槙島聖護&キャスター ◆nEZ/7vqpVk
―――膝をつき、空を見上げた。
風が心地良い。
東京では、決して感じることの出来ない風だ。
夕日に染まっている所為か。
或いは、額から血が流れている所為か。
空が。
―――そして、月が。
「なあ……どうなんだ、狡噛。
君はこの後、僕の代わりを見つけられるのか」
「いいや。……もう二度と、御免だね」
―――赤く、紅く、アカク見えた―――
◆
聖杯。
マタイの福音書、マルコの福音書、ルカの福音書。
つまりは共観福音書にて、最後の晩餐で使われたと記されている、イエス・キリストの聖遺物―――聖杯。
或いは、イエスの処刑時に流れた血を受け止めたという、聖杯。
この聖杯を巡って、様々な物語が残っている。
クレティアン・ド・トロワが書いた、円卓の騎士ペルスヴァルが聖杯を探索する物語。
ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハによって補完されたパルチヴァール。
そしてこの、トマス・マロリーによるアーサー王物語によって、それは伝説となった。
或いは、キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち、
つまりはテンプル騎士団によるエルサレムでの聖杯の発見の物語。
また、マグダラのマリアの―――
「おっと……お邪魔だったかな」
銀色の髪に青い学生服の少年が、コーヒーカップを二つ載せたお盆を持って部屋に入ってきた。
「いいや。全く問題ないよ」
アーサー王物語を閉じ、机に置く。
「……ショーゴは博識だね。読書が好きなのかい?
まるで図書館のように本が揃えてあったけど」
銀髪の少年―――フェイトが、カップを二つテーブルに置き、正面に座る。
「ありがとう。
そうだね……知識も与えてくれるし、本を読むという行為で、自分の感覚を調整できるからね」
「……自分自身との対話ができる、ということかな」
成程、この少年は頭が回る。
一つ頷いて、淹れてくれたカップを持つ。
すると、花のような香りが漂ってくる。
「これは……」
少しだけ、口へ運ぶ。
「……豊かで、繊細だ」
「お気に召したようで光栄だ、マスター」
涼しげな表情で評価を受け取る少年。
彼も珈琲を飲み、監視モニターへと目を向ける。
―――新宿区歌舞伎町。
元々セーフハウスの一つがあった場所だが、生前そのまま部屋が再現されていた。
蔵書も同じように残っていたのは幸運と言うべきだが―――。
マンションに設置されたカメラは、街を行き交う人々を映している。
シビュラシステムに支配されているわけでもないのに、
人々からは同じように無機質な物しか感じられない。
「……まるでお人形さんだね」
少年は自嘲するかのように吐き捨てる。
そう、これは聖杯が生み出した人形―――聖杯戦争を彩るただの舞台装置だ。
彼らに意志はなく、戦争中のみ生きることが許された幻のようなものだ。
「……何故、聖杯は彼らを生みだしたのだと思う?
勝ち残る人間を探すだけならば、彼らは必要のないモノだ」
少年に問いかけてみる。
「さあ……。
でも、彼らが幻想―マボロシ―の存在だとしたら。
それを生みだしたカミサマ……ああ、聖杯か……は理不尽じゃないのかな。
お人形さんの命なんて軽いモノだとでも思ってるんじゃないか」
彼は静かに珈琲を啜る。
「……そうだね。
彼らがただの人形なのか、そうでないのか。
確かめてみる必要がありそうだね」
彼らの中に、自らの意志で行動するモノはいないのか。
魂を輝かせることができるモノはいないのか。
まるでここは、シビュラシステムに捉われた人間そのものを映しだしたような世界。
聖杯というシステムに捉われた人々。
―――東京。
僕が居た日本では、ほとんどの人口が東京に住んでいた。
では、ここはどうだ。
世界の全てが東京に凝縮されていると言っても過言ではない。
参加者として呼ばれた人間達には勿論興味がある。
ゲームのプレイヤーとして招かれた以上、ゲーム自体を楽しみもしよう。
だがそれとは別に、やりたいことがまず出来た。
聖杯とはなんなのか。
聖杯に意志はあるのか。
ここに生きる人間に意志はあるのか。
問いかけてみたい。
「さあ、出掛けるとしようか、キャスター」
「御随意に、マスター」
―――同じ髪の色の少年を連れ、僕は街へと歩き始めた。
【マスターとしての願い】
『聖杯』を見極める。
【weapon】
剃刀
【能力・技能】
『格闘術(プンチャック・シラット)』
インドネシアの伝統的な武術「シラット」を実戦での技術に特化させた、「プンチャック・シラット」という格闘術を習得している。
常人の域において達人レベルの能力を持つ。
『カリスマ』
ライバルの
狡噛慎也曰く「他人の精神を支配し影響を与え、まるで音楽を指揮するように犯罪を重ねていく男」。
『免罪体質』
シビュラシステムによって管理されたPSYCHO-PASS内の日本において、
本来なら犯罪係数が上昇する状態にあっても、規定値を超える犯罪係数が計測がされない。そのため刑の執行(ドミネーターによる捕獲・射殺)が不可能。
サイコパスも常に良好状態で、本人曰く「いつだって真っ白だった。一度も曇ったことがない」。色相はクリアホワイトである。
免罪体質者の中でも更に特異な人間とされている。
【人物背景】
シビュラシステムの誕生以降、最悪の犯罪者と呼ばれる。
人間は自らの意志で選択・行動するからこそ価値があり、魂を輝かせることができるという考えを持っており、
シビュラに捉われない人間の行動に協力や助勢を行う。
免罪体質者として、シビュラシステムに無視されていたことから、他者から孤独を指摘されると、
「この社会に孤独でない人間などいない」と孤独であることを否定しなかった。
【方針】
聖杯戦争をプレイヤーとして楽しむ。
街に住む人形に自らの意志で行動するモノはいないのかを様々な方法で確かめる。
【クラス】
キャスター
【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具C
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
陣地作成:B
「魔術師」のクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。
フェイトの工房は『墓守り人の宮殿』。
道具作成:B
『地』の属性を付与した魔術的な道具を作成可能。
【保有スキル】
魔術:A
西洋魔術及び東洋魔術に精通し、特に石化魔術を代表する『地』属性の魔術を最も得意とする。
身体強化、浮遊術、転移魔術、追跡魔術、召喚術、捕縛術など使用可能な魔術は多岐に渡る。
八卦掌:C
中国武術の一派。陰陽八卦に基づいた技術理論による体術。一見して舞踊のように見える動作が特徴である。
敵対者との数々の戦闘を経て、キャスターながら魔術と体術を併せた肉弾戦・近接戦を好む。
瞬動術:B
魔力や気を用いた歩法、移動術。
足に魔力や気を集中させて地面を蹴る事で、短距離間を超高速で移動できる。
単独行動:C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。
珈琲挽き:C
初めて『旨い』と思った時の珈琲の味を再現させるため、日々珈琲を挽いて飲んでいる。
日に七~十杯は珈琲を飲む。
【宝具】
『造物主の掟(コード・オブ・ザ・ライフメイカー)』
造物主に反乱したため使用不可。
『鵬法璽(エンノモス・アエトスフラーギス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
天秤を下げる鷲を象った魔法の印璽。
この印璽は、標的となる人物の言明を魂に刻みつけ、強制的に厳守させる。
対象が口に出した言葉でなければ成立しない。
【weapon】
指輪(魔法の発動体)
【人物背景】
秘密結社『完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)』の造物主が作り上げた人造人間『アーウェルンクスシリーズ』の三体目。通称『地のアーウェルンクス』。
彼の生前の目的は「世界を救う」こと。
性格は冷徹で滅多に感情は乱さず、自らの目的の為には他者に容赦の無い行動も表情を変えずに遂行する。
だが他のアーウェルンクスシリーズと違い、造物主から忠誠心や目的意識を植えつけられず、自由に動くことを勧められている。
二体目が戦争孤児を嬲り殺そうとしたところを救ったりもしている。
ネギ・スプリングフィールドとの一騎打ちの末、ネギの「魔法世界の救済計画」の推移を見極めるという条件付きで敗北を認める。
以降はテラフォーミングによる魔法世界救済計画「Blue Mars計画」をネギの補佐として計画を進める。
ジャック・ラカン、そしてネギとの戦闘を経て、戦闘の『面白さ』を知り、肉体と精神を極限まで使った戦いを求めている。
最終更新:2015年02月05日 02:46