赤ずきんの若い頃(当社比)。
兄がいつもより弱い(つもり)なのは若かったから。
兄がいつもより弱い(つもり)なのは若かったから。
選択肢を残したまま放置プレイに突入。
それはある朝の事。
私がお母さんに頼まれて、お婆ちゃんのお見舞いに出かけた朝のこと。
私がのんびりとバスケットを片手に木漏れ日の中を歩いていると、私の後ろをぴったりと付いてくる足音に気がついた。
私が歩くと、足音も同じ速さで付いてくる。
私が止まると、足音も止まる。
私は1つ深呼吸をすると、バスケットを両手に抱えて、勢いよく走り出した。
もちろん足音はぴたりと背中についてくる。しつこいなぁ。
私は目の前に現れた大きなりんごの木の前で、思いっきり横へ飛び退いた。
私がお母さんに頼まれて、お婆ちゃんのお見舞いに出かけた朝のこと。
私がのんびりとバスケットを片手に木漏れ日の中を歩いていると、私の後ろをぴったりと付いてくる足音に気がついた。
私が歩くと、足音も同じ速さで付いてくる。
私が止まると、足音も止まる。
私は1つ深呼吸をすると、バスケットを両手に抱えて、勢いよく走り出した。
もちろん足音はぴたりと背中についてくる。しつこいなぁ。
私は目の前に現れた大きなりんごの木の前で、思いっきり横へ飛び退いた。
ごっ
私の背中にぴったりとくっついてきた足音の主は、見事に顔から木へぶつかった。
「―――――っ!」
足音の主だと思われる男は、両手で顔を押さえて、木の幹にうずくまるように長身を丸めた。真っ黒な尻尾が痛みを耐えるかのように、時折ゆらゆらと揺れた。
(うわぁ、この尻尾犬っぽい……犬?もしかして人狼!?)
そういえば真っ黒な髪に隠れた耳も、狼のそれのような気がする。
(この辺りに人狼がいたなんて…)
私は緩みかけた警戒心を再び引き締めた。
人狼は、とても危険な生き物だと小さい頃から教わっている。
獰……猛だっけ?近所に昔住んでたおじいさんが言ってた。(おじいさんは昔、凄腕の狩人だったらしい)
なんでも、ほかの弱い動物を襲い、主食は主に人に……く………
「―――――っ!」
足音の主だと思われる男は、両手で顔を押さえて、木の幹にうずくまるように長身を丸めた。真っ黒な尻尾が痛みを耐えるかのように、時折ゆらゆらと揺れた。
(うわぁ、この尻尾犬っぽい……犬?もしかして人狼!?)
そういえば真っ黒な髪に隠れた耳も、狼のそれのような気がする。
(この辺りに人狼がいたなんて…)
私は緩みかけた警戒心を再び引き締めた。
人狼は、とても危険な生き物だと小さい頃から教わっている。
獰……猛だっけ?近所に昔住んでたおじいさんが言ってた。(おじいさんは昔、凄腕の狩人だったらしい)
なんでも、ほかの弱い動物を襲い、主食は主に人に……く………
目が合った。
「……ぅっ…
「うわああぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!!」
…え?ちょ!?えぇ!??」
「うわああぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!!」
…え?ちょ!?えぇ!??」
私が恐怖から叫ぼうとした瞬間、私よりも大きな情けない声で人狼が悲鳴を上げた。その顔は幽霊も驚くほど真っ青だ。耳も尻尾も垂れ下がり、大きく見開かれた瞳には零れんばかりの涙が溜まっている。
私は恐怖よりも驚きと混乱のほうが勝り、思わず逃げることも忘れて彼(と呼んでいいのかしら?)の顔をまじまじと見てしまう。
「ぅ……ぅあ……っ」
(泣く!?泣くの!??)
大の大人が泣く姿(しかも男)はあまり見たくない。泣き虫は従兄弟のマリーだけで十分だ。
「あ、あの……!」
「兄貴っ!!」
かけようとした声は、相手に届く前に別の声によって掻き消された。
泣きそうな人狼の後ろの繁みから、同じく真っ黒な人狼が現れる。
彼はあっという間に泣きそうな彼に駆け寄ると、勢いよく両肩を掴んだ。
「兄貴、悪ィ」
私は恐怖よりも驚きと混乱のほうが勝り、思わず逃げることも忘れて彼(と呼んでいいのかしら?)の顔をまじまじと見てしまう。
「ぅ……ぅあ……っ」
(泣く!?泣くの!??)
大の大人が泣く姿(しかも男)はあまり見たくない。泣き虫は従兄弟のマリーだけで十分だ。
「あ、あの……!」
「兄貴っ!!」
かけようとした声は、相手に届く前に別の声によって掻き消された。
泣きそうな人狼の後ろの繁みから、同じく真っ黒な人狼が現れる。
彼はあっという間に泣きそうな彼に駆け寄ると、勢いよく両肩を掴んだ。
「兄貴、悪ィ」
どすっ
「うぐっ!?」
(うわぁ……)
人狼2号の拳が1号の鳩尾に、綺麗に決まった。これは痛そう。
「……悪かったな」
2号が崩れ落ちた1号を抱えて、何事もなかったかのように言った。
「いえ、あの……大丈夫ですか?」
色々と気にはなるが、とりあえず今すぐ襲われることはなさそうだ。
「あぁ、人狼は人間より丈夫だからな」
(やっぱり人狼なんだ……)
ここまで堂々と、しかも敵意さえ向けられないとなると、逃げる気も失せてしまう。
「ところで」
2号が1号を背負いながら言う。
「お前、花は好きか?」
「はい?」
「あー……兄貴が迷惑かけたお詫びだよ」
ため息混じりに告げられた瞬間、私の中の常識が1つ、音を立てて崩れ落ちた。
(人狼って……イイ人だ!)
「案内まではしてやれねーけど……って、聞いてるか?」
「うん!聞いてるよ!この近くなの?」
「近くはねーけど……遠くもねぇ」
うーん、私の足じゃ時間かかるかな?でもせっかく教えてくれるって言うし……
(うわぁ……)
人狼2号の拳が1号の鳩尾に、綺麗に決まった。これは痛そう。
「……悪かったな」
2号が崩れ落ちた1号を抱えて、何事もなかったかのように言った。
「いえ、あの……大丈夫ですか?」
色々と気にはなるが、とりあえず今すぐ襲われることはなさそうだ。
「あぁ、人狼は人間より丈夫だからな」
(やっぱり人狼なんだ……)
ここまで堂々と、しかも敵意さえ向けられないとなると、逃げる気も失せてしまう。
「ところで」
2号が1号を背負いながら言う。
「お前、花は好きか?」
「はい?」
「あー……兄貴が迷惑かけたお詫びだよ」
ため息混じりに告げられた瞬間、私の中の常識が1つ、音を立てて崩れ落ちた。
(人狼って……イイ人だ!)
「案内まではしてやれねーけど……って、聞いてるか?」
「うん!聞いてるよ!この近くなの?」
「近くはねーけど……遠くもねぇ」
うーん、私の足じゃ時間かかるかな?でもせっかく教えてくれるって言うし……