乳児期
ジャン・ピアジェについて
乳児や児童の心理学と言えばピアジェです。ピアジェは親の影響か小さい頃から勉強熱心でした。8歳の頃に機械に興味を持ちだし、よく遊んだと語っていますが、機械の製造でいろいろと失敗したためだんだん嫌になり、9歳頃から地質学と動物学に専念するようになったそうです。そして、10歳の頃に鳥類や貝類の研究をするために、博物館の館長ポール・ゴデに手紙をだします。ポールは軟体動物の専門家で、そこでマズローは軟体動物に関するさまざまなことを学びました。幼くしてピアジェは軟体動物の専門的知識を手に入れたそうで、初論文を12歳でだしました!すごいですね。15歳〜20歳にかけて、ピアジェは名付け親のサミュエルから哲学について教えられます。そのとき、ピアジェは精神を含む森羅万象が生物学で説明できるのではないか。また、物事を知る認識論について、非常に面白い感じ、生物学による認識の説明に生涯をささげようと思ったそうです。
ピアジェは大学まで生物学を研究していましたが、認識論と生物学との関わりについて、心理学の中から見いだそうと、自身の研究分野を移します。その後、様々な研究を通し実績を築いていきました。
1955年、発生的認識論国際センターをジュネーヴに設立し、世界中から多分野の研究者を呼び、意見を交わしながら研究を深め、亡くなるまで精力的に活動をしました。
発生的認識論
ピアジェは認識の形成を、生まれながらに持っていたり、経験によって作られるものでもないとし、認識の形成は、主体が環境と相互作用する中で構成されるものとしました。(つまり、自己と対象とを認識できるようになるということかな?。)この構成について考えるためにピアジェは、シェム(認知心理学でいう
スキーマ)、同化と調節、均衡化という概念を持ち込みました。赤ん坊は生得的な反射のシェムを通して、単純なシェムを修正、分化、統合し、複雑なシェムを作り出していくということです。
- シェム(スキーマ):行動や思考の様式
- 同化 :自分に合うように変化させて、自分の内部に取り入れる
- 調節 :自分に合わない時には、その対象に合わせて修正する
- 均衡化(適応) :同化と調節の機能がうまく均衡している状態
4段階の認識の発達
メモ
乳児期の人間はどんどん成長していきます。体も脳も、それはそれはすごい勢いです。そんなことをボクら本人は意識することもなく育つわけですが、その過程を研究することは、人間の認知処理過程や自己形成過程を知るうえでとても面白いことだと思います。
最終更新:2010年11月12日 19:33