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美と宗教の発見
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美と宗教の発見
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、「梅原日本学」として、今や大きな山容を現わすに至った著者全業績の「原マグマ」とも言うべき処女論文集。日本文化論一般の形成に大きな足跡を残した先人(鈴木大拙、和辻哲郎、柳宗悦、正岡子規、丸山真男ら)に次々に肉迫。彼らの業績の意味と限界を、圧倒的な批判と論駁のうちに明示する。以後多くの著作として結実するその方法論は、「感情的構造を問う」著者独自のものであった。論難の書でありながら、副題に「創造的」とあるのも、うなづけよう。この独創の剣によって切り開かれた先に、新たに発見される日本の「美」と「宗教」。「梅原日本学」は、ここに始まる。
梅原猛の初期論文集。エッセンスはすべてここに。
2006.4.19
梅原氏がすごいなと思うのは、本来、物書きではないはずなのに、瀬戸内寂聴が絶賛したという文体が、この初論文集にしてすでに完成されている事。そして以降、テーマが一貫してブレないこと。初期論文集がそのまま、彼のその後の文筆活動の入門書になっています。
- 目次
- 第1部 文化の問題
- 日本文化論への批判的考察
- 鈴木大拙・和辻哲郎の場合
- 明治百年における日本の自己誤認
- 日本人の宗教的痴呆
- 美学におけるナショナリズム
- 第2部 美の問題
- 日本の美意識の感情的構造
- 壬生忠岑「和歌体十種」について
- 世阿弥の芸術論
- 徳川武士の美意識の構造
- 第3部 宗教の問題
- 「固有神道」覚え書き
- 浄土教的感情様式について
- 創価学会の哲学的宗教的批判
- 詳細
- 発行:ちくま文庫(単行本もあります)