【黒鉄銃者】《Dark Metal Gunner》

「何処だ…ここ……?」



【黒鉄銃者】≪Dark Metal Gunner≫

通称《D.M.G》
世界に数人しか居ない"黒鉄"と呼ばれる、正式な名もない武器を身に宿す者

このD.M.Gは左腕全てが巨大なライフルになっている。

そのライフルは自らの記憶を代償に弾丸を撃ち出す
≪Memory Bullet≫と呼ばれる特殊な弾丸を放つ

威力は普通の弾丸よりも弱いが、
この弾丸の特徴は相手の装甲・防御力を無視して
常に一定のダメージを与えるという
D.M.G固有能力『Absolute Armor Penetration』によって成り立っている

撃ち出す記憶の指定さえしなければ些細な記憶から撃ち出され、
その場合の威力はプロボクサーの本気のパンチ程度である

強い記憶を撃ち出せば、
その威力は対物ライフルをも超える事がある

唯一の欠点は連写が効かず、1レスにつき1発しか撃てない事


初期スペック・狙撃の名手、機敏


+ 授与者様への質問結果
  • 銃身は構えたりするのにさほど時間がかからない重さ
  • 射程は撃ち出す記憶の強さに比例し、50m~2kmくらい
  • もちろん距離が伸びると威力は減衰する
  • 記憶の弾丸は《ぼんやりと光るもの》で表現してもよい
  • 銃身は腕を下げた状態でくるぶしの10cm上に先端がくるくらい



基本データ

名前 ウィル
性別
年齢 風体は20代後半~30代後半
能力分類 【遠距離系】
誕生日 覚えていない
身長 190cm程に見える
体重 太ってはいないが痩せてもいない
趣味 左腕の手入れ
好きな食べ物 これから探す
得意スポーツ 射撃競技?
好き 歩く
嫌い 極度の喧騒
大切 手帳
トラウマ その時になればわかるかも


【容姿】
20~30代に見えるおっさん、北欧系の顔立ち
髭などを手入れすればもっと若く見えそう

髪は白っぽい短髪だが決して白髪ではない。地毛である(ここ重要)
また短髪といっても禿げているわけではないしそこまでの歳でもない
最近、灰色のネコミミが生えた。
感覚もあるし聴覚もある。

死んだ魚のような薄茶色の眼をしているが、記憶が蓄積するにつれ
目に光が戻るかもしれない

黒っぽい長袖の薄いコートを羽織っていて、
袖のない左腕からは最大の特徴である銃身がその存在を誇示しており
一切それを隠す意図がないのが見て取れる
というか普通の人向けの服では隠せる気がしない
警察なんかに出会ったら一瞬で銃刀法違反で捕まりそうである

ちなみに左腕の肩以降の肘等関節はもちろん存在しない
よって日常生活ですごく不便。右利きなのである程度は大丈夫だが…

夏は左腕が冷たくて気持ちいいとかなんとか

残りの服装はそれなりに普通といえば普通
すり減った黒いジーンズと同じくすり減った白のスニーカー
腰のポーチには腕を手入れする為の道具も入っているらしい


【性格】
基本データの通り極度の喧騒を嫌う
が、町のざわめき程度のものは逆に好むようだ

あまり物事に動じるような性格ではない
また、感情型というよりは思考型の行動原理に近い

自身の左腕を銃、あるいはライフルなどと呼ばれるのを嫌う
あくまでそれは本人にとって左腕であり、それ以上でも以下でもない


【生い立ちというか今までの経緯】
ここに至るまでの一切の経緯が不明
唯一のまともな所持品であった黒革の手帳、
これに書かれていた己の能力に関することしか覚えていない

能力の内容的に記憶喪失は能力の為と思われる
が、その特性上思い出すことはないかもしれない

過去にいったいなぜ記憶がなくなるまで能力を使ったのか、
その結果どうなったのか。…それも定かではない

最近、ソラの勧誘でネコミミサロン、
ランカーズに参加、登録することになった。

現在はたまたま空欄だった『ランカーズ』50位。

+ 【その他諸々】
記憶を失う前の彼の名はアルバート・ガリオン。職業は傭兵。
自身の能力でもある、
幼少時に己の左腕に発現したDMGを獲物として戦う兵だった。

過去の性格は冷酷。
味方を援護することはするが、敵には容赦しない。
命乞いをされようが背を向けて逃亡しようが迷わず撃ち抜き、
一撃のもとに葬り去る。
ちなみに過去は幼少時の幸せな記憶や、
青年期の辛い記憶を存分に込めていた為に一撃必殺の威力だったが、
能力者世界では一度全ての記憶を失っているせいで
思い出深い記憶に乏しいため、過去のそれほどの威力はない。

一度記憶をすべて失い能力者世界に流れ着いた後は、
浮浪者をしている。

記憶も思い出せず、自分について知っているのは左腕の使い方だけ。
生きるために仕方なく強盗まがいの行為に身を落とし、
また強盗の記憶を撃ち出すことで平静を保っている。

その為完全に自分が犯罪に手を染めている自覚はないが、
何度も何度も重ねるうちに薄々自覚するようになってしまった。

現在は、左腕がそれ以外の用途に使えないか模索中。
基本的に必要に狩られた時以外犯罪行為には手を染めず、
能力者世界では主に生きるための強盗、窃盗しか行っていない。
本人は覚えていないが能力者世界では一度も人を殺したことがない。

過去の世界で行っていた傭兵稼業も生活する術であり、
仕事として行っていた為罪悪感は薄かった。
現在ではもちろん罪悪感はない。忘れているから…


+ 【記憶の欠片1】
黒鉄と呼ばれる力と覚醒

アルバートはすこし病弱な普通の少年だった。

その日までは。

アルバート少年は普通の家系に生まれた。
父は商人。豪商というほどではなかったが、
それなりに儲けは出ていた。
近所でも人格者で有名な父と、それを支える淑やかで大人しい母。
その間に生まれたアルバートは、
臥せりがちだが気さくな少年として近所でも有名だった。
病弱と言ってもごく稀に突然吐血したり、
治りかけた傷口から出血する程度で、普段は至って健康な様子だ。

その日は数日前から父が買い付けに出、
母は隣町のマーケットまで日帰りの買い物に出ていた。
アルバートもそこまで幼い年ではなかったし、
両親も、そしてアルバートもそれが普通だと思っていた。

母が作り置きしてくれていた食事を昼に食べ終え、
近所の誰かを誘って家で遊ぼうと思い立った時だった。

「………ッ!」

割れそうなくらいに痛む頭。
痛い。痛い、痛い。
ずきずきと波のように遅いくる頭痛と、全身の疼痛。
特に痛む左腕は、
すでにぐちゃぐちゃに潰れているのではないかと
錯覚させるほどの痛みを発していた。

「な……にが………ッ…!?」

その疑問に答えるものはおらず、あまりに酷い痛みに絶叫を上げることもままならないまま、
頭から全身へと痛みがさらに広がっていくのを感じ意識を手放した。

目が覚めて一番に感じたのは、左腕の異常だった。
重い?いや、それよりも動かない?
閉じていた為にやにが付いた眼を利き手の右手で擦り、
光に慣れたアルバートの目に飛び込んできたのは、
あまりにショッキングな光景だった。

左腕が銃になっている。
立ったら地面に着きそうなぐらいに銃身が長い、黒光りする銃。
思わず長い叫び声をあげたことを、誰が責められようか。
叫びに驚いて駆け付けた近所の住民を声だけで追い払っても、
その動悸は治まらなかった。
戸惑う少年を尻目に、帰宅を告げる母の声。
同じく声だけで返事をするが、ずっと隠しておける訳がなかった。

久しぶりに父母が揃った夕食時、それは起きた。
当然のように呼ばれたアルバートは逡巡した。
こんな腕を見せたら、父母に嫌われてしまうのではないか、と。

残念ながら予想は当たった。
今まで人格者だと思い慕ってきた父と、優しく接してくれた母は、
手のひらを返したように冷たく当たった。
異常な腕の銃からくる畏怖と、
異端に対する周囲の目を恐れたからだ。
言外に何度も出ていけと言う父母に嫌気がさし、
父母の言うとおりに家を出た。

ゴミを漁り暮らす浮浪児となったアルバートに投げかけられるのは、
冷たい視線と異端者は死ね等の罵詈雑言、
そして沢山の石つぶてだった。

「やーい銃男」

「なにその腕…近寄らないで!」

「もうお前は息子などではない」

つい数日前まで遊んでいた友人や、密かに思いを寄せていた少女、
そしてなにより父母から投げかけられる言葉に、
少年の心は壊れる寸前だった。

これは夢なんだ。
目が覚めたらこんな銃じゃなくて、普通の腕がついてるんだ。
いやむしろこれは銃なんかじゃなくて、腕なんだ。
銃に見える方がおかしいんだ。
全てを忘れてしまえたら楽なのに!

日に日に荒み、崩れ、おかしくなっていく少年の心に響いたのは、
自分の心の声だった。

《忘れたい。逃げられたらいいのに》

ふざけるな。
なんで僕が。
なんで僕だけがこんな目に。
何度も何度も怜悧な自分の声に自分で問いかけ続ける少年に、
答えは出せなかった。

それから数年。
少年は傭兵として戦場に立っていた。
自身の記憶を込めて打ち出した弾丸は、
他のどんな銃より強かった。
めきめきと傭兵の中で頭角を現していった少年、
否、青年はこう思った。

これは俺の腕なんだ。
誰にもこれが銃だなんて言わせない。
そんなふざけたことを言う狂った奴は、この腕で撃ち抜いてやる。

既に青年の方が、狂っていたのかもしれない。


+ 【記憶の欠片2】
何度も記憶を銃弾として撃ち出すたびにその力が馴染み、
青年になったアルバートは以前の彼ではなくなった。
幼いころの、声に囚われる前の幸せな記憶すら撃ち出し、
当然、辛い記憶も片っ端から撃ち出した。
傭兵として立つ戦場で、何度も、何度も。

もともと銃器に対する高い適性があったのか、
彼は高い戦果をあげていた。
敵軍に付いた傭兵や正規兵には、

【黒鉄の銃者】

あるいは単に【黒鉄】と呼ばれていた。
高い狙撃能力を持つ彼の手から撃ち出される強力な記憶の欠片は、
数えきれないほどの人を穿った。
傭兵の間では、
「【黒鉄】さえいればあいつ一人で敵の指揮官に勝てるだろう」
とさえ言われた。

彼がある戦を境に姿を現さなくなってからも、噂は広がり続けた。

「あいつに殺された奴はすぐにわかる。
みんな防弾チョッキの上から体をブチ抜かれているから」

「【黒鉄】だけは敵に回すな。あいつがいる方が勝つんだから
傭兵やるならそれだけは覚えとけ」

「戦場であいつに会ったら伏せろ。逃げても背後から撃たれる。
命乞いをしても撃たれる。だが伏せればもう何秒か生きられるぞ」

「あいつはおかしい。何kmも離れた人間を百発百中で撃ち抜くんだ。悪いことは言わねえ、見てる暇あったら大人しく隠れろ」

「【黒鉄】の左腕を間違っても銃だのライフルだの言うんじゃねえ。それが遺言になる」

などと眉唾に近い、だが実は根は全て真実な噂ばかりだった。
だが一方でこんな噂もあった。

「いつだったか俺は見たんだよ。
あの【黒鉄】が戦地でぶつぶつ呟いてるのを。
…父さん…母さん…ってな。本人の前で言うんじゃねえぞ」

「あいつはおっかねえけど悪い奴じゃねえと思うぞ。
少なくともあいつがいなけりゃ俺は今ここに居ねえし、
あいつに助けられた奴もわんさかいるんじゃねえか?」

「あの時はびっくりした。背後で銃声が響いたかと思ったら、
眉間から血を噴いた敵が俺の方に倒れてきたんだ。
俺が撃たれたと思ったもんさ」

「いやあ心臓飛び出るかと思った。
あの【黒鉄】が街中歩いてらと思ったらなんと、
あいつ美人の嫁さんと娘が居たんだぜ?
見間違いかと思ってしばらく動けなかったよ俺」

という、【黒鉄】が味方を助けたり、
父母に縋るような弱い面を見せたという噂だ。
これも全て真実なのだが、強烈すぎる前者の噂に揉み消され、
伝わることはあまりなかった。

かくして噂は、彼が異世界に消えた後も消えずに伝播する。
結論はただ一つ。彼に出会った傭兵たちが言うのもただ一つ。

「とりあえず【黒鉄】に味方として会ったら、
話しかけずに置いておけ。敵として会ったら諦めて伏せろ」

なのだった。


+ 【記憶の欠片3】
彼は記憶を失う前、幸せの絶頂にいた。他者より辛く厳しく、
血なまぐさい人生を送ってきた彼の至福の時間。
恋愛結婚した美人で年下の20歳の妻と、2歳の娘。
一戸建ての自宅も所有しており、
職業が傭兵とはいえ落ち着いた生活だった。

年に何か月か傭兵として戦地へ赴き、
その時の高額な報酬で残りの月を家族と共に暮らす生活をしていた。

だがしかし、彼に悲劇が起こる。
傭兵として戦地へ赴いている間に、妻子が襲われたのだ。

犯人は戦地でアルバートに殺されかけた男。
傭兵として戦う術を失い、
浮浪していた男は自分の生きる術を奪ったアルバートを憎んでいた。
故に、家族と仲睦まじく暮らすアルバートの姿を認めたときの
男の様子は、正視に耐えるものではなかった。
嫉妬と怒りに顔は醜く歪み、口からは怨嗟の声が漏れ出す。

だが男とて元傭兵。
アルバートの目の前で再び喧嘩を売るような真似はしなかった。
もう一度戦っても今度は確実に負けるに決まっていたからだ。

男はアルバートが傭兵稼業で家を留守にした時期を狙った。
夜間にアルバート宅に侵入し、眠っている2歳の娘を捕縛した。
娘を人質に妻を言いなりにさせ、娘の前で何度も何度も殴り、
嫌がる妻の尊厳を踏みにじった。
何日もそうし、憔悴しきった妻の前で、今度は娘を甚振った。
何度も、何度も。殴り、蹴り、踏みつけ、投げ飛ばし、
火傷も負わせた。
一日に及ぶありとあらゆる暴行虐待の結果、当然娘は死亡した。
悲嘆に暮れ涙を流すだけの抜け殻のようになった妻を、
再び何度も甚振った。当然より強い暴行を加えた。

それを見た男は満足したのか、
アルバートの部屋の内壁につらつらと恨み辛みを書き連ね、
自分が妻子に行った悪行を全て生々しく描き残して
アルバート帰宅の前日に去った。

数か月に及ぶ傭兵稼業で大金の報酬を得、
意気揚々と妻に報告しようと帰宅したアルバートを出迎えたのは
惨状だった。
腐臭を放ち始めた愛娘の躯の前で、
涙をぼろぼろと流しながらうわごとのように

「あなたが傭兵なんてしていなければ……あなたのせいで………」

と呟きつづける心を失った愛妻の姿だった。
その妻も間もなく衰弱で事切れた。

自分への怒りと絶望、そして悲嘆に暮れるアルバートが
自室に戻り見たのは、男が書き残した文。
アルバートの胸に残ったのはただ一つ、復讐心だけだった。

アルバートは執念で男の居場所を僅か数日で見つけ出した。
男を見つけたアルバートは、
その身に纏う憤怒の限りに力を振るった。
記憶の弾丸で男を散々に痛めつけた。命乞いをしてももう遅い。

最後にアルバートは、持てるすべての記憶を弾丸に込めた。
幸せだった日々をもう思い出さないために。
辛い日々から逃げるために。
そして、復讐に駆られた目にただ一つ映る、
目の前の敵の男を確実に滅殺するために。

狂ったような笑みでその弾丸を男に放ったアルバートは、
男が木端微塵に砕けて消え去るのを確認してから、
ばったりと倒れた。

―――――そして。目を覚ましたアルバートは、
唯一の記憶の手がかりであるメモ帳を持って、
全ての記憶を失った状態で。

能力者たちの跋扈するこの世界へと、
いつの間にか迷い込むようにやってきていた。


+ 【明かされるかもしれない事実】
この世に数人しかいないとされる〝黒鉄〟の一人だが、
実は聖痕症候群第三病変の患者でもある。
幼いころからの吐血や出血は第一病変、
その後痣に気付くことなく第二病変をすっ飛ばし、
第三病変へと至った。

痣は左肩の後ろ。本人にはぎりぎり見えない位置で、
その形状は「何かの欠片に食い込んでいる銃弾」のような形。

元の世界では聖痕症候群自体が存在していないか、
ごくごく稀な病気で、両親や彼自身もその存在を知らなかった。
また世界を超えた影響が出ているのか、
それとも複合する形で関わる〝黒鉄〟が影響しているのか、
実は彼に能力的な最終病変と呼べるものは存在しない。

なんらかの原因で本来なら最終病変に移行する状況に陥った場合、
能力自体は変化しない。
が、彼の意識的なリミッターが解除され、
記憶を失うことに一切の抵抗を示さなくなる。
むしろ一発に全ての記憶を込めたりと、
とても常人の精神では行えない無茶をやらかすことになる。

ちなみに、彼が失った記憶の中で敵の男を滅殺した時に、
一度この段階へ至っている。

現在記憶を失っているのは、
この時に全ての記憶を撃ち出したからである。



+ 【黒革手帳】
たった一つのまともな手がかりの手帳
矢車 仙理の手によって、
書かれたことを映像として再生できる機能がつけられた

《今日から俺の名前はウィル。仮名だが本名、俺の唯一の名前》
矢車によってつけられた》

《公園でカマクラの主に会った》
《名前は知らないが、俺を雇うとは…奇特な奴だ》

《クレープ屋の店主、矢車 仙理に会った》
《クレープもケバブも美味すぎて泣いちまった》
《またいつか会うこともあるかもな》

ネコミミのソラに会う》
《流れで、ネコミミサロン(仮)に加入。ランカーズを紹介される》
《ときどきここ(古びた教会)のポストに報告すること》
《水色のがソラで――――――――――(以下子供たちの容姿と名前)》


  • 諸事情で貰った後参加できず今に至ってしまいました。授与者様に申し訳ない… -- 中の人 (2012-01-29 14:24:00)
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最終更新:2012年02月17日 20:16
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