巷で度々話題に出るPSDで保存すると画像が劣化するという現象ですが
これは特定条件(箇所)で現れる物です。
大体以下の通りです。
- 透明部分を含まないレイヤーは影響を受けない
- 透明部分を含むレイヤーは、透明部分が被さっている部分に対して影響を受ける
- 透明度が高い箇所ほど画像の劣化が顕著に見られる
- αチャンネルは劣化しない、あくまで影響を受けるのは透明部分に対する画像
- 保存はともかく、PSDを読み込んだ時点で影響を受ける
図にするとこうなる
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エアブラシや水彩でレイヤー何枚も使ってガシガシ塗り重ねる、透明グラデ命のベタ塗ラーは
この件の影響を受けやすいかと思います、気になるならないは別としても。
以下は蛇足になります、興味ある方はどうぞ。
SAIを通しても画像が変わらないケース
α値の存在しないレイヤーは、読み込んでも保存しても画像が変化することはありません。
該当の画像を
SAIで読み込みPSDで保存しなおし、それをPhotoshopで元のソース画像とレイヤーで重ねて
合成方法を差の絶対値にして比較してみましたが、画像の全面がRGB0(黒)になりましたので
変換時の誤差は存在しないと思います、意味が分かる方はご自分で試してみて下さい。
要するに「透明色は要らねぇ!レイヤーは白で塗りつぶして乗算で描かんかい!」
という方は劣化の件は全く気にしなくて良いと思います。
αチャンネル(透明部分)について
レイヤーが使えるフルカラーグラフィックツールは基本的に、
画像とαチャンネルの2つのイメージで透明部分を表現する場合がほとんどです
(ファイルフォーマットだとPSDやαチャンネル付きPNGが有名な気がします)
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例えばレイヤーの透明度による単色のグラデーションなんかは、
べた塗りの画像に対してグラデ状のαチャンネルが被さっていることになります。
ですから本来は透明度が上がっただけでは(完全に消去しない限り)画像情報は変わらないのですが…
SAIはαチャンネルがブレンドされると画像の実数値にも影響を与えているような気がします。
実のところハッキリしたことは全然分かりません。
特定のソフトでαチャンネルを外すことが出来るので
その辺も利用しながらどのように画像内容が変わるのか検証していきます。
実際どのような影響を受けるのか
というわけでPhotoshopで作った透明色を利用した単色のグラデをSAIでPSD書き出してみました。
下地に微妙な色を使用してますが、濃い色同士のグラデーションだと劣化具合が目立つからです。

(このような内容です)
元の画像
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これがSAIで書き出した画像
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「えー同じじゃん分かんねー」という方は安心して良いと思います、
大体これが視覚的に特に目立つケースだからです。
以下はレベル補正を掛けて分かりやすく強調したものです
元の画像
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SAIで書き出した画像
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グラデーションが綺麗に推移せず、ムラになってしまっています。
なんでこのようになっているかを検証するため、αチャンネルを外してみました。
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見たとおりですが、本来単色であるはずなのが右側に行くほど細かい帯が出ています。
それによって、上のようなグラデーションにムラが出来る現象が起こるのだと思います。
色んなグラデーションを試してみました
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白黒原色は全然目立たないですね、実際はノイズのような色むらが走ってはいるのですが。
反対に濃い暗い色は色が飛んでいくのが顕著に分かります。
何回も保存する
上で何回も述べた画像が劣化するケースですが、保存や読み込みを繰り返すたびに
劣化具合が変化していきます…がこれは数値で比較しないと絶対分からないと思うので
あんま気にしなくていいような気がします。
最終更新:2011年08月22日 20:31