<ゆいのへや!>

今日と明日はギターの特訓をするため今夜は唯先輩の部屋にお泊り
1日中ギターの練習をしていたせいか唯先輩はベッドに入るとすぐに眠ってしまった
まるで遊び疲れた子供みたい

「ん…あずさ…」
え、今私の名前を呼んだ?
いつも「あずにゃん」としか呼ばないのに?
寝言で名前?どうして?

唯先輩、どんな夢を見てるんですか?
私がいつも先輩と距離を近づけたいと思ってるのと同じように
先輩も私の事考えてくれてるんですか?
だから私が夢に出てくるんですか?

この間私は誕生日を迎えて、唯先輩の誕生日はもう少し先
だからそれまでの間、私達は同い年
そんな理由をつけて私は唯先輩に声をかけてみる

「ゆ…い…」

たったこれだけ呟いただけなのに体中が熱くなる

「うーん…」

私の緊張とは無縁に唯先輩は眠りから覚める様子はない
それなら、もう少し、あともう少しだけ

「ゆ、ゆい…好き、だよ」

やっぱりよく寝てる
安心したような残念なような変な気持ち
起きてる時にこんな風に伝えたらどんな顔をするんだろう

言えるはずもないのに、毎晩のように繰り返してる想像
喜んでくれるかな、まさかね
きっとちょっと困った顔をして後輩として好きなんだよって言われるんだろうな
勘違いさせてごめんね、とか謝ったりして

「唯が優しすぎるのがいけないんだよ」

そんな理不尽な言葉がこぼれ出す
勝手に好きになったのは私なのに

これ以上寝顔を見てるとどんどん言葉があふれてきてしまうから
これで最後にしよう、もう一度だけ気持ちを伝えたら眠ろう

「唯、大好きだよ。もっとずっとそばにいたい」

明日からはまた
あずにゃんと呼ばれて、
抱きつかれて、
唯先輩やめてくださいと言う
そんないつも通りの毎日になる

でも今夜は唯先輩の寝言のせいで特別な夜になった
こんな風に少しずつでも素直になればもっと近くにいられるかな

唯先輩の寝息につられてだんだん私も眠くなってくる
先輩、明日はちゃんと起きてくださいね

「おやすみなさい。唯…先輩」

 -

「…おやすみ、梓。私も大好きだよ」

<おしまい!>



  • あずにゃんは起きてたんだろうか? -- (名無しさん) 2011-02-26 17:16:26
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最終更新:2010年12月05日 13:23