正統なる血統


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永続罠
(1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。


見れば見るほど下位互換としか言えない、そんなカード。
一応擁護しておくと、登場した時点では《死者蘇生》や《リビングデッドの呼び声》といった蘇生カードの種類が少なく、禁止制限の都合上一定の出番はあった。
だが現在、リビングデッドは無制限。足りなくとも万能蘇生の《竜魂の幻泉》《戦線復帰》、追加効果持ちの《星遺物に眠る深層》といったカードが優先される。
そもそも通常モンスターを使うデッキがあまりない。最早時代ではないのか…時代は変わってしまったのか…

いや、まだだ。このカードが熱い血潮を燃やせるデッキは、確かにまだある。
このカードが類似カードに比べて劣る点といえば、やはり通常モンスター専用という点。
当然、通常モンスターしか使わないデッキであれば上記のカードたちに劣らぬ役割を果たせるはず。
つまり【通常モンスター】なら…と考えても、別にこのカードである理由はないように思える。
ところが【ローレベル通常モンスター(以下、ローレベル)】、特にレベル3を主軸にするとなると、話が少々変わるのだ。

【ローレベル】の戦術といえば、やはり《魔の試着部屋》による大量展開と《下剋上の首飾り》による超強化だろう。
だが近年のデュエルでは、エクシーズやリンクといったレベルを持たないモンスターが跳梁跋扈し下剋上のしようもない。
特に守備表示のエクシーズモンスターは攻撃では突破できないと考えてしまっていい程だ。

こんな事態を防ぐため、【ローレベル】では良く《ジャスティブレイク》が採用される。
ジャスティブレイクは通常モンスターが攻撃されないと撃てないため、相手ターンに蘇生させたモンスターを使うことも多い。
だがジャスティブレイクは自分の守備表示の通常モンスターも破壊してしまうのだ。
大抵の蘇生カードで蘇生したモンスターは守備表示になってしまうが、《正統なる血統》で蘇生すれば《ジャスティブレイク》を生き残れる。

それでもリビングデッドでいいのでは?という声もあろう。
しかしリビングデッドには欠陥がある。蘇生させたモンスターをリンクやシンクロ素材にするとフィールドに残り続けるのだ。
さらに効果モンスターの召喚・特殊召喚を封じる《暴君の自暴自棄》の為にリリースしても残る。
多くの魔法・罠で戦闘や展開補助をする【ローレベル】で意味もなくゾーン一つを占めることがどれ程危険かはお分かりいただけるだろう。
その点、正当なる血統ならエクシーズ素材以外の使い方をすればフィールドを開けてくれる。

「攻撃表示で蘇生し」「モンスターがいなくなればちゃんと墓地へ行く」のはこのカードと《エンジェル・リフトのみ。
そしてエンジェル・リフトはレベル3の蘇生が出来ない。
つまり、レベル3軸の【ローレベル】では《正当なる血統》が最も優先される蘇生カードになるのだ。

20年前、まだ遊戯王が始まったばかりの頃。上級モンスターすら珍しかったあの頃。
私たちはレベル2や3のモンスターたちを地割れ伝説の剣、時には落とし穴で補助しながら決闘していた。
もしかしたらこのカードはそんな「正統なる決闘」を受け継いでいるのかもしれない。
16スレ目 957名も無き決闘者 (ワッチョイ 9554-Azad)2019/08/09(金) 04:59:37.84ID:jV0MjXMK0
  • おー良評価有難うございます
    ちゃんと使い道があって使えそうだしオチも素敵
  • 下位要素の塊から見事な独自要素の発見
    さらにもし場に残っても《オオアリクイクイアリ》のコストにすれば8シンクロができるぞ!



最終更新:2020年10月17日 13:42