アットウィキロゴ

猫にイカを食べさせると耳が落ちる ◆NIKUcB1AGw




まだ暗い島を、弾丸のごとき速さで一体の異形が駆ける。
ネフェルピトーは、ある地点を目指して走っていた。
やがて彼の視界に、とある建造物が入ってくる。
彼が「円」で探知した生物の反応は、その中にあった。


◇ ◇ ◇


「はぁ……。私はどうすればいいんでゲソ……」

神社の中で、イカ娘は膝を抱えてうずくまっていた。
とりあえず神社の中に入ってから落ち着いてこれからのことを考えようと思っていた彼女であったが、いっこうに考えはまとまらなかった。
銃という武器を手にしたことで理解してしまった、殺し合いという状況がもたらす恐怖。
それが彼女の思考を鈍らせていた。

「気がついたら、こんなに時間が経ってるじゃなイカ……。時間を浪費してしまったでゲソ……。
 どう行動するにせよ、とにかく方針をさっさと決めてしまわないと……」

脳を無理にでも動かし、思考を進めようとするイカ娘。
そのとき、何の前触れもなく神社の天井が崩れた。

「へ……?」

あっけにとられるイカ娘の前に、天井を構成してた木材と共に一つの影が落ちてくる。
それは猫と人の特徴を併せ持った異形……ネフェルピトーであった。

「な、ななな……。なんでゲソか、お前は!」
「ん? 君、イカのキメラアント? いたかニャー、そんなの。
 タコのキメラアントはいたと思うけど」
「キ、キメラアント? 私はそんなものじゃないでゲソ! 私は海からの使者、イカ娘じゃなイカ!」
「イカ娘……。キメラアントとは別の生物なのかにゃ?」

イカ娘の名乗りを受けて、ネフェルピトーは不思議そうに首をひねる。

「うーん、でも君には、何となく親近感が湧くなあ。君は殺さないでおいてあげるよ」
「……ッ!? お、お前は殺し合いに乗り気なのでゲソか?」
「乗り気ってほど積極的じゃあないけどね。まあ、殺しておいて損はなさそうだったし」
「な……なんでそんな軽い口調で、そんなことが言えるのでゲソか!
 他人の命を奪うというのがどれほど重いことなのか、わかっているのでゲソか?」

平然と他者への殺意を口にするネフェルピトーに対し、イカ娘は顔を青ざめさせながら叫んだ。
だが、その言葉がピトーの心を揺らすことはない。

「君は海の生き物みたいだけど……。たとえば魚を食べるとき、いちいち罪悪感を抱くの?」
「そ、それは……」
「それと同じだよ。僕たちから見たら、人間は自分たちとは全然違う生き物だ。
 別に殺しても、何とも思わないさ」
「っ!!」

ピトーの言葉は、イカ娘に大きな衝撃を与えた。
そう、目の前の存在は人間ではない存在なのだ。
思考が人間と同じでない方が自然なのである。
だがイカ娘は自分が人間とコミュニケーションを取れていたが故に、その考えにいたらなかった。
そしてそれに気づかされたとたん、彼女には目の前の生物がとたんにひどくおぞましいものに見えてきた。
理解できないものに対して恐怖を抱くのは、当然のことである。イカ娘の顔から、みるみるうちに血の気がひいていく。

「どうしたんだい、そんなに怯えだして」
「あ、ああ……」
「心配しなくても、君は殺さないよ。キメラアントじゃないみたいだけど、君は僕に近い生き物みたいだからね。
 最終的には殺すことになるかもしれないけど、今はまだ殺さない。なんなら、一緒に行こうか?」

微笑を浮かべて、ネフェルピトーはイカ娘に向かって手を差し出す。
それはピトーにとって、友好を示す行為である。
だが今のイカ娘には、ピトーの振る舞いは忌まわしい怪物からの誘いに見えていた。

「や、やめるでゲソ……。私は……」
「何をそんなに怯えているのかなあ。殺さないって言ってるじゃないか」

事実、ネフェルピトーにはイカ娘に危害を加えようとする意志は全くない。
だがイカ娘は、それを信じられなかった。ピトーを、自分とは違う生き物だと強く意識してしまったが故に。
まったく考えがわからない生物が、しかも他者に危害を加える意志を持っている生物がそばにいるなど、恐怖以外の何物でもない。
だから、彼女は。

「うわああああああ!!」

叫び声を上げ、涙をあふれさせながらその場から逃げ出した。

「うーん、なんであんなに怯えさせちゃったんだろう。まあ、いいか。
 別に、どうしても仲間にしたかったわけじゃないしね」

残されたピトーはしばらく呆然としていたが、やがて気持ちを切り替えて動き出す。

「さて……。次はどうするかニャー」


【D-2/神社の近く/初日/黎明】

【イカ娘@侵略!イカ娘】
[状態]錯乱
[装備]ワルサー P99(15/16)@現実
[道具]基本支給品一式、予備弾倉×2
[思考・状況]
基本方針:殺し合いをしたくない
1.ネフェルピトーから逃げる
2.栄子達に会いたい


【ネフェルピトー@HUNTER×HUNTER】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(1~3)
[思考・状況]
1:他の参加者を適当に間引きしつつ情報収集
[備考]
※時期は死亡後。



36:できない子は結構腹黒なようです 時系列順に読む 42:検事と妖怪とセーラー服と二丁拳銃と時々騎士王
36:できない子は結構腹黒なようです 投下順に読む 38:弓と水晶と誤解フラグ

02:猫物語FES ネフェルピトー [[]]
04:荷物確認しなイカ? イカ娘 [[]]


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年07月27日 18:30