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みくみくマメ知識 3)発音をはっきりさせる(その2)

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みくみくマメ知識

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発音をハッキリさせる(その2)

発音の明瞭さは子音成分に依存する、って話は前回もしたんだけど、この子音成分を制御する重要なパラメータがベロシティ(VEL)だ。

まずはこちらを聴いてもらいたい。「Returning」のAメロをベロシティ未調整(128固定)で歌わせたもの。
MP3: Returning-A-org.mp3
VSQ: 1_A_melo.vsq

つづいてベロシティ他を調整したもの。




mixの過程でEQやコーラス等で音が鈍ったり、オケと重なることで子音成分が聴き取りにくくなる。ベロシティが大きいままのデータでは子音成分が不足してしまい、発音が不明瞭になりがち、ということがわかると思う。



ベロシティの値と子音成分の関係を整理すると以下のようになる。

ベロシティが大きい=子音が短く、小さくなる
ベロシティが小さい=子音が長く、大きくなる

したがって、ベロシティを小さくしておけば子音成分が多くなり、発音が明瞭になるわけ。

ところがだ。かならずしも小さければよいってものでもないのがVOCALOID2の悩ましいところ。実際にやってみればわかるが、「さ・た・ら行」の音などは子音成分が多すぎてもダメなのだ。

とくに「さ行」は顕著だが、もともと目立つ子音であるためベロシティを小さくすると目立ち過ぎて不自然になる。これらの音はベロシティを大きくした方が自然に聴こえる。


調整の仕方としては、いったん全ての音にベロシティ0付近を設定し(直線ツールで一気に引いてしまう)、再生して発音を確認しながら「さ・た・ら行」は大きくしていくと楽。

ちまちま変えても効果がわかりにくいので、変えるときは思い切って128付近まで一気に上げてしまうといい。再生してみて明瞭さが足りなければ64付近まで下げてみる…などと調整してみよう。「ら行」は微妙な調整が必要になることもある。

その他の音でも発音に不自然さを感じたら、128付近、64付近とおおまかに変えて自然になるポイントを探してみるといいね。


ここまでは教育計画で書いたのとほとんど同じなので、オマケ情報をひとつ。

キーが下がっていくと、どうやら元波形がピッチ変更で作ったものに変わるらしく、波形の性質が変わってしまうようだ。

同じベロシティの値でも、かなり低いキーだと子音成分がより長くなってしまい、キレが不足して発音が怪しくなってしまう。

そこで、低いキーを使う場合は標準のベロシティを0ではなく30-40くらいにしてみるといい。子音を短くしたい場合も128ではなく100ぐらいまでにした方がいい感じだ。


サンプルで上げた修正後のVSQは、前回で説明した「音をくっつけて子音を弱める」とか、「DYNで子音の頭を削る」で「さ行」の発音をさらに弱めたりして調整してるので覗いてみると面白いと思うよ。

発音については今回で終わり。次回からは「抑揚のつけ方」を説明する予定だ。(by イインチョ)

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