特性要因図

テーマ(問題)に影響している原因を探ることができる

特性要因図とは、特性(現象など。課題として取り上げる対象を云う)と、それに影響を及ぼすと 思われる要因(特性に影響を与える、もしくは原因となりえること)との関係を系統的に網羅して魚の骨の ような図にまとめたものである。作成では始めに分類的なレベルの要因を記入して行き、段々と具体的な要因 を記入してゆきます。このことで具体的な要因が見えてくるので、次段階の「原因の究明」や「対策の立案」 策定に繋げることが出来ることになります。作り上げた特性要因図から重要と思われる要因をマークして、 原因追究のテーマに設定してゆきます


特性と要因をこのように図解化することで、見落としが防ぐことができ。どの要因が大きく影響しているか などが推察できるようになります。
多くの要因から「重要な要因」をどのようにして選ぶかは、ポイントとなるところです。QCサークルでは メンバーが現場を良く知っていることが有ります。従って、多くは経験的な判断から決定がされます。
要因を見つける方法は二つに分かれます。ひとつは、特性に知識を持つ者が要因を体系化してゆく方法です。 この方法は故障や事故などのように、原状回復問題に使えます。
他の一つは、全く新しい事を目標とする場合には、要因は体系化されていません。また要因もわからない状 態です。こうしたときはブレーンストーミングを使って、特性要因図を作り上げてゆきます。

別名フィッシュボーン

創り方

1. 特性(テーマ)を決めて右側に枠で囲んで書き込みます。
2. 要因を書き込むための背骨を横線で描きます。
3. 大きな要因項目を上下に配置します。要因から背骨に線を描きます(大骨)。大きな項目の決め方として、製造現場では5M(人、機械、方法、材料、計測)が一般的に使われます。
4. 要因の原因を中骨に書き込んでゆきます。さらの下の原因を探って書き込んでゆきます。
5. 最後に要因の重要度を検討して、重要度の高い要因を枠などでマークします。テーマの対策項目が決まることになります。

特性要因図
要因関連図 / 原因-結果チャート / 因果関係図 / 魚の骨 / 魚骨図 / フィッシュボーンチャート / イシカワ・ダイアグラム / cause and effect diagram / fishbone diagram / ishikawa diagram

 特性(結果の善し悪し、解決すべき課題)と、それに影響を与えるさまざまな要因の関係を系統的・階層的に整理した図。特性がはっきりと絞り込まれているとき、それを防止するための管理項目を検討したり、発生原因を追及したりするために使われる。

 表記法は通常、右端に特性を置いた水平の矢線(背骨、幹などという)を引き、その上下から斜めに接する矢線(大骨、大枝)で要因(分類)を示す。 “要因の要因”は順次、中骨(中枝)、小骨(小枝)と分岐していく。製造業の品質管理では、最初の大骨として「材料」「機械(材)」「人」「方法」を置くことが多い。
特性要因図の基本形

 ある結果――例えば「歩留まりが悪い」という特性を想定したとき、その要因となり得るものは「機具の不具合」「作業者の不慣れ」など数多くあり、複雑にからみ合っている。要因の要因という具合に検討を進めると要因の数がさらに増えるので、これらを構造的に把握することが大切となる。こうした多数の要因を漏れ・重複・矛盾などがないように階層構造で整理するのが特性要因図である。

 未発生の特性を予防的に管理・検討するような場合には、関係者の経験や知識、あるいはブレーンストーミングなどによって管理すべき要因を網羅的に列挙・整理する(対策検討型)。一方、すでに発生した結果から原因を探るときには、すべての要因を列挙するのではなく、影響の強いものに絞って、問題と主要因の因果関係を明確にする(原因追及型)。

 このようにして作成された特性要因図はまだ仮説なので、実際のデータや改善活動などを通じて、検証を行う必要がある。要因の影響度が数値化できるのであればパレート図で特に影響力の大きい要因を抽出するなどし、定性的な要因であれば話し合いなどで重み付けを行って、要因を絞り込んで検証・対策を繰り返す。

 特性要因図はもともとは品質管理において、品質特性に影響を与える多数の要因を整理・把握するために東京大学(当時)の石川馨教授が考案したもので、1952年に川崎製鉄の葺合工場が実務に適用して大きな成果を挙げ、知られるようになった。QC七つ道具の1つに数えられる。
最終更新:2010年02月16日 16:57
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。