執筆時期:2011年11月~2012年2月 著:高宮 毅彦
元々pixivに上げていたもの(現在は公開停止)を一部を改訂してこちらに公開。
機会があればそちらで再度公開するかもしれない。
なお、この文章はBW時代に書かれたもの為、現在とはやや異なることに注意されたし。
特別トレイン「ポケモンの能力の仕組み」支線 孵化実演ライン
(執筆者:空時さん)
【◆0番道路 ― はしがき】
1に根性、2に運ときて…3、4は飛ぶんだったかな?でも結局5も運。
そんな実力総無視の孵化の世界へ足を踏み入れたい方々がいるとか、そんな話を聞いたのが数日前の話。
こんにちは、初めまして。ノボリさんから紹介を頂きました、とあるブリーダー志望のトレーナーです。
普通に一般のトレーナーだから、名乗るのは止めておきますね。
たまたまトレインに挑戦に来ていたら、ジャッジさんを通してノボリさんから今回の件をお願いされてしまったので、
僕でいいのか分からないけど一緒に走っているウルガモスと、孵化のイロハを手解き……というほどでもないけど……をさせてもらおうと思います。
……あ、先に断っておくけれど。
孵化のスペシャリストなんて大層な呼ばれ方をしているけど、皆と同じ、ただのタマゴを孵して、育てるのが好きなだけのトレーナーです。
実際僕の仲間たちは優秀だから、実績には自信はあるんだけどね。
ノボリさんはとても立ててくれたけれど、あくまで参考程度に聞いてもらえたら嬉しいです。
それでは、ノボリさんみたいに言葉が綺麗じゃないけれど、孵化のイロハを教えさせて頂きます。
出発、進行ー!……で、いいのかな……?
【◆1番道路 ― 孵化を始める前にやらなきゃいけないこと】
とりあえず『目的がある孵化』を始める時に、何もない状態からやるのは当然ながら無理なんだ。僕だって無理。
道具やポケモンなどの環境が最低限揃っていて、ようやく根性とかそういうものが関わってくるんだよね。
これを1から説明するのはかなり時間がかかるけど……さすがノボリさん。先にある程度説明してくれたから、それに沿っていきましょう。
まずは『どのポケモンを、どのように育てたいか?』を決めます。
今回育てるポケモンは……デンチュラなんですね。
ちょうど僕も育ててなかったし、せっかくだから実際に孵化をしてみましょう。
デンチュラ可愛いよねー、クダリさんも使ってるよね。
実は僕シビルドンも好きで、気がついたらクダリさんと同じポケモンばっかり育てていて……って僕の話はいいですね。ごめんなさい。
育成方針はノボリさんが決めてくれたから、そちらを参考にしましょう。
僕も今回手解きをするにあたって説明を受けたのですが、今回孵化すべきデンチュラ…の進化前のバチュルのスペックは、
せっかちorむじゃきバチュルACSふくがん
で間違いありませんね?
……って、あ!すいません!ついつい略語使っちゃった!
これじゃ一体どんな個体値のバチュルなのか分かりませんよね……!
えっと、せっかくだから説明しちゃいましょう。
ここから先僕の説明では、ステータスの正式名称、「攻撃」とか「防御」とかは一切使わないです。
ノボリさんが紹介してくれたHABCDSという表記を覚えていますか?「HP-攻撃-防御-特攻-特防-素早さ」の略称?みたいなもので、
全部この「HABCDS」で説明していきます。
孵化を説明していると、ステータスの名前を連呼しなきゃいけないので、一々「攻撃」「防御」だなんて言ってられません。主に僕が。
今後僕以外の孵化をしているトレーナーさんと関わることもあると思いますが、その時ほとんどの人がこのアルファベット表記を使っているでしょう。
その時のためにも今回で慣れちゃってください。
あと、これが一般的……かどうかは定かじゃないですが、
孵化した個体を表現するときに、より見やすくするために、要らない文字は極力削ってあることが多いです。
例えば大まかに性格、特性、VやUの箇所……つまり個体値31、30の場所が知りたい時なんかは、
「~な性格」「特性」「V」という文字を省いて、かつ個体値Vの場所をだけを大文字、Uの個所を小文字のアルファベットで表現することがあります。
具体的にどういうことかっていうと、ノボリさんが説明してくれた「CSVBU」を、こうしちゃうんです。
「bCS」
これだけで「CSが31、Bが30」であることが一目で分かるというわけです。
つまり、上の「せっかちorむじゃきバチュルACSふくがん」は、
「せっかちな性格」もしくは「むじゃきな性格」の特性「ふくがん」の「攻撃、特攻、素早さが31」のバチュル
という意味です。覚えておいてね。
さて、このバチュルを狙う為に孵化の準備をしていきましょう!
ここからは僕が実際にやっている作業を紹介していきます。しっかりついてきてね!
ある程度環境が揃っている人ならスルーしていく箇所もしっかりフォローしていくから、1から始める人も安心して下さいね。
今回は……性格の候補が「むじゃき」か「せっかち」の2つですね。2つ候補があるなら自分の感性で決めちゃっていいです。
僕は「せっかち」が好きなので「せっかち」な性格を狙うことにします。
なので、まずは「せっかち」なバチュルを準備しましょう。
といっても。
普通に孵化して「せっかち」が生まれるのを待っていたらいつまでも孵化は終わりません。
そして、ノボリさんが「『かわらずのいし』で性格を遺伝することがある」(声真似)……って言っていたの、覚えてますか?
そう、性格は遺伝させることができます。
つまり「せっかち」なポケモンが1匹でもいれば、そのポケモンを元手にして「せっかち」を多く孵化させることができるわけです。
あ、先に言っておかなきゃいけないことがあります。
ポケモンを用意(孵化)するとき「性格」「特性」「個体値」「遺伝技」の中で「性格」は一番重要です。どうしてか?
ノボリさんも話してくれたと思いますが、「素早さの個体値が高いのに性格で素早さが下がる!」なんてことになったら、うまく素早さが伸びませんよね?
性格は個体値よりも影響力が強いのです!いくら個体値がよくてもここが駄目だと全部台無しです。
孵化なら簡単に遺伝できるわけですし、性格は絶対に!絶っ対に!!妥協しないようにして下さいね。将来仲間になるポケモンのためにも。
というわけで、元手となる「せっかち」なバチュルをぽんっと用意できたらいいのですが、そう簡単にできたら苦労はしません。
電気石の洞穴でバチュルをたくさん捕獲して、その中から「せっかち」を探してもいいですが、
今回イロハを教えるにあたって、他のポケモンを孵化する時にも困らないようにする為に、ちょっと回り道をさせて下さいね。
バチュルじゃない別の「あるポケモン」を捕まえます。
その「あるポケモン」とはずばり、メタモンです。
メタモンはほぼすべてのポケモンに対応しているので、今後の為にもメタモンの方がいいでしょう。捕獲はちょっと大変ですが、がんばって!
というわけでメタモンを捕獲にいざ!ジャイアントホール!
……と行けたらよかったんですが、メタモンをいきなり捕まえようとしても、やっぱり性格はランダムのままです。ただでさえ捕まりにくいのに……。
じゃあどうすればいいのって?よくぞ聞いてくれました!
そこで手助けをしてくれるのが、ノボリさんが紹介してくれた「シンクロ」という特性です。
この特性は、パーティの先頭に置くと、「自分と同じ性格のポケモン」が出てきやすくなります。
なので、特性が「シンクロ」で「せっかち」な性格のポケモンを先に捕まえてから、そのポケモンを連れてジャイアントホールに行きましょう。
それでは!ここからやっと!実際に行動に出てみようか!喋るのも疲れちゃったよ……。
机の上の勉強よりも、外に出ることが大事!案ずるより産むがやすしって言うしね!
僕をお手本だと思って、これからの行動を追いかけてくれたらと思います。
余裕があれば一緒にやってみましょう。きっと一人でやるより楽しいからね。
【◆2番道路 ― せっかちなメタモンを手に入れる!】
それでは今から実践を開始します!僕も一からの孵化は久しぶりなのでわくわくしてます。
というわけで来ましたジャイアントホール!じゃなかった夢の跡地!
シンクロを手伝ってもらう仲間には、ムンナを選ぶことにしました。サンヨウシティから近くて一番捕まえやすいしね。
あ、「よちむ」や「テレパシー」は駄目ですよ?金曜日になると地下でムシャーナが寝てますが、あの子は「テレパシー」なので今回は要りません。
持ち物確認、クイックボールオッケー!目指すはせっかちシンクロ!出発進行ー!
――1時間後――
駄目だ!特性「よちむ」のムンナしか出てこない!!
よくあることなので仕方がないとはいえ、このままではスタートから進めません……。
あまりに時間をかけてもしょうがないから、ムンナを孵化してその中から「せっかち」を探すことにしましょう。
ここで「あれ?おかしいぞ?」って思う人もいるんじゃないかな?『孵化しても望みの性格が中々出ないのに何で孵化するの?』って。
でも、ここで孵化をしておけば特性「シンクロ」で色んな性格のムンナをゲットできるんですよ。
バチュルだと「せっかち」以外は逃がすしかないですよね?
けれどムンナの場合、「シンクロ」で例えば「いじっぱり」や「ひかえめ」が出たら、次のメタモンを探すのが楽になるでしょう?そういうことなんです。
「よちむ」は……さすがに逃がすしかないと思いますが……。
どのポケモンと預ければタマゴが見つかるかどうかの説明は……大丈夫ですよね?
ムンナは「陸上」グループだからムンナ♀と「陸上」グループの♂ならタマゴが見つかります。
既にメタモンがいるならムンナとメタモンを預けても大丈夫です。
というわけでレベオス、出番だよ!
……え?「レベオス」って誰だって?僕のウルガモスの名前です。
孵化のお手伝いはウルガモスが一番!ジャッジさんのいるライモンシティまでひとっ飛びできるし、ウルガモスの特性「ほのおのからだ」はタマゴが孵るのを速めてくれるんだよ。
一家に一匹ウルガモス!
……宣伝はこの辺にしておいて、早速孵化しましょう!
育て屋のおじいちゃん!来たよー!
――5分後――
生まれたよー!結構早かった!!
ムンナは孵化歩数が少ないからね。多分草むらを歩き回るより早いかも?
……実はというと、先に「『せっかち』な性格の『よちむ』ムンナ」が生まれたから「かわらずのいし」を持たせて「シンクロ」が生まれるのを待ったんだ。
「よちむ」も逃がさないでおくと有効活用できるね!
あ、そうそう、他の性格の「シンクロ」もちゃんと生まれたんだ。リスト化すると、
・ようき
・ずぶとい
……うん、案外少なかったね……「せっかち」が来るのが思ったより早かったから……。
けど、これで「ようき」と「ずぶとい」のメタモンはすぐに捕まえに行けるよね!
……あ、ごめんね。孵化が始まるとテンションが上がっちゃうんだ。気にしないで。
それじゃあ、生まれた「せっかち」ムンナには悪いけど、少しだけひんしになってもらって、
早速「せっかち」メタモンを探すことにしましょうか!やっとジャイアントホール行けるね、長かった……
(えっと、補足をしておくと、「シンクロ」はひんし状態でも先頭に置けば効果があるから、レベルが低ければひんしにした方が楽です)
ジャイアントホールに連れて行くポケモンは、さっきの「せっかち」ムンナと、捕獲が得意なポケモン、あとは好みで「そらをとぶ」が使えるポケモンかな?
出てくるポケモンのレベルが50~55だし、メタモン以外のポケモンからは逃げなきゃいけないから、なるべく捕獲が得意なポケモンはレベルの高い強いポケモンにしましょう。
あとは、手持ちのポケモンに「へんしん」されてもいいように、レベルの低い適当なポケモンを連れて行くのもいいです。捕獲が得意なポケモンに「へんしん」されて倒されたりすると大変だから……。
捕獲が得意なポケモンは、僕の場合はキノガッサを連れていきますが、もちろん他のポケモンでもいいです。
ノボリさんが説明してくれているはずだから、好みのポケモンを仲間にしてみましょう。捕獲が得意なポケモンはたくさんいるからね。
あ、「色の濃いくさむら」には入らないで下さいね?2匹メタモンが出てきたとしても1匹しか捕まえられないので。
とりあえず最初は……10匹くらいまとめて捕まえてみましょう。
捕まえたらボックスを確認して、「目的の性格のメタモン」と「目的の性格ではないけれど、個体値Vの可能性がある個性を持ったメタモン」だけ手元に残しましょう。
メタモンは色んなポケモンと預けてタマゴを見つけることができるので、Vを持っているとVが次々に遺伝します。
もしVなら個体値「だけ」を遺伝させる時に使えるので、「目的の性格のメタモン」と一緒にジャッジさんに見て貰いましょう。
個体値Vの可能性がある個性はノボリさんの解説にあるから、それを参考にしてね。
最初に出たメタモンがせっかちだったよ!
ついでにオマケも付いてきましたよ!なんとこのメタモン、せっかちだけどB持ちでした!やったね!!
さぁ!さぁここまで来て!やっとおまちかね、本番の孵化に入ります!
ゴールは遠いですが、頑張りましょう!
目指すはACSふくがん!出発進行ー!
(ここからはひたすらレベオスこと相棒のウルガモスと走ることになるので、経過報告ばっかりになりますが、説明は適度に入れますのでよろしくお願いしますね)
育て屋のおじいちゃん!また来たよー!
【◆3番道路 ― ウルガモスと走る!風のように!!】
いよいよ孵化の本番に入ります。指さし確認、準備OK?
まず、孵化の時の手持ちはウルガモス1匹にしておきましょう。残りの5枠はこれからずっとタマゴ、もしくは生まれたバチュルだけです。
あ、ウルガモスにはちゃんと「そらをとぶ」を覚えさせておいてくださいね。ここから先、生まれたバチュル達を次々「ジャッジさん」に判定して貰うことになります。
Lv1のポケモンの個体値をそのままの状態で大まかにでも判別できるのはジャッジさんだけなので……僕も修行してああなれないですかね。あ、無理ですか。
最初に育て屋さんに預けるのは、
・預ける組み合わせ(ver.1)
適当なバチュル
さっき捕まえたメタモン ◆
になります。これから育て屋に預けるポケモンを「親」と呼ぶことにします。
生まれてくるポケモンの「親」という意味です。覚えやすいですよね?
そしてここで、ノボリさんと一緒に準備してもらった「かわらずのいし」の出番です。
「せっかち」な性格のメタモンに「かわらずのいし」を持たせて預けることで、「せっかち」な性格のバチュルが生まれやすくなります。
持たせている印として「◆」マークをポケモンの名前の横につけておきますね。
バチュルはその辺の野生の子で大丈夫です。遺伝技も必要ないので。
…と、いいつつ僕はちゃっかり『かなしばり』を遺伝させました。
遺伝技をつけるのはもはや癖みたいなものでして……ちなみに遺伝は夢の跡地に出てくるモルフォンから可能です。
遺伝技のつけ方は……大丈夫ですよね?♀のバチュルと♂のモルフォンを先に預けてタマゴを孵せばOKです。
メタモンと預けるので必ず♂のバチュルを1匹残しておきましょう。
あ、念の為に。
このままずっとこの2匹を預けっぱなしにするわけじゃないです。
高い個体値のバチュルが生まれたら、特にA、C、Sのどれかを持ったバチュルが生まれたら、親をチェンジします。
個体値は「遺伝する」部分と「遺伝しない」部分があります。「遺伝しない」部分は「自然発生」と呼んでいます。
この「自然発生」でA、C、Sのどれかが出てくるのを待つわけです。
さていつ出るでしょうか?答えは……僕にもわかりません。
最初に孵化には1に根性、2に運と書きましたね?そういうことです。
今回の開始はVがないに等しい状態です。
たまたま捕獲したメタモンはBを持っていましたが、「せっかち」な性格はBが下がるので意味がありません。
つまり全て運任せ。さぁここからが孵化廃人である僕の腕の見せ所です。
ひたすら走りますよ!皆さん着いてきて下さいね!!
【◆4番道路 ― 1V出たよ!】
孵化のやり方は2種類あります。
1つは「5匹貯まったらそのまま往復して、生まれてきた子から順に測定しに行く」方法、
もう1つは「先にボックスにタマゴを貯め込んでおいて、1ボックス貯まったらまとめて孵化して判定しに行く」方法です。
どっちのやり方でも構いません。ちなみに僕は前者です。
当面の流れとしては、
「生まれたポケモンを見る」→「Vかもしれない個性の子を探す」→「ジャッジさんに確認」→「Vなら親チェンジ、そうでないなら逃がす」
こんな感じで進めていきます。
Vの可能性がある個性はなるべく覚えておいて下さいね。
そうこうしているうちに、
・生まれたポケモン(Part1)
おだやか ♀ あばれることがすき
こんな子が生まれました。
さっそくジャッジさんに見せてもらったところ「さいこうのちからをもっている」と言われたので、やっと1つ目Aが来ました!
「そんなに簡単に出るの?」って思うかも知れませんが、1V程度なら1ボックス分孵化すれば1匹は見つかるはずです。
とはいえ、残念ながらおだやかで♀だったので、このまま♂を引き取って♀とメタモンを預けると遺伝技をつけることができません……。
なので、メタモンも引き取って、♂で「せっかち」なバチュルに切り替えてしまいましょう。
こうすれば遺伝技も確保できます。
あ、そうそう。これを言い忘れてましたね。
遺伝技がある時は、遺伝できるポケモン(つまり遺伝技を覚えた♂)を絶やさないようにして下さい。
できれば預ける前に♂のレベルを上げておきたいのですが、毎回のようにやってると非常に面倒です。
なので、望みの性格で♂のポケモン(今回だと「せっかち」なバチュル)が生まれたらなるべく取っておいて、
その中の高い個体値のポケモンを最低でも1匹残すようにして下さいね。
あと、生まれたポケモンのうちどれを逃がして、どれを手元に残せばいいか、基準を示しておきましょう。
人によりけりですが、僕の場合、
性格が一致していて、ジャッジさんの判定がよければ(最初は「へいきんいじょう」、個体値が高くなったら「そうとうゆうしゅう」以上)、なるべく残してます。
目的のVのうち「まだ出ていないV」があれば、性格や性別に関係なく残します。
そして、♂は遺伝技を継承できるので、「遺伝技が消える」トラブルをなくす為に多く残してます。
ちなみに、
このポケモンの世界には、「片方の性別が極端に生まれにくい」種類のポケモンが何匹もいます。
そういう種類のポケモンは、「生まれにくい方」を優先的に残します。
最初のうちはどれもこれも取っておきたくなりますが、そうするとボックスがすぐ埋まってしまうので、
涙を呑んで、しっかり逃がして下さいね……ごめんよバチュル……。
あと、ここでいきなりバチュル同士の孵化に変えた理由はもう1つあって、
「おや」が同じで違う種類のポケモンだと、タマゴが見つかりにくいからです。少なくとも同じ種類のポケモンじゃないと、中々見つかりません。
性別がないポケモンの場合は、メタモンでがんばるしかありませんが……。
というわけで、
・預ける組み合わせ(ver.2)
バチュル ♀ おだやかA
バチュル ♂ せっかち ◆
この2匹を預けることにしましょう。
ちゃっかり途中でD持ちが生まれてますが、今回の孵化でDは不要ですのでスルーします。
ここからまだまだ走ります。まだまだ孵します。
1~3ボックス程度で音を上げていられませんからね?走りまくりますよ!!
【◆5番道路 ― 1V→2V】
――数時間後――
・生まれたポケモン達(Part2)
♂ なまいきC(イタズラが すき)
♂ せっかちA(あばれることが すき)
♀ せっかちA( 同上 )
ここで目的のCがでました!ジャッジさんにももちろん確認しています!
とはいえまた性格不一致ですね……。
(えっと、望みの性格のことを「性格が一致する」、それ以外のことを「不一致」って言います。覚えてね)
まあ、せっかちAが生まれてくれたので、その子と一緒に預けましょう。
・預ける組み合わせ(ver.3)
♂ なまいきC(イタズラが すき)
♀ せっかちA(あばれることが すき) ◆
え?ポンポン生まれ過ぎ?自分はそんなに生まれない?
「いいから孵化作業だ!!」
……としか言えません……うん……別に不思議な薬は飲んでないよ……。
先に「運」って言った通り、来る時は来ます。来ない時は本当に来ないけど……。
一応、ここまでで大体20匹くらいかかってます。
――数10分後――
・生まれたポケモン(Part3)
♂ うっかりやS(ものおとに びんかん)
Aどっかいっちゃったよ……けどめげない。うんめげない。
ここでようやくSが来ました。ここに来るまで長かった……倍くらい孵化したかな。
このポケモンはノボリさんも言っていましたがSが何より大事です。
なのでSを優先して遺伝させていきましょう。というわけで組み合わせは、
・預ける組み合わせ(ver.4)
♂ うっかりやS(ものおとに びんかん)
♀ せっかちA(あばれることが すき) ◆
ここで♀せっかちCが出ていたら……なんて言ってもしょうがないですね。
さて、必要なVが一通り出たので、ここからそろそろ2Vが出てくる頃です。
なので孵化したら毎回ジャッジさんに確認しに行きましょう。2V以上は見ただけで判断はできません。
「ふしぎなアメ」等を使って判別は可能ですが……時間がかかるので孵化中はお勧めしません。
・生まれたポケモン(Part4)
♀ せっかちAS(ものおとに びんかん)
2V生まれたー!そして2個前に、
・生まれたポケモン(Part5)
♂ なまいきC(イタズラが すき)
こんな子もちゃっかり生まれてました。自然発生ばんざい。このままこの2匹を預けられますね。
ここまで2ボックス程度です。どの辺で出るかな。わくわく。
・預ける組み合わせ(ver.5)
♂ なまいきC(イタズラが すき)
♀ せっかちAS(あばれることが すき) ◆
狙うのはせっかちCS、もしくはこのままゴール(せっかちACS)を目指します。
ここからは「へいきんいじょう」ではなく、「そうとうゆうしゅう」の判定を貰ったバチュルを優先的に親に採用していきましょう。
その方が生まれてくるバチュルもより高い個体値になるので。
あ、遺伝技はちゃんと残しておいて下さいね?
・生まれたポケモン達(Part6)
♀ せっかちAC(あばれることがすき) そうとうゆうしゅう
♀ ひかえめCD(イタズラが すき) へいきんいじょう
♂ ひかえめS(ものおとに びんかん) そうとうゆうしゅう
何でひかえめが2匹も……よくあることだからいいんですけど。
そして「そうとうゆうしゅう」が出始めましたね。Vが増えてきたので自然と個体値合計も高くなってます。
ここまでに2ボックス孵化。言葉にすると本当にわずかな行しかないですが……。
さて、この辺りから「どれを親にして預ければいいんだろう?」と迷うことがあるかもしれません。
Vが増えてくると自然と悩むことだと思いますが、目的の個体(今回だと「せっかち」ACS)が生まれる組み合わせなら何でもいいです。
気分転換に親を変えてみて、突然「目的の個体が生まれた!」なんてこともあるので。
・生まれたポケモン(Part7)
♂ せっかちCS(ものおとにびんかん) そうとうゆうしゅう
性格一致CS♂やっと出た……!
さっそく組み合わせ変えます。ここまで総孵化数3ボックスちょっと。
・預ける組み合わせ(ver.6)
♂ せっかちCS(ものおとにびんかん) そうとうゆうしゅう
♀ せっかちAS(あばれることが すき) へいきんいじょう ◆
3Vもそろそろ近くなってきましたね。
ここで、何で親に♀せっかちACを使わないの?と聞かれそうですが、これには理由があります。
個体値遺伝の法則を覚えていますか?そうです、預けたポケモン2匹の個体値12種類から3種類を遺伝しますよね。
そしてその中でも、今回のバチュルの場合「S」だけは必ず遺伝して欲しいので、両方「S」で揃えている、というわけなんです。
12か所の中にSが31の部分を二つ入れておけば、それだけ遺伝率は上がります。
と言ってはみたものの、S持ちで個体値の高い♀、出ないですね……この辺りから辛くなる人が出てくるはずです。頑張って!
ゴールも近いので、1ボックス分バチュルのタマゴを貯めて、一気にジャッジさんに見せてしまいましょう。
孵化は気分転換も大事です。
【◆6番道路 ― 大苦戦!】
・生まれたポケモン達(Part8、3Vのみ)
♂ おくびょうCDS(イタズラが すき)そうとうゆうしゅう
♀ ずぶといCDS(イタズラが すき) そうとうゆうしゅう
♂ しんちょうHBS(うたれづよい) そうとうゆうしゅう
♀ せっかちABC(あばれることが すき)へいきんいじょう
♀ せっかちABC( 同上 )すばらしい
♀ せっかちADS(ものおとにびんかん)すばらしい
ぎゃああああああ……BD自然発生し過ぎ……今要らないよ……。
必要なのは2個しか遺伝してくれないしもう何これ。
しょうがない、一度親を変えてみましょう。
とはいえ3Vが出始めましたね。
3Vが出始めたら、残しておく個体の範囲を狭めましょう。
へいきん判定ならば3V以上、そうとうゆうしゅうならば2V以上だけを残し、あとは逃がしてしまいましょう。
多分、そろそろボックスが埋まってくる頃だと思うので。
さて、そろそろゴールが見えてきた頃だと思います。
目的の「せっかち」ACS以外にも「おくびょう」CDSとかは別の技構成で採用できるかもしれません。
ここで注意しておきたいのが、「特性」です。
今までは個体値の遺伝に終始していましたが、そろそろ意識し始めましょう。
バチュルは「ふくがん」と「きんちょうかん」の2つの特性のうちどちらかを持っています。
今回採用しなければいけないバチュルは「ふくがん」です。「きんちょうかん」ではありません。
特性が本当に大事な要素だっていうことは、多分僕やノボリさんに言われなくても、何となく気付いていると思います。
今回のデンチュラは「かみなり」が主軸です。なので、「ふくがん」でないとこの技は中々当たりません。
よさそうなバチュルが生まれたらまず、「特性」を確認しましょう。
性格が良かろうが、個体値が優秀であろうが、「特性」が違っていればそれは目的の個体とは180度違う、不採用の個体です。
さっき取り上げた「おくびょう」CDSは、残念ながら「きんちょうかん」でした。
なので「かみなり」主軸ではない別の戦い方をして貰わなければいけません。その辺のお話は、また機会があれば……ということにしましょう。
デンチュラはまだ「きんちょうかん」の使い道がないわけではないので、そこまで嘆く必要はありませんが、
例えばモンメンの場合……エルフーンは「いたずらごころ」が強過ぎて「すりぬけ」はほぼ不要です。
そこへ高個体値の「すりぬけ」モンメンなど生まれたら……涙を呑むしかありません。僕も何度経験したか。
というわけで、ここからは特性も表記していきますね。
・預ける組み合わせ(ver.7)
♀ せっかちADS(ものおとにびんかん)すばらしい きんちょうかん ◆
♂ おくびょうCDS(イタズラが すき)そうとうゆうしゅう きんちょうかん
Dが重なっちゃってるのが気になりますが、この辺りで両方の親をそうとうゆうしゅう以上にしたいので無理やり組み合わせます。
・生まれたポケモン達(Part9)
♂ せっかちHAC(ひるねをよくする)すばらしい ふくがん
♀ おだやかACS(イタズラが好き)すばらしい きんちょうかん
はい!色々噛み合ってないね!!けど良い感じのが出てきはじめたよ!!
そして「すばらしい」が生まれてきてくれたので、この子達をそのまま親にしてしまいましょう。
・預ける組み合わせ(ver.8)
♂ せっかちHAC(ひるねをよくする)すばらしい ふうがん ◆
♀ おだやかACS(イタズラが好き)すばらしい きんちょうかん
これならDの邪魔も入らずにすぐ生まれるはず!
え?Sが重なってないのに大丈夫かって?「すばらしい」ならそんなの気にならないし大丈夫だ、問題ない!!
僕の予定ならこの組み合わせならすぐ生まれるはず!根拠?長年の勘です!!!
――1ヶ月後――
……何で僕は1ヶ月前あんなことを口走っちゃったんでしょうか。
生まれない!生まれない!とにかく目的の個体が生まれない!!
「せっかち」ACSは出るのに「きんちょうかん」!「ふくがん」はHとか遺伝してる!!
もうやだ!レベオス君助けて!!
……!?
な、何この子!?
【◆7番道路 ― やっと生まれた!】
・生まれたポケモン(Part10)
♀ せっかちhaCS(ものおとにびんかん)すばらしい ふくがん
(個体値詳細:30-30-23-31-21-31)
きたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やっときた!!!
個体値めっちゃ高い!4UVだ!わーいわーい!!
え?Aが31じゃないのに喜んでいいのかって?
31と30は大して変わらないからいいんです!4UVだし!!
目標はACSでしたけど、何も目標通りにすることはないのです!
この求めていた個体が出た時の喜びは何度経験しても……!うん癖になります!これだから孵化は止められませんね!
……うん、その。
性格の遺伝が1/2って言われていて、特性はランダムだからこれも1/2で、
合わせると1/4の確率で性格と特性が一致するから、
普通のポケモンと比べると結構しんどい孵化になることは、
分かってた………分かってた……よ……。
バタン!
【トレーナーは たおれた!▼】
レベオス(無茶しやがって……)
【◆8番道路 ― どの子を採用する?】
ふああああ……よく寝た。おはようございます。
あ、孵化の説明、まだ残ってましたね。
性格と特性が一致したポケモンのうちどの個体値の子を採用するかは、最初に大まかには決めます(今回だとACS)が、
実際孵化した個体からそれを選ぶとき、ACSがVなら問答無用で採用!というわけにはいきません。
例えば、さっきの子以外にも、実は性格特性一致ACSがちゃんといるにはいますが、
個体値:11-31-5-31-15-31
個体値を細かく測ったら……だいぶボロボロでした。
幾らACSとはいえ、これはちょっと他の能力が低いです……いくら元の耐久が低いとはいえ、これよりはさっきの子の方がいいでしょう。
何が言いたいのかというと、「Vにこだわり過ぎるな!」ということです。
30や29は、確かにVではありませんが、Vに近い能力なので、そのまま採用してしまっても問題ないことの方が多いです。
特に30(U)は努力値を振らなければ、レベル50の時にVと全く同じ数値になります。
……この辺は別の機会にノボリさんが解説してくれる、かな?
なので、さっきみたいに2Vでもバランスが取れていて、必要な部分が30とか29とかなら、採用してしまって構いません。
そして、そういうポケモン達が眠っている可能性を少しでも無駄にしない為に、
多少Vが少なくても「すばらしい」と言われた個体は、詳しく個体値を調べてみましょう。
今回でいうと、例えば、
個体値:15-25-29-31-25-31
途中に性格特性一致でこんな個体も生まれてました。
Vは少ないですが「すばらしい」能力を持っています。
Aが少し低いので採用は見送りましたが……バランスは悪くありませんよね?
場合によってはこの子も採用してもいいというわけです。
孵化を始めたばかりの人は、Vの数にこだわる傾向があります。僕もその一人でした。
Vの数にばかりこだわってしまうと、いつまで経っても孵化が終わりません。
例えば5Vが出るまでがんばる!なんてことになったら、日が暮れるどころの騒ぎじゃありません。下手すれば1年以上かかってしまうかもしれません。
孵化は、言わばバトルのための下準備です。大事なのは、バトルに慣れること。
多少Vが少なくても、バランスがよければその子でバトルをしてみましょう。個体値にこだわり過ぎた僕からのお願いです。
……あ、でも。
「ここだけは何が何でもVじゃないと駄目!」という能力があれば、そこは譲らないでおきましょう。
攻撃役やサポートならS、耐久型ならHは、少なくともVにしないといけません。デンチュラなら当然Sです。
【◆9番道路 ― あとがき】
さて、ではポケモンも無事生まれたことだし、僕からの解説は以上かな。レベオスもお疲れ様だね!
後半は実演だったから長くなりましたが、これで感覚を少しでも掴んで貰えたらと思います!
今までの説明をここでをまとめておきますね。
・大まかな流れ
1.欲しい性格の「シンクロ」とメタモンを用意する
2.遺伝技を覚えた♂を用意する
3.欲しい性格を持っている方に「かわらずのいし」を持たせる
4.孵化しながら個体値を底上げ ジャッジさんを頼れ
5.Vにこだわるな!
最後に僕から一言。
孵化作業は大変ですけど、気長に頑張ればいつか、目標の個体と巡り会えます。だから諦めないで、でも無理しないで頑張って下さい!
そしてその内、僕と孵化余りの交換してみたりできるくらいになってくれるのを、楽しみにしています!
それでは、お疲れ様でした!次はこのバチュルくんを育成するんだよね?
ノボリさん!乗り継ぎお願いします!
(レベオスあとがき)
途中泣きながら走ってたぞこいつ……ノボリさんあんまり無茶させるなよ?
最終更新:2016年02月14日 19:44