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日本その日その日

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日本その日その日(1)(2)(3)

E・S・モース

美しいスケッチの数々に彩られた日記

2006.9.13
著者は、明治初期に日本に数年間滞在した動物学者で、東京大学で教鞭を執り、ダーウィンの進化論を日本に紹介しました。大森貝塚を発見した人として教科書にも載つてゐると云えばご存知の方も多いでしょう。

日本が大変気に入ったらしく、先にご紹介した「逝きし世の面影」では日本を贔屓しすぎだとして、若干割り引いて読まねばならないとされている程です。子供、家族、桜、祭り、人だかり、軒先の看板、街路沿いの建物、職人、道具...色んなものが愛着を持って描かれています。

紀行文解説付きの貴重なスケッチ集としても読める

動物学者だけあってスケッチが上手く、美しい彩りと成っています。文章は一見、日記風ではありますが、人混みに揉まれながらも懸命にスケッチを取る姿が頻繁に登場し、むしろ膨大なスケッチの備忘録集ではないかと思える程です。看板の漢字がきちんと読める字に写されている辺り、観察眼の確かさを窺わせます。

良い仕事

本書が属する平凡社東洋文庫は装丁が良く(布貼りハードカバー、箱入り)、版組・活字共に良好で、題材としては古典に成り得る要素を備へたものが多く、好書の宝庫で在ります。若干割高ではあるのですが、所有に値すると言へましょう。

2007.5.16
(3)も収蔵しました。

  • 平凡社東洋文庫 (1970/09)
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