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人間にとって経済とは何か

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人間にとって経済とは何か

飯田経夫
内容(「BOOK」データベースより)
「失われた十年」は今日、依然として尾を引いている。だが、そもそもバブル経済はレーガノミックスによって誘発されたのではなかったか。ケインズ政策への懐疑、マルクス主義経済の失敗によって、いままた回帰するアダム・スミスの「自由放任」の経済―その発展型が、今日世界を席巻するアメリカ型市場経済であり、その本質は、あくなき富の追求である。貧乏を克服し、豊かさを手中にしたいま、私たちは経済の目標を何に置くべきか。新しい価値観の時代を生きる、もう一つの視座とは。

「経済学とは貧乏を無くす為の学問である」

2006.9.15
と著者は云ひます。不況だ不況だと云ってゐるが、貧乏は無くなつたではないか。もう良いではないか。と彼はいいます。彼は経済学者であります。其れでいて、日本に於いて経済学はもう使命を終えた、経済学に期待するものは何も無い、むしろ失望して仕舞つてゐると云ふのです。
  • 国際的なカネの流れは、既に貿易に必要な「実需」の何百倍にも達している。そういう膨大なカネが、ひたすらハイリターンを求めて、うなりをあげて全世界を駆け巡って・・・利用できるものを利用し尽す。
  • 金儲けには使ってはならない神聖なものの筆頭が為替レートである
  • 政府は基本的にモノをつくらないため、経済に占める政府の比率が大きくなると、経済は非効率になる
  • 赤字財政・福祉国家とは要するにタカリである。

投機資金に成り下がった資本

世界中の国際貿易の規模に比べて、ほんの一部でしかない投機筋の動きで、何故為替レートが変わってしまうのかと常々疑問に思っていたのですが、さうですか、逆だつたのですか。世界中が賭博場になつてゐたのですね。我々が暮らしている地球は其の様な処に成つて仕舞つてゐたのですね。

一読では飲み込み切れない気迫

読了してみて、本書全体で著者が何を言わんとしたのか未だ図りかねている。学者としての論と、人間としての情が、お互いを必要としながら手を取り合えずに、一人の人間の中で煩悶している、その息遣いだけは充分に受け止めた。

詳細

新書: 209ページ
出版社: PHP研究所 (2002/06)
ISBN-10: 4569620248
ISBN-13: 978-4569620244
発売日: 2002/06
商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
飯田 経夫
1932年、大阪府生まれ。1955年、名古屋大学経済学部卒業。同大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、中部大学教授。1980年、論文「高い自己調整力をもつ日本経済」で第1回石橋湛山賞受賞。
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