ATAGUN@Wiki内検索 / 「M27」で検索した結果
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M27
網の上にあった食材はその姿を消し、格子の奥の火もその勢いを弱めた。 バーベキューが終わりを迎えようとしている。 吐き出し窓の縁に座った武志が「食った食った」と言って紙皿と割り箸を置き、Tシャツの下端を持ってバタバタと動かした。 6人の周りの空気は、余熱のせいか少々暑い。 「焼きそば買ってあるんだけど」 他の5人の顔から終わりの雰囲気を感じ取った姉さんは、片眉を上げて「ちょっと待って」とそう言った。 伊勢家で炊いたご飯を頂いたのだから、焼きそばは要らないだろ。という視線を背中に感じつつも、姉さんは残ったキャベツの陰から焼きそばの袋を出す。 3人前が2袋で、ちょうど6人分だ。 「…そういや、そんなの買ってたな」 武志は「俺はパス。そんなに食えるかよ」と飽きれたように目を細める。 ミキオたちも同じ意見のようで、ナツキなどは「そんなに食べて、豚にで... -
M25
セラヴィーのテキストによって、防御力以上のマイナス修正を受け破壊される2枚のイナクト。 タンサンは、がっかりしながらも頭の中で今出来ることを考える。 「デモイナクトが破壊されたから、2ドロー」 破壊状態の2枚のイナクトのうち、箔が付いているほうを指差すタンサン。 「廃棄にカットインで世界の歪みのテキストを起動。デモイナクトを廃棄して、2コインを乗せる」 「了解。こりゃあ周辺警護がいるな…」 武志はコインが5枚乗った世界の歪みを見てそう言った。 「そして。コーライナクトが廃棄され、セラヴィーに3ダメージ」 「了解」 「セラヴィーのテキストを、”マイナス修正のほう”で使用したのが運の尽きっ!ダメージ判定ステップ!」 タンサンはビッと勢い良く手札からカードを出す。配備フェイズ中に回収した衛星ミサイルのカードだ。 これでセラヴィーには致死量... -
M2
前回までの『ミキオ』― 「さぁ戦闘フェイズ。出撃しなけりゃ何か廃棄だ」 「呼ばれなくても行ってやるぜ…シャイニングガンダムをリングに!」 交戦で羽鳥側のユニットのいろいろなテキストが起動しそうではあったが、ミキオは怯むことなくユニットを出撃させた。 「イナクトを防御に。交戦チェックでオーバーフラッグコインが発生だ」 「かまわねぇ、このまま勝負だ!」 ミキオはイナクトを指さす。格闘はアリーがセットされているから6と高いが、ドモンがセットされたシャイニングの耐久7には届かない。 「ダメージ判定ステップ」 「チッチッチッ、甘いよミキオちゃん。リングは決してさわれない場所じゃない…破壊!破壊!破壊工作をプレイ!」 第2話 不死身のジンクス 「破壊工作…」 「そう!このコマンドの2ダメージは、リング内にいるユニット... -
M29
第23(29)話 のびしろ 真理がデッキを取りに戻っている間に、ナツキと武志はテーブルの右端を対極に陣取って、対戦の準備を始めた。 「さっき使ってたのとは違うデッキ?」 ナツキは細い指で器用にデッキをシャッフルしながら、今しがた武志が荷物から出したばかりのデッキを見てそう言った。 機嫌がいいのか、どこかノリがいい彼女に、武志は「ん?あぁ」と手を止めてデッキを見る。 「さっきのデッキがいい?」 武志は、テーブルの端に置いてあったデッキを手元に引き寄せてそう聞く。 エクシアのイラストが描かれたブルーのデッキケースに入ったデッキだ。 「どっちでもいいよ♪武志っちの好きなほうで~☆」 「なら、今回はこっちだな」 と、ちょうど10枚切りのシャッフルを終えたばかりのデッキを指す。 青赤タッチ黒00(武志命名)はミキオとタンサンを相手に、十分... -
M24
第18(24)話 一掃 「青基本Gを配備してターン終了」 武志は場に3枚目のGカードを配備してそう宣言した。 発生する国力は、赤が2と青が1。 「おれっちのターン…配備フェイズ」 タンサンは引いたばかりのカードを場に出す。 対ガンダム調査隊…いわゆる”緑タメG”だ。 「これで緑2と紫1…10thレア、AEUイナクト(デモカラー)をプレイ!」 場に出る緑の3国力ユニット。 タンサンが愛用する10thレア仕様のものだ。 「3国力で、戦闘配備に格闘4。さすがにイナクトは優秀だな…」 武志は手札に視線を移し、そうつぶやく。 先攻の彼の場にはまだカードはなく、タンサン側が先制するチャンスだ。 「さらに。SCS優勝プロモ、ジンクス3(コーラサワー機)をブーストプレイ」 「了解」 優勝者にのみ与えられる箔付きのそのカ... -
M26
「あー!遊んでるしー!」 入ってくるなり、ナツキが露骨に嫌そうな顔をつくる。 部屋の中では、ちょうどミキオと武志の1戦目が中盤を迎えていた。 リングエリアで向かい合うカードは、ガンダムシュピーゲルとセラヴィーガンダムだ。 「準備は終わってるぜ?」 サボってると思われたのが心外らしく、ミキオは窓の外を指差してそう言い返す。 吐き出し窓の外には、夕日に照らされたバーベキューセット。 それを見て納得しそうになるナツキ。だが。 「そうじゃなくて。火も起こしとくのが普通でしょうが」 そう言ってナツキの後ろから現れたのは姉さん。 切り分けた具材を載せたお盆を持った真理も続く。 「言ったでしょ?そんなにテキパキ動くわけないって」 と彼女ため息をつき、ナツキの肩をたたいたかと思うと、窓を開けて両手に持っていた靴を外に放る。 彼女らは... -
M22
土曜日の昼下がり、外は雨。 おもちゃのカキヨの隣にある対戦スペースでは、ガンダムウォーの『GTシード権大会』が行われていた。 「ガデッサ(ヒリング機)が攻撃に出撃ッ!」 姉さんの向かい側に座った相手プレイヤーは、そう言ってユニットを出す。 緑と紫の指定国力を持つデュアルユニットだ。 「いいわ。ガデッサのテキストで1枚ずつユニットを落として間に合うとでも?」 姉さんは挑発気味に笑い、自分の場のユニットを指す。 ひとつに結ばれた後ろ髪が動きに合わせて揺れた。 トールギス3&トーラス(ノイン機)、アウトフレーム(バックホーム)、フリーダムガンダム(ハイマット)が並んだ姉さんの場。状況は圧倒的に彼女の有利。 本国の枚数から見ても、最速次のターンで勝負は決まるな。 と、観戦していたミキオは思った。 この日もミキオたち3人は大会に参加していたのだが、... -
M20
「あいにく、今日はこのデッキしか持ち合わせていません」 真理はコートのポケットに入っていたデッキケースを出し、中に入っているデッキを指す。 「迎えに来ただけなのに、デッキ持ってるのかよ!」とミキオは内心で突っ込んだ。 「かまわんさ」 そう言って、ハタドーは自分のデッキをシャッフルし始め、真理もそれに習う。 彼女は、カードを10枚並べたところで思い出したように手を止めた。 「なぜ私がプレイヤーだと?」 「心眼は鍛えている」 ハタドーは鼻を鳴らし、手を止めずにそう返す。 真理は返事もせずにカードを1つにまとめ、カットのために差し出す。 「この対戦にどんな意味があるんだよ」という対戦スペース全体の雰囲気を無視するように、相手のデッキをカットする2人。 ミキオたち3人も、観戦するべくテーブルに近寄る。 「少々お待ちください、姫様。1... -
M23
傾きかけた太陽。 時計の針は16時10分を指していた。 「仕方ないだろ?授業が長引いたんだからよぉ」 鳥居の前で時間を潰していたミキオたちは、声がしたほうを見る。 自転車を押した武志と、スーパーの袋を下げた姉さんの姿が道の向こうから現れた。 誰もナツキの家の場所を知らなかったため、府釜神社に集合し、ナツキの案内で彼女の家に行くことになっていたのだ。 「土曜日に授業あること自体聞いてないんですけど」 とため息をつく姉さん。 武志はこの春から地元の大学に通っていた。 「遅ーい!!」 2人が”射程内”に入ったことを確認したナツキが、「10分遅れ!」と頬を膨らました。 隣にいたミキオとタンサンが「急に時間に厳しいキャラになるなよ」と飽きれる。 「ゴメンゴメン。俺のせいだ」 と、頭をかきながら弁解する武志。 遅れたぶん買出し... -
M28
「手加減はモチロンいらないぜ」 「…承知しています」 軽いカットを終えたデッキは、お互いの手元に戻る。 ゴッドガンダムがプリントされたスリーブを装着したミキオのデッキ。 対する真理のデッキには、使い込まれた紫色のスリーブが装着されている。 「さぁ、ゲーム開始だ!」 姉さんは、観戦するためにテーブルの脇に座った。 それとほとんど同時に、力強く握られた少年の手と、しっかりと広げられた繊細な手が、テーブルの上に出された。 第22(28)話 挑戦者ミキオ 「赤Gを配備します」 先攻となった真理はそう宣言し、そのままターンを終了した。 出された赤基本Gは翼のマーク…第4弾「新しき翼」のものだ。 「オレのターン、ドロー!」 ミキオは威勢よくカードを手札に加える。 7枚になった手札から、すぐにこのターンに使うカードを決めた。 ... -
M21
第15(21)話 化け物 「クシャトリヤ!そうだ、これとやりたかったッ!」 「トビア・アロナクス《18》をセットし、密約《1》を。対象はこちらで」 真理はハタドーの感嘆の声を無視し、次々にカードをプレイする。 このトビアは、自軍コマンドが解決される毎に+1/+1/+1コインが乗るキャラクターだ。 コマンドを多数搭載する赤デッキでは、6国力のシャア・アズナブルを超えるサイズを獲得することも簡単だ。 「攻撃ステップ規定、クシャトリヤを宇宙に出撃させます」 「8ダメージ…受けよう」 「帰還ステップ規定後。慈愛の眼差しの効果で、奪った対ガンダム調査隊を除外。3点回復します」 ハタドーは本国のカードを捨て山にカードを送り、ターンを開始する。 カードを手札に加え、紫のGカードを出した。 「慈愛の返しターンにこのドロー…自分が乙女座であったことを、これほ... -
#27
#27 旅立つ友の背中に 「じゃあ、エマ・シーン(4)をツヴァイにセットして効果でドロー、地球に出撃だ!」 「今場にあるユニットはツヴァイ1枚。使わせてもらうわ、寸断!」 コストの合計値が一番低いユニットを破壊する白のコマンド…ユニット1枚の今の状況じゃ、確実にツヴァイを破壊できるわ! 本当はもっと早く使いたかったんだけどね…そのためにハイマットとか犠牲にしたのに。 「ヴァリアブルにするか迷って正解だったぜ…エマでドローしたこの1枚の手札、慈愛の眼差し!」 「破壊無効カード!?」 おっと予想外…! 松岡は資源7を支払いツヴァイの破壊を無効にした。 「いいか?7点だぜ?」 「いいわ7点受けてあたしの本国は1枚…」 「つまり、負けだな」 松岡がうれしそうに口を開く。 いいえ、負けじゃあないのよ、これが! 「リロールフェイズにこの... -
射勢夏樹
イセ ナツキ PROFILE 別名:射勢ナツキ 1994年生まれ B型 女性 年齢:15(A3-M1)⇒16(M2) 好き:ミキオ ヘッドホン 嫌い:姉さん? 所属:府釜中学(A3-M1)⇒府釜高校(M2) ミキオのクラスメイト。 MIKIOシリーズ以外では「あたしのガンダムウォー」の元旦編や伊達CS編などにゲストとして登場している。 -
羽鳥炭酸
ハトリ タンサン PROFILE 別名:羽鳥タンサン 1994年生まれ A型 男 年齢:14(A2)⇒15(A3-M1)⇒16(M2) 好き:10thレア イナクト ジンクス 漫画 嫌い:コンボ 特技:逆立ち 所属:府釜中学(A2-M1)⇒府釜高校(M2) ミキオのクラスメイト。 初心者のくせに態度だけはでかく、自分のことをエースだと言っている。 初登場となるSeason2の最後の大会では、京子のカウンターフリーダムの前にシリーズ中最速である1話キッカリで負ける。 台詞 「そうかい…俺を知らない。ならじっくり教えてやるぜ!俺はフリプレでも負け知らずのスペシャル様なんだよーッ!!」 #55 自信満々に言うが、煉を目標に特訓を続けた京子の前にあっけなく散る。 デッキ まだ駆け出しのプレイヤーのため、緑以外のカードは極端にも持っていない... -
栗田幹夫
クリタ ミキオ PROFILE 別名:栗田ミキオ 1994年生まれ O型 男 年齢:14(A1-2)⇒15(A3-M1)⇒16(M2) 好き:対戦 年上の女子 エロ 嫌い:逃げ 所属:府釜中学(A1-M1)⇒府釜高校(M2) どういう経緯か、松岡の弟子として京子の前に立ちはだかる。 初登場の対決で京子のおっぱいをかけた勝負をしたことから、「エロガキ」と命名される。 Season1後半で紆余曲折あり、勇の弟子から京子の弟子になる。 Season2では同級生の羽鳥が登場し、その噛ませ犬ぶりを披露。 大雑把な彼も、羽鳥と行動を共にするときはフォローする側に回ったりする。 台詞 「でも、京子が負けたら…おっぱい触らせろよ!」 #17 エロガキ降臨。勝負には負けるが京子の胸はきちんと触ります。 「捨て山のカード3枚を見て!専用の兵装をこ... -
谷本総矢
タニモト ソウヤ PROFILE 年齢:21(M2) 性別:男 1989年生まれ A型 -
諏訪部睦月
スワベ ムツキ PROFILE 年齢:14(M2) 性別:男 1996年生まれ AB型 -
塚木淳
ツカギ ジュン PROFILE 年齢:16(M2) 性別:男 1994年生まれ O型 -
来栖真理
クルス マリ PROFILE 年齢:19(M2) 性別:女 1989年生まれ A型 好き:ナツキ 所属:射勢家/使用人 -
斉藤良樹
サイトウ ヨシキ PROFILE 年齢:16(M2) 性別:男 1994年月まれ 好き:パソオン 嫌い:アナログ 趣味:パソコン 特技:パソコン 所属:府釜高校/パソコン部 -
ATAGUN
あたしのガンダムウォー Season1 [2008年5月~6月] サイトのほうに掲載した本編を加筆修正したものです。 随時修正を行う予定です。また、ご指摘等ありましたらよろしくお願いします。 20弾「流転する世界」環境での本田京子とその仲間たちの活躍を書いたシリーズ。 ~初めての大会編~ #1 大会への挑戦 #2 フラッグを駆って #3 あたしの初陣 #4 諦めない奴が勝つ #5 十字勲章国力 #6 木曜の放課後 ~遠征でブードラ編~ #7 予約って大切よね #8 あたしのブードラ #9 最後の悪あがきを #10 鉄壁の盟主王 #11 手札に警戒してね #12 衰えていく力 ~迅雷の奇兵編~ #13 発売日に遭遇 #14 公旗は宣誓を #15 没収させてもらう #16 越えられない壁に ~あ... -
MIKIO2
MIKO~自称中級決闘者伝~ 第2期 [2010年3月~8月] 茶単MFデッキを使う自称中級者の少年ミキオとその仲間たちの話。 HPにて連載、2010年8月8日を持ちまして全50話 完結しました。 「第1章」 第1話 前兆の箱 第2話 逆襲のジンクス 第3話 突入!あたしんち 第4話 ナツキ対姉さん 第5話 段違いの破壊力 「第2章」 第6話 新生活と3人 第7話 狙い撃ち 第8話 数字合わせ 第9話 パワープレイ 第10話 可能性の少女 第11話 ロール、リロール 第12話 指指指 第13話 修羅を生きる漢 第14話 先駆ける駆者 第15話 化け物 「第3章」 第16話 一方通行 第17話 野菜切るから 第18話 一掃 第19話 鉄壁防御の隙を突け! 第20話 焼肉奉行 第21話 ゲーム開始! 第22話 挑戦者... -
M53
緑の優秀な速攻ユニットに加え、スローネヴァラヌスとエリク・ブランケを揃えることで3ターン目から大ダメージを出したタンサン。 青と茶、2色のGカードの他はユニコーンガンダム&バナージ以外のカードを展開できていない対戦相手に、タンサンは最後の一撃を加えるべくユニットを出撃させた。 「ボウス、先に動いたほうが勝つってモンじゃない。攻撃ステップ規定後、一時休戦をプレイする」 第47(56)話 致命的な組み合わせ 「重要機密の察知でそのプレイは無効だ」 1国力の対コマンドカウンターがタンサンの手札から放たれる。 一時休戦は古いコマンドであるが、本国ひとつをいかなるダメージからも守る強力な効果だ。 その効果を持ってこのターンを生き延びようとしていたのだろう?とタンサンは相手の顔色を覗う。 「おれっちのデッキはジンクスを主体に合計国力3以下のユニットだけで組ま... -
M61
「わぁー!2回戦、赤音ちゃんとだね☆」 2回戦の対戦組み合わせをスコアシートで確認したナツキは、そう言って跳ねる。 赤音はややってスコアシートを確認すると「どうやら、そのようだな」と静かに言った。 「がんばるぞー」 同じ17歳の少女としては気質が違いすぎる2人。 その2人が向かい合うように席に着き、2回戦が始まった。 第5(61)話 ナツキ+ 「青基本Gプレイ!」 「ガチ党を配備」 先攻のナツキ、後攻の赤音。 互いに、デッキのメインとなる色の国力を配備する。 「ウチのターン。周辺警護をヴァリアブルして、可能性の獣を置くよっ」 ナツキはそのオペレーションを置くなり、「コマンド!」と勢いよく本国のカード1枚を表にする。 表になったカードは確固たる一歩…オペレーションだ。 可能性の獣は、指定した種類のカードかACEが表にな... -
M58
ミキオはゴッドガンダム柄のスリーブが着けられたデッキ、東はガンダム試作1号機フルバーニアン柄のスリーブが着けられたデッキ。 デッキカットが終わり、互いの手元にデッキが戻る。ジャンケンで勝ったミキオが先攻となった。 「よし。オレは始められるぜ」 手札を確認して、ミキオはそう口を開く。 彼のデッキはMFユニットで戦う茶単。4、5ターン目まで安定して国力を配備することが前提のデッキ…その点で言えば、彼の手札は及第点といえた。 向い側に座った対戦相手の東も手札に不満は無いようで、ターン開始を了承する。 「茶基本Gをプレイ。ターンエンド」 「そのスリーブなんだから、やっぱ茶デッキじゃないとな」 東は嬉しそうに頷いてカードを引く。 ミキオは「じゃあそっちは青デッキかよ?」とでも言いたげに、手元で7枚になったフルバーニアンの絵柄を観察する。 「こっちはホ... -
M57
5月の強い風が吹き、2つに結ばれた射勢ナツキの黒い髪が揺れる。 暴れる前髪で視界が遮られ彼女は唸った。 「今の長さが一番微妙なんだよねー…」 指で前髪をかき上げるが、またすぐに風でばらけてしまう。彼女は諦めてパーカーのポケットに手を突っ込んだ。 晴れたのは良かったが、風が強いためか肌寒い。ショートパンツはまだ早かったかな…とナツキはもうひとつ唸った。 第1(57)話 春の日 「邪魔なら切っちまえよ」 ナツキの隣を歩いていた栗田ミキオが、ちらりと彼女を見ながらそう言う。 耳にかかるくらいに伸ばしたミキオの髪は、以前よりも暗い…茶色で染められている。 曰く「学生指導の先生をギリギリ回避できる色」とのことだったが、効果はいまひとつのようだ。 「ダメー。ウチ”黒髪ロング”目指してるんだからー」 ナツキは言い直すように「好きでしょ?”... -
M59
「…防御するかい?フルバーニアン」 ミキオは、場に出されたガンダム試作1号機フルバーニアンを見て東にそう問う。 ノーベルガンダム(バーサーカーモード)がいるのは宇宙エリア。北極基地が防御できないエリアを選んだが、ちょうどフルバーニアンの適正エリアに躍り出た形となった。 「いや、まだ俺の本国は耐えられる」 東は言いきる。ダメージを1度も受けていない彼の本国は30枚以上ある…単純計算でバーサーカーモードの攻撃を2回は受け流せる枚数だ。 速攻ユニットを使って追い詰めた相手本国を前に、むざむざフィニッシャーを手放すわけにはいかない。 ノーベルガンダム(バーサーカーモード)の前に生贄とばかりに差し出されたのは、ボール改修型。 「一応…守らせてもらう」 「そうかい。じゃあ強襲で本国に13ダメージだ!」 ボールは簡単に撃破され、13ダメージを受ける東の本国... -
M60
1回戦の全ての対戦が終わり、ほどなくして2回戦の対戦組み合わせが発表された。 「わぁー!2回戦、赤音ちゃんとだね☆」 ナツキが声を上げた。 タンサンはちらりと彼女たちのほうを見て、自分のスコアシートが置かれた席に着く。 既に着座していた対戦相手はクリムゾンレッドのロングTシャツを着た細身の男で、面識は無い。 丁寧な感じのシャッフルに合わせて、タンサンもデッキを取り出した。 第4(60)話 彷徨うジンクス 「Gカードが無いからマリガンっす」 ジャンケンで後攻となったタンサンは、そう言って手札を表にして見せた。 ジンクス《23》2枚、スローネヴァラヌス、エリク・ブランケ、双極の閃光、修羅を生きる漢の6枚。 ユニットのうち1枚がジェネレーションだったなら、早々に勝負をモノにできそうな手札だったのに。とタンサンはカードをデッキに戻す。 ... -
#35
#35 始まりはここから 「お前、今の試合なんであきらめたの?」 大会が終わり、カキヨさんが見せのほうに戻った後、テーブルに突っ伏した俺に誰かが話しかけた。 透き通っているようで、どこかハスキーな感じの声に促されて、俺は顔を上げた。 「君は?」 「あたいは煉…赤坂 煉」 煉と名乗った女は俺と同い年、いや少し下に見える。 整った顔立ち。いや、素直な言い方なら…まさに俺のタイプだ。 「ふふっ”君は?”」 彼女は笑いながら、俺の口調を真似して聞き返した。 「公旗…一」 「変な名前~」 彼女は肩をすくめて立ち上がり、俺のデッキを指差した。 「あそこでゲルググが攻めれば、勝負はまだわからなかったわ」 「いや、菊池は撤退命令を握ってたのさ。それに、ロンビに弾を与える結果になる。どの道負けだ」 数点のダメージだけでは奴... -
プラグイン/ニュース
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - ヨコハマ経済新聞 【Apex... -
#31
#31 放たれた21弾 遠くで鐘が鳴る。 …なんの鐘? 「って、うわぁ!」 あたしは、それが家のベルだと気付くと同時に、ベッドから落ちた。 時計は朝の11時を刺している。あ、そういや今日…。 「はいはい?」 あたしは、昨日ちあきに切ってもらったばっかりの髪をぐしゃぐしゃっとしながら、玄関の扉を開けた。 「うわっ…なんスかその格好?あんまり遅いんで、藤野さんが迎えに行って来いって」 「あー、そりゃどうも。あいつ自分で来なさいよ、自分で」 あたしはそう言いながら、玄関の扉を閉めた。 あたしのガンダムウォー Season2 暑い日差しの中、あたしは手に持った団扇を動かした。 「あー、暑い暑い暑いー!」 「そんなに暑い暑い言っても変わりませんて」 栗田があたしの背中を押す。 少しは歩き安くなった反面…... -
#99
#99 あたしと剣治 「フッ…俺が先攻か」 「だね」 互いにじゃんけんのために出した手を引っ込める。 あたしは後攻で決まり。デッキの速度的には先攻欲しかったんだけどね。 「マリガンチェックは…問題ない」 「あたしもよ」 剣治は頷いてから、手札から1枚のカードを出す。 「ガチ党を配備、ターン終了だ」 「あたしのターン」 あたしは手札にカードを加える。 うん、順調。 剣治のデッキは、アストレアとかの黒の00ユニットと、アフリカ独立開放戦線とか赤のロックを組み合わせたデッキ。国力を順調に並べないとすぐにロックが完成しちゃうから、Gは引きすぎくらいがちょうどいいわ。 「配備フェイズ、歌姫の騎士団をプレイするわ」 「まさか貯める気…ではないよな?」 剣治は眉をひそめながら、初っ端から貯めGを置くあたしに聞く。 「... -
#10
#10 鉄壁の盟主王 ブードラ大会第2戦は中学生、塚木 淳。 開始から数ターンが経ったけど、お互いにほとんどGをプレイしただけでターンを終了していた。先攻のじゅんは、白と茶をピックしたらしく場には白G1枚と茶G2枚が配備されている。 後攻であるあたしの第3ターンの開始だ。 「ドロー。配備フェイズ、黒Gを配備してこのユニットよ、バーザム改」 あたしの場には緑G2枚黒G1枚、それにさっき出したジュアッグがあった。バーザムはさっきみたいに奇襲用にとっておいてもいいけど、今はどっちもまともなユニットがいないから配備しちゃお。 「帰還ステップにガンダムマグナードをプレイするよ」 じゅんが言った。あたしは許可する。 クイックをもつMFだ。白、茶の混色ということは、ユニットパワーの高さに注意ね。 「ターン終了」 「はい、僕のターン」 じゅ... -
#64
#64 過信ではなく余裕 「政治特権をプレイ!2ドロー後、手札1枚…ダブルオーガンダムを廃棄」 「…まさか!」 俺は悩むそぶりも見せず、手札に用意していたダブルオーを廃棄する。 京子から借りた奴だ。 「そして、空白の時を経て!これでジャンクヤードのダブルオーをマイナスコインを乗せた状態で場に!」 「これが…」 ダブルオーをジャンクヤードから場にリロール状態出だしコインを乗せる。 「俺のガンダムだ!」 太陽炉コインを事前に得ていたから、ダブルオーは場に出ると同時にテキストを発揮する! 「戦闘修正の合計が4以上のキャラ戦闘エリアがいない限り、金田さんはチームテキストだろうがオペレーションだろうが自動以外のテキストを起動できません!」 「っ…!」 ダブルオー、サイクロプス隊を駆逐するぜ! 「かっ…カットインで、とりあえず... -
#81
#81 予選会場開場 地区予選は『ガンダムウォーツアー』で行われる大会で、上位入賞者には東京のトーナメントへの参加資格が与えられる大会らしい。 ついに迎えたその当日。 あたしと武志は信ちゃんの誘いで公旗の車で会場に向かうことになったわけで。 「おじゃましま~す」 あたしたちは黒塗りのドアを開け、後部座席に座る。運転席の公旗が「歓迎しよう」と言った。 いや、歓迎してくれなくていいんですけど…。 車が発進して、外の景色が流れ始める。 朝の一仕事を終え歩くお爺ちゃんや、朝から元気な子供たちが窓越しに過ぎていく。 やっと終わった拡張工事で広くなった道路を通り、府釜駅の前を通り過ぎた。 少し時間がありそうだから、あたしがガンダムウォーの、ひいては白勢力に出会ったときの話をしようと思う。 ××× 「ガンダムウォーって売ってる?」 ... -
#29
#29 あたし対イカサマ 「今さっき、あたしは昔からの友達を快く送り出したとこなの。それなのにあんたね…最低よ、イカサマなんて!」 あたしは伊賀を指差して強い口調で言った。伊賀は何も動揺することなく、本国から1枚カードを捨て山に移す。 たった1枚…そのために公旗は助言してきたんじゃない。”これが伊賀という人間なのだ、今後も注意しろ”と忠告してきたんだ。 「だから…」 「もういいです、続けてください」 何か言おうとした伊賀に、あたしはきっぱり言った。 こいつだけは絶対に倒す! あたしは手札を持ってないほうの手を握り締めた。 「配備フェイズ、密約をプレイ」 伊賀は本国の上から、カードを2枚ドローした。 「黒基本Gをプレイ、ガンダムヴァーチェをプレイします」 「はい…どうぞ」 藤野がよく使うカード。 でもこいつが使うそ... -
M52
報道された戦争が撃たれる。 そのXの値は…お互いの手札の枚数でもある『2』―。 「これがこのデッキの勝ち筋だ。あきらめろ」 「お前の負けだ」と突きつけられる、言葉。 常冶がジャンクヤードに投げ捨てたのはGNセファーと紫基本G。対するミキオはローズガンダム(ローゼスハリケーン)とギンガナム軍をジャンクヤードに静かに置いた。 攻撃規定前に、最後の照準でカプル(コレン機)が破壊され、ラジエルは無人の戦闘エリアに駆けた。 効果でGNアーチャーと紫基本Gが表になり、手札に加わったのはGNアーチャー。それでターンは終わった。 「ドロー…ACEでGとディアナ帰還をロールして、追加ドロー」 宝物没収をプレイし、3枚に増える手札。4枚目のGに続いてプレイされたのは、共闘戦線だ。 さすがに盤面は苦しいな…とミキオは1枚きりの手札を握った。 第46(52)話 既... -
M33
「あー…ダメだ。全然ダメ」 風呂から上がり客間でだべりながらフリープレイをしていたミキオは、手に持っていた1枚の手札をテーブルに放って頭をくしゃくしゃとする。 向かい側に座ったタンサンは「ブン回った~」と笑っている。 「途中までは順調なんだけどなぁ」 強化合宿と銘打って始めたこの泊まりで、ミキオの戦績は良くはない。 こんな調子では、いずれ再戦したいと思っていた諏訪部睦月には到底及ばないだろう。という焦りもあった。 「姉さん~。ババァーンと強くなる方法ないすかねぇ?」 少し離れたところで武志と一緒に観戦していた姉さんは、テーブルの上のカードに目を落とし「さっきから見てて思ったんだけどね、」と口を開いた。 結われていない髪が彼女の動きに合わせて揺れ、表情は解り辛い。 「あんた、少し勘違いしてるのかも」 姉さんは鼻で息をついて立ち上が... - @wiki全体から「M27」で調べる