****【解答】滑車を回して落ちるロープ ---- #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=284&file=Chain%26Reel1.bmp) 求める速さを $$v$$,その瞬間の滑車の角速度を $$\omega$$ とおくと,ロープの重心は,$$\pi R$$ だけ落下しているから,エネルギー保存により $$mg\cdot\pi R = \frac{1}{2}\cdot\frac{1}{2}MR^2\omega^2 + \frac{1}{2}mv^2$$ $$v = R\omega$$ を考慮して $$v = \sqrt{\frac{4mg\;\pi R}{M+2m}}$$ を得る。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=284&file=Chain%26Reel2.bmp) シミュレーションの方が理論値より速くなった。つりあいを破るためと太さが無視できないことから,「くさり」を少し長くせざるを得なかったせいかもしれない。 ---- ロープが4分の1だけ解かれた状態での静止を初期条件として,数値積分してみた。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=284&file=Chain%26Reel4.bmp) 中心角 $$\theta$$ の部分が鉛直に下がったことによる位置エネルギーの減少分を求める。中心角 $$\theta$$ の弧をなしているときこの部分のロープの重心位置は,図のように鉛直下向きに $$y$$座標をとれば, $$y_G = \frac{\int_0^\theta \left(\rho Rd\theta\times R\sin\theta\right)}{\int_0^\theta \rho Rd\theta} = \frac{1-\cos\theta}{\theta}\;R$$ ただし,$$\rho=m/(2\pi R)$$ はロープの線密度である。この重心位置が $$R\theta/2$$ に下がったと見てよいから,ロープのすべてが巻かれているときと比較した位置エネルギーの減少分は, $$\rho R\theta\cdot g\left\{\frac{R\theta}{2} - \frac{R(1-\cos\theta)}{\theta}\right\} = \rho R^2g\left(\frac{\theta^2}{2}-1+\cos\theta\right)$$ $$\pi/2 < \theta < 2\pi$$ であるから,初期状態 $$\theta=\pi/2$$ のときと比較した減少分を計算すると, $${\it\Delta}U = \frac{mgR}{2\pi}\left(\frac{\theta^2}{2}+\cos\theta-\frac{\pi^2}{8}\right)$$ となる。したがってエネルギー保存により, $$\frac{1}{4}(M+2m)v^2 = {\it\Delta}U$$ $$y$$ をロープの下端の座標とし,$$y=R\theta$$ となることを考慮して整理すると $$v = \frac{dy}{dt} = \sqrt{\frac{2mgR}{\pi(M+2m)}\left(\frac{y^2}{2R^2}+\cos\frac{y}{R}-\frac{\pi^2}{8}\right)}$$ を得る。下図はこれを, $$t(y) = \int_{\pi R/2}^y \frac{dy}{\sqrt{\displaystyle\frac{2mgR}{\pi(M+2m)}\left(\frac{y^2}{2R^2}+\cos\frac{y}{R}-\frac{\pi^2}{8}\right)}}$$ として数値積分した結果である。ロープの速さの変化を示している。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=284&file=Chain%26Reel.bmp) シミュレーションは,理論計算の結果をよく再現している。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=284&file=Chain%26Reel3.bmp) ----