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金融
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金融
岩田規久男
入門書のフリをして、実は用意周到な日銀批判
2006.12.12
理系。社会人になって15年。金融って虚業じゃなかったんだ。むしろインフラですな。知らんかった&よく分かりました。
文系の人等がつくる社会はよー分からんと文句ばかりも言ってられないので、経済学は分かっとこうと思って勉強しはじめました。でも、いつでも最初に出てくる「需要曲線と供給曲線が交わる処で均衡」とかいうのを見て「何だそれ、アホか」と馬鹿にしていたのです。然るに金融に及んでは、アホな人等のヨタ話やズルイ人等の魑魅魍魎話と思って触れないようにしていたのです。しかし、色々と勉強して分かったのは、この世界には「貧乏を無くそう」と真剣に考えている人が沢山いる、という事。いやはやすいませんでした。此の様なちゃんとした教科書があるのなら早く勉強しとけばよかった。
後半になって分かるのはこの本の真の目的。理論から実務知識までを総動員した日銀批判。ご本人はバブルの分析と言い張ってますが。こんだけ緻密にやられるとタマランだろな。しかも読んでる方は益々金融の理解が深まる、と。喝采。
DATA
- 発行
- 東洋経済新報社 (2000/04)
- 目次
- 第1部 基礎編
- 貨幣とその貸借
- 日本の金融制度と金融構造
- 資金の循環と金融市場
- 金融仲介と企業金融 ほか
- 第2部 応用編
- 不確実性下の企業投資と企業金融
- デリバティブの仕組みとリスクの移転
- 情報の非対称性と金融政策
- 銀行行動の理論と金融政策 ほか