままアルファベットを続けまして、「30」を「U」、「31」を「V」と記すものでございます。
このうち10~29は滅多に使われることはございませんが、「30」を表します「U」と「31」を表します「V」は大変に広く使われております。

従いまして、先ほどのポケモンの個体値を、

 H12-A0-BV-C15-D6-S21

このように表記するか、もしくは、

 BV

と簡略化致しまして、「防御」の個体値が「31」であることのみ記す、という場合もございます。
上記の法則によりますと、「攻撃」が「30」ですと「AU」、「特防」が「31」ですと「DV」、「特攻」と「素早さ」が共に「31」ですと「CSV」と、このような表記が可能でございます。
……別の意味を背負っている単語がいくつかございますが、ポケモン界隈ではこのような意味でございます。

しかしながら、これらは飽くまでスラングでございます。車内での携帯電話御使用の際と同様、他のお客様のご迷惑にならぬようにお使い下さいますよう、お願い申し上げます。
(それにしましても、いちいち「特攻と素早さの個体値が31である」と書かずとも「CSV」と書くだけで意味が分かってしまうのですから、略称というのは大変に恐ろしいものでございます……)


さて、本線に戻ると致しましょう。
この「個体値」ですが、能力の数値以外にも次のものに影響を及ぼします。

 〔1〕個性
 〔2〕技「めざめるパワー」のタイプと威力

〔1〕の「個性」は何かと申しますと、ポケモンのステータスを確認する際「性格」の下に例えば「あばれることがすき」「こうきしんがつよい」等のコメントがあるかと存じます。
このようなコメントを公式的には「個性」と呼んでいるのでございます。
この「個性」は、実は「個体値」によって決まりまして、「6つの中で最も高い個体値」と「最も高い個体値が存在する能力」を表しております。
具体的には「最も高い個体値を5で割った余り」によって決まり、それが6つの能力それぞれに存在しますので合計30種類の個性が存在致します。

「個性」と「最も高い個体値を5で割った余り」との関係は、次の通りとなります。




例えば「きがつよい」という個性をお持ちのポケモンですと、そのポケモンの個体値が最も高いのは「特防」で、かつ「5の倍数で割った余りが0」、つまり「0,5,10,15,20,25,30のどれか」であることが分かります。
また、先ほどの、

 HP12-攻撃0-防御31-特攻15-特防6-素早さ21

このポケモンの個性は何かと申し上げますと、「防御」の個体値が最も高く、かつ「31」ですので5で割った余りは「1」となり、
従いまして「うたれづよい」であることが分かります。


さて、何故こちらの表で「1」が一番上であるのかと申し上げますと、最高個体値が「31」である場合、余りは「1」ですので、
必ず「ひるねをよくする」「あばれることがすき」「うたれづよい」「イタズラがすき」「ちょっぴりみえっぱり」「ものおとにびんかん」の個性になるからでございます。
言い換えてしまえばポケモンバトルを志す方達が使いこなすポケモン達は、ほぼ必ず上記の個性となっているのでございます……。

但し、飽くまで上記の6つは「31である可能性がある」というだけでして、例えば26が最高個体値である場合でも上記の個性となります。
そこをどうかお間違えのないよう、お気を付け下さいませ。


〔2〕の「めざめるパワー」のタイプと威力、こちらですが、「個体値の組み合わせ」によってタイプと威力が変動致します。
ですが当トレインは「めざめるパワー」には停車致しません。隣のホームに参ります「めざめるパワー」行きにお乗換え下さい。
(といいますのも中身が大変に複雑なのでございます。従いましてこの段階では、「めざめるパワー」は個体値によって決まる、ということだけ覚えておいてくださいまし)


さて、先ほど「ポケモンバトルを志す方達は個体値にこだわる」と申し上げました。
とはいいましても野生のポケモンを何匹も捕まえて1匹1匹選別するのは大変に面倒な作業でございます。遠出するのに各駅停車に乗るようなものでございます。

ではどのようにすればよいのかと申し上げますと、
実は「タマゴを孵化した際、預けたポケモンの個体値の幾つかがタマゴに継承される」という現象が発見されております。
そうです、1つでもよいので最高能力である「31」が見つかりましたら、そのポケモンを育て屋に預けタマゴを作ることで、タマゴから生まれたポケモンがその「31」を継承させることができるのでございます!
このようにして「31」を増やしていけば、最終的に大変高い個体値のポケモンを見つけることができるのでございます!
(といいましても、例えば「HPの個体値が31であるポケモン」を預けることで、見つかったタマゴに「31」が、例えば特攻に継承される、ということではございません。
飽くまで「HPの個体値31」が継承される可能性がある、という意味ですので、勘違いなさらぬようお気を付け下さいまし)

また、最も多くのポケモンとタマゴが作れるポケモンが1匹おりますでしょう。そう、メタモンでございます。
このメタモンの個体値が高ければ高いほど、育て屋に預けた時作られたタマゴの個体値が高くなりやすいのでございます。

以上の理由から、「ポケモンバトルを志す方達」は個体値にこだわる為に、
「メタモンを捕まえ、その能力を選別し高い個体値のものだけを残す」こと、「まるで廃人の如く3番道路を往復しタマゴを受け取りポケモンを孵し続ける」こと、
この2つの作業をひたすらに繰り返すのでございます。
「ポケモンバトルは一日にして成らず」とは、よく言ったものでございます……。


さて、当トレイン間もなく発車となります。ご乗車になりましてお待ち下さい。
次の停車駅は「努力値」、「努力値」でございます。


【6号車 「努力値」とは? その1】

「努力」の「値」、つまり何かと申しますと、「バトル等によって能力がどう鍛えられたか、どのように育ったか」を数値化したものでございます。
ポケモンの種類ごとの特徴が「種族値」、生まれつきの特徴が「個体値」であるなら、「努力値」は「生まれた後の育ち」と表現することができますでしょう。
人間でも「氏より育ち」とよく言いますように、「育て方」は大変重要な項目でございます。
ポケモンはどのようにして育つのかを、一緒に見ていくことに致しましょう。


よく「ポケモンはバトルを重ねると強くなる」と言われますが、「努力値」とは正にその現象自体のことでございます。バトルを行うことによって努力値を得まして、それを何度も繰り返すことで強くなっていくのでございます。
例えば、野生でもトレーナーでも構いませんが、相手のポケモンを倒したとします。その際に経験値を貰うことができますでしょう。
実はその際に、目には見えませんが「努力値」も貰うことができるのです。
そう、努力値をくれるのは「相手のポケモン」なのでございます。「弱肉強食」とはよく言ったものでございます……。

(但し、こちらバトルサブウェイのポケモン達や、同じライモンにございますトライアルハウスのポケモン達に関しましては、倒しても努力値が入ることはございません。ご注意ください)

「相手のポケモン」が努力値をくれますので、努力値の中身は「相手のポケモン」の種類によって異なります。
貰える経験値の多さがポケモンごとによって異なるのと同じようなものと考えて頂ければ分かりやすいかと思われます。
但し、経験値と異なり努力値は「相手や自分のレベル、バトルに参加していたポケモンの数によって獲得できる値は変動致しません」。
別の条件によって変動することはございますが、例えば誰かに「がくしゅうそうち」を持たせていた場合貰える努力値が半減する、等と言ったことは起こらないのでございます。

別の言い方を行えば、「努力値」とは「今までに積んできたバトルの経験がどのようなものであったかを示す値」である、という解釈もできますでしょう。
「素早さ」の高いポケモンをどれだけ倒したか、「攻撃」が高いポケモンをどれだけ倒したか、このようなものと考えて頂いてもよいでしょう。


さて、実際に貰える努力値の中身ですが、ポケモンの種類ごとに「各能力どれか1~3つに対して+1~+3」の値を貰うことができます。
例を挙げますと、

 ▲ポケモンを倒した時に貰える努力値の例(数値は貰える数)
  ミネズミ:攻撃+1
  ヨーテリー:攻撃+1
  ヒトモシ:特攻+1
  レシラム:特攻+3
  ゼクロム:攻撃+3
  キュレム:HP、攻撃、特攻それぞれ+1

上記の通り、基本的にそのポケモンの種族値の中で最も高いポケモンの努力値を得ることができる、と考えて下さって差し支えございません。
それにしても何とミネズミやヨーテリーを3匹倒すだけでゼクロム1匹分の努力値を貰うことができてしまいます。全くもって興味深い現象でございます。
何が言いたいのかと申しますと、無理して強いポケモンと戦わず、弱いポケモンと戦い着実に努力値を稼いだ方が賢明、ということでございます。
たとえどんなに強くても「多くて3」しか貰うことができません。


さて、この「努力値」には上記以外にも独特の性質がございます。
まず、手に入れた(捕まえる、タマゴから孵す、他人との通信以外で貰う)直後のポケモンの努力値は0となっております。
この状態で例えば「ふしぎなアメ」をあげたり、育て屋に預けっぱなしにしてしまうと、努力値0のまま高いレベルになってしまいます。
あくまで「自分で鍛えて初めて努力値が入る」ようになっておりますのでご注意下さい。

次に、先ほども申し上げましたが、バトル中のポケモンチェンジや「がくしゅうそうち」などによって経験値が減少した場合でも、貰える努力値が減少することはございません。
バトルに参加していなくても「がくしゅうそうち」を持たせてあれば、ポケモンを倒した瞬間に貰うことができます。
つまり、手持ちの3匹に「がくしゅうそうち」を持たせた状態で1匹のポケモンがミネズミを倒した時には、直接倒した1匹と「がくしゅうそうち」を持たせた3匹それぞれに「攻撃」の努力値が「1」入ります。

また、あくまでも「倒したポケモン」によって決まりますので、倒した相手のレベルが高かろうが低かろうが、倒した種族が同じであれば貰える努力値は変化致しません。
つまり、例えばどのようなレベルのミネズミを倒そうが、2だろうが3だろうが8だろうが9だろうが、倒した時に貰える努力値は一律「攻撃」に「1」でございます。


更に申し上げますと、
努力値は「1」入れただけでは能力に反映されまず、「4」入って初めて反映されます。
これは後ほど触れますが、いくら努力値をたくさん入れても、「4の倍数」ぶんしか反映されません。

例えば「74」の努力値を入れたとしましょう。
これを4で割ると「18あまり2」でございます。つまり「72」ぶんだけ反映され、残りの2は反映されません。
ですので、もし自分で努力値を入れたいとお思いになった場合、必ず「4の倍数」にしないと、無駄が出てきてしまいます。

また、ポケモンを鍛えるのには限界がございます。つまり「努力値」には限度が存在致します。
1つの能力、「HP」から「素早さ」それぞれに対して「255」まで、1匹のポケモン全体では「510」までしか入れることができません。
つまり1匹につき、限界まで鍛えることができる能力は「2つまで」となっております。

(補足と致しましては、
 「255」を4で割ると「63あまり3」でございます。「252」ぶんまでが反映され、残りの3は反映されません。
 つまり、上記2つの制約の関係上、「255まで」とは申し上げましたが、実際に反映されるのは「252」までとなります)


とはいいますものの、上記の性質を踏まえますと、
例えば「ミネズミやヨーテリーばかりを倒す」ことで「攻撃」を物凄く鍛えることが可能ですし、
「ヒトモシばかりを倒す」ことで「特攻」を物凄く鍛えることも可能なのです。
つまりは、「1つの能力につき最大255、1匹につき最大510」というルールを守りさえすれば、どのように育てることもできてしまいます。

2つまで最大にできますので、例えばクダリの使いますアーケオスは、素早くかつ物理攻撃に長けることから、「攻撃」と「素早さ」を極限まで鍛えることで、速攻物理攻撃役として活躍しております。

(アーケオス:HP75-攻撃140-防御65-特攻112-特防65-素早さ110
+攻撃255-素早さ255)

また同じくクダリの使いますシビルドンは、素早くないものの物理攻撃、特殊攻撃に長けております。
ここからクダリは特殊攻撃を使わせることを選び、素早くなくとも攻撃を耐えてから特殊攻撃で反撃する、という育成方針から、「HP」と「特攻」を極限まで鍛えることで、ある程度の耐久を持った特殊攻撃役として活躍しております。

(シビルドン:HP85-攻撃115-防御80-特攻105-特防80-素早さ50
+HP255-特攻255)

このように、「努力値」は「自分である程度操作することができる」値であることがお分かり頂けるでしょう。
トレインで言い換えますと、「努力値」はわたくしども車掌、ないし運転士のような存在にございます。
車掌や運転士のでき一つでトレインを安全かつ快適に御利用頂けるかどうかが全て決まってしまうのです。つまりは我々の力量が試されるのでございます。
自由である分責任も大変重大でございます。よく考えてポケモンを鍛えて下さいまし……。
努力値の詳しい鍛え方につきましては、こちらもまた、後ほどご紹介させて頂きます。


(これは余談になりますが、
 1匹のポケモンに「努力値」をこれ以上入れることができなくなった時、「ソウリュウシティのポケモンセンター北の民家に住んでいる女性」に話しかけると「ものすごく がんばったのね!」と言われます。
 そのように言われたポケモンに対しては努力値を入れることができませんので、これ以上鍛える為に弱いポケモンを倒さなくてもよいのです。
 冒険のお供として戦ってこられましたポケモン達は大半がこのような状態になっているかと思われますので、それ以上鍛える必要は恐らくないでしょう)


勿論、この値も目に見えるものではございません。従いまして自分の手で1つ1つ数えなくてはいけません。
ポケモンを倒した際に技のPPが減りますので、そちらで確認するのが最も分かりやすいかと思われます。
なおこちらにも「このポケモンを倒した時に貰える努力値とその量」の一覧がございます。
以下のサイトにてご確認下さい。

 「ポケモンの友」様:http://pokemon.maruamyu.net/data/status_exp.html
 「ポケモン徹底攻略」様:http://bw.yakkun.com/zukan/doryoku_list.htm
 「トレーナー天国」様:http://trainer.geo.jp/bw/data.html


ちなみにですが、イッシュ地方ではあらゆるレベルで努力値を得ることが可能となっております。
ところが、イッシュ以外のカントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ等の地方ではレベル100になると努力値を得ることができなくなっております。
地方によって差がございますのでくれぐれもご注意ください。


なお当トレイン、この「努力値」におきましても少々停車を致します。


【7号車 「努力値」とは? その2】

さて、「努力値」ですが、基本と致しましてはバトルによって得ることができます。
しかしながら、バトルによらずとも得ることができる方法がいくつかございます。


まず1つは、「マックスアップ」「タウリン」「ブロムヘキシン」「リゾチウム」「キトサン」「インドメタシン」の6つのアイテムでございます。
これらは時に「ドーピングアイテム」とも呼ばれます。
それぞれ「HP」「攻撃」「防御」「特攻」「特防」「素早さ」の「基礎ポイント」を上げるアイテム、として紹介されておりますが、これは実は「努力値を上げるアイテム」なのでございます。

こちらをポケモンに投与致しますと、何と!一気に「10」の努力値を該当する能力に入れることができるのです。例えば「タウリン」でしたらミネズミヨーテリー10匹分に相当致します。
そう、これをポケモンに投与致しますことで、育成の時間短縮ができるのでございます。

とはいいましてもこのアイテム、1つの能力につき最大10個まで、努力値に致しまして「100」までしか投与できなくなっております。
(たとえ努力値99のポケモンに上記のアイテムを使いましても、「109」にはならず「100」になってしまいます……)
例えば限界である252を入れたい時でも、残り152は御自身の手で入れなくてはなりません。ご了承下さい。

また、ライモンを東西に走ります「ホドモエの跳ね橋」、「ワンダーブリッジ」を歩いておりますと、様々な「ハネ」を手に入れることができます。
それぞれ「たいりょくのハネ」「きんりょくのハネ」「ていこうのハネ」「ちりょくのハネ」「せいしんのハネ」「しゅんぱつのハネ」の6つにございますが、
こちらもドーピングアイテムと同様に、投与することで「努力値」を上げることができるようになっております。

それぞれ、「HP」「攻撃」「防御」「特攻」「特防」「素早さ」の努力値を上げることができまして、こちらは何と100までの制限はございません!255まで使い切ることが可能となっております!
…………とはいいましても、「1」ずつしか上げることができず、入手性はあまりよくありません。飽くまで保険として考えて頂ければと思います。

次に紹介致しますアイテムは、何と努力値を「下げることができる」アイテムにございます。
「ザロクのみ」「ネコブのみ」「タポルのみ」「ロメのみ」「ウブのみ」「マトマのみ」の6種類にございます。
これらをポケモンに投与致しますと、それぞれ「HP」「攻撃」「防御」「特攻」「特防」「素早さ」の努力値を「10」下げることができるのです。
これによりまして、例えば入れるべき努力値を間違えてしまっても修正することが可能となります。

…………とはいいましても、「ドリームワールド」に行くか「ぐるぐるタマゴ」なるミニゲームを行わない限り、これらのアイテムは手に入りません。
これらを行えるような状態にないお客様は、そうですね、努力値を修正したい場合はお友達様に頼むのが恐らく最も早いでしょうか。
早くイッシュ地方でも木の実の栽培が行えるとよいのですが……。

またこちらのアイテム、地方によって若干仕様が異なっているようでございまして、
イッシュ地方やホウエン地方ではどのような努力値であっても「10」ずつ下がりますが、
シンオウ、カントー、ジョウト地方におきましては「努力値が110以上の時にこれらのアイテムを投与致しますと、一気に100に戻ってしまう」のでございます……。
これらの地方でポケモンを育てたい際にはどうかお気を付け下さい。


更には、バトル中に貰える努力値が変化するアイテムがございますが、こちらはまた後ほど、努力値を実際にどのように活用したらよいのか解説を致す際に、一緒にご案内させて頂きます。


大変長らくお待たせを致しました、当トレインも間もなく発車となります。ご乗車になりましてお待ち下さい。
さて、3つの「値」のご紹介が終わりましたが、実はもう1つ、能力に関わる大事な要素がございます。
それが次の停車駅、「性格」でございます。


【8号車 「性格」と能力への影響】

ポケモンの能力に影響する要素のなかで、数少ない「目に見えるステータス」がこの「性格」でございます。
25種類の性格のうち、能力に影響のない「がんばりや」「すなお」「てれや」「まじめ」「きまぐれ」を除きまして、
20種類の性格には「伸びやすくなる能力」と「伸びにくくなる能力」がございます。

これは先の「個体値」とは全く関係なく設定されておりまして、そうですね、人間でたとえますと、
音楽の才能があるにもかかわらず音楽が嫌いだったという人の場合いかがでしょう?その音楽の才能は伸びないままとなってしまうでしょう。
このように個体値と性格が一致するとは必ずしも限らないのでございます……。

また、性格におけます能力の上昇は通常の1.1倍、能力の下降は通常の0.9倍となっております。
たかが1.1倍されど1.1倍で、種族値等の値が近ければ高低が逆転してしまうことも少なくありません。
こちらが、性格による能力値の対応表となっております。




例えば「いじっぱり」な性格ですと、「攻撃」が1.1倍、「特攻」が0.9倍されることになります。


勿論、ポケモンバトルを志す方達にとってみればこの「性格」は大事な要素でございます。
よく伸びる能力に上昇する性格が噛み合えば、更に強くなること間違いございません。
勿論短所を補うという場合もありますでしょう、ですが基本と致しましてはやはり「長所を更に伸ばせる性格」を選びたいと考えるものでございます。
例えば、またこのポケモンの例で恐縮ですがシャンデラを見てみることに致しましょう。

 HP60-攻撃55-防御90-特攻145-特防90-素早さ80

シャンデラは、種族値からしても特攻が大変に高いということはお分かり頂けるでしょう。
この特攻を更に伸ばすのであれば、「特攻」が上昇する「ひかえめ」「れいせい」「うっかりや」「おっとり」のいずれかの性格であればよい、ということになります。
その中でも、物理攻撃を一切使わないであろうので、不要な「攻撃」が下がる「ひかえめ」が理想的である、ということになるでしょう。
人によりましては、中途半端な「素早さ」を補うべく「おくびょう」にしたり、逆にその中途さから「れいせい」を選び素早さが反転する「トリックルーム」と合わせて使う方もいらっしゃるようです。

そうです、ポケモン育成はます性格を選ぶ所から始まるのでございます……。


さて、望みの性格を得るにはどのように致せばよいのか?といえば、答えは案外簡単でございます。

「シンクロ」という特性がございまして、この特性のポケモンを先頭に置くことで、出現した野生ポケモンの性格が5割の確率で「シンクロ」の特性を持つポケモンと同じになるのでございます。
孵化の場合ですと、「かわらずのいし」というアイテムがございます。これを預ける際にポケモンに持たせますことで、同じく5割の確率で生まれたポケモンが「かわらずのいし」を持ったポケモンの性格を引き継ぐのでございます。
上記2つをうまく使いまして、欲しい性格を望みのポケモンに何とか繋げていきましょう。バトル向きの性格を保有したメタモンを孵化に使うのもよいでしょう。

……望みの性格自体が手元にいない?その場合は頑張ってポケモンを捕まえて下さいまし。


なおこの「性格」も、途中で変化することはございません。普通にポケモンを育てていてもお気づきかとは思いますが……。
かつ、「とある1匹がどのような性格になるか」は個体値と同様「ランダム」となっております。お気を付け下さいませ。


さて、お待たせ致しました。次の停車駅は、「能力の計算式」、「能力の計算式」でございます。


【9号車 能力の計算式】

さて、以上の要素が具体的にどのように能力に関わっているのか、見ていくことに致しましょう。
そうです、皆様お待ちかねの「能力の計算式」でございます。

ポケモンの能力の計算式は、以下の通りとなっております。


 ▲「HP」の式
 (種族値×2+個体値+努力値÷4)×レベル÷100+レベル+10
 ▲「攻撃」「防御」「特攻」「特防」「素早さ」の式
 {(種族値×2+個体値+努力値÷4)×レベル÷100+5}×性格補正〔上昇1.1、下降0.9、それ以外は1〕
 (但し小数点は「出るたびに全て切り捨て」される)


HPとそれ以外とでは計算式が異なりますが、
「(種族値×2+個体値+努力値÷4)×Lv÷100」
の部分は共通して存在しておりますので、基礎となる部分は同じであることがお分かり頂けると思われます。


見てみますと「種族値」は2倍されております。
高い種族値であればより高くなりますので、「種類ごとの能力の特徴」であることが更に分かりやすくなるかと思われます。

一方で「個体値」はそのまま足されます。
最高で「31」ですので種族値に比べれば影響はそこまで大きくはありませんが、先ほど申し上げました通り「1の差でも勝負が変わります」ので気を抜いてはなりません。

「努力値」は何と1/4されております。また「小数点以下は切り捨て」となっておりますので、1、2、3のあまりが出てしまっても反映されません。
先ほど「4の倍数ぶんしか反映されない」と申し上げたのは、このためでございます。

(更に申し上げますと、1匹に入れることのできる努力値の最大値「510」も同様に4で割りますと、「510/4=127あまり2」となり、あまりの「2」は、能力の反映されることはございません。
 そうです、先ほど「努力値」の説明の際最大「510」まで、とは申し上げましたが、こちらも反映されますのは「508」までとなっております。余りの「2」はただ入るだけで能力に影響することはございません……)

「性格」は、先ほども申しあげました通り「HP」以外に影響を及ぼします。
かつ、見てみますと「上記要素などを全て計算し終わった能力を1.1倍、ないし0.9倍」しますので、影響力は実は「個体値」よりも甚大でございます。トレインの乗り換えのように、育てるポケモンの性格はお間違えのないよう、十分ご注意下さい。

また、「ポケモンのレベル」も能力に影響していることが分かります。
大きく関わりますのが「レベル÷100」の部分でございます。他の値が変動していないのにレベルが上がるたびに能力が上昇しますのは、レベルが上がることによって「レベル÷100」の分子が増えているからでございます。
また、例えばサブウェイ公式ルールでございます「50」を入れてみますとちょうど「1/2」となります。
つまりサブウェイで戦う際は、「種族値」はそのままの値に、以下「個体値」は1/2に、「努力値」は1/8にされたものが能力に反映されることが分かります。


これ以外の要素につきましては、ポケモンの能力に影響することがございません。
例えば「性別」や「特性」といったものは能力の数値には何の影響も及ぼしません。
(「すなかき」や「とうそうしん」のように、能力の数値の「扱い」が特性によって高くなったり低くなったりすることはございますが、
 「特定の特性の時に能力の数値自体が高くなる」等といったことはない、ということです)


なお、ここで上記の計算式に当てはまらない事例がたった1つだけございます。
「ヌケニン」といいまして、抜け殻のような見た目をしてホウエン地方を中心に生息しておりますツチニンの進化形のポケモンでございますが、このポケモンの「HP」は、上記の計算式には当てはまらず「常に『1』」となっております。個体値が高かろうが努力値を入れようがレベルを上げようが増えたりすることはございません!
この「ヌケニンのHP」を除きましては、全てのポケモンのすべての能力が上記の計算式に当てはまります。


さて、この計算式に基づき各値がどのように加わるのかを、例を挙げまして説明すると致しましょう。
例えば先の計算式に、

 個体値:HP31-攻撃18-防御26-特攻31-特防23-素早さ31
 努力値:HP4-攻撃0-防御0-特攻252-特防0-素早さ252
 性格:おくびょう

このようなシャンデラを当てはめますと、

 能力:HP136-攻撃62-防御108-特攻197-特防106-素早さ145

と、計算によって実際の能力が出てくるようになっております。

とはいえ、計算式ですので多少苦手な方もいらっしゃいますでしょうか……。
ご安心ください、「この計算式を必ず覚えなくてはいけない」といった類のものではございません。少なくとも「計算式がある」ということだけ覚えて下されば幸いです。



さて、ここでご乗車の皆様にお知らせがございます。
前を走りますトレイン、現在急病人看護の為前の駅にて停車をしております。
運転間隔を空けます為このトレイン当駅にてもう少々停車をさせて頂きます。
お客様にはご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。


……まったく、クダリは一体どのような教え方を……あ、失礼致しました。何でもございません。




最終更新:2016年02月14日 17:45