カリブ海の中央に位置する島がジャマイカ(Jamaica)です。


http://maps.google.co.jp/maps


ジャマイカの北にある横長の島がキューバ?
そしてその上、縦長に突き出た半島がフロリダ半島(アメリカ)です。
この地図を見ながら、スカのおおまかな歴史を追っていきましょう。


第二次世界大戦以降

  • 船舶によるアメリカ南部とジャマイカ間の貿易が盛んになっていた
ジャマイカはボーキサイト、アルミニウムを主に輸出していた)
  • アメリカ南部に移民が流出していた

という事実があります。

このことから推察するに、
ジャマイカとアメリカ南部を往復する移民が、
南部の都市・ニューオーリンズ(New Orleans)やルイジアナ(Louisiana)から、
(スカのもととなる)ジャズ(jazz)やリズム&ブルース(rhythm and blues)を
何らかの形でジャマイカに持ち込んだものと思われます。


1950年代後半

アメリカから持ち込まれた音楽をジャマイカで容易に聴くことができないかと考えた
Prince Buster(プリンス・バスター)
Clement "Coxsone" Dodd?(コクソン・ドッド)
Duke Reid?(デューク・レイド)
といったレコード屋の店主がサウンドシステム(soundsystem)を展開しました。

音源となるレコードターンテーブル?スピーカー?などの機材をアメリカから調達して、
車に搭載したり運べるように工夫したりして音楽を流した結果、
アメリカのジャズやリズム&ブルースがジャマイカ中に広がるようになりました。


1960年代前半

60年代に入ると、こういう人が現れました。

「ジャズやリズム&ブルースを、ジャマイカ風にアレンジして演奏した曲のレコードを作ってみよう。」

ジャマイカの伝統音楽である「メント(mento)」および
トリニダッドの伝統音楽「カリプソ(calypso)」と、
アメリカの「ジャズ」「リズム&ブルース」を組み合わせて、
スカ(ska)」を作り出しました。


極端かつ単純な言い方をすれば、
日本の音楽「演歌」+アメリカの「黒人音楽」=俗に言う「昭和歌謡」とするならば、
ジャマイカの音楽「メント」+アメリカの「黒人音楽」=「スカ」というわけです。

スカの誕生に関わったプロデューサーには、
先のPrince Buster(プリンス・バスター)、
Clement "Coxsone" Dodd?(コクソン・ドッド)、
Duke Reid?(デューク・レイド)に加えて、
後のジャマイカ総理大臣となるEdward Seaga?(エドワード・シーガ)も含まれています。

こうして、ジャマイカの首都・キングストンにある
Studio One?(スタジオ・ワン)」や「WIRL Records?(WIRLレコード)」などのスタジオで、
スカが発明されました。


スカのラジオ発祥説に関して


「アメリカから届くラジオの電波を頼りに、
かすかに聞こえるジャズやリズム&ブルースを、
ルードボーイ?(rude boy)が独自に発展させたのが、スカのはじまりである」

という説もあります。

フロリダ-ジャマイカ間は、飛行機で実に1時間半の距離です。

当時のラジオの感度や距離を考えると、この距離で電波が届く可能性は低いのですが、
湿度の高い日には、ニュー・オーリンズやマイアミからの電波が届いたかもしれません。

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最終更新:2008年02月16日 21:57