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Round.9 レースレポート

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 --- Super GT Championship Round.9 ツインリンクもてぎ 32LAPS 決勝レポート ---

痛恨のミス

 最終戦には特別な意義がある。ノーウエイトの真っ向勝負こそ、ドライバーにとっては真に勝たなければならないレースだからだ。チャンピオンは第8戦で決定したが、シーズンを締めくくるレースに消化試合の雰囲気は感じられなかった。

 決勝はスタート直後からgroove_holixとepiwaterが首位を激しく争った。5周目にターン2からターン3にかけてのストレートでgroove_holixをオーバーテイクしトップに立ったepiwaterは、11周目に早くも1回目のタイヤ交換を行い、ここで一度両者の間隔は大きく開くことになる。

 新品のミディアムタイヤを装着したepiwaterが1分45秒台を記録していたのに対し、2ストップを目論むgroove_holixは15周目までソフトタイヤのまま走行を続け、スティントの終盤は1分46秒台で推移していた。新品のミディアムタイヤに交換してもさほどペースの向上は見られず、最終スティントにソフトタイヤで予選トップタイムより速い1分43秒台を立て続けに記録したepiwaterとは対照的な“守りの走り”に終始していたgroove_holixは、中盤以降のペースの差が響いて最後のタイヤ交換の際にピットストップが1回多いepiwaterに逆転を許してしまう。

 10周も古いタイヤとはいえ熱の入っていないハードタイヤでは追随するすべもなく、約5秒という十分なタイム差をつけてepiwaterがトップチェッカーを受けた。今季4勝目…かと思われたが、レース後にあるコースレギュレーション違反が発覚する。

 ツインリンクもてぎではピットロードの安全確保のため150km/hを超える速度での進入を許可していないが、epiwaterは2度目のピットインの際に速度超過を犯していたために、コースレギュレーションに従って10秒加算の罰則を受けることになった。思わぬ形でgroove_holixに今季5勝目が転がり込んだのである。

 さらには有効ポイント制のランキングでも1位タイとなる96ポイントを獲得する筈だったが、順位降格によって91ポイントとなり、有効ポイント制ランキングの最終順位は2位。たった10秒のペナルティが優勝と一つのタイトルを同時に奪い去る結果となった。

 数km/hの速度超過がもたらした代償はあまりにも大きい。ただ、レース自体は完勝の内容だった。パフォーマンスを競った結果では勝っているのだから、実はそれほど気にすることではないのかもしれない。来季にむけての期待感は、この1戦によってむしろ高まったと言えるだろう。



Zの初表彰台

 昨シーズンは3度の表彰台を獲得したnattu-871871だが、Zを駆って出場した今季は苦しい展開のレースが続いていた。スタートで出遅れた富士やグランバレーはもちろん、予選で実力を発揮できなかったスパもそうだ。最終戦こそは納得のいくレースを、との思いはひとかたならぬものがあったに違いない。

 もてぎでは予選こそ8人中7位と下位に沈んでしまったが、決勝では巧みなレース運びでポジションを4つ上げ、奇しくも昨シーズン最終戦のもてぎ以来となる9戦ぶりの表彰台を獲得した。もともと技術面での評価は高いドライバーだけに、このレースは「ようやく結果がついてきた」という種類のものだろう。

 出走回数が少ないという不利はあるが、来季こそキャリア最高順位の更新、つまり優勝の栄冠をつかみ取りたいところだ。そのための力量は十分に備わっている。あとは流れを引き寄せるだけだ。



最終戦に相応しい好レース

 第8戦の翌日という強行日程で開催されたこともあり、最終戦にむけての準備は必ずしも万全ではなかっただろう。こういったレースでは、走りながら状況を見極めていく柔軟性が求められる。

 結果から言うと3ストップ勢が順位を上げているケースが多く、2ストップを選択したドライバーは例外なく順位を落としている。SGTCでは全体的に2ストップの戦略が優位になりがちで、いわゆる安全策としては2ストップが選択されることが多いが、ピットロスが比較的小さいツインリンクもてぎでは積極的に速いラップタイムを刻む作戦がうまく作用したようだ。オーバーテイクが難しいサーキットで3ストップを選択することは大きなリスクを伴うが、3ストップが主流になったこともあって戦略の違うマシンに引っかかるシーンはそれほど見られなかった。混乱を嫌って2ストップを選択したドライバーからすれば歯痒い展開だったことだろう。

 今シーズンから導入されたタイヤレギュレーションは様々なドラマを生み出してきた。当初はタイヤの違いが演出するオーバーテイクに対し、人工的なオーバーテイクだとして批判的な声もあったが、戦略面における多様性がレースをより興味深いものにした事実を見逃すことは出来ない。ドライバー達がこのルールに慣れるに従ってレースはより白熱したものになっていった。その点で、新タイヤレギュレーションの導入は大成功を収めたと言っていいだろう。“見ている方も楽しい”という要素は、スポーツの世界において実は最も重要なことなのかもしれない。

◆参考データ
PSID PIT スタート RS周回数 RM周回数 RH周回数 予選 決勝 順位変動
epiwater 3回 SOFT 22Laps(2) 9Laps(1) 1Laps(1) 2位 1位 ▲1
groove_holix 2回 SOFT 15Laps(1) 16Laps(1) 1Laps(1) 1位 2位 ▼1
nattu-871871 3回 HARD 24Laps(2) 6Laps(1) 2Laps(1) 7位 3位 ▲4
mizu312 3回 HARD 22Laps(2) 8Laps(1) 2Laps(1) 10位 4位 ▲7
atitude0702 2回 SOFT 16Laps(1) 12Laps(1) 4Laps(1) 3位 5位 ▼2
ferrari0506 3回 SOFT 22Laps(2) 9Laps(1) 1Laps(1) 6位 6位 0
Hamilton_Senna  3回 SOFT 27Laps(2) 4Laps(1) 1Laps(1) 4位 7位 ▼3
zero_1155 4回 SOFT 29Laps(3) 2Laps(1) 1Laps(1) 5位 8位 ▼3
look24 2回 SOFT 12Laps(1) 19Laps(1) 1Laps(1) 8位 9位 ▼1
S_ISHIYAMA  3回 SOFT 13Laps(2) 10Laps(1) 7Laps(1) 10位 10位 0
  • mizu312は予選に出走せず9位スタート。
  • S_ISHIYAMAは予選に出走せず10位スタート。
※順位系の記録は暫定リザルトに基づいています。

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