;;SE『チャイム音』。BGM『ある日のこと』。背景『教室』
@bg file="kyousitu.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="aruhiA.ogg"
@playse storage="se3.ogg"
@wait time=1500
@fadeoutse time=1500
@wf
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@bgm file="aruhiA.ogg"
@playse storage="se3.ogg"
@wait time=1500
@fadeoutse time=1500
@wf
「休みは黒川、と……黒川?」[lr]
;;検索エンジン(動揺)
滅多に聞かないググレの動揺した声。寝耳に水とはこのことだ。眦をこすってから、背筋を伸ばして体を起こした。[lr]
;;ググレ(困惑)
意識を回想から引き戻す。目の前でググレが珍しく戸惑っていた。普段は超然かつ傲慢、それが今はいい気味だ。とはいえ、理由が分からなければ、旨みも半減だ。[lr]
「おい、何があったんだ?」[lr]
;;エンジン消し、毒男(デフォルト)
「珍しいよな。委員長が休みだってよ」[lr]
@fadeoutbgm time=2000
「…………」[lr]
「どうした?」[lr]
何故だろう。息苦しい。胸を押さえつける。心臓が暴れていた。[pcm]
;;検索エンジン(動揺)
滅多に聞かないググレの動揺した声。寝耳に水とはこのことだ。眦をこすってから、背筋を伸ばして体を起こした。[lr]
;;ググレ(困惑)
意識を回想から引き戻す。目の前でググレが珍しく戸惑っていた。普段は超然かつ傲慢、それが今はいい気味だ。とはいえ、理由が分からなければ、旨みも半減だ。[lr]
「おい、何があったんだ?」[lr]
;;エンジン消し、毒男(デフォルト)
「珍しいよな。委員長が休みだってよ」[lr]
@fadeoutbgm time=2000
「…………」[lr]
「どうした?」[lr]
何故だろう。息苦しい。胸を押さえつける。心臓が暴れていた。[pcm]
;;みずき(泣き)を一瞬だけ表示。BGM『兆候』
@bg file="black.jpg" time=500
@bgm file=choukou.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b]
@cl
@bg file="kyousitu.jpg" time=500
@bg file="black.jpg" time=500
@bgm file=choukou.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b]
@cl
@bg file="kyousitu.jpg" time=500
「知るか……っ」[lr]
短く、小さく、そして鋭く吐き捨てる。[lr]
証拠があるわけではない。ただ目に見えない恐怖を、はっきりしたものに仕立てたいだけだ。[lr]
――恐怖?[lr]
@playse storage="heart.ogg"
@ws
心臓が一際大きく跳ねた。[lr]
そうだ、俺は恐れている。俺の前からいなくなったのは、みんな俺にかかわりのある人だから……。[lr]
――関わり?[lr]
姉さん、先輩、委員長……。一つの線で繋がるとしたら、それこそ無数だ。だが、俺の知り合いであるという線もそこには含まれている。[pcm]
;;毒男(心配げ)
「おい、どうした?」[lr]
心配そうに聞いてくるが、俺は曖昧に頷くと体の向きを変えた。机の下に隠しながら携帯を開く。新着メールはなし。姉さんはおろか先輩からさえも返ってきていなかった。[lr]
ひとつ、考えが浮かんだ。バレればググレに没収だが、そうはならないだろう。確信めいた予感があった。[lr]
;;背景『携帯のズーム』
委員長の携帯番号に発信した。[lr]
;;SE『電話のトゥルルルー音』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@ws
やはり出ない。[lr]
メールなら成りすましも容易だ。いや、姉さんとは電話で話した。なら成りすましではない?[lr]
思考は激流めいて矛盾を押し流す。あの電話の後で何かに巻き込まれたというのなら、筋は通る。[pcm]
短く、小さく、そして鋭く吐き捨てる。[lr]
証拠があるわけではない。ただ目に見えない恐怖を、はっきりしたものに仕立てたいだけだ。[lr]
――恐怖?[lr]
@playse storage="heart.ogg"
@ws
心臓が一際大きく跳ねた。[lr]
そうだ、俺は恐れている。俺の前からいなくなったのは、みんな俺にかかわりのある人だから……。[lr]
――関わり?[lr]
姉さん、先輩、委員長……。一つの線で繋がるとしたら、それこそ無数だ。だが、俺の知り合いであるという線もそこには含まれている。[pcm]
;;毒男(心配げ)
「おい、どうした?」[lr]
心配そうに聞いてくるが、俺は曖昧に頷くと体の向きを変えた。机の下に隠しながら携帯を開く。新着メールはなし。姉さんはおろか先輩からさえも返ってきていなかった。[lr]
ひとつ、考えが浮かんだ。バレればググレに没収だが、そうはならないだろう。確信めいた予感があった。[lr]
;;背景『携帯のズーム』
委員長の携帯番号に発信した。[lr]
;;SE『電話のトゥルルルー音』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@ws
やはり出ない。[lr]
メールなら成りすましも容易だ。いや、姉さんとは電話で話した。なら成りすましではない?[lr]
思考は激流めいて矛盾を押し流す。あの電話の後で何かに巻き込まれたというのなら、筋は通る。[pcm]
;;みずき(泣き)
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b]
@cl
@bg file="kyousitu.jpg" time=500
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b]
@cl
@bg file="kyousitu.jpg" time=500
……危険、なのかもしれない。首筋の産毛が逆立っていた。[lr]
;;SE『チャイム音』
@playse storage="se3.ogg"
疑問は残っていたが、それを皮切りに思考を打ち切った。[pcm]
@fadeoutse time=1000
;;SE『チャイム音』
@playse storage="se3.ogg"
疑問は残っていたが、それを皮切りに思考を打ち切った。[pcm]
@fadeoutse time=1000
;;委員長(デフォルト)
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=3]
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=3]
ググレから委員長の住所でも訊き出して訪ねてゆくか?[lr]
@fadeoutbgm time=3000
否。今の俺にとって大切なのは――。[lr]
;;みずき(笑い)
[ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=2 b=2 e=2a m=2]
――すまない。[lr]
目を閉じて顔をそむける。まだ呼び出しを続けていた携帯を切った。[pcm]
[ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=4]
;;委員長(哀)の後消し
@fadeoutbgm time=3000
否。今の俺にとって大切なのは――。[lr]
;;みずき(笑い)
[ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=2 b=2 e=2a m=2]
――すまない。[lr]
目を閉じて顔をそむける。まだ呼び出しを続けていた携帯を切った。[pcm]
[ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=4]
;;委員長(哀)の後消し
;;背景『廊下』、BGM『兆候』
@cl
@bg file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="choukou.ogg"
@cl
@bg file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="choukou.ogg"
何故か足音を響かせないようにしていた。焦燥はあくまで足を急かしている。だが、ひそやかに廊下を馳せた。[lr]
どこか足が地についていなかった。リノリウムを蹴りつけているはずなのに、泥沼に嵌まりでもしたような気がする。入っては戻れない領域に踏みこんでしまったような。[lr]
いいや、そんなはずはない。足元を見つめて首を振る。眩暈がするのは、ただの寝不足だ。[lr]
@bg file="kaidan2.jpg" rule="左下から右上へ"
階段を駆け下り、角を曲がる。[lr]
@bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ"
;;伊万里(驚き)を一瞬だけ表示
[imar f="驚き" pose=1 pos=c]
@cl
人影。前進をためらった刹那、重心の乱れで左足首が挫けた。膝が折れ、右足で床を蹴って体を跳ばす。辛うじて人影との衝突を避けつつ、床へとダイブした。[pcm]
;;伊万里(驚き)
[imar f="驚き" pose=1 pos=c]
「みのりんっ!?」[lr]
「……痛っ!」[lr]
とっさに衝いた左手首が鈍痛を訴えている。いつだったか、こんなことがあったような気がする。[lr]
痛みを無視して立ち上がった。[lr]
;;伊万里(真面目)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4]
「話を聞いてほしいんだ」[lr]
「後にしてくれっ!」[lr]
掴まれた裾を乱暴に振った。[lr]
;;伊万里(必死)。BGM『crazeforyou』
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1]
「今じゃないとダメなんだっ!」[lr]
怒りと焦りと後悔と躊躇。無数の感情がごちゃ混ぜにされた一声だった。[pcm]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4 s=1]
自然と動きがとまっていた。沈黙に荒い息づかいだけが響く。伊万里の力が緩んだところで、裾からその手を引き剥がした。[lr]
;;伊万里(デフォルトかほっとした笑み)
「少しだけだぞ」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=1 e=4a m=2]
右足一本で廊下に背を預けた。[lr]
;;伊万里(真面目というかシリアスというか)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5]
「でね、話っていうのは――」[lr]
跳ねる心臓を右手で押さえつける。俺はまだ伊万里と向き合えない。すくんだ足は今も走り出そうとする。[lr]
「――みずきちのことなんだけど」[lr]
あっと驚きの声が漏れかけた。みずきのことを心配していたはずなのに、いつの間にか保身のことしか考えていなかった。[pcm]
――これだから、伊万里と向き合えないのだろう。痛む手首を気にするフリをして、視線を逸らした。[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1]
「だ、だいじょうぶ?」[lr]
――なんで心配するんだ。[lr]
理不尽だ、とても理不尽だ。けれど理不尽なことを思ってしまう。[lr]
思考するのがイヤになる。[lr]
「それより、話? みずきのことでか?」[lr]
;;伊万里(浮かない)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「うん……」[lr]
頷いたっきり、沈黙する伊万里。[pcm]
唇は震え、全く動きを止めてはいない。けれど、なかなか言葉は出てこなかった。[lr]
言葉が見つからないわけではない、何か途轍もなく重々しいものを紡ぎ出そうとしていていた。[lr]
すうっと、息を吸う音が明瞭に聞こえた。[pcm]
;;伊万里(シリアス)
;「ひめさん、いないよね?」
;「早紀先輩もいないよね?」
;「百合さんもいないよね?」
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5]
「ひめさん、いないよね? 早紀先輩もいないよね? 百合さんもいないよね?」[lr]
矢継ぎ早に放たれた三つの質問。首が勝手に頷き、たじろぐ。[lr]
「だからみずきが危な……」[lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4]
「みずきちなんだ」[lr]
次のターゲット、か。[lr]
「分かってる分かってる。みずきが危ないんだろ?」[lr]
;;伊万里(怒)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7]
「そうじゃないんだ!」[lr]
「どう、いう?」[lr]
みずきが危ないわけじゃない?[pcm]
血が落ちて首筋が冷える。脳の奥深く封じこめておいた仮説がよみがえった。[lr]
「……まさか」[lr]
止めろ言うなそんなはずはない![lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=5]
「みずきちがやったんだ」[lr]
奇妙なほど滑らかに言う伊万里。最初の雨粒が地面を叩くように、ぽつり、と。[lr]
「……なんで?」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「それはボクにも……」[lr]
「なんでこんな嘘をつくんだ?」[lr]
;;伊万里(困惑)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1]
「……え?」[lr]
分かっている。けれど認めるわけにはいかない。[pcm]
モノマネ娘。紅茶色に紛れていたペールグリーン。夜な夜な外出してはまとってくる鉄錆びたような異臭。今朝、見かけたMTBの泥だらけのタイヤ。[lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=5 s=1]
「嘘なんて……」[lr]
「嘘に決まってるだろ! みずきが、そんな……」[lr]
;;伊万里(必死)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7 s=1]
「だって!」[lr]
感情が爆ぜたように上履きが床を叩いた。[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1]
「だってそうなんだ! 仕方ないんだよ!」[lr]
静謐に叫びの余韻だけが立ち込めた。伊万里はしばし黙ってから、やがて呟いた。[pcm]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「ボクがそんな嘘をつくと思うの……?」[lr]
「それは……」[lr]
伊万里が俺にそんな嘘をついて何の利益がある? みずきを犯人に仕立て上げて……。[lr]
気づいていた。ただ気づかないフリをしていただけだ。とても残酷な覚悟を決めた。[lr]
「思う」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=2a m=5 s=1]
「――!?」[pcm]
;;伊万里(シリアスな驚き。ショック)
「伊万里、お前はみずきに嫉妬してるんだろ? だからこうやってみずきを貶めようとする。みずきの家にいるのは、別にお前が勘繰ってるような理由からじゃない。もう嘘は止めろ。今なら水に流してやるから」[lr]
あってはならないものを見てしまったように、伊万里は目を見開いて言葉を失っていた。唇が震えるものの、言葉ではなく白い息しか漏れなかった。[pcm]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=5 s=1]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1]
「そんな……ボクがそんなことっ!?」[lr]
固まった伊万里の視線が俺ではなく、俺越しの誰かを見つめていることに気づいた。[lr]
@cl
ぱっと振り向くが、窓があるのみ。いや、そこに一瞬、空気抵抗になびいた紅茶色のツインテールが映っていたような気がした。[lr]
;;みずき(怯え)を一瞬だけ表示。
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=9a m=5 t=1]
@cl
「……みずきっ!?」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=2 e=2a m=7 s=1]
@cl
伊万里が袖を掴んでいたが、振り払って猛然と駆けた。[lr]
;;BGM消し、伊万里消し、画面を赤く明滅。
@fadeoutbgm time=1000
@bg file="red.jpg" time=300
@bg file="kaidan2.jpg" time=300
激痛。ふわり、と浮遊感が襲った。左足が階段を踏み外していた。[lr]
ハッと思い出す。さっき伊万里とぶつかりかけたとき、左足首を挫いていた。[pcm]
気づく頃には段差を転げ落ち、床へ叩きつけられていた。間の抜けた笛の音のような音が喉からこぼれる。[r]
どこか足が地についていなかった。リノリウムを蹴りつけているはずなのに、泥沼に嵌まりでもしたような気がする。入っては戻れない領域に踏みこんでしまったような。[lr]
いいや、そんなはずはない。足元を見つめて首を振る。眩暈がするのは、ただの寝不足だ。[lr]
@bg file="kaidan2.jpg" rule="左下から右上へ"
階段を駆け下り、角を曲がる。[lr]
@bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ"
;;伊万里(驚き)を一瞬だけ表示
[imar f="驚き" pose=1 pos=c]
@cl
人影。前進をためらった刹那、重心の乱れで左足首が挫けた。膝が折れ、右足で床を蹴って体を跳ばす。辛うじて人影との衝突を避けつつ、床へとダイブした。[pcm]
;;伊万里(驚き)
[imar f="驚き" pose=1 pos=c]
「みのりんっ!?」[lr]
「……痛っ!」[lr]
とっさに衝いた左手首が鈍痛を訴えている。いつだったか、こんなことがあったような気がする。[lr]
痛みを無視して立ち上がった。[lr]
;;伊万里(真面目)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4]
「話を聞いてほしいんだ」[lr]
「後にしてくれっ!」[lr]
掴まれた裾を乱暴に振った。[lr]
;;伊万里(必死)。BGM『crazeforyou』
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1]
「今じゃないとダメなんだっ!」[lr]
怒りと焦りと後悔と躊躇。無数の感情がごちゃ混ぜにされた一声だった。[pcm]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4 s=1]
自然と動きがとまっていた。沈黙に荒い息づかいだけが響く。伊万里の力が緩んだところで、裾からその手を引き剥がした。[lr]
;;伊万里(デフォルトかほっとした笑み)
「少しだけだぞ」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=1 e=4a m=2]
右足一本で廊下に背を預けた。[lr]
;;伊万里(真面目というかシリアスというか)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5]
「でね、話っていうのは――」[lr]
跳ねる心臓を右手で押さえつける。俺はまだ伊万里と向き合えない。すくんだ足は今も走り出そうとする。[lr]
「――みずきちのことなんだけど」[lr]
あっと驚きの声が漏れかけた。みずきのことを心配していたはずなのに、いつの間にか保身のことしか考えていなかった。[pcm]
――これだから、伊万里と向き合えないのだろう。痛む手首を気にするフリをして、視線を逸らした。[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1]
「だ、だいじょうぶ?」[lr]
――なんで心配するんだ。[lr]
理不尽だ、とても理不尽だ。けれど理不尽なことを思ってしまう。[lr]
思考するのがイヤになる。[lr]
「それより、話? みずきのことでか?」[lr]
;;伊万里(浮かない)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「うん……」[lr]
頷いたっきり、沈黙する伊万里。[pcm]
唇は震え、全く動きを止めてはいない。けれど、なかなか言葉は出てこなかった。[lr]
言葉が見つからないわけではない、何か途轍もなく重々しいものを紡ぎ出そうとしていていた。[lr]
すうっと、息を吸う音が明瞭に聞こえた。[pcm]
;;伊万里(シリアス)
;「ひめさん、いないよね?」
;「早紀先輩もいないよね?」
;「百合さんもいないよね?」
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5]
「ひめさん、いないよね? 早紀先輩もいないよね? 百合さんもいないよね?」[lr]
矢継ぎ早に放たれた三つの質問。首が勝手に頷き、たじろぐ。[lr]
「だからみずきが危な……」[lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4]
「みずきちなんだ」[lr]
次のターゲット、か。[lr]
「分かってる分かってる。みずきが危ないんだろ?」[lr]
;;伊万里(怒)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7]
「そうじゃないんだ!」[lr]
「どう、いう?」[lr]
みずきが危ないわけじゃない?[pcm]
血が落ちて首筋が冷える。脳の奥深く封じこめておいた仮説がよみがえった。[lr]
「……まさか」[lr]
止めろ言うなそんなはずはない![lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=5]
「みずきちがやったんだ」[lr]
奇妙なほど滑らかに言う伊万里。最初の雨粒が地面を叩くように、ぽつり、と。[lr]
「……なんで?」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「それはボクにも……」[lr]
「なんでこんな嘘をつくんだ?」[lr]
;;伊万里(困惑)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1]
「……え?」[lr]
分かっている。けれど認めるわけにはいかない。[pcm]
モノマネ娘。紅茶色に紛れていたペールグリーン。夜な夜な外出してはまとってくる鉄錆びたような異臭。今朝、見かけたMTBの泥だらけのタイヤ。[lr]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=5 s=1]
「嘘なんて……」[lr]
「嘘に決まってるだろ! みずきが、そんな……」[lr]
;;伊万里(必死)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7 s=1]
「だって!」[lr]
感情が爆ぜたように上履きが床を叩いた。[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1]
「だってそうなんだ! 仕方ないんだよ!」[lr]
静謐に叫びの余韻だけが立ち込めた。伊万里はしばし黙ってから、やがて呟いた。[pcm]
;;伊万里(哀)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4]
「ボクがそんな嘘をつくと思うの……?」[lr]
「それは……」[lr]
伊万里が俺にそんな嘘をついて何の利益がある? みずきを犯人に仕立て上げて……。[lr]
気づいていた。ただ気づかないフリをしていただけだ。とても残酷な覚悟を決めた。[lr]
「思う」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=2a m=5 s=1]
「――!?」[pcm]
;;伊万里(シリアスな驚き。ショック)
「伊万里、お前はみずきに嫉妬してるんだろ? だからこうやってみずきを貶めようとする。みずきの家にいるのは、別にお前が勘繰ってるような理由からじゃない。もう嘘は止めろ。今なら水に流してやるから」[lr]
あってはならないものを見てしまったように、伊万里は目を見開いて言葉を失っていた。唇が震えるものの、言葉ではなく白い息しか漏れなかった。[pcm]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=5 s=1]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1]
「そんな……ボクがそんなことっ!?」[lr]
固まった伊万里の視線が俺ではなく、俺越しの誰かを見つめていることに気づいた。[lr]
@cl
ぱっと振り向くが、窓があるのみ。いや、そこに一瞬、空気抵抗になびいた紅茶色のツインテールが映っていたような気がした。[lr]
;;みずき(怯え)を一瞬だけ表示。
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=9a m=5 t=1]
@cl
「……みずきっ!?」[lr]
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=2 e=2a m=7 s=1]
@cl
伊万里が袖を掴んでいたが、振り払って猛然と駆けた。[lr]
;;BGM消し、伊万里消し、画面を赤く明滅。
@fadeoutbgm time=1000
@bg file="red.jpg" time=300
@bg file="kaidan2.jpg" time=300
激痛。ふわり、と浮遊感が襲った。左足が階段を踏み外していた。[lr]
ハッと思い出す。さっき伊万里とぶつかりかけたとき、左足首を挫いていた。[pcm]
気づく頃には段差を転げ落ち、床へ叩きつけられていた。間の抜けた笛の音のような音が喉からこぼれる。[r]
ダメージを受けた肺は空気を押し出されていて、酸欠状態だった。だが、肺を広げようとすると、いきなり強烈な痛みを訴え出す。満足に呼吸さえできない。[lr]
なおかつここに来て左の手首と足首の痛みまでもが蘇った。早くみずきを追いかけなければ。だが激痛が全身を灼き尽くし、一人で起き上がることすらできない。[lr]
絶望的に時間が過ぎてゆく。[pcm]
;;BGM『13と1の誓い』
@bgm file="13_1.ogg"
「……!?」[lr]
実は頭も打っていたのかもしれない。視界に小さな上履きが入りこんだ。かすかに震えている。一瞬、引き返そうかと動くのも見えた。だが、最終的には近寄ってきた。[lr]
「みの、る……?」[lr]
ためらったような、怯えたようなソプラノは、間違いなくみずきのそれだった。[lr]
支えてやらなければならなければ。だが、俺は起き上がることすらできない。むしろ助けを求めていた。[lr]
軋んだ頬骨が痛むものの、なんとかして言葉を発する。[lr]
「俺はみずきを信じてる」[lr]
びくん、と空気が波打ち、動揺しているのが伝わってきた。[pcm]
「本当に?」[lr]
「信じてくれないのか?」[lr]
俺の返答に再び黙りこむ。[lr]
「……信じてる」[lr]
「…………」[pcm]
;;みずき(泣き)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=3a m=9 t=1]
ややあって、助け起こされた。併せて全身の力を振り絞る。右足は膝が痛かったものの、足首はそれほどでもない。なんとか階段へと座りこんだ。[lr]
「保健室に」[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 t=1]
@cl
言い終わる前にみずきが首を振った。携帯を出して電話をかけると、怒鳴るような声で早口にまくしたててからあっという間に切った。[r]
途端に静謐が立ちこめる。華奢な輪郭が小さくなったように見えた。[lr]
「車、手配してもらったから」[lr]
背中越しに投げられたのは、感情のこもっていない報告。[pcm]
;;みずき(怯え)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=3a m=10]
「あたしのこと、信じてる?」[lr]
限りなく虚ろで、しかし異なる重みの問い。[lr]
「……もちろん」[lr]
間髪入れず、というには間が空きすぎてしまったかもしれない。実際、揺らぎがないとは言えなかったから。[lr]
俺は本当に信じているのだろうか。伊万里が嫉妬して、みずきを貶めようとしたなんて。[lr]
いや、そうでないはずはない。そうでなければ、みずきは……。[pcm]
;;みずき(泣き笑い)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=6a m=8 t=1]
「ありがと」[lr]
その笑顔はとても痛々しかった。むしろすがりついてきてくれた方がまだ安心できた。[lr]
俺は気づいてやれなかったのに。どうして? どうして? どうしてなんだっ!?[lr]
何も語らない。みずきはただ花のように微笑むばかりだった。[pcm]
絶望的に時間が過ぎてゆく。[pcm]
;;BGM『13と1の誓い』
@bgm file="13_1.ogg"
「……!?」[lr]
実は頭も打っていたのかもしれない。視界に小さな上履きが入りこんだ。かすかに震えている。一瞬、引き返そうかと動くのも見えた。だが、最終的には近寄ってきた。[lr]
「みの、る……?」[lr]
ためらったような、怯えたようなソプラノは、間違いなくみずきのそれだった。[lr]
支えてやらなければならなければ。だが、俺は起き上がることすらできない。むしろ助けを求めていた。[lr]
軋んだ頬骨が痛むものの、なんとかして言葉を発する。[lr]
「俺はみずきを信じてる」[lr]
びくん、と空気が波打ち、動揺しているのが伝わってきた。[pcm]
「本当に?」[lr]
「信じてくれないのか?」[lr]
俺の返答に再び黙りこむ。[lr]
「……信じてる」[lr]
「…………」[pcm]
;;みずき(泣き)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=3a m=9 t=1]
ややあって、助け起こされた。併せて全身の力を振り絞る。右足は膝が痛かったものの、足首はそれほどでもない。なんとか階段へと座りこんだ。[lr]
「保健室に」[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 t=1]
@cl
言い終わる前にみずきが首を振った。携帯を出して電話をかけると、怒鳴るような声で早口にまくしたててからあっという間に切った。[r]
途端に静謐が立ちこめる。華奢な輪郭が小さくなったように見えた。[lr]
「車、手配してもらったから」[lr]
背中越しに投げられたのは、感情のこもっていない報告。[pcm]
;;みずき(怯え)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=3a m=10]
「あたしのこと、信じてる?」[lr]
限りなく虚ろで、しかし異なる重みの問い。[lr]
「……もちろん」[lr]
間髪入れず、というには間が空きすぎてしまったかもしれない。実際、揺らぎがないとは言えなかったから。[lr]
俺は本当に信じているのだろうか。伊万里が嫉妬して、みずきを貶めようとしたなんて。[lr]
いや、そうでないはずはない。そうでなければ、みずきは……。[pcm]
;;みずき(泣き笑い)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=6a m=8 t=1]
「ありがと」[lr]
その笑顔はとても痛々しかった。むしろすがりついてきてくれた方がまだ安心できた。[lr]
俺は気づいてやれなかったのに。どうして? どうして? どうしてなんだっ!?[lr]
何も語らない。みずきはただ花のように微笑むばかりだった。[pcm]
;;BGM『Lunatic Lovers~xxx』。背景『みずき宅の客人用の部屋』
@fadeoutbgm time=3000
@cl
@bg2 file="wafuu_kositu00.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=3000
@bgm file="llxxx.ogg"
@fadeoutbgm time=3000
@cl
@bg2 file="wafuu_kositu00.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=3000
@bgm file="llxxx.ogg"
ベンツに乗せられた俺はそのまま病院へと連れていかれた。それもかなり規模が大きかった。[lr]
とはいえ、正直、過剰すぎると思った。出血もなければ、頭を打ったわけでもなし。保健室の処置で間に合うレベルだ。[lr]
極めつけは料金。俺が保険証を持ち合わせているはずもない。請求金額はぼったくられてるのかと思うほどだった。[lr]
しかし、そこでみずきの父はすべて代わりに支払ってくれた。その姿に感謝と尊敬を覚えたものの、一抹の疑念が胸に宿った。[pcm]
よくよく考えてみればおかしな話とも言える。年頃の娘が男を連れてきて、しばらく泊める。それもいきなり。[r]
とはいえ、正直、過剰すぎると思った。出血もなければ、頭を打ったわけでもなし。保健室の処置で間に合うレベルだ。[lr]
極めつけは料金。俺が保険証を持ち合わせているはずもない。請求金額はぼったくられてるのかと思うほどだった。[lr]
しかし、そこでみずきの父はすべて代わりに支払ってくれた。その姿に感謝と尊敬を覚えたものの、一抹の疑念が胸に宿った。[pcm]
よくよく考えてみればおかしな話とも言える。年頃の娘が男を連れてきて、しばらく泊める。それもいきなり。[r]
だというのに、全く怪訝そうな顔もせず、むしろ後押しするような雰囲気だった。[lr]
人柄、と言ってしまえばそうなのだろうが、本当にそうなのだろうか。元々、あの人はあんな感じの紳士だっただろうか。思い出せない。分からない。[lr]
そもそも会話をほとんど交わしていなかった。泊めてもらっておきながら食卓を囲んでいない。いつも俺の食事はみずきと二人で……みずきと二人で?[lr]
そういえば、みずきも家族と食卓を囲んでいなかった。[pcm]
「痛っ!」[lr]
傷の痛みが思考を引き裂いた。[lr]
布団の中から手を出し、携帯を引きずりこむ。その仕草だけでも傷に障る。[lr]
眠りに落ちる前までは、布団の傍にみずきが張りついていたはずだったが、もういなくなっていた。代わりにスポーツドリンクと丁寧に畳まれた着替えが置かれていた。[lr]
;原文 ベッドの傍に
――ありがとうな。[lr]
心の中で礼を言い、そして謝罪する。俺はこれからみずきへ嘘をつく。いや、嘘にする。さっきみずきへ宣したことを。[pcm]
;;みずき(病み)一瞬だけ表示。
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=3a m=10 y=b]
@cl
@fadeoutbgm time=1500
「あたしのこと、信じてる?」[lr]
「……もちろん」[lr]
信じてはいる。信じてはいるが。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。BGM『雪景色』
@bgm file="yuki.ogg"
張り詰めていた息を吐ききると、携帯の電話帳を開いた。[lr]
『伊万里寿司』[lr]
;;SE『トゥルルルー音』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
本当に、そうなのだろうか。伊万里が嫉妬でみずきを貶めようとしたのだろうか。[lr]
有り得ない。そう思う。アイツが嘘をついて人を中傷するはずはない。なら、本当にみずきが……。[pcm]
いや――と、独白で思考を中断させる。目下の難題は、今も開封さえできずにいるチョコレートへの答えだ。断るしかないのだろうか。それとも欺くか。[lr]
断ったところで、それは『愛』がまだ分からないから。欺いたところでそれも『愛』が分からないから。結局のところ、決めてしまえば理由は後付けできてしまう。[lr]
それとも、俺は本当にアイツを……。[pcm]
そもそも会話をほとんど交わしていなかった。泊めてもらっておきながら食卓を囲んでいない。いつも俺の食事はみずきと二人で……みずきと二人で?[lr]
そういえば、みずきも家族と食卓を囲んでいなかった。[pcm]
「痛っ!」[lr]
傷の痛みが思考を引き裂いた。[lr]
布団の中から手を出し、携帯を引きずりこむ。その仕草だけでも傷に障る。[lr]
眠りに落ちる前までは、布団の傍にみずきが張りついていたはずだったが、もういなくなっていた。代わりにスポーツドリンクと丁寧に畳まれた着替えが置かれていた。[lr]
;原文 ベッドの傍に
――ありがとうな。[lr]
心の中で礼を言い、そして謝罪する。俺はこれからみずきへ嘘をつく。いや、嘘にする。さっきみずきへ宣したことを。[pcm]
;;みずき(病み)一瞬だけ表示。
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=3a m=10 y=b]
@cl
@fadeoutbgm time=1500
「あたしのこと、信じてる?」[lr]
「……もちろん」[lr]
信じてはいる。信じてはいるが。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。BGM『雪景色』
@bgm file="yuki.ogg"
張り詰めていた息を吐ききると、携帯の電話帳を開いた。[lr]
『伊万里寿司』[lr]
;;SE『トゥルルルー音』
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
本当に、そうなのだろうか。伊万里が嫉妬でみずきを貶めようとしたのだろうか。[lr]
有り得ない。そう思う。アイツが嘘をついて人を中傷するはずはない。なら、本当にみずきが……。[pcm]
いや――と、独白で思考を中断させる。目下の難題は、今も開封さえできずにいるチョコレートへの答えだ。断るしかないのだろうか。それとも欺くか。[lr]
断ったところで、それは『愛』がまだ分からないから。欺いたところでそれも『愛』が分からないから。結局のところ、決めてしまえば理由は後付けできてしまう。[lr]
それとも、俺は本当にアイツを……。[pcm]
;;SE『電話に出る音』。伊万里(落ち込み)表示。
@stopse
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4]
@cl
@bg file="wafuu_kositu00.jpg" time=500
@stopse
@playse storage="others_10_mikenoize.ogg"
@ws
@stopse
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
@bg file="black.jpg" time=500
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4]
@cl
@bg file="wafuu_kositu00.jpg" time=500
@stopse
@playse storage="others_10_mikenoize.ogg"
@ws
「今日は悪かったごめんっ!」[lr]
開口一番、早口に言葉をほとばしらせた。[lr]
「……いいよ、信じてたから」[lr]
いともあっさりとしていたが、言葉を呑ませる一言だった。こんな俺を、どうして信じてくれるのだろう。[pcm]
「お前の言うことを信じたわけじゃない。ただ本当じゃなくても間違いっていうことはあるからな。お前がその結論に至った経緯を教えてくれ」[lr]
恐らくは、かつての俺と同じだ。混乱するうちに証拠らしいものを見つけては都合の良い仮説を立てて、強引に憎むべき対象を見つけてしまっているだけだ。[r]
開口一番、早口に言葉をほとばしらせた。[lr]
「……いいよ、信じてたから」[lr]
いともあっさりとしていたが、言葉を呑ませる一言だった。こんな俺を、どうして信じてくれるのだろう。[pcm]
「お前の言うことを信じたわけじゃない。ただ本当じゃなくても間違いっていうことはあるからな。お前がその結論に至った経緯を教えてくれ」[lr]
恐らくは、かつての俺と同じだ。混乱するうちに証拠らしいものを見つけては都合の良い仮説を立てて、強引に憎むべき対象を見つけてしまっているだけだ。[r]
そう、そうに違いない。なぜなら……。[lr]
そうでなければ、困るから。みずきが犯人だなんて、思いたくないから。[lr]
;;伊万里(デフォルト)
「うん、分かってる。こんなこと、なかなか信じられるとは思わないし」[lr]
伊万里は一息置いてから、話し始めた。[pcm]
「あの後――みのりんにチョコをあげた、あの後」[lr]
冷や汗で手が滑る。今はまだそのときじゃない、そう言い聞かせるものの、心拍は跳ね上がってゆく。[lr]
「だ、だいじょうぶ? なんだか息が荒いけど」[lr]
「気にするな。続けてくれ」[lr]
左手で心臓を押さえながら、深呼吸を繰り返す。[lr]
「あの後、ボクはすぐには家に帰らなかったんだ。……その、なんていうか」[lr]
;;伊万里(苦しげ)
「言わなくてもいい。分かってるから」[lr]
告白直後というのは、顔を合わせ辛いことこのうえない。だが、俺と伊万里の場合、家は隣同士だ。[pcm]
「ありがと。ちょっと山に行こうと思ったんだ。自然と接するっていうか、その……一人になりたくて」[lr]
「独りに?」[lr]
聞きに徹するべきところだったが、舌が勝手に問い返していた。[lr]
「いや、続けてくれ」[lr]
独りになりたい? 俺には理解できなかった。[lr]
「なら続けるけど、山に入ったら、みずきちを見つけたんだ。でも、ちょっと声をかけづらくて。みずきち、泣いてたんだ……」[lr]
みずきが泣いていた? どうして? 口を挟みそうになるのを必死でこらえる。[lr]
「道もないところを進んでくし、大きなバッグを運んでたから、ちょっと気になってついてったんだ。そした――っ!?」[pcm]
;;SE『伊万里の殴られる音』
@playse storage="tm2_hit002.ogg"
突如、鈍い音が響いたかと思うと、伊万里の声が途絶えた。[lr]
「伊万里っ!?」[pcm]
;;SE『ブツッ。電話が強引に切られる音。ツーツーツー』
@playse storage="others_07_putu.ogg"
@ws
@playse storage="[email protected]"
@wait time=700
@fadeoutse time=700
「伊万里! おい、返事をしろっ!」[lr]
@stopse
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
叫ぶ。かけ直す。出ない。かけ直す。五回ほど繰り返して携帯を投げ捨てた。[pcm]
@stopse
;;背景『みずき宅客人用の部屋』
すでに頭は冷えていた。もう、驚かなかった。[lr]
今の俺こそがそうなのかもしれない。みずきを信じたい。だからどんな証拠を突きつけられても、ことごとく耳を貸さない。[r]
;;伊万里(デフォルト)
「うん、分かってる。こんなこと、なかなか信じられるとは思わないし」[lr]
伊万里は一息置いてから、話し始めた。[pcm]
「あの後――みのりんにチョコをあげた、あの後」[lr]
冷や汗で手が滑る。今はまだそのときじゃない、そう言い聞かせるものの、心拍は跳ね上がってゆく。[lr]
「だ、だいじょうぶ? なんだか息が荒いけど」[lr]
「気にするな。続けてくれ」[lr]
左手で心臓を押さえながら、深呼吸を繰り返す。[lr]
「あの後、ボクはすぐには家に帰らなかったんだ。……その、なんていうか」[lr]
;;伊万里(苦しげ)
「言わなくてもいい。分かってるから」[lr]
告白直後というのは、顔を合わせ辛いことこのうえない。だが、俺と伊万里の場合、家は隣同士だ。[pcm]
「ありがと。ちょっと山に行こうと思ったんだ。自然と接するっていうか、その……一人になりたくて」[lr]
「独りに?」[lr]
聞きに徹するべきところだったが、舌が勝手に問い返していた。[lr]
「いや、続けてくれ」[lr]
独りになりたい? 俺には理解できなかった。[lr]
「なら続けるけど、山に入ったら、みずきちを見つけたんだ。でも、ちょっと声をかけづらくて。みずきち、泣いてたんだ……」[lr]
みずきが泣いていた? どうして? 口を挟みそうになるのを必死でこらえる。[lr]
「道もないところを進んでくし、大きなバッグを運んでたから、ちょっと気になってついてったんだ。そした――っ!?」[pcm]
;;SE『伊万里の殴られる音』
@playse storage="tm2_hit002.ogg"
突如、鈍い音が響いたかと思うと、伊万里の声が途絶えた。[lr]
「伊万里っ!?」[pcm]
;;SE『ブツッ。電話が強引に切られる音。ツーツーツー』
@playse storage="others_07_putu.ogg"
@ws
@playse storage="[email protected]"
@wait time=700
@fadeoutse time=700
「伊万里! おい、返事をしろっ!」[lr]
@stopse
@playse storage="tm2_phone006.ogg"
叫ぶ。かけ直す。出ない。かけ直す。五回ほど繰り返して携帯を投げ捨てた。[pcm]
@stopse
;;背景『みずき宅客人用の部屋』
すでに頭は冷えていた。もう、驚かなかった。[lr]
今の俺こそがそうなのかもしれない。みずきを信じたい。だからどんな証拠を突きつけられても、ことごとく耳を貸さない。[r]
強引に真実から目をそむけ、都合の良い虚構にすがりついているのではないだろうか。[lr]
揺るがぬ確証を得た。得てしまった。伊万里は嘘をついていない。とすれば……。[lr]
心に氷が張り詰めてゆく。冬の湖のように薄氷がすべてを覆い隠し、波紋はない。何一つを弾き、受けつけない。思考は凍りついていた。[lr]
そのまま、待った。[pcm]
;;ホワイトアウトの後、しばらく停止。この間BGMはなし。
;;SE『床板が軋む音。ギシッ』。BGM『13と1の誓い』
@fadeoutbgm time=2000
@bg file="white.jpg"
@wb
@bg2 file="rouka1_mizu_y.jpg" time=1000
@playse storage="f11_5.ogg"
@ws
@bgm file="13_1.ogg"
心に氷が張り詰めてゆく。冬の湖のように薄氷がすべてを覆い隠し、波紋はない。何一つを弾き、受けつけない。思考は凍りついていた。[lr]
そのまま、待った。[pcm]
;;ホワイトアウトの後、しばらく停止。この間BGMはなし。
;;SE『床板が軋む音。ギシッ』。BGM『13と1の誓い』
@fadeoutbgm time=2000
@bg file="white.jpg"
@wb
@bg2 file="rouka1_mizu_y.jpg" time=1000
@playse storage="f11_5.ogg"
@ws
@bgm file="13_1.ogg"
どこかから帰ってきたみずきがこそこそと廊下を歩んでいる。[lr]
ひそやかに。誰かに見つかるのを恐れるように縮こまりながら、歩を進めている。[lr]
角に隠れているこちらにまで押し寄せる鉄錆びた刺激臭。もうその正体が何なのかは推測できていた。[lr]
いや、そんなはずはない。それを打ち消そうとする囁きも聞こえる。[pcm]
@bg file="black.jpg"
@snowinit forevisible=true
夜の闇に細雪が降り積もり、黒く閉ざされた視界が白くけぶってゆく。[pcm]
;;背景『雪景色』と伊万里(シリアスかつ照れ)
@snowinit backvisible=true
@bg file="white.jpg"
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4 c=1]
伊万里。俺は今こそ答えを出そう。[lr]
ひそやかに。誰かに見つかるのを恐れるように縮こまりながら、歩を進めている。[lr]
角に隠れているこちらにまで押し寄せる鉄錆びた刺激臭。もうその正体が何なのかは推測できていた。[lr]
いや、そんなはずはない。それを打ち消そうとする囁きも聞こえる。[pcm]
@bg file="black.jpg"
@snowinit forevisible=true
夜の闇に細雪が降り積もり、黒く閉ざされた視界が白くけぶってゆく。[pcm]
;;背景『雪景色』と伊万里(シリアスかつ照れ)
@snowinit backvisible=true
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[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4 c=1]
伊万里。俺は今こそ答えを出そう。[lr]
;;選択肢。A『みずきを愛している』B『伊万里を愛している』
[nowait]
[r]
[link target="*mizuki"]1.『みずきを愛している』[endlink][r]
[link target="*imari"]2.『伊万里を愛している』[endlink]
[endnowait]
[s]
[nowait]
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[link target="*imari"]2.『伊万里を愛している』[endlink]
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