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→如月みずき - (2008/08/16 (土) 05:03:47) の編集履歴(バックアップ)


胡蝶の夢


(黒背景)
「みずき、今更だけど俺、お前の事好きだ。俺達付き合わないか?」
「…バカ!」
「え?」
「待たせすぎだっての!あたしはずっと…その…」
 俺は返事を聞く前に、みずきの体をきつく抱きしめていた。
 ――数ヵ月後
 学校の廊下をツインテールが駆け抜けていく。
「お~い、みずき~!って行っちまった」
 あいつが落としたメモ帳を届けに来たんだけどなぁ。
 うさぎのイラストが描かれた表紙を見ながら、どうやって返そうか考える。
「……なにが書いてあるんだろ?」
 他人の物を勝手に見るのは善くない事だけど、彼氏だからいいよな。

 ○月×日 
  09:02 みのるに女の人の声が話しかけてる、絶対渡さない
  11:34 イビキが聞こえる、みのるがまた授業中に寝ているみたい、テスト近いので心配
  12:16 みのるとお昼、彼女っぽくお弁当作りたいけど、みのるの方が料理巧い、練習しなくちゃ
  12:37 あたしの膝枕でみのるがお昼寝、幸せ
  13:29 みのるは体育の授業、何も聞こえない、寂しい
  14:55 伊万里があたしのみのるに話しかけてる、すぐに行くから待っててね

「なんだこれ?俺の事ばかりだ」
 少し気味が悪くなり、他のページを捲る。

 みのるが、みのるの、みのるを、みのるに、みのるへ、みのると、みのるから、みのるより、みのるで、みのるとも
 みのるや、みのるね、みのるばかり、みのるまで、みのるだけ、みのるほど、みのるくらい、みのるこそ、みのるしか
 みのるさえ、みのるも、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる
 みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる
 みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる、みのる

「うわあ!」
 いつの間にか少し眠ってしまったらしい。全く馬鹿馬鹿しい妄想をしてしまったもんだ。
 幼馴染とはいえ失礼すぎるぞ。まったく。
 俺は姿勢を正し、改めて寝る事にした。
「でも…なんだか妙にリアルな夢だったな… 胡蝶の夢?」
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