踊る阿呆に見る女神 ◆NIKUcB1AGw
「最悪だ……」
顔中に汗を浮かべて、口元を引きつらせながら鹿目まどかはつぶやく。
その視線の先には、満面の笑みを浮かべて小躍りする球磨川の姿があった。
◇ ◇ ◇
話は、少し前にさかのぼる。
「旧式スクール水着を着てほしい」としつこく要求してくる球磨川に対し、まどかは「そんなものここにはないし」と反論していた。
だがその程度で諦めるほど、球磨川のエロソウルは軟弱ではない。
「支給品の中に入っているかもしれない」と主張し、二人はその場で自分の支給品を改めることになったのだ。
まどかのランダム支給品は三つ。
「マスケット銃」「水の羽衣」「タンマウォッチ」であった。
このうち、武器と呼べるのはマスケット銃だけ。
同じ魔法少女であった巴マミが使用していたためなじみがあるといえばあるが、まどか自身がそれを使っていたわけではない。
使いこなすのは難しいと言わざるを得ないだろう。
つまり、攻勢に出るにはあまり向いていない組み合わせということだ。
なお水の羽衣は高い防御力を持つということで、まどかは着ることを考えていた。
だが、球磨川が「なんでシースルーっぽいのに透けてないんだ!」とわけのわからないことを言いだしたため、タイミングを逃してしまったのであった。
続いて、球磨川が自分の支給品を確認した。
一つ目は、何の変哲もないナイフ。
そして二つ目。これがまどかにとって、災厄としか言えない代物であった。
「カメラですか……?」
『そうみたいだけど……。どうやら特殊なカメラみたいだね。説明書を読むから、ちょっと待ってて』
奇妙なデザインのカメラを左手に持ち、右手に持った説明書を読み進める球磨川。
やがて、その目は爛々と輝き始める。
『これは素晴らしい!』
「どういうことなんですか、球磨川さん。まさかそのカメラに、この殺し合いを止められるような力が……」
『このカメラは着せ替えカメラといってね……。服のデザイン画や写真をセットして撮影すると、被写体がその服に着替えられるそうなんだ』
「え……。それって……」
『そう! これさえあれば、まどかちゃんをスクール水着に着替えさせられる!』
◇ ◇ ◇
そして時間軸は、冒頭に戻る。
『さあ、しばし待っていてくれまどかちゃん! すぐにこの僕が、全身全霊をかけて旧型スクール水着のデザインを描いてあげよう!』
「ちょ、ちょっと待ってください! 今、私たちは殺し合いに巻き込まれている真っ最中なんですよ?
こんなことをしてる場合じゃ……」
『だけど今現在、僕たちに命の危機が迫っているわけじゃない。そうだろう?』
「たしかに、それはそうですが……」
『ならば、君にスクール水着を着てもらう程度の余裕はあるはずだ!』
「なんでそうなるんですか!」
相変わらず話が通じない球磨川に、追い詰められていくまどか。
どうすれば彼にスクール水着を諦めさせることができるのかと頭をフル回転させていたそのとき、彼女はあることに気づいた。
「あの、球磨川さん……。外から何か聞こえませんか?」
『んー? そう言われてみると、聞こえるような聞こえないような……』
「言ってみましょう!」
『あ、ちょっと! まどかちゃん!』
球磨川の返事を待たずに、まどかは部屋を飛び出す。球磨川も彼女を放っておくわけにはいかず、その後を追った。
◇ ◇ ◇
「助けてー!! 誰かー!!」
ビルを出ると、それははっきりと聞くことができた。
明らかに、誰かが助けを求めている声だ。
(これは……一刻を争う事態かもしれない!)
脇目も振らず、まどかは声のする方向へ走り出そうとする。
だが、その足はすぐに止まった。球磨川に腕を掴まれたのだ。
「なんで止めるんですか、球磨川さん!」
『冷静になって考えてみなよ、まどかちゃん。この声は、マイクか何かで増幅されている。
これは誰かが意図的にやらないと起きない現象だ。そしてこの殺し合いゲームで、わざわざ殺されそうな人がいることを教えるメリットはない。
あるとしたらそれは、他者を罠にはめるための餌として使うためだ』
「つまり罠だから行くな、と……?」
『そういうこと。僕はまあ、そう簡単には死なない体質だけど……。君はか弱い女の子だろう?
殺し合いにはあんまり興味ないけど、君みたいな子をむざむざと死なせるわけにはいかないなあ』
「球磨川さん……。その気持ちは嬉しく思います。けど私には、すぐ近くで助けを求めている人を見捨てるなんてできません!
たとえどんなに非力でも、きっと何かはできるはずだから……」
『甘い。君はとことん甘いねえ、まどかちゃん。そんな調子じゃ、命がいくつあっても足りないよ』
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i そ ・ l
| の ・ |
| 甘 ・ |
| さ が |
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「え……?」
『今回は特別、僕がエスコートしてあげよう。君のようなかわいい女の子が死んでしまうのは、大きな損失だからね』
「あ……ありがとうございます!」
『それに助けを求めてる女の子の声……。いかにもスクール水着が似合いそうな声だしね!
助けてあげれば、お礼に着てくれるかも……』
「どんな声ですか、それ!」
自分の中で一瞬上昇した球磨川の株が、再び大暴落するのを感じるまどかであった。
【G-5オフィスビルの外 初日 深夜】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康
[装備]:マスケット銃@HELLSING
[道具]:支給品一式、マスケット銃の弾丸(20/20)、水の羽衣@ドラゴンクエストシリーズ、タンマウォッチ@ドラえもん(残り使用回数10回)
[思考・状況]
1:助けを求めている女の子のところに行く
2:人殺しはしない。これ以上誰も不幸にしたくない
3:ほむら達が気がかり。
※本編終了後からの参戦です。魔法少女から戻っています。
【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]健康
[装備]ディオのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]支給品一式、着せ替えカメラ@ドラえもん
[思考]
『1つ、まどかちゃんに付き合って、女の子を助けに行くよ』
『2つ、殺し合いについては正直、大して考えてはないね!』
※能力の規制度合いは後の書き手さんにお任せします。
※オリエンテーション終了後、善吉とめだかが対立した時期からの参戦です
※支給品解説
【マスケット銃@HELLSING】
ミレニアム所属の吸血鬼、リップヴァーン・ウィンクル中尉が愛用する旧式の銃。
最終的には、彼女自身の体を貫いた。
弾丸20発とセットで支給。
【水の羽衣@ドラゴンクエストシリーズ】
シリーズ常連の防具。主に魔法使い系のキャラが装備可能。
火炎系の攻撃によるダメージを軽減する。
【タンマウォッチ@ドラえもん】
使用者以外の、あらゆるものの時間を止めることができる時計。
今回は「時間を止められるのは、本人の体感時間で3秒間」「一度使ったら、1分経つまで再使用は不可」「使用は10回まで」という制限が設けられている。
【ディオのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険】
第1部において、ディオ・ブランドーがジョージ・ジョースターを刺殺したナイフ。
【着せ替えカメラ@ドラえもん】
デザイン画をセットして撮影を行うと、被写体にその服を着せることができるカメラ。
最終更新:2013年03月26日 00:31