弓と水晶と誤解フラグ
「おや?」
キャスターがそれに気付いたのは、助けを求める声のあるこの近辺に誰の気配も感じないと感じてしばらく経った後のことである。
外の通りを、複数の足音が響いていた。それも、こちらに向かってくるものだ。
「よっしゃ来ましたかぁ!!くぅ~待ち疲れましたw これにて完結です!」
ようやく掛かった獲物にテンションMAXで話すキャスター。
さて、どんな相手が寄ってきているのか。そう考えながら、下の道を覗く。
「ふむふむ、ちっちゃな女の子に、なかなかダンディなオジサマ、それに………ゲェ!?」
可愛い声で分析をしていたキャスターは、突如そんな姿に似合わぬ声を上げてしまう。
見えたのは三人。
スクール水着のようなボディースーツの上にセーラー服のような服を着た少女。
年不相応に筋肉質な厳つい体格をした老人。
そして、赤い外套と褐色の肌、白い髪の毛を持つ青年。
三人という人数が一度に集まってくるというのも若干やっかいではあるが、別にそんなことは大した問題ではない。
問題は、赤い外套の青年である。
キャスターはこの男を知っている。
「誰かと思えばアーチャー@紅茶さん?!あわわ、これはまさに予想外!」
赤いアーチャー。
かつてクリスマスにブロッサム先生や赤セイバー達とクリスマス会をしたり。
赤セイバーも含めた三人で温泉を求めて花札勝負の旅に出たり。
セラフで戦う相手ではないとはいえ馴れ合う仲でもないが、なぜか切っても切れぬ縁を持ったサーヴァントなのだ。
そして、そんな彼の能力も大まかには把握している。
投影魔術を用いて様々な宝具を射出したり、剣による接近戦もこなすことができるオールラウンダーなサーヴァント。
そもそもキャスターがアーチャーという三騎士クラスを相手にタイマンなどというのは無謀。ここはムーンセルではないのだ。
かといって足止めすることができるかといえば無理だろう。アーチャーを含んだ三人というのは数的にも力量的にも厳しい。
さらに弓兵というのは自分の出自からして天敵。これまでも何だかんだ敵に回すことはないよう努めてきたのだ。あの命中率を誇る弓で射られたら一貫の終わり。
あの場所に置いてきた着物の切れ端。今となっては後悔しか湧かない。あれを見たら間違いなく彼はこちらの存在、狙いに気付くだろう。そうなれば全てオジャンだ。
「あわわわわわわ…、どうしましょうどうしましょう。
青狸さんどういうことなんですか!いくら『Fate/EXTRA CCC』の発売が近いからってこんなところでまで会わせることもないじゃないですかぁ!
何ですか、実は赤セイバーさんやブロッサム先生もいて、これもEXTRAの企画の一部だって言うんですか!?」
混乱と動揺の余り、色々とセーフを通り越してアウト同然の発言を続けるキャスター。
ばれたら間違いなく敵と認識されるだろう。こんなところで死にたくはない。だがあのような罠まで仕掛けておいて、今更行動方針を変更することなどできない。
考えの纏まらないキャスター。そんな彼女の頭上に、
「………」バシャァ
「ひゃぁ冷たい!!」
水をぶちまける薔薇水晶。
「何をしますか!」
「あなたはもう少し落ち着いたほうがいい」
そう言われてはっとなる。
そうだ、今は一人というわけではないのだ。少なくとも同盟相手としてこの薔薇水晶がいる。
「あの三人の中に知り合いがいる?」
「ええ、他の二人に関しては測れませんが、あの赤い服を着た人は私には相性最悪の相手でして。
もしここの屋上まで辿り着かれた日には私の小細工なんて崩壊してしまうのですよ」
「その男さえ足止めすれば他の集まってきた参加者の相手はできるの?」
「少なくともいる時以上に最悪なことにはならないですねー」
「分かった。じゃあ私が足止めしてくる」
「本当ですか?!」
「うん。だからどんな力を持っているのか教えて」
◆
『誰か……誰か助けて!!!!!!』
そんな声が聞こえてきたのは、芳佳、ジョセフ、アーチャーの三人が他の参加者を探して移動を始めたときだった。
「この声は…」
「そこのビルの屋上からだな」
マイクか何かで声を増幅しているような音量で響く、助けを求める声。
切羽詰っているように何度もその声は周囲に聞こえ続けている。
「もしかして誰かに襲われてるんじゃ…?急がないと!!」
「待て、宮藤」
「どうして止めるんですか!?この様子だと一刻を争うはずです!」
「冷静になってみたまえ。助けを求めるためにわざわざ声を増幅させる機械を使用している。加えて声は屋上から動く気配はない。
これは罠の可能性がある」
「確かに助けを求める声に釣られて集まってきたものを罠で一網打尽にするというのは策としちゃ有名じゃな。
お嬢ちゃんのような正義感溢れる者を呼ぶには持ってこいじゃろうな」
そう、確かにその可能性は高いだろう。
あのビルの何処かに、その罠を仕掛けた相手がいるかもしれない。考えも無しに突っ込んでは犬死にするだけだ。
「…じゃあ、あの助けを求めている人はどうするんですか?
あの声の人もその協力者だとは思えません。もしかしたら巻き込まれただけの人なのかもしれません。
それでも、アーチャーさんとジョセフさんは見捨てるんですか?!」
助けを求める人を、自分が危険な状況に陥るからといって見捨てる。そんなことは芳佳には許容できなかった。
「だから少し冷静になれと言った。確かに危険とは言ったが、見捨てるとは一言も言っていない」
「そのような罠を作っているというのなら、ワシが行かん訳にはいかんじゃろうな。芳佳ちゃんだけには荷が重かろう」
「アーチャーさん…、ジョセフさん…」
「そうと決まれば急ぐぞ!あと、可能な限り固まって行動するようにな」
そうして辿り着いたビルの入り口。アーチャーとジョセフが見回した限りでは、一階からしばらくは特に異常は見受けられないと言った。
「だが油断は禁物だ。特に上の階に上っていくほど、建物からの脱出は人間には厳しくなってくる」
アーチャーのそんな言葉を受けて気を引き締めた芳佳。
三人で列を組み、ビルへと入っていく。先頭にジョセフ、その後ろに芳佳、最後尾にはアーチャー。
助けを求める声はかなり切迫した様子であるが、この数分間声も枯れようかというほど何度も繰り返し響き続けている。
恐らく動けない状態で、時限爆弾のようなものを取り付けられたか。
三人の足は急いでこそいるものの、芳佳を挟んだジョセフとアーチャーは慎重さまで失ってはいない。警戒しつつ確実に進んでいっていた。
と、曲がり角を通りがかる。そこに設置されているのは大きな鏡。
ジョセフはそれを見た瞬間、ふと嫌な予感に晒された。
そして芳佳が曲がろうとした瞬間だった。
「む…危ない!」
「え――」
ふと何かの気配を感じたジョセフは、芳佳の手を引いてその場から立ち退かせた。
ガガガガガガガガ!!!
お世辞にもあまり広いとはいえない空間に、大量の紫の水晶が生えたのだ。
奇しくもそれは、芳佳がいた場所をジョセフが立ち退かせた瞬間だった。
結果、最後尾にいたアーチャーはそれを避けるためにバックステップ、三人は二人と一人に分断されてしまった。
「やはり何者かが潜んでおったか…!」
「アーチャーさん?!」
「私なら大丈夫だ。こいつは私が引き受けよう。終わったらすぐに追うから、君たちは先を急げ!!」
アーチャーの姿はもう見えない。廊下を埋め尽くした水晶がその姿を完全に隠していた。
彼のことは気にはなるが、こちらも急がなければあの声の主が助からない可能性が高くなってくる。
と、目の前でエスカレーターの扉が開く。
中はからっぽ。行く先は上を示している。
あまりにタイミングがよく、どう考えても怪しいがこれに乗り込めば上により早く上がることができる。
しかし同時に足止めのリスクも高い。
「行くぞ。この場はあいつに任せたほうがよさそうじゃ」
「…アーチャーさん、どうかお気をつけて!!」
迷っている暇も惜しい。
最後に芳佳はアーチャーに一言継げ、ジョセフと共にその場を立ち去った。
◆
ファァン
キャスターの近くに置かれた水晶が点滅を始める。
薔薇水晶からの合図、分断が成功したという知らせだ。
「どうやらアーチャーさんの分断には成功したようですね。これで少しは楽に行けそうです」
胸を撫で下ろして安心するキャスター。
こちらに向かってくるのは二人。また、それ以外にもここを目指している者の存在はある様子。
「さっそくお出迎えの準備も整えなければ、ですね」
残り時間は数分も無いが、おそらくこの様子だと間に合う者がいるかもしれない。
何かしらの妨害をするなり、泉こなたの傍で妨害するなりどうするかを決めておこう。
そうして立ち去る直前、一言水晶にこう告げて。
「でも薔薇水晶さん、気をつけてくださいね。アーチャーさんは油断ならない相手ですよ」
【H-5 ビル内 初日 深夜】
【キャスター(Extra)@Fateシリーズ】
[状態]:健康、着物が一部欠けている
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、大縄(1/2)@現実、スタングレネード×2@現実、ランダム支給品(0~1)
[思考・状況]
基本:優勝し、マスターの元へ帰る。
0:薔薇水晶と手を組む。
1:こなたを監視し、善意の参加者が助けに来るなら妨害する。
2:こなたが爆死するか、適当に時間が経ったらこの場を後にする。
3:他の参加者同士の戦いを煽る。極力自分では戦わない。
4:水銀燈、翠星石、蒼星石、真紅を警戒。
5:アーチャーとの遭遇は可能な限り避ける。
※水銀燈、金糸雀、翠星石、蒼星石、真紅の情報を得ました。
【宮藤芳佳@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康
[装備]:トンプソン・サブマシンガン@現実
[道具]:支給品一式、SOS団団長の腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、竜宮レナの鉈@ひぐらしのなく頃に
[思考]
基本:殺し合いなんて間違ってます!
1:ジョセフとアーチャーと行動する
2:声の主(泉こなた)を助ける
※アニメ版第二期中盤からの参戦です。
※型月世界とジョジョ世界の情報を得ました。スタンドは見えません。
【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、アメリカンクラッカー1ダース@現実、ヤルカイザーなりきり変身セット@オリジナル、怪獣AAカード@オリジナル
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:芳佳とアーチャーと行動する
2:声の主(泉こなた)を助ける
3:ビルの中は慎重に、だが急いで進む
※第3章終了時からの参戦です。
※型月世界とストパン世界の情報を得ました。
※二人がエスカレーターを利用したかどうかは後続の方にお任せします
※こなたの時限爆弾が爆発するまでにはまだ猶予はあるようです
◆
「宮藤芳佳、か。俺も彼女のように歪みなく生きられたら、また違ったのだろうかな」
大量の水晶の前で、ふとそう独りごちる。
今更そのような言葉に意味などない。一瞬そんな考えがよぎっただけだ。
ともあれ目の前のこれをどうにかして進まなければならない。
「さて、私の足止めをしたいようだが、攻め手を休めている暇はあるのか?」
「私の足止めをしたいようだが、攻め手を休めている暇はあるのか?」
声が聞こえてきたのは背後。手にしたサーベルを叩きつける。
そこに立っていた、いや、浮いていたのは、一体の人形。
無表情の顔には薔薇の眼帯が付けられ、その手には剣を模した水晶が握られていた。
「動く人形とはな。随分と精巧に作られたものだな」
「……」
そんな言葉には返答することもなく、体を翻して後方へ飛ぶ。
同時に周囲に小型の水晶が浮かび上がり、一斉に射出される。
それを、アーチャーはその手のサーベル、そして瞬時にもう一方の手に投影した剣でその全てを叩き落とす。
全てを剣で叩き落されたことに目を見開く薔薇水晶。さらに一瞬で距離を詰め、剣を振りかざすアーチャー。
二振りはどうにか回避したものの、三振り目への反応が遅れてしまった。
衝撃波を目前で放ち、どうにかそれを受け止める。アーチャーの剣は衝撃に耐え切れず砕け散るが、薔薇水晶も勢いに吹き飛んでしまった。
残った一方の剣を、弓で射出した瞬間、薔薇水晶は目の前にあった窓ガラスに飛び込む。
「なるほど、鏡の中を移動することができるというわけか」
気配は水晶の向こう。角の鏡の前に移動する。
そこから如何なる攻撃をしてくるのかと思えば、付近に更なる水晶が生え始めた。
下がろうとしたところで、後ろを退路を塞ぐように鋭利に輝く水晶が道を閉ざしていた。
接近戦、直接対決では勝てないと知った様子であり、水晶の中で押しつぶすことにしたようだ。
「しかし、相手が悪かったようだな」
「……」
トレース オン
「――――投影、開始」
既に水晶はアーチャーの肌に触れているほどまでに増えている。これがアーチャーの体を貫くまではもう一瞬もないだろう。
そんな空間の中、アーチャーは弓を構え、一言こう言った。
|ヽ.| l / / -----=ニ
マ .| | ./ / \
∨ ∨ / , 7 ,, =--`
∨ ヽ`ヽ 、 ,, r ' ´ / \
∨ ヽ ` _ヽミ、. r-、 、 Y
r‐‐ 、_ --. ∨_ / Y // Y \|
__ , ´: : : : : : : : ヽ: : : : : :`: X `ヽ ヽ / ,ィメラ フ 〉 .∧ / 一言警告してやろう。―――避けろ
γ. : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : Xヘ弋メ、 ヽ ' ヽ`-´ ' ノ l|∨_
〈: : : : : : : : : : : : : : : : : \_:_:_:_;,z=-`-´= .、 f. ∨ 〉 \
{: : : : : : : : ; -= ' ´ :テ二ニ=フ´, '´ ̄ `゙ ` ヽ /ニ}.' .: : :ヽ
{: : : : : : : : :`=--γ´ /.,'´ , -= ヾヽ ヽ、 イ .//. : : : : ノ. ヽ
ュ、∧ : : : : : : : : : : :./ / ,' , ' ヽ ヽ i /ィ彡'´ : : : : :/. : : : :ヽ
三ニ=-:.:: : : : : : : : :{ l ,' ,.' ,r' ッ Y }/r' . : : : : : : ,.∠ . : : : : : : : \
二二二ニ=‐‐-----ヽ ≦{.i' , ; ` i ,イ刀: : : : ; ,-=≦ : : : : : : : : : : : : :
三二二二二二二二ニニニュ , ヽ. ノ ノ i |: :/ . :_:_:_:_:_:_:_: : : : : : : : : : : :
二二二二二ニニニニニニニニム、 ``¨ ´ / .人/∨: : : : : : : : : : : : : : : ヽ . : : : : :
二二二二二二二二二ニニニム、` 、_ 、 .-=彡'  ̄ ≧=-、 : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : :
二二二二二二二二二二二二ム、 _ . -=≦≧=- 、 : : : : :≧ュ、 : : : : : : : : : : : : :\: :
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"''-..,,/,,..-'' (( |iliヽ.ィ ,..-'(',',','リ
_ 、..,ヾ、 」」,i..)'Wili;;:''`''リ'",.-'i
', "''-..,, ヽニ))::....i$i, 《.-' ノ _
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"''-..,, "''-..,, \ | l ヾiゞ´ /"', ',i "''-..,,..l
 ̄ ̄ ̄ ̄ i i 'ヾ、 i lili l', ',
i . ノ }}.{lili lil', 丶
\"''-.., ヾ´ ノ ヽlilili ', ヽ
"''-..,,..l /"''--''"" ノ"''ヽi|i|i|ノ )
/ :: :: ) ,,..-''"´ /
', ̄"''-..,, ,' :: :: ', ,.{ /i /il _
\ "''-..,,"''-..,, i :: :: } ムヽ' /i l il \ "''-..,,
"''-..,,/,,..-'' i ::: :: ノ、 ヽ_ヽ、l il i li .\\ "''-..,,
ノ ,、 ,.-、,,,ノ ノ `'、..,,,`til i lノ \\
ノノ ',ノ / ,.-' し、 ',ヽゝ( "''-..,,
) ,'.+' } | ヽ..,,...ゝ´´
`+''´ :|-''ヾ.i. ii
i. i l. ii
この追い詰められた状況で何をするのか、と疑問を感じる薔薇水晶。
と、次の瞬間、何かが発射されるのを感じ取った。
アーチャーの手に支えられた弓矢。そこから放たれるは―――
我が骨子は捻じれ狂う
「――――I am the bone of my sword.」
カラドボルグ
「―――“偽・螺旋剣”」
◆
「逃げたか」
周囲にあった水晶は全て消滅している。カラドボルグを使用して数瞬の後消え去ったのだ。
人形も、放ったカラドボルグも視線の先には見えない。ただ割れた鏡がそこにあっただけ。
仕留められたかどうかは分からない。しかし水晶が消えたということはこれ以上の攻撃はないだろう。
「さて、急いで二人を追わねばな」
使用したのは1本の無銘の剣にカラドボルグ。
しかし魔力の消費も不自然に大きい。これが制限というやつなのだろうか。であればなるべく効率のよい魔力運用が必要になるだろう。
ともあれ助けを求めた少女と先行していった二人の安否も気がかりだ。急いで追うとしよう。
【H-5 ビル内 初日 深夜】
【アーチャー@fateシリーズ】
[状態]:魔力消耗(小)
[装備]:サーベル@現実
[道具]:支給品一式、ジャンボガン@ドラえもん、言葉の鋸@スクールデイズ
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:ジョセフと芳佳と行動する
2:やれやれだな…
※参戦時期は後の書き手さんに任せます。
※ストパン世界とジョジョ世界の情報を得ました。スタンドは見えません。
◆
ビル外部の窓ガラス。
鍵は閉ざされ開くことのないその場所から、一体の人形が飛び出した。
「くっ…」
不覚を取った。
油断していたのは確かだろう。キャスターは自分の同類で、ただの人間とは一線を隔した強さを持っているといっていた。
もしこれがあの弓男と会ったのが先だったならそこまで油断はしなかっただろう。むしろキャスターに対し万全の警戒をしていたかもしれない。
簡単に背後を取り、あわよくば命を取ることができるというところまで近づけてしまったのがむしろ悪かった。
あの時アーチャーが放った矢は、大量の水晶を易々と貫き、nのフィールドに飛び込んだ薔薇水晶の元まで空間を捩じ切ってきたのだ。
もしあの時の警告がなければあるいはこの体を貫いていただろう。
かろうじてかわすことができたそれ、しかし薔薇水晶の体を掠め、左腕を吹き飛ばしかけ胴体部分の服を削っていた。
「お父様に作ったいただいた体と服が…」
加えてnのフィールドに飛び込んだときに感じた膨大な疲労感。
人間で例えるなら水中に潜ったとき感じる酸欠のようなものだ。襲撃前はタイミングが良かったためそこまで感じなかったものの、戦闘後にこれは体にくる。
今までこんなものを感じたことはなかったはずなのに。これが制限というものなのだろうか
どうするべきか。体を休ませてから戻るべきか。今すぐ戻ったところで戦うのは難しいだろう。
と、考えていたとき、この場に近付く気配を感じ取った。
ローザミスティカにも似通った、しかし決して一致することのない気配。
「え…、人形…?」
現れたのはマントを羽織り剣を携えた青髪の少女。
もしかしてあの声を聞きつけてやってきたのだろうか。
「あんた…一体…」
「た、助けて…」
「え…?」
「な、仲間があの声の少女のところに向かって…。だけど襲撃者に…」
「もしかしてビルの屋上の声?!あそこに悪い奴が向かってるの!?」
「そう…、赤い服を着た白髪の男…。仲間は、キャスターって言う和服と動物の耳をつけた女の子…。
私のことは、いいから、お願い…、あの声の子と仲間を…!」
「…、一人でいたら危ないし、私と一緒に行こう。そのくらいの怪我も私なら治せるかもしれないし」
「…ありがとう。私、…翠星石」
「私は美樹さやか。じゃあ、急ぐからしっかり掴まってて!!」
そう言って、少女、美樹さやかはその人形を抱えて地面を蹴り、一気に複数の階を蹴り破ってビルの中に飛び込んだ。
たぶんこんな感じに。
↓さやか
( \/ /_∧ <./| /| /\___
ヽ/ /Д`/⌒ヽ / .| / / / //
/ /\/ ,薔薇  ̄ > \_/ /____//
し' \_/ i />  ̄ ̄ ̄ ̄
i⌒ヽ ./  ̄>__ .|| |::
/⌒ヽ i i \( .|/ / /\ .|| |::
i | /ヽ ヽ ∠__/  ̄ .|| |::
ヽ ヽ| |、 \_ノ > <> || |::
\| )  ̄ ./V ___ ..|| |::
____ .ノ ./⌒)∧ / ...____[__||__]___||___
/ し'.ヽ ( .∨ /\________|__|
// し' / /\  ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
急ぐさやかは気付かなかった。抱えた少女が、うっすらと笑みを浮かべていることに。
それも、喜びの類ではなく、とても冷たい笑みであるということに。
【H-5 ビル内 初日 深夜】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康、魔法少女
[装備]:もろはのつるぎ@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:支給品一式 、不明支給品(0~2)
[思考・状況]
基本:正義の魔法少女として戦う
0:声(こなた)のする場所へ向かう。赤い服、白髪の男は要警戒。
1:殺し合いに乗った連中を倒す
2:戦えない弱者を守る
3:最終的にドラえもんも倒す
4:0を終えた後、すぐにあしゃくらの元へ戻る。
5:タイミングを見計らって翠星石(薔薇水晶)を治癒。
[備考]
※参戦時期はエルザマリア戦後です
【薔薇水晶@Rozen Maiden】
[状態]:左腕にダメージ、疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本:優勝し、ローゼンメイデンを越える体を手に入れ、お父様の元へ帰る。
1:キャスターと手を組む。
2:美樹さやかを利用する。
※トロイメント死亡後からの参戦です。
※アーチャーについてキャスター伝で大まかに情報を得ました。
最終更新:2013年03月29日 02:07