こんばんは。
久しぶりの実験班活動報告の更新ですね!最近リアルのほうが本当に多忙でして…すみません。
文化祭終了後から今に至るまで、いろいろありました!
時間軸に沿って結論から述べると…
①実験を4回行いました!(10/22(月)、10/26(金))
↓
②東京大学の研究室に直接訪問をし、見学をさせて頂き、なおかつアドバイスまで頂きました!(10/31)
↓
③ある日突然、実験後の生成物の精製方法の新案が閃きました!
10月から11月上旬の流れ、こんな感じです。午後3時まで授業があり、
小テストや宿題が降りかかってくる高校生からすると、とっても密度の高い充実した1ヶ月でした。
東京大学の見学に関しては、こちらのページをどうぞ→
2012年度_東京大学見学
それからちょっと話がそれますが、
7月に行った化学グランプリの結果を正確にご報告するのを忘れてました。
良かったらこちらのページをどうぞ→
2012年度_化学グランプリ結果
それでは、本題。
平均反応効率(収率/時間)とは?
化学の世界には反応速度(物質の変化量/時間)という概念が存在します。
反応速度とは、ある化学反応A + B → C において、
純物質の「A」や「B」、「C」が、単位時間あたりどれだけの量が変化しているのか、
ということを表します。値の絶対値が大きければ大きいほど反応が早く進んでいるということになります。
ちょっとわかりにくいですね。例をとって考えてみましょう。
<Example ----- 反応速度>
2H2 + O2 → 2H2O という水素(H2)の燃焼(あるいは爆発)の反応において、
例①2.0molのH2と1.0molのO2が4秒で反応し、生成物を計りとって1.6molのH2Oが得られた(0.4mol分のH2Oはロスしたとする)の場合、
H2の反応速度は -0.5mol/秒
O2の反応速度は -0.25mol/秒
(データ上、)H2Oの反応速度は +0.4mol/秒
となります。
例②4.0molのH2と2.0molのO2が4秒で反応し、生成物を計りとって3.2molのH2Oが得られた(0.8mol分のH2Oはロスしたとする)の場合、
H2の反応速度は -1.0mol/秒
O2の反応速度は -0.5mol/秒
(データ上、)H2Oの反応速度は +0.8mol/秒
となります。
ちなみに理論上、
①の反応では2molのH2Oが、
②の反応では4molのH2Oが生成するはずですから、
①の反応の収率は80%、②の反応の収率も80%となります。
ここで…反応の効率を考えてみましょう。
①、②の反応は収率がいずれも80%なのに対し、
反応速度の値は物質ごとに変化してしまっていますね。
これは、反応速度という概念が「物質の変化量」に依存していて、
反応させる試薬の量を変化させると、反応速度の値の絶対値までもが変化してしまうためです。
反応速度は、反応させる試薬量を変えると最大値が変化してしまうのです。
これから反応速度という概念を”反応の効率のモノサシ”として自分の研究を進めようとすると、
試薬の量のを変えた際に、反応速度の最大値が変化してしまう(モノサシそのものの長さが変化してしまう)ため、
反応速度からの反応の効率の比較が大変しにくくなってしまいます。
同時に、反応の効率を反応速度で数値化することもできなくなってしまいます。
(最大値60において20という数字は全体の1/3だし、最大値90のうち30という数字も1/3。
このとき30>20だから、30のほうが全体を占める割合が大きい!とは言えませんよね。
つまり、この場合、最大値が60と90で異なるので、20と30は数値の大小関係で比較ができない)
そこで、僕は平均反応効率(収率/時間)という概念を考えました。(勝手に考えた概念です。)
平均反応効率では、物質の変化量の代わりに「収率」をおきました。
収率とは理論収率に対する生成物の量を百分率で表したものなので、
どんなに反応させる試薬量を変化させても最大値が一定です。
”反応の効率のモノサシ”としても、最大値が変わらない(モノサシそのものの長さが変わらない)ので最適です。
<Example ----- 平均反応効率>
上記、例①の反応において
H2Oの反応速度 :0.4(mol/秒)
H2Oの平均反応効率 :20(%/秒)
収率 :80(%)
上記、例②の反応において
H2Oの反応速度 :0.8(mol/秒)
H2Oの反応反応効率 :20(%/秒)
収率 :80(%)
⇒平均反応効率は試薬の量が変わっても、収率が変わらなければ値が変化しない!!
⇒すなわち、平均反応効率の値が大きければ大きいほど反応の効率が良いと言える。
(その反面、反応速度では、数値における比較が出来ない。)
また、反応の進み具合は1次関数的なグラフにはならず、3次関数的なグラフになると予想できるため、
「反応効率」という名ではなく「平均反応効率」という名を付けました。
デメリットとしては、「収率」を用いているので反応物にこの概念を使えないことです。
(例①や②で考えると、物質「A」、「B」にはこの概念が使えないということ。)
しかし、僕のアルドール反応の研究は「いかに反応の効率を良くして最終生成物を100%近く得るか」をテーマにしているので、
このデメリットは全く影響がありません。
平均反応効率、我ながら、とても便利そうな概念ですね!(^^)!
やはり概念の説明は長くなってしまいますね(汗
難しいと感じた方、すみません。
簡単に一言でいうなら、
物質の変化量(gやmol)を百分率を用いて表した反応速度が平均反応効率です。
う~ん、勉強しなきゃだし、時間が無い…。
すみませんが第3、4回のアルドール反応の実験結果の報告(10/22(月)、10/26(金))と考察は次回にします。
(実は定期試験前でめちゃくちゃ忙しい!!)
それでは、
次回の更新もよろしくお願いします!
参考文献
とくになし
部長、実験班班長まっしゅ
最終更新:2012年11月15日 07:41