「圧力が体積に比例する理想気体の変化」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

圧力が体積に比例する理想気体の変化 - (2009/08/04 (火) 11:56:44) のソース

****圧力が体積に比例する理想気体の変化
[[「かぎしっぽ」の質問>http://hooktail.maxwell.jp/cgi-bin/yybbs/yybbs.cgi?room=room1&mode=res&no=25049&mode2=preview_pc]]から。$$P=kV$$にしたがって変化する理想気体の熱力学。
----
問題:理想気体の状態方程式$$PV=RT$$に従う$$C_p/C_v=\gamma$$の気体があり、$$P=kV$$(ただし$$k$$は比例定数)で体積を$$V_A$$から$$V_B$$に変化させる。$$V_B=2V_A$$として、終状態までに(1)気体がする仕事、(2)吸収する熱、(3)内部エネルギーの変化を求めよ。
#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=154&file=PkV.bmp)

気体がする仕事は,

$$W=\int_{V_A}^{V_B}PdV=k\int_{V_A}^{V_B}VdV=\frac{3}{2}k{V_A}^2.$$ .... (1)

定積比熱$$C_v$$は,定積変化($${\it\Delta} V=0$$)において熱力学第一法則により
$$Q={\it\Delta U}$$
であるから,
$$C_v = \frac{Q}{{\it\Delta}T} = \frac{{\it\Delta}U}{{\it\Delta}T}$$
と書ける。

また,定圧比熱$$C_p$$は,定圧変化($${\it\Delta}P=0$$)において熱力学第一法則により
$$Q={\it\Delta}U+P{\it\Delta}V=C_v{\it\Delta}T+R{\it\Delta}T$$
であるから
$$C_p = \frac{Q}{{\it\Delta}T} = C_v+R.$$
一方,$$C_p/C_v=\gamma$$だから
$$C_v=\frac{R}{\gamma-1}$$
となる。

さらに,
$$\frac{P_AV_A}{T_A}=\frac{P_BV_B}{T_B}$$
において,$$P_B=2P_A$$,$$V_B=2V_A$$だから,$$T_B=4T_A=4k{V_A}^2/R.$$

結局,内部エネルギーの変化は

$${\it\Delta}U = C_v{\it\Delta}T = C_v(T_B-T_A) = \frac{3k{V_A}^2}{\gamma-1}$$ .... (3)

となる。

この変化における熱力学第一法則により,吸収する熱は

$$Q = {\it\Delta}U + W = 3\left(\frac{1}{\gamma-1}+\frac{1}{2}\right)k{V_A}^2 = \frac{3}{2}\cdot \frac{\gamma+1}{\gamma-1}\cdot k{V_A}^2$$ .... (2)

となる。
----