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#2 - (2009/08/10 (月) 22:18:02) のソース
*#2 フラッグを駆って 「地球にニューヤークを防御に出撃させる、以上だ」 公旗は迷わずそう言った。何?フラッグは使わないわけ?? 「防御ステップに彼方からの来訪者をニューヤークを対象にプレイする!」 バウンスするの早くない??あたしは危なく口に出してしまうところだった。しかし、ヴァーチェの攻撃を通すためだけに貴重なバウンスカードを拠点なんかに使うなんて…。 「ダメージ判定ステップで10点でいいかな?」 公旗が聞く。やっぱりフラッグは使わないらしい。ヴァーチェの攻撃が通ると範囲兵器が飛んできちゃうのにいいの?? 「あぁ、10点。そして対象を変更してヴァーチェの範囲兵器をイナクトに!!」 2資源払い、イナクトが破壊される。破壊された効果によって公旗は2ドローし、さらにジオン十字勲章の効果で1ドローする。 「ターン終了だ」 公旗の第5ターンが始まった。まず破壊工作をヴァリアブルで場に出し、ニューヤークをプレイする。 「私はこのユニットを出させてもらおう。アプサラスⅡ(EB)!」 場にロール状態で出る緑の5国ユニット。手札から捨てることによって戦闘エリアひとつに範囲兵器を使えるが、上限が3なので00ユニットメインの藤野のデッキ相手には無意味だとわかって場に出したのだろう。藤野は配備フェイズが終わる前にサラサ再臨を使った。あの顔、エクシア引いたかな。 「攻撃ステップ、フラッグを宇宙に出撃させる」 相手は混色で赤2青2の国力を満たしている状態でうかつに攻撃?エクシアを考えてないの?それとも何か対抗策が?? 「防御ステップ!介入させてもらうぜ!!」 藤野が声を張る。コストを払い、宇宙エリアに紫のデュアルユニット、ガンダムエクシアが出る。そのまま何もなくエクシアとの交戦で、フラッグは破壊されジャンクヤードに移り十字勲章が起動し、公旗は1ドローする。 「よくも私のフラッグを!!」 公旗は少し怒った感じでそういった。いや普通にあんたの判断ミスでしょ…。でも、その瞬間、公旗の口元が笑ったように見えた。ニューヤークのエンドドローをして公旗はターン終了を告げる。けど結構手札あるわね…。 「リロール、ドロー!配備フェイズ、ガンダムデュナメスをプレイ!」 藤野のやつ、勢いにのっちゃって…。4機のガンダムを攻撃に出す。防御の心配はないのかな?あの余裕は、換装でデュナメススナイパーモードを握ってるか、6国力の大回復カード惹かれあう魂を握ってるかね。 「攻撃ステップ規定の効果後、換装の効果を使用するよ」 藤野のユニットが出撃し、デュナメスの効果で本国にダメージが与えられる。それが終わった後、不意に公旗は口を開いた。換装??場には拠点とアプサラスⅡだけど…まさか!? 「アプサラスⅡをアプサラスⅢに置き換える!!」 藤野もかなりのショックを受けてるみたいだった。 そうよね…あんな古いカード。予想できるはずがないわ。 「て、テキスト確認させてもらえますか?」 藤野はやっとのことで口を開く。確認し終わった藤野は、少しは冷静になった。高機動形態のキュリオス以外が出撃した地球エリアにニューヤークが防御に出る。そのまま何もなくニューヤークは破壊され、キュリオスのダメージは通った。 十字勲章で1ドローした公旗の手札は6枚!!次のドローで7枚になってアプサラスⅢの効果を使ったとしても14点。少なくとも藤野の本国はそれ以上はあった。 「私のターン。リロール、ドロー。攻撃ステップに入ってもいいかな?」 いきなりの攻撃ステップだ。万策尽きたのかな?手札はあるのに。 「あぁ」 「ではそちらの本国の枚数を確認してくれ。」 当然といえば当然。もう後がないのだろう、ここで削りきらなきゃ全回復されてしまう可能性も出てくるからね。 「20枚だ」 やっぱり。アプサラスの効果ではこのターン14点しか出せない。投了かな…。そう考えた矢先、公旗が静かに笑った。 「ははは…!攻撃ステップ、光る宇宙をプレイさせてもらう!!」 手札から流れるように出た緑のコマンドカード。公旗の2枚の拠点、藤野のヴァーチェ以外の3枚のガンダムが5点のダメージを受け破壊、廃棄される。…そして公旗は静かに十字勲章の効果で本国から5枚のカードをドローした。 「アプサラスⅢを地球に出撃。何もなければ防御ステップの規定の効果前に効果を使用したいんだが??」 そう言って公旗は11枚もある手札を、見せつけるように場においた。彼方からの来訪者も惹かれあう魂も間に合わない…!! 「…負けました」 藤野は静かに言った。 「てか00ユニット使って負けるわけ?」 あたしは試合が終わった直後に藤野に声をかける。カードを片付けながら、藤野がむっとした顔でこっちを見る。 「アプサラスⅢなんて誰が予想できるかよ!」 まぁ、そうだけど。 「そんなのプレイング次第でどうにでもなるでしょ??調子に乗りすぎなのよあんたは!」 「失礼、少年。スコアシートは私が出してこよう。」 公旗が会話に割り込むようにして言った。片付けるの早っ!! 「あ、すみません」 そう言って藤野はスコアシートに×を付けて手渡す。公旗はそれを受け取ると、一番端の信ちゃんがいる机にそれを出しに行った。 「あ、そうだ!」 何かを思い出したように藤野が叫ぶ。 「何?」 「京子に渡したいものが…」 そう言って藤野は自分の荷物の中をあさる。なんだろ?何か頼んでたっけ? 「はい、これ。前のは洗濯機でぼろ屑にしたって言ってただろ?当たったからやるよ」 差し出されたカードはインフィニットジャスティスガンダムだった。そういえば前に迂闊にも洗濯したっけ…。 「ありがと。あたしも何か出そうか?」 タダでもらうのは気が引ける。こっちもなにか出さなくちゃ… 「いや、いいよ。この前ノワールとエクシアトレードしてもらったからな♪」 「??」 いや、そりゃしたけど、どういう意味?訊こうと藤野のほうを見たら、あいつはまだ終わっていない松岡の試合を見に行っていた。ま、いっか。もらっちゃえば。 あたしはデッキケースをだし、デッキにジャスティスを加えた。 つづく ---- [[前へ>#1]] [[次へ>#3]] ----