所属企業に関するあれこれ

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はじめに

一言で言うと

VESPERBELLの所属企業をざーーっくり言うと、
一貫して「グリーの子会社」です。

「子会社」をざーーーっくり言うと、「会社の一部門」を区切ったようなものです。

つまり、ものすごく雑に言うと、一貫して「グリーのVsinger部門」に居るというわけです。

細かく言うとー何がややこしいのか


「グリーの子会社」の組織デザインが変化している


グリーのVsinger関連事業は2018年に始まりました。
2018年から今日に至るまで、「Vsinger」という音楽シーンは日進月歩で発展し、ライブも当たり前になるなど変化してきました。
時代に合わせて、グリーもVsinger関連事業を日々アップデートし、組織のデザインも変えてきました。
そのため、頻繁に看板を掛け変えているというわけです。
看板が変わっても、そこにあるものは一緒です。

グリー以外にも親がいる?ーRK Musicとキングレコード

2023年7月、VESPERBELLはRK Musicに「移籍」しました。

RK Musicは「グリーとキングレコードの子会社」です。
「ということは、キングレコードの人がやってきて、Nさんと共同プロデューサーになるの…?」
と思った方もいるかもしれません。
しかし、実際にはそうではありません。

「親会社」とか「出資者」って、一体何者?ということが理解できれば、イメージできるようになると思います。
この記事では、若いBELLSに向けて、この点をなるべくわかりやすく(大雑把に)解説します。

解説の前に、客観的な資料としてVESPERBELLの所属企業に関する時系列をまとめておきます。

時系列

  • 2018-04-XX
      グリー株式会社、ライブエンターテインメント事業を運営する「株式会社Wright Flyer Live Entertainment」(略:WFLE. グリー100%子会社)を設立。
  • 2018-06-XX
      KMNZ、WFLEと株式会社Lictyの共同プロデュースによりデビュー。
  • 2018-08-31
      WFLEとキングレコード株式会社、VTuber特化型音楽レーベル事業を運営する「株式会社RK Music」(WFLE 51%、キングレコード49%出資)を設立。
  • 2020-03-30
      株式会社RK Music,プロダクション「ライブユニオン」発足。
      同時に、焔魔るり・HACHI、ライブユニオン所属。
  • 2020-06-07
      VESPERBELL、デビュー。
      =「株式会社Wright Flyer Live Entertainment」所属
  • 2020-10-01
      株式会社WFLE、社名を「REALITY株式会社」に変更。
      →VESPERBELLは「REALITY株式会社」所属に。

      社内の部門は
      ・REALITYアプリ部門
      ・法人向けメタバース事業部門(…のちのREALITY XR Cloud)
      ・Vtuber/singer関連事業(…のちのREALITY STUDIO部門)
      の3つ。
  • 2022-08-01
      REALITY株式会社、「REALITY STUDIO」レーベル名義でバーチャルタレントの募集を開始。
      →VESPERBELLは「REALITY株式会社」内の「REALITY STUDIO」レーベル所属、ということに。
  • 2023-03-01
      グリー株式会社、「REALITY株式会社」内の3部門をそれぞれ独立の会社に組織再編。
      …REALITY STUDIO部門は「REALITY Studios株式会社」(2023-01設立、グリー100%子会社)に吸収分割。
      →VESPERBELLは「REALITY Studios株式会社」所属に
  • 2023-07-01
      VESPERBELL、株式会社RK Musicに移籍。
      →VESPERBELLは「株式会社RK Music」所属に

      REALITY Studios株式会社には、いちぷろ、すぺしゃりてが残った形。
      (※移籍に関する法的スキームは公表されていない。
        →少なくとも会社分割など組織再編は行われていないことから、事業譲渡契約であると思われる。)

会社の仕組み、とても雑な説明

株式会社ってどんな仕組み?

一言でいうと…

① 会社のオーナーになる人(株主)がお金を出し合って
② ①のお金を元手に、人を雇ったりしてビジネスをして稼ぎ、
③ ②の稼ぎを①のオーナー(株主)に分配する

という仕組みです。

ポイントは、②で「ビジネスをする」のは、①でお金を出したオーナー自身じゃなくても良いというところ。

【例】「株式会社ABプロダクション」を作ろう

Aさん「噂によると、Vtuber事務所って儲かるらしいね」
Bさん「俺たちでお金を出し合って会社作るかー!」
A・B「でも俺たち、事務所のことなんにも知らないな…」
Aさん「俺の知り合いにNさんっていう凄腕プロデューサーがいるよ」
Bさん「じゃあNさんを雇って運営してもらおう!」
Nさん「わかりました、任せてください」

  • こうして、Aさん、Bさんは100万円ずつお金を出し合い、「株式会社ABプロダクション」を作りました。
  • AさんBさんがお金を出し合うことを出資と言います。
    出資によってAさんBさんは「株式会社ABプロダクション」の『株主』になりました。
  • Nさんは、「株式会社ABプロダクション」に年俸1000万円で雇われて、同社の『取締役』になりました。

【成功パターン】
  • Nさんはバリバリ活躍して、ABプロダクションはめちゃくちゃ儲けました。
  • この儲けから運営資金とかを差し引いた分は、AさんとBさんに分配されます。
    これを『配当』と言います。
  • 一方、Nさんは「株式会社ABプロダクション」から1000万円のお給料をもらいます。
    頑張ったNさんですが、『株主』ではないので、『配当』の分け前はもらえません。

【失敗パターン】
  • 運悪く、ABプロダクションは赤字でした。
  • 儲けがないので、AさんとBさんに分配するお金はありません。
    残念ながら、AさんBさんは『配当』をもらうことはできませんでした。
  • 一方、Nさんは「株式会社ABプロダクション」から1000万円のお給料をもらえます。
    最初にABプロダクションに雇われる段階で、「年俸1000万円」で契約したので、儲けが出ようと出まいと貰えるというわけです。

このように、
『株主』=お金を出した人、会社の利益(『配当』)をもらう人
『取締役』=会社から給料を貰って、会社を運営する人

とポジションが違うわけです。

ちなみに、『取締役』が複数人いるときの代表のことを『代表取締役』と言います。
いわゆる「社長」です。
「副社長」とかは『(ただの)取締役』です。

なお、『株主』兼『取締役』ということもあります。
Aさんが「俺は芸能プロダクション出身だから、俺が運営するぜ!」と自ら取締役になることも可能です。

今話題のビッグモーターは、元社長がビッグモーターの筆頭株主(一番多くお金を出した人)でした。

誰が会社のことを決めるのか

会社のことを決めるのは「社長」だ、というイメージではないでしょうか。
大まかには間違っていません。

ではなぜ、「社長」=『(代表)取締役』が会社のことを決める権利を持っているのでしょうか?
それは、会社のオーナーである株主が「会社の運営を君に任せるね」と委任したからです。

会社は株主が出したお金から始まります。
会社が成功すれば利益を受け取るのは株主、失敗したら損をするのも株主です。
ですから、会社のことは、本来は株主が決めるのが筋でしょう。

しかし、お金のある人が、実際に日々ビジネスの経営をする能力・時間があるとは限りません。
「お金のある人(株主)」と「経営できる人(取締役)」をマッチングして、どんどんビジネスをやってもらおう!というのが株式会社という制度なのです。

なので、会社に関することのなかでも特に重大な事項は、株主自身が決めるか、取締役が決めても株主の承認が必要だったりします。
会社の事業を売却するとか、他の会社と合併するとか、会社を解散するとか。
あとは、「取締役を選ぶ」のも株主です。

ちなみに、株主が複数人いるときの決定方法は、多数決です。
「株主総会」という単語を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
基本は、「賛成する人達の持っている株式が全体の50%を超える」と決定となります。

このように、株式会社は「大事なことは株主が」「日々のこと・専門的なことは取締役が」決める、という制度になっています。

親会社・子会社

会社も株主になれる

実は、会社も別の会社の株主になることができます。

【例】「ABプロダクション」と「株式会社 上村ファンド」

Aさん・Bさん「Vtuber事務所を作ろう」
Aさん「俺、100万円出すよ」
Bさん「俺も100万円出すよ」
Aさん「200万円だけだと、オフィスすら借りられないね…」
Bさん「俺の知り合いに投資会社をやってるCがいるから、声を掛けてみるよ」
Cさん「こんにちは、上村ファンドの取締役、Cです。
これは絶対に儲かります。ぜひ我が社にも出資させてください。
800万円でいかがでしょう」
Aさん・Bさん「はい、お願いします。」

  • こうして設立された「株式会社ABプロダクション」は、
    ・Aさん
    ・Bさん
    ・上村ファンド
    が『株主』です。
  • お金を出した割合が、
    ・Aさん…10%(100万円 / 1000万円)
    ・Bさん…10%(100万円 / 1000万円)
    ・株式会社上村ファンド…80%(800万円 / 1000万円)
    なので、ABプロの株式の10%をAさん、10%をBさん、80%を上村ファンドが持っているということになります。
    株式会社ABプロダクションが配当を株主に配るときは、この割合に応じて配ります。

親会社・子会社

ある会社が、他の会社の株の50%を超える量を持っているとき(50.000…1%以上)、
・ある会社=『親会社』
・他の会社=『子会社』
と言います。

例で言うと、上村ファンドはABプロダクションの80%の株式を持っているので、
・上村ファンド…親会社
・ABプロダクション…子会社
ということになります。

我らがVESPERBELLが2023年7月から所属する「株式会社RK Music」は、
・REALITY Studios 株式会社…51%
・キングレコード株式会社…49%
の持ち株比率ですので、REALITY Studiosの子会社ではあるけど、キングレコードの子会社ではない、ということになります。

なんで「50%を超える量」でしょうか?

上で説明した通り、会社についての重大事項は株主が決めて、細かいこと、専門的なことは取締役が決めます。

ある株主が「50%を超える量」の株式を持っていたら、自分が取締役にしたい人を取締役に就任させることができます。
反対に、言うことを聞かない取締役は解任することができます。
取締役はクビにされたくなかったら言いなりになるしかない。
今風に言うと、生殺与奪権を握るわけです。
そのラインが「50%を超える量」なのです。

100%子会社(完全子会社) ≒親会社の一部門

REALITY Studios 株式会社の株式は、全てグリーが持っています。
このような会社を「100%子会社・完全子会社」と言ったりします。

完全子会社には「買収したパターン」と「作ったパターン」があります。

「買収したパターン」で有名なのは、「LINE」アプリの会社です。
Zホールディングス(元ヤフージャパンを含む、ソフトバンク系の会社)が、SNSアプリ「LINE」を運営する「LINE株式会社」の株式をすべて取得しました。

「作ったパターン」はたくさんあります。
いわゆるグループ企業の多くがこれにあたります。
VESPERBELL関連だと、「グリー株式会社」が「株式会社Wright Flyer Live Entertainment」を作ったのが、まさにこれです。

会社が新しい分野の事業を始めるときに子会社を作ってそこで始めたり、会社のなかにある一部署が大きくなってきたときに子会社に分離したりします。

特に一部署を分離するケースでは、子会社として形式上は別の組織になっても、そこで働く人や物はそのまま引き継がれます。
(たとえば、子会社の代表取締役は、元の会社のその部門のトップであることがほとんどです)

じゃあなんで子会社に分離するのか?
これは少し難しいのですが、
・税金や会計でメリットがあった
・会社の手続がやりやすくなる
とイメージしてください。

つまり、実質は親会社の一部門だけど、子会社に分離しておいたほうが都合が良いから子会社という形にしている、という感じです。

逆に「子会社としておくと都合が悪い」状況になったら、サクッと親会社に吸収されたりします。
また「別の形にしたほうが都合が良い」状況になったら、サクッと組織再編されます。

たとえば、VESPERBELLの所属は2023年3月に「REALITY株式会社」から「株式会社REALITY Studios」に変わっています。
グリーがメタバース関連部門として「REALITY株式会社」を作ったけど、メタバース関連でもREALITYアプリ部門とVtuber/singer部門を分けたほうがいいよね、となったので組織再編したのでしょう。
現場のチームやスタッフ、施設などは何も変わらず、ただグループの分け方が変わっただけ、と理解して良いと思います。

合弁会社=いくつか会社がタッグを組む

「株式会社RK Music」は、2018年4月に
・WFLE…51%
・キングレコード株式会社…49%
の出資で設立されました。

このように、いくつかの企業がお金を出し合って作る会社のことを「合弁会社」と言います。

RK Musicは、VTuber特化型音楽レーベル事業を運営する目的で設立されました。

WFLE(REALITY株式会社)がメタバース事業をやっていく中で、音楽に関する部分が出てきました。
こういうとき、業務を別の会社に「委託」するという形を取ることもできます。
それと比べて、合弁会社を作るとどんなメリットがあるのでしょう?

一言でいうと、「力を寄せ合ってwin-winの関係を作ることができる」点です。

委託だと、クライアントの要求に応えて、報酬をもらって、それで終わりの関係です。
その結果としてクライアントの事業が成功しようと失敗しようと、決められたことをやれば報酬は貰えるわけですから、あまり関係ありません。
しょせん他人の関係です。
言い方を変えると、「クライアントの要求する条件を満たせば、それ以上頑張っても良いことはない」わけです。

それに対して、合弁会社は、それぞれの会社が出資して株主になります。
合弁会社が利益を上げれば上げるだけ、それぞれの配当が増えます。
いわば運命共同体・身内の関係になって、お互いの持つノウハウを持ち寄り、自分だけでは出来ない分野のビジネスをすることができます。

とは言っても、合弁会社でどちらが主体となって活動するかはケースバイケースです。
それぞれの会社が実際にエキスパートを派遣しあって経営するということもあれば、片方の会社は
「へえ、儲かりそうな事業じゃん。配当欲しいから、うちにも出資させてよ」と出資だけする、というケースもあります。

RK Musicはどうなの?

合弁会社RK Musicに、株式会社REALITY Studiosと株式会社キングレコードはどのような形で参加しているか?
これは、正直なところ、外部から見ることのできる客観的な資料はありません。

ただし、推測できる要素はあります。

①RK Musicの取締役

RK Music設立時の代表取締役 水谷誠也氏 は、REALITY株式会社で同社の取締役なども務められている方です。
( 参考 )
2023年6月より代表取締役となった杉山綱祐氏も、株式会社グリーの執行役員、REALITY Studiosの代表取締役を兼任されています。

日々の業務の決定権は、グリー・REALITY側が持っていると言えます。

②RK Musicへの出資割合

・REALITY Studios 51%
・キングレコード49%
この「51:49」という数字は、2社の合弁会社でありがちな数字です。

上でも説明しましたが、株主総会での決議要件は、基本的に「過半数」です。
51%を持っているほうが、取締役の選任を含め、だいたいのことを株主総会で決められるというわけです。

つまり、株主が決める事柄についても、グリー・REALITY側が最終決定権を持っているというわけです。
もちろん、ほとんどのことは話し合って双方合意で決定しているでしょうが、「いざ意見が分かれたらどうするか」を、出資の段階で「グリー・REALIRY優先」にしておいたということです。

(補足)
他には、「66:34」「67:33」という数字もありがちです。
株主総会で決議する事柄のうち一部のものは、決議要件が「2/3以上」になっているからです。

③RK Musicのオフィスの所在地

RK Musicの本店所在地は
東京都港区六本木6-11-1(六本木ヒルズゲートタワー)
です。
これはREALITY株式会社、株式会社REALITY Studiosと同じです。

一方、キングレコードの本店所在地は
東京都文京区音羽1-2-3(キングレコード自社ビル)
と、別のところにあります。

合弁会社の社員は、親会社から出向してくることが多いです。
ですので、合弁会社のオフィスは「多く社員を派遣する側」や「施設を提供する側」の親会社の近くに置くことが多いです。


①~③を見ると、一貫して、かなりグリー(REALITY)側のポジションにありますね。

そして何より、我らがNさんが
と言っています。
これが全てでしょう。

RK Musicに"移籍"はしたものの、経営トップも、現場のスタッフも、「グリーのVsinger部門」のままであると評価して良いのではないでしょうか。
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