『シグフェルVSGショッカー』-2
作者・ティアラロイド
1307
サージェスミュージアム・避難経路***
GOD戦闘工作員A「ジ~~~ィッ…」
GOD戦闘工作員B「ジ~~~ィッ…」
一般客たちを避難路まで安全に誘導しつつ、
ミュージアム内に侵入してきたGOD戦闘工作員の部隊を
突撃槍サンライトハートや処刑鎌バルキリースカートで
片っ端から蹴散らしていく武藤カズキと津村斗貴子。
斗貴子「フッ…やはり私にはこちらの方が使い易い!」
久々に本来の愛用の武器を戦場で振るった斗貴子は、
どこか満足げである。
カズキ「さあ皆さんこっちです! 慌てずに順番に!」
コウタ「コトミちゃん、こっちだよ!」
コトミ「うん!」
池袋・高層ビル街***
ライディーンホーク「何が大ショッカーに大ザンギャックや!
単に名前が変わっただけやないか!!」
ライディーンイーグル「いくぞみんな!
ブレイバーズの総力を
結集して街を守るんだ! 鋼鉄の翼にかけてッ!!」
ライディーン戦士たちの他にも、各地でブレイバーズの
ヒーローたちが、Gショッカーの侵攻を必死に食い止めている。
しかし無数のザンギャック艦隊を前に押され気味だ。
無幻城・十二邪将円卓の間***
ワルズ・ギル「わっはっは!! ご覧になられたかな。
これが我輩の実力だ!!」
マシーン大元帥「ハハハ…さすがザンギャック帝国の正当なる
次期皇帝。お手並みしかと拝見したぞ」
ダマラス「………」
インサーン「………」
モニターに映し出される、ザンギャック帝国艦隊が
東京を蹂躙する映像。ダマラスとインサーンが傍らに控える中、
ワルズ・ギルは十二邪将たちからも煽てられ、すっかりご満悦だ。
地獄大使「……(ふんっ、単に力押しで攻めているだけではないか。
あんな侵攻作戦の指揮ならバカでもできるわ)」
ドクトルG「……(世間知らずのボンボンめ。
だが今は持ち上げておくに限る)」
1308
一方その頃、地上では…。
タイガーネロ「おい貴様、今なんと言ったのだ?」
初めて対峙するシグフェルとGOD悪人軍団。
タイガーネロは、初めて見る見知らぬ相手に
今一度改めて問い直す。
シグフェル「言っただろ。お前たちを止めに来た」
ヒルドラキュラ「見ない顔だな? ブレイバーズの新顔か…」
カメレオンファントマ「貴様、我々を誰だと思っているのだ!
仮にもあの仮面ライダーXと死闘を繰り広げて来た
GOD悪人軍団と知ってのことか!」
シグフェル「………」
ジンギスカンコンドル「タイガーネロ、ここは俺に任せてくれ」
タイガーネロ「いいだろう。すぐに片づけろ!
他の者は霞が関の制圧に向かうのだぁ!」
ジンギスカンコンドル「ガーッ!! クックック…ちょっと痛いけど我慢しな。
すぐに終わるからな…!」
ジンギスカンコンドルは口から火炎ロケット弾を発射した。
ジンギスカン「ジンギスカンファイヤァ――ッ!!」
目の前の敵を攻撃したと思っていたジンギスカンコンドルだったが、
気がつくと一瞬のうちにシグフェルが背後に回っていた。
シグフェルは片方の手を伸ばし、無造作に横に振る。
ジンギスカンコンドルの背がぱっくりと一文字に割れ、
大量の羽根が辺りに飛び散った…。
ジンギスカンコンドル「――………!!」
ジンギスカンコンドルは身を震わせ、絶叫する間もないまま
大爆発してしまった。
◇ ◇ ◇
他の戦隊ロボたちと共に、アルティメットダイボウケンで
応戦に出撃するボウケンジャー。
ボウケンレッド「アルティメットブラスタァ――ッ!!!!!」
10基のネオパラレルエンジンのパワーを全開にした
「オーバートップギア・イン」の状態で鳥の様な形をした
超強力な火炎ビームを胸部から発射する。
ボウケンピンク「キリがありません!」
ボウケンブラック「チッ、まさにレジェンド大戦の再現か!」
ボウケンイエロー「あわわ~どうしよう…((;゚Д゚)ガクガクブルブル」
そこへ工房にいる牧野から急遽連絡が入る。
ボウケンレッド「どうしました牧野先生!?」
牧野@通信の声「大変です! 工房でフレアセイバーの化石を
分析していたら、突然急激にハザードレベルが上がりだしたんです!
今やその数値は300…いや400…500、まだまだ上昇して行きます!」
ボウケンブルー「なんですって!?」
ボウケンレッド「…ん?」
ふとボウケンレッドは、操縦席の正面モニターから、
地上でGOD悪人怪人たちと戦っているシグフェルの姿を確認した。
ボウケンレッド「もしかして…アイツに反応しているのか?
――ブラック、ここは頼む!」
ボウケンブラック「おい待て明石ッ、どこ行くんだ!?」
ボウケンレッドはコクピットを出て地上へと飛び降りた。
1309
ジンギスカンコンドルがあっさり倒されたことに
唖然となるGOD悪人怪人一同。
ガマゴエモン「えっ……!?」
コウモリフランケン「ま、まぐれだ…。そうに決まっている!」
カブト虫ルパン「小癪な奴め。なかなかやるようだが、
ならば我ら総出で始末してやる! 光栄に思え!」
クモナポレオン「かかれーっ!!」
トカゲバイキング「グルルルルッ!!」
ヒルドラキュラ「アオーッ!!」
ガマゴエモンは斧と指からのガマ油地獄、
コウモリフランケンは背中の大砲、
カブト虫ルパンはギロチンハット、
クモナポレオンは吸血毒蜘蛛、
トカゲバイキングは緑色の毒ガス、
ヒルドラキュラは血吸いヒルで
一斉にシグフェルめがけて攻撃する。
シグフェル「………」
シグフェルは背の両翼を大きく羽ばたかせ、
静かに灼熱の炎の円陣を発生させる。炎の円陣は
ガマゴエモンのガマ油地獄の炎とトカゲバイキングの毒ガス
コウモリフランケンの大砲の砲弾をいとも容易く呑み込み、
カブト虫ルパンの投げつけたギロチンハットや
毒蜘蛛や血吸いヒルの群れを全て灰になるまで焼き尽くした。
クモナポレオン「…そ、そんなバカな!!」
コウモリフランケン「こっちに来るぞ!?」
シグフェルの周囲に纏う炎の円陣はさらにちからと勢いを増して大きくなり、
ガマゴエモンたちを巻き込むのに時間はかからなかった。逃げ遅れたGOD悪人怪人たちは、
次々と炎の渦に飲み込まれ、その餌食になっていく。
ガマゴエモン「…あ、熱いいいっっっ!!!」
カブト虫ルパン「誰か、助けてくれえええっ!!!」
ヒルドラキュラ「ギャアアッ――!!」
哀れ、GOD悪人怪人たちの大半は、皆シグフェルの炎の円陣によって
そのほとんどが灰塵と化してしまったのである。
そしてこの場で唯一生き残ったカメレオンファントマも…。
カメレオンファントマ「…)ガクガクブルブル」
シグフェルに恐れおののき、後ろに後ずさっていた
カメレオンファントマだったが、タイガーネロの剣が
背から腹にかけてカメレオンファントマを貫いた。
カメレオンファントマ「…な、なぜ!?」
タイガーネロ「………」
タイガーネロが剣を引き抜くと、カメレオンファントマは
がっくりと崩れ落ちて爆死した。
炎の円陣を収束させたシグフェルは驚愕する。
シグフェル「お前たちは仲間も殺すのか!?」
タイガーネロ「栄光あるGOD悪人軍団に腰ぬけは要らぬ。
それだけのことよ!」
1310
月面・ダイダロス基地***
月裏側のほぼ中央である南緯5.8度、東経179.4度に位置する
直径94キロメートルのダイダロス・クレーター。
そこに築かれたダイダロス基地は、一応の建前では地球連邦宇宙軍の基地ながら、
その実態は
ロゴス、ブルーコスモス派の拠点である。
参謀A「したがって連邦宇宙軍といたしましては、
スペースシップの建造を第一に考え…」
参謀B「どこにそんな予算がある!」
参謀C「だいたいスペースシップを造ったところで、
片っ端からGショッカーに破壊されてしまうではないか!」
参謀A「しかし、我が軍としては地上兵力のモビルスーツだけでは
心もとなく、直接攻撃をしかけるためには、スペースシップは
是非とも必要と……」
参謀B「撃墜されるとわかっていて予算など組めるか!」
コルベット「………」
参謀たちが延々と小田原評定を続ける中、
内心呆れている将官が一人だけいた。
その名をコルベット准将。
根っからの軍人で、非常に功名心の強い人物である。
性格を一言で言えば「俗物」という言葉が相応しい。
コルベット「……(ふん、くだらん。こんな会議いくらやろうと無意味だ)」
だがこの後、彼らは思わぬ映像を目の当たりにすることとなる…。
中央に座する主任参謀のもとに、士官が報告にやってくる。
主任参謀「…なにっ!? 大至急映せ!」
士官「監視衛星より送られてきた映像です」
コルベット「――!!」
映し出された映像には、東京エリアに侵攻したGショッカーの怪人軍を
圧倒して蹴散らす、紅蓮の翼の戦士の勇姿があった。
地上***
再び、場面を地上の戦いに戻す。
タイガーネロは体を回転させ、中心部分が真空状態の竜巻を発生させ、
シグフェルめがけて急接近する。
タイガーネロ「ワーッ!! くらえっ、タイガー竜巻地獄ッ!!」
シグフェル「――!!」
シグフェルは再び炎の壁で自らの身を囲み防御するが、
タイガーネロの激しいまでの竜巻が、炎を吹き飛ばしていく。
炎の壁が全て消えさった時、シグフェルの姿は跡形もなく消えていた。
タイガーネロ「ハッハッハ!! 俺様のタイガー竜巻地獄で
跡形もなく粉微塵になったか。所詮我らGショッカーに
敵うはずがないのだ!!」
だがタイガーネロは気づいていなかった。
遥か上空に浮遊したシグフェルが、両手を瞬速で動かして複雑な印を結び、
自身の胸のあたりから地上のタイガーネロめがけて青白く光る熱線を放ったことに…。
タイガーネロ「――!!」
タイガーネロは間一髪ジャンプしてかわす。
しかし上空でそれを待ち受けていたシグフェルは、
右手の各指の先端をまっすぐ伸ばして、
タイガーネロの喉を突いた。
タイガーネロ「――ぐぶっぼおおっ!!!」
シグフェル「………」
地上へと落下したタイガーネロは、そのまま爆死する。
1311
シグフェル「………」
GOD悪人軍団をほぼ全て降したシグフェルの前に立ちはだかったのは、
暗黒の鋼鉄巨人、Gショッカー巨神邪将・キングダークだ。
キングダーク「新顔にしては見事な戦いぶりだ。
だが所詮この私の敵ではない!」
キングダークは、角からの放電、肩の大型ミサイル、手首の大砲など
多彩な攻撃を一度に繰り出す。シグフェルは飛び上がり、
左右の手をこぶしに握り、左手を突いた状態にまっすぐ伸ばす。
右手はあばらの下まで引き手を取り、突きができる状態に構えながら、
キングダークの猛攻撃をかわしつつ敵に接近して、正拳突きを放つ。
キングダーク「フハハッ…その程度か!」
シグフェル「なにっ!?」
キングダーク「――ふんっ!!」
さすがのシグフェル渾身の正拳突きも、
キングダークの頑強なボディにはビクともしない。
シグフェルはキングダークの片手で簡単に振り払われてしまう。
シグフェル「うわああ――っ!!」
地上にぶつかるシグフェル。迫りくるキングダーク。
そこへボウケンレッドがフレアセイバーを運んできた。
ボウケンレッド「シグフェル、これを使え!!」
シグフェル「――!!」
ボウケンレッドが放り投げた剣をキャッチして受け取るシグフェル。
シグフェル「これは…!?」
つい先程までほとんど化石同然の状態だったフレアセイバーは、
シグフェルの手に握られた途端、眩い閃光を周囲一面に放ち、
真新しく輝くその刃身を露わにした。
<聖なる不死鳥よ――その牙を示せ!>
シグフェルの手に握られたのは一振りの剣。
片刃で、青い輝きを煌々と放つ刀身は、一直線に空の頂を差している。
そしてナックルガードに彫りこまれた紋様は、天駆ける鳳凰の像――。
シグフェル「……フレアセイバー!」
シグフェルは、息を呑んで、初めて見るその剣の
知らないはずの名を呟いた…。
キングダーク「死ねえっ!!」
キングダークは拳を振りおろし、シグフェルを押し潰そうとする。
しかしシグフェルは手首をかえし、フレアセイバーをふるって、
その巨大なパンチをはねかえした。
キングダーク「…ぬおっ!?」
シグフェル「………」
なぜだかはわからない。だがフレアセイバーを手にした時から、
シグフェルの中に眼前の巨大な敵との戦いへの絶対的な
自信が生まれていた。抑えきれないほどの高揚感が全身を包んでいる。
剣を操り、地を疾り、そして跳ぶ。
シグフェル「…俺の肉体が、戦い方を覚えている?
――そうだ。そうだったんだ。これこそ、俺の本来の姿……!!」
深紅の光が一筋、宙に残像として描かれる。
鋭い金属音と共に、キングダークの黒い巨体はバラバラに分解し、
あっけなく崩壊した。その様子をアルティメットダイボウケンの
コクピットから見ていたボウケンジャーたち。
ボウケンブラック「なんて奴だ…」
ボウケンブルー「信じられない。フレアセイバーのハザードレベルの数値が
現時点で1000を超えている…!」
1312
北の界王星***
厚い雲の上に浮かぶ超小型な惑星。三次元宇宙の北銀河を統括する
北の界王が普段の住まいとしている星である。
ずっとさっきから、北の界王も地球での出来ごとの様子を観察していた。
北の界王「ふ~む…あの紅蓮の翼の戦士はいったい何者なのだ?
もしかしたら超サイヤ人に匹敵するパワーの持ち主かもしれん…。
わしにも全くデータがない。こうなったら、データとこ勝負だぁ!
なんちゃって……」
相変わらずの北の界王の寒いギャグが虚しく響いたのであった…。
地上***
シグフェルのすぐ側に、キングダークの巨大な首が
激しい衝撃音と共に転がり落ちて来た。
シグフェル「……!?」
首の口部分から這い出るように出て来たのは、
頭が脳髄をむき出しにしたような奇怪な姿の
全身が白い怪物のような老人だった。
その老人=キングダークの操縦者だった呪博士は、
言葉巧みにシグフェルに語りかけてくる。
呪博士「キングダークをも倒すとは見事だな。
ブレイバーズなんぞに置いておくには惜しい…」
シグフェル「俺はブレイバーズじゃない…」
呪博士「…そうか、ならば話は早い。
どうだ、このわしに仕えるつもりはないか?
GODで最高の地位を用意してやろう…」
シグフェル「興味はない…」
呪博士「それは残念だな」
実を言えば、呪博士は内心追い詰められていた。キングダークほ破壊されたことで、
普段から自分の肉体と接続していた生命維持装置も失われてしまったのだ。
その効力が消える前に、なんとかこの場を切り抜けなくてはならない…。
ふと呪博士は、シグフェルの右手に握られている剣に視線を移す。
呪博士「見事な剣だな。それを私に見せてくれんか?」
シグフェル「………」
呪博士「どうした…? わしにその武器を渡すのが怖いのか?」
呪博士の挑発に乗ったのか、シグフェルは呪博士に
フレアセイバーを渡してしまう。
呪博士「鍛え上げられた見事な技物だ。確かにこれならば
キングダークの鋼鉄のボディがバラバラに
切り裂かれるのも無理はない」
シグフェル「………」
呪博士「つまりだ、貴様がキングダークに勝てたのは
これのおかげだとは思わんか?」
シグフェル「何が言いたい…?」
呪博士の瞳が妖しく光る。
呪博士「この剣がわしの手にある限り、
貴様は絶対にわしに勝つことはできんのダアアッッ!!!!!」
呪博士はフレアセイバーをシグフェルめがけて思い切り振り下ろした。
しかしシグフェルはそれを片手で白刃取りの要領で軽々と受け止めてしまう。
呪博士「なっ…!?」
シグフェル「この剣があれば、俺に勝てる気だったのか…?」
シグフェルは呪博士の手からフレアセイバーを取り上げると、
外手刀打ちで呪博士の頭部と胴体を斬り飛ばした。
呪博士「グボォアアアッ――!!!!!」
頭部と切り離された白衣の胴体は爆発。
首筋の断面からメカの部分がむき出しに見える頭部も
地面に転げ落ちた。呪博士の首は、まだ意識を保っているようだ。
シグフェル「………」
呪博士の首「…ま、待ってくれ! 頼む! 殺さないでくれ!!
お前にこの太陽系全部の惑星をくれてやろう!! それでも不満なら、
Gショッカー全体で№2の地位に推薦してやるっ!! お願いだ!!
命だけは助け――」
――グシャッ!!
シグフェルに踏み潰された呪博士の頭部は、
完全にその機能を停止した…。
1313
無幻城・十二邪将円卓の間***
マシーン大元帥「なんだアイツはいったい何者なんだ!?」
東京侵攻作戦の様子を一部始終モニター画面で観察していた
Gショッカー十二邪将・円卓の間に詰める面々は、
完全に予想外の展開に大騒ぎとなっていた。
広間にはおぞましいほどに轟音と雷鳴が轟く。
妖怪王女「これは…!?」
地獄大使「表裏六柱の至高邪神はお怒りだッ!
すぐにアイツを倒すのだ!!」
ワルズ・ギル「えっへん! ならばここは我らに任せてもらおう!
我がザンギャックの無敵艦隊の力をとくとお見せしようではないか!」
◇ ◇ ◇
司令官ワルズ・ギルの号令のもと、東京上空に待機していた
無数のザンギャック艦隊は、他のブレイバーズはそっちのけで
一斉にシグフェルに集中砲火を浴びせる。
シグフェル「………」
シグフェルは翼をはためかせて上空に飛び立つと、
その右手に握られたフレアセイバーから閃光が発せられ光輝く。
そしてシグフェルが剣を一振りすると、たちまち光は波長を揃え、
射線上の全ての艦艇を呑みこんでいく。
シグフェル「ウォォォォォォォッ…!!」
閃光が空を薙ぎ払った後には、燃え尽きたザンギャック艦船の破片しか残らなかった。
生き残った艦艇も完全に統制が失われ、総崩れとなり我先にと敗走していく。
Gショッカーの侵攻部隊は、ここに撤退したのである。
ライディーンイーグル「勝ったのか、俺たち…」
ライディーンクロウ「いや違う。勝ったのはアイツだッ…!」
苦々しげに語気を強めたライディーンクロウの指した先には、
紅蓮の翼の戦士シグフェルがいた…。
さらにはその様子を他にも伺っている者がいた。
小高い丘の上に停まっている黒塗りの高級車の後部座席から、
双眼鏡を片手に注意深く観察していた男――キャプテンゴメスである。
ゴメス「もういい。出せ…」
ショッカー戦闘員「イーッ!」
ゴメスに命じられ、戦闘員の運転する車は
どこかへ走り去っていった。
◇ ◇ ◇
ワルズ・ギル「……( ゚д゚)ポカーン」
作戦指揮を執っていたGショッカー巨神邪将キングダークの戦死、
GOD悪人軍団の壊滅、ザンギャック宇宙艦隊の潰走。
しかも事実上、たった一人の敵を相手にである…。
あまりの衝撃的な展開に、その場にいた者はただ茫然と立ち尽くすのみだった。
ワルズ・ギル「ダマラス! なんなんだアイツは!?
話が違うではないか! 今ならあの海賊どもが地球にいないから、
今度こそ容易く地球を征服できるはずではなかったのかァーッ!!」
ダマラス「殿下、この場はどうかお静まりを!!」
ワルズ・ギル「うるさあ~いっ!!!!!」
ダマラス「インサーン、殿下を早くお連れしろ!!」
インサーン「ハハッ。殿下、まずはこちらへひとまず…」
ダマラス「邪将の方々、これにて失礼する!」
癇癪を起したワルズ・ギルをダマラスとインサーンが二人がかりで
十二邪将円卓の間から連れ出していく。残された邪将たちは皆、
未だに何が起きたのか理解できないといった困惑の表情だ。
ゴルゴス「信じられん……」
テラーマクロ「いったい何が起こったのだ……」
1314
その翌日…。
戦いも終わり、あの後シグフェルもいずこかへと立ち去り、
地上の街では急ピッチで復旧作業が進んでいたのだが。
サージェスミュージアム・地下サロン***
ミスターボイス「星間評議会から預かった貴重なプレシャスを、
独断でシグフェルに渡してしまうとは、これは重大な
責任問題だよ、明石君…゛(`ヘ´#) 」
明石「………」
明石暁は、勝手にフレアセイバーをシグフェルに渡してしまった件について
ミスターボイスから叱責を受けていた。
さくら「ちょっと、待ってください」
明石「――いや! 全ては俺一人の責任です。
どんな処分でも謹んでお受けします」
明石はさくらが自分を庇うのを制止するが、
厳しい表情だったミスターボイスのCGの顔が、
突然笑顔へと変わった。
ミスターボイス「…と、言いたいところなんだがね。
牧野先生、例の物をこっちへ…(^^)ニコ」
牧野「はいはい、ちょっと待ってください」
ボイスに促され、牧野は何やら厳重に梱包された
段ボール箱を慎重そうに運んできた。
蒼太「牧野先生、何なんですかコレは?」
牧野「フレアセイバーです。今朝、宅配便で送り返されてきました」
さくら「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
菜月「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
真墨「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
まさかの斜め上を行く想定外の展開に、
呆気にとられる一同…。
牧野「差出人は不明ですが、消印はメガロシティ第一中央郵便局になっていますね…」
真墨「シグフェル、いったいどういう奴なんだ…??(汗」
菜月「あれっ、なんか手紙が入ってるよ」
菜月は、箱の中に同封されていた一枚の紙片を取り出し開いてみる。
さくら「なんて書いてあるんですか?」
菜月「えっとね~……"勝手に持ち帰ってごめんなさい"だって…」
蒼太「それだけかい?」
菜月「うん、それだけ…」
明石「……そうか、シグフェルとはそういう奴か」
さくら「暁さん…??」
明石「…ふっ…ふふふ…あはははは!!(^∇^)アハハハハ!」
手紙の内容を聞いた明石暁は、何を思ったのか、
一人だけ納得したかように、突然腹の底から
思わず笑いが吹き出すのであった。
1315
無幻城・十二邪将円卓の間***
マシーン大元帥「シグフェルだと! それが奴の名前か!?」
アポロガイスト「ブレイバーズとは全く別の、新しく誕生したヒーローのようだ」
マシーン大元帥以下十一邪将は、
秘密警察長官アポロガイストから
新たなる謎の敵シグフェルの詳細について報告を受けていた。
アポロガイスト「ブレイバーズは今まで必死にシグフェルの存在を
我らに知られぬよう、ひた隠しにしていたのだ」
ブラック将軍「しかしアポロガイストよ、そういう情報は
すぐに我らの方に上げてもらわねば困るではないか」
アポロガイスト「誰かさんの横やりが入らなければ、
もっとスムーズに的確な情報収集が進んだのだがな…」
妖怪王女「………」
アポロガイストはチラッと妖怪王女の方を見やる。
実はダーク・キングダムの筋から
闇女王同盟を介して
秘密警察の捜査活動に妨害が入ったのであるが、
当の闇女王同盟関係者でもある妖怪王女は、
アポロガイストの視線を避け、知らぬふりを決め込んだ。
ビルゲニア「ともかく、戦死したキングダークの穴を
埋めねばなるまい。すぐに後任の邪将の選定に入るべきでは?」
暗闇大使「それもあるが、それよりも先に成さねばならん事がある!」
ドクトルG「偉大なるG~ショッカーがここまでコケにされたのだ。
そのシグフェルとやら、早急に始末する必要がある!」
ゴルゴス「シグフェルを血祭りに上げろ~!!」
他の邪将たちが気勢を上げる中、一人だけ押し黙っている人物がいる。
Gショッカー薔薇邪将、ローズオルフェノクこと村上峡児だ。
村上「………」
天王路「どうしたのかね村上君、何か言いたい事があるのなら、
今ここでハッキリと言った方がいい」
村上「…ああ、いえ。一つ気になる事がありましてね。
アポロガイスト殿、シグフェルはまだブレイバーズの一員では
ないと言いましたね?」
アポロガイスト「うむ、それは間違いない」
村上「ならばもし、そのシグフェルを先に我々の側に取り込む事ができれば、
心強い味方となるのですが…」
地獄大使「村上、貴様何を考えている…?」
村上「………」
月面・ダイダロス基地***
三輪「ほぉ~地球へ行くのか?」
コルベット「うむ。行先は日本だ!」
コルベット准将と密談しているのは、
以前のダカール政変にて今はティターンズ共々
地球連邦政府中枢から追われる身となっている、
あの三輪防人である。
コルベット「見よ、これを!」
コルベットは個室のデスクのパソコンを開き、監視衛星から送られた
"Gショッカーを圧倒するシグフェルの映像"を三輪に見せる。
シグフェルさえ手に入れば地球人類の勝利はおろか、
自身の栄光すらも我が物になる、とコルベットは確信しているのだ。
三輪「しかし極東の連中は、あれでなかなか手強いぞ…!」
三輪は薄ら笑いを浮かべるが、コルベットはそんな三輪の様子など
お構いなしにこう放言する。
コルベット「心配はいらん。ついでに三輪長官、
貴官の仇も取って来てやろう。まあ見てるがいい。
あの兵器さえあれば、我々は奴らに勝てる!
ハッハッハッハ…ハッハッハッハッハ…!!」
シグフェルのことを"兵器"と言い放った
コルベットは、野心を滾らせながら哄笑する。
ついに謎の超戦士シグフェルの存在が世に知れ渡った。
シグフェルの存在は今後、地球の覇権を巡る各勢力間の戦いにも
大きな影を落としていくことになるのである…。
1316
○武藤カズキ→侵入してきた敵と戦いながら、入場客を避難経路まで誘導。
○津村斗貴子→侵入してきた敵と戦いながら、入場客を避難経路まで誘導。
○星川コウタ→武藤カズキと津村斗貴子の誘導に従いながら避難。
○月山コトミ→武藤カズキと津村斗貴子の誘導に従いながら避難。
○ライディーンイーグル→東京エリアに侵攻してきたGショッカーと交戦。
○ライディーンホーク→東京エリアに侵攻してきたGショッカーと交戦。
○ライディーンクロウ→東京エリアに侵攻してきたGショッカーと交戦。
○ボウケンレッド/明石暁→シグフェルにフレアセイバーを託す。
○ボウケンピンク/西堀さくら→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事に仰天する。
○ボウケンブルー/最上蒼太→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事に仰天する。
○ボウケンブラック/伊能真墨→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事に仰天する。
○ボウケンイエロー/間宮菜月→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事に仰天する。
○牧野森男→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事を明石たちに伝える。
○ミスターボイス→フレアセイバーが後日、宅配便で送り返されてきた事を明石たちに伝える。
○北の界王→シグフェルを超サイヤ人に匹敵する戦闘能力の持ち主と推察する。
●司令官ワルズ・ギル→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●参謀長ダマラス→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●開発技官インサーン→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●地獄大使→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●ブラック将軍→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●ドクトルG→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●キングダーク/呪博士→シグフェルと戦い、まさかの戦死。
●十面鬼ゴルゴス→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●マシーン大元帥→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●帝王テラーマクロ→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●妖怪王女→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●暗闇大使→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●剣聖ビルゲニア→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●村上峡児→シグフェルをGショッカー側に取り込もうと考えている様子。
●天王路博史→新たなる敵シグフェルの出現に動揺する。
●ジンギスカンコンドル→シグフェルと戦い、戦死。
●ガマゴエモン→シグフェルと戦い、戦死。
●コウモリフランケン→シグフェルと戦い、戦死。
●カブト虫ルパン→シグフェルと戦い、戦死。
●クモナポレオン→シグフェルと戦い、戦死。
●カメレオンファントマ→戦場で臆したと看做され、タイガーネロに殺害される。
●ヒルドラキュラ→シグフェルと戦い、戦死。
●トカゲバイキング→シグフェルと戦い、戦死。
●アリカポネ→シグフェルと戦い、戦死。
●タイガーネロ→シグフェルと戦い、戦死。
●キャプテンゴメス→シグフェルの戦いぶりを、遠くから密かに観察していた。
●アポロガイスト→現在判明しているシグフェルの詳細について、十一邪将に報告する。
●コルベット准将→シグフェルの圧倒的な戦闘能力に魅かれ、その捕獲を決意。
●三輪防人→月面ダイダロス基地でコルベット准将と密談。
○シグフェル→GOD悪人軍団、キングダーク、ザンギャック艦隊をたった一人で撃破。
ボウケンレッドから託されたフレアセイバーを、後日に宅配便でサージェス財団に送り返す。
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【今回の新規登場】
○北の界王(ドラゴンボールシリーズ)
地球を含む北の銀河を管轄している神様。その地位は閻魔大王より上である。
あの世の「蛇の道」の終点にある、地球の10倍の重力があるこじんまりとした惑星「界王星」に、
猿のバブルスとバッタのようなグレゴリーとともに住んでいる。触覚を使って銀河の動向を察知したり、
自身を介して個人の声を全宇宙に届ける能力を持つ。低レベルな寒いダジャレが大好き。
●開発技官インサーン(海賊戦隊ゴーカイジャー)
ワルズ・ギル率いるザンギャック帝国地球遠征軍の幹部で、
様々な武器を作るマッドサイエンティストであり、行動隊長の改造手術を担当。
生物を巨大化させる特殊な光線も開発しており、倒された行動隊長やスゴーミンを
ギガントホースから発射される光線で巨大化し復活させる。
自身の開発した武器で宇宙を征服し、宇宙で最も偉大な科学者になることを夢見ている。
●コウモリフランケン(仮面ライダーX)
蝙蝠とフランケンシュタインを合成した、
Xライダーを凌ぐとの触れ込みで誕生した
GOD悪人軍団の最強怪人。奇巌城を拠点とし、
スパイコウモリによる情報収集を行う。
背中の大砲による空襲が得意。
●カブト虫ルパン(仮面ライダーX)
怪盗アルセーヌ・ルパンの化身であるGOD悪人怪人。
自らカブト虫に変身するのみならず、
配下の分身カブト虫も使って情報収集を行う。
レンズの紐に手をかけると透視能力が備わる。
ギロチンハットとサーベルが武器。
●クモナポレオン(仮面ライダーX)
蜘蛛とフランス皇帝ナポレオンを合成したGOD悪人怪人。
クモの糸で力を奪った後、クモの巣ジャングルで敵の動きを封じる。
ターゲットに贈りつけたナポレオンの肖像画に隠れ、
吸血毒グモで科学者の暗殺を繰り返した。
秘密を聞き出すためには子供にも容赦ない拷問を行う。
●カメレオンファントマ(仮面ライダーX)
怪盗ファントマの化身であるGOD悪人怪人。
変幻自在の身体と怪力、そして舌と瞬間移動能力を
駆使して戦う。偽Xライダーに化けた。
●ヒルドラキュラ(仮面ライダーX)
死人沼にいる吸血鬼ドラキュラ伯爵の孫娘。
通常は占い師の老婆の姿に扮している。
東京中を吸血人間でいっぱいにしようとした。
●コルベット准将(宇宙の騎士テッカマンブレード)
地球連合防衛軍の准将。強行的な手段の目立つ野心家。
フリーマンとは士官学校で同期の間柄だが、軍から外れて
独自の権限を持つスペースナイツのことを疎ましく思っており、
様々な方法でテッカマンブレードの力を連合軍に取り込もうとし、
その一環としてソルテッカマンの開発を推進した。
最終更新:2020年11月26日 10:14