『大統領暗殺計画』-4
作者・ティアラロイド
958
ドバイ沿岸部***
正人「あっ、やって来たぜ!」
当「………」
ドバイ沿岸へと大きな波音と共に着水した万能戦艦マイティ号――通称、MJ号は、
全長:235m、全幅:150m、全高:41m、重量:28000t、最高速度: マッハ2.8
動力は太陽光プラズマエンジンと原子力エンジンの多元システムを採用しており、
「防衛」「建設」「救助」の名の下に、近代科学の粋を凝らして建造された、
飛行・潜水も可能な巨大戦艦である。
双葉「すごいおっきい~!」
三郎「ああ、まさに静かなる巨鯨だな…」
やがてマイティ号の中から人が出てきた。
天田「お久しぶりです、当さん」
源田「再びお会いできて光栄です!」
当「元気そうだな、天田キャプテン。
源田隊員も昔と変わっとらんなあ…」
かつて同じ艦に乗り込み、現代科学の悪「Q」と死闘を繰り広げた戦友同士、
久方ぶりの再会である。
天田「いやあ、当さんからキャプテンなどと呼ばれると、
なんか…照れますなあ…」
当「おいおい、しっかりしてくれよ。
今のMJ号の指揮官は君なんだからな。
それよりも紹介しよう。こちらは…」
正人「ICPOの金田正人です」
三郎「同じく、夏樹三郎です」
双葉「光瀬双葉です」
天田「お話はゼネラル藤井を通じて
ICPOの金田長官から君たちの伺っているよ。 APPLEの天田だ。よろしく」
天田と源田は正人たちと固い握手を交わす
当「そしてこちらは…」
天田「フィリナ・クラウディア・アルシャード嬢ですね?」
フィリナ「フィリナで結構です。天田キャプテン」
天田「しかし当さんも隅に置けませんな」
当「…ん? なんのことだ?」
源田「またまたぁ。こんな綺麗な外人のお嬢さんと、
中東の地で二人きりで逃避行してたなんて、
正直うらやましいですよ」
当「む…! バカ言え。彼女とはそんな関係じゃない!」
天田「積もる話もあるでしょうが、まずはMJ号の中へ」
当「うむ」
マイティ号・艦橋***
マイティ号の中へと案内される当たち。
当は周囲一面を見渡し、感慨にふけっている様子。
フィリナ「懐かしいですか、当さん」
当「そりゃあ勿論。この艦に乗って7つの海を又に駆けて
戦っていたんだからね…」
天田「みんな、紹介しよう!」
源田「俺たちの大先輩だ!」
他の乗組員に当八郎を紹介する天田たち。
今井「貴方が当前隊長ですね!」
奈美「お話はいつも天田隊長や源さんから聞いていました。
お会いできて光栄です」
当「君たちが今のMJ号の隊員たちか。
私も君たちに会えて嬉しいよ」
航空工学の専門家である今井進隊員、
そして火薬・爆発物の専門家である紅一点の江村奈美隊員である。
今井隊員は、その顔はどことなく結城丈二=ライダーマンとよく似ている。
当「それで、グラントの行方は?」
天田「APPLEの総力を挙げて捜索していますが、未だ所在不明です。
UAE国内のどこかに潜伏しているのは確かですが」
当「アメリカのウィルソン大統領到着まであまり時間がない。
必ず見つけ出してくれ」
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UAE国内・某所***
ここはUAE軍が地球連邦軍と共用で使用している軍事基地である。
ここに、本来の装備リストにないはずのMS群が密かに運び込まれていた。
グラント「これだけの数のモビルスーツを
他に知られぬ間に中東の地に運び込むとは、
さすがは
ロゴスだ…」
ティターンズ将校「今、我々ティターンズは連邦政府の愚か者どもから
反逆者の烙印を押されているが、軍機構に残っている"特殊作戦支援司令部"は
我々の息のかかっている部署だ。そこから命令系統を介して装備を持ち込むことくらい
造作もない話だ」
グラント「本来なら迎賓館に仕掛けたゼッフル粒子で、
マイケルを跡形もなく吹き飛ばしてやるつもりだったが、
その前に肝心の内通者があらかた一掃されてしまった。
だがこれならいける! くれぐれも頼んだぞ」
ティターンズ将校「任せておけ」
グラント「くっくっく…待っていろマイケル・ウィルソンJr。
今に私に恥をかかせた事を後悔させてやるぞ」
そしてさらに数日経ち、ついに大統領の到着予定日を向かえた。
ドバイ国際空港***
ドバイ国際空港へと着陸した、アメリカ合衆国大統領専用機エアフォース・ワン。
中東の地へと降り立つ、アメリカ大統領マイケル・ウィルソンJrと
その秘書官ジョディ・クロフォードである。
ジョディ「大統領、そもそも私はドバイ訪問には反対でした。
ICPOやAPPLEから事前に警告があったはずです。
それなのにわざわざ暗殺計画の渦中に自ら飛び込むだなんて…」
マイケル「ジョディ、私は逃げるわけにはいかない。
わがアメリカが
ブレイバーズに参画する前に、
なんとしても中東の安定だけは確保して
おかなければならないからね」
ジョディ「あのサラジアのアフマド・アルハザードも
急に滞在予定を延ばして、今もドバイにいるという話です」
マイケル「…アルハザードか。確かに油断はならないが、
あの男は軽挙妄動に走ったりするような相手ではない。
心配はいらんさ」
そして公用車に乗り込み、空港から滞在先となるホテルへと向かう。
果たして
アメリカ影の政府による大統領暗殺計画は阻止できるのか!?
次回へ続く!
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○当八郎→MJ号と合流。
○フィリナ・クラウディア・アルシャード→MJ号と合流。
○金田正人→MJ号と合流。
○夏樹三郎→MJ号と合流。
○光瀬双葉→MJ号と合流。
○天田一平→当八郎たちと合流。
○源田明→当八郎たちと合流。
○今井進→当八郎たちと合流。
○江村奈美→当八郎たちと合流。
○マイケル・ウィルソンJr→中東安全保障会議のため、ドバイに到着。
○ジョディ・クロフォード→中東安全保障会議のため、ドバイに到着。
●グラント→UAE国内に潜伏中。ティターンズ部隊と合流。
【今回の新規登場】
○天田一平(マイティジャック/戦え!マイティジャック)
新たにAPPLE極東支部として編成されたマイティジャックの第2代隊長。
当八郎隊長の時代は副長を務めていた。何かとどなりつけることも多いが、
隊員からの信頼は厚く「キャプテン」と呼ばれて慕われている。
ただし考えるよりもまず行動に移すタイプで、何も告げずに一人で現場へ向かってしまい、
隊員たちをあわてさせたこともある。射撃の名手であり、マグネチック宇宙人を一撃で倒した。
家庭では幼稚園に通う一人娘・ミハルの送り迎えをするといった子煩悩な一面も見せる。
○源田明(マイティジャック/戦え!マイティジャック)
当八郎隊長時代からのマイティジャック隊員で、天田が隊長に昇格したことにより
副長となった。天田キャプテンからは「ゲン」、他の隊員たちからは「ゲンさん」と呼ばれる。
天田と同じく行動派であり、じっとしているのが苦手。正義感の強い熱血漢
○今井進(戦え!マイティジャック)
マイティジャックの隊員。非常にストレートな性格で、自信家。
自分の意見は最後まで押し通そうとする強引なところがあるが、
心やさしい面もあり、地球に不時着したモノロン星人を気の毒に思い、
母星からの救援が来るまで、彼を一人で守り抜いた。
○江村奈美(戦え!マイティジャック)
マイティジャックの隊員。若い女性でありながら爆発物の専門家。
その場の状況に応じたあらゆる爆弾を苦もなく作り上げてしまうため、
彼女の爆弾で数々の組織の基地が木っ端微塵になっている。
明るい性格で茶目っ気もあり、チームのマスコット的存在。
格闘術にも長けており、敵の男たち相手に格闘することもある。
最終更新:2020年11月22日 13:52