いつもと同じように唯先輩の部屋でいちゃついてたある日
梓「わっ!」
唯「あ!
あずにゃん!」
梓「いたた、こけちゃいました」
唯「大丈夫?あ、膝から血が・・・」
梓「擦りむいただけです。大丈夫ですこれくらい」
唯「あずにゃん・・・」ギュー
唯先輩が私を抱きしめてくれた。
暖かくて気持ちよかった。
が、そのとき事件は起きた
梓「?あれ、膝の痛みが・・・?」
膝をみると傷が浅くなっていた。
唯「あずにゃんどうしたの?」
梓「いや、傷が浅くなっている気がして・・」
唯「えー?みせてみせてー」ギュー
梓「あっ」
唯先輩が抱きついてきたとたんに傷が薄くなった。しばらくすると消えてしまった。
梓「これはいったい・・・」
唯「・・・なんなんだろ」
もしかすると、唯先輩には傷を癒す力みたいなものがあるのかもしれない。
数日後、部室にて
梓「いたっ!」
むったんの弦を変えていたとき指を切ってしまった。
梓「うぅ、早く保健室に行かないと・・」
梓「!そうだ、唯先輩に!」
そう思って唯先輩が来るのを待っていた。
唯「ちーっす!あずにゃん」
梓「あ、唯先輩」
唯「今日は皆用事があって部活休みなんだ・・って、どうしたのその指!」
梓「あ、弦を変えているときにミスっちゃいまして・・」
唯「大変だ!早く保健室に!」
梓「唯先輩、この前のアレ試させて貰ってもいいですか?」
唯「え・・」
この前、私の持論を唯先輩に言ってみた。疑った様子じゃなかったけど、
梓「試しにもう一回やってみましょう」
と言ったところ
唯「あずにゃんが傷付くのはいやだよ~」
と言ってやらせてもらえなかった。
梓「唯先輩の力が本物かどうか試すチャンスです。さぁ、抱きついてきてください!」
我ながら恥ずかしいことを言った気がしたが、気にしない。
唯「あ、あずにゃん・・//」ギュ
唯先輩が抱きつくとやはり左手の人差し指の傷が見る見るうちに塞がっていく。
梓「やっぱり、唯先輩は傷を癒す力を持ってるんですよ!」
唯「そ、そうかな。えへへ」
梓「そうですよ!あ、唯先輩。このことは私達の秘密にしときましょう」
唯「へ、なんで?」
梓「このことが広まってしまったら町中どころか世界中大騒ぎになるかもしれませんよ!
」
唯「え~、私世界中の人気者に?」
梓「人気者というか変な人に悪用されたり、嘘吐き扱いされて嫌われ者になるかもしれませんよ」
唯「う、それは嫌だな・・・」
梓「でしょ?だからこのことは秘密にしといてください」
唯「うん。わかったよ。・・・ねぇあずにゃん」
梓「なんですか?」
唯「あずにゃんは私のこと嫌いにならないよね?」
梓「当たり前じゃないですか!何言っているんですか!」
唯「だってあずにゃんが嫌われ者になるとか言うから・・・」
梓「このことが広まったらの話です。誰にも言わないでくださいよ」
唯「わかってるって~」
梓(他の人に抱きつかせたくないしね)
また数日後
梓「唯先輩、体育の時間でこけちゃいました。抱きしめてください」
梓「工作の時間で指切っちゃいました。抱きしめてください」
梓「通学中に犬に噛まれちゃいました。抱きしめてください」
私は唯先輩に抱き疲れたくてわざと傷を作っては唯先輩に言い寄った。
唯「ギュー。はい、これで大丈夫かな?」
梓「はい、ありがとうございます。なんか毎度すいませんね」
唯「いいよ~減るものじゃないし。しかもあずにゃん分も補給できるしキャッチ&リリースだよ」
梓「それを言うならギブ&テイクです」
唯「そ、そうともいう」
梓「少なくともキャッチ&リリースとは言いません」
唯「むぅー」
梓「あ、話がそれました。それで日ごろの感謝として今晩ごちそうしようかなって思ってるんですけど、時間大丈夫ですか?」
唯「もちろんOKだよ~」
梓「明日から連休ですしついでに泊まっていきませんか?」
唯「え?で、でも迷惑じゃないかな?親とか」
梓「いつもどおり仕事でいないんで大丈夫です」
唯「そ、そう?じゃ、お言葉に甘えようかな」
唯(まぁ多分大丈夫だよね?)
中野家
唯「おじゃましまーす」
梓「いらっしゃいです」
唯「あずにゃーん」ギュー
梓「わわっ、どこも怪我なんてしてませんよ?もう」
唯「怪我して無くてもギューくらいいいじゃん」
梓「・・・私以外にはして欲しくないです・・」ギュ
唯「あずにゃん・・・うん。あずにゃん以外には抱きつかないよ」
梓「唯先輩・・・」
唯「あずにゃん・・・」
ボコボコボコ
梓「わっ!そういえば調理中だった!」
梓「唯先輩はリビングで待っててください!」
唯「う、うん」
キッチン
梓「うわっ、吹き零れてるよ!」
梓「火を止めてと。あちっ!」
梓「あちち、手やけどしちゃった・・」
唯「あずにゃん大丈夫?」
梓「ちょっとやけどしちゃいました。最近怪我が多いですね」エヘヘ
唯「やけど!?大変だよっ!」ギュー
梓「唯先輩。あ・・・やけども治せるんですね」
唯「う、うん。あずにゃん、ちょっとおトイレ借りてもいいかな?」
梓「はい。どうぞ使ってください」
唯「ありがとね」
がちゃ
唯「うぅ・・・あついよぉ・・・」
梓「あ、唯先輩。料理できましたよ」
唯「あ、大丈夫だったんださっきの」
梓「はい、スープが吹き零れただけっちゃだけですしね」
梓「じゃあいただきますか」
唯「うん!」
梓「じゃあ、コホン。唯先輩、いつも私のことを大切にしてくれてありがとうございます//日ごろの感謝を込めてつくったのでたくさん召し上がってください。いただきます」
唯「うぅ、ありがとねあずにゃん。私もあずにゃんにはいっぱい感謝してるからね?いただきます」
梓「ふふっ。ぱくもぐ。ん?」
唯「むしゃむしゃ。ウマイ!ってどうかしたあずにゃん?」
梓「唯先輩、手が赤くないですか?」
唯「!き、気のせいだよ!」バッ
梓「なんで隠すんですか?・・・ちょっと見せてください」
唯「いやいや、見せるほどのものじゃありませんので・・・」
梓「いいから見せてください!」
唯「は、はい・・・」
もしかしたら私はとんでもない
勘違いをしてたのかもしれない。
梓「・・・これやけどですよね・・・」
唯「え、えーと。一回家に帰ったときにお湯こぼしちゃって・・・」
梓「嘘・・・つかないでください・・・」
唯「あずにゃん・・・」
梓「これ・・さっきのですよね・・・私の・・・やけど・・」
唯「・・・・」
梓「指とかにも・・・切り傷とかが・・・いっぱいある・・・」
唯「・・・あ、あずにゃん・・?」
梓「足にも傷があるんですね・・・だからみられないようにズボンで来たんですね」
唯「あ、あの・・これは・・・その・・」
梓「
ゆいせんぱい・・・・ごめんなさい・・・・」ウル
唯「あ、あずにゃん・・・」
梓「わだじ・・・ゆいぜんぱいに・・・いっぱい傷おしづげて・・・ざいていでず・・・わだし・・・・」グスッ
梓「いだかったですか、せんぱい・・・・わたじ・・てっきり治してるのかとばかり・・・」
唯「ううん。あずにゃんは悪くないよ。悪いのはこのことを言わなかった私が悪いんだから・・」
梓「で、でも!」
唯「あずにゃん。私はね、あずにゃんが傷付いてるのは嫌なんだ。だから私がやりたくて傷を移したんだよ。全然あずにゃんのせいなんかじゃないからね。」
梓「でもそれじゃ、私が唯先輩を傷つけただけじゃないですか!」
唯「違うよ。私が自分から傷付きに行ってるんだから」
梓「同じですよ!私唯先輩に抱き着かれたくてわざと怪我つくったりして・・・本当に最悪な女ですよ・・・」
唯「あずにゃんはいい子だよ!全然わるくない。それに傷だって、抱きついてあずにゃん分補給してたんだからお互い様だよ。ギブ&テイクだよ」
梓「それだと私だって唯先輩分補給してます。五分五分じゃないです・・・」
唯「それならどうしたらいいの?」
梓「私をぶってください・・・それだけ唯先輩にはつらい思いをさせたんです・・それぐらいしないと」
唯「無理だよ。あずにゃんをぶつなんて・・」
梓「なんでもいいです。私を傷つけてください・・・じゃないと気がすみません!」
唯「・・・わかったよ・・・目瞑ってて・・・」
梓「!はいっ!」
唯「いくよ」
梓「・・・はい・・」ビクビク
唯「ん・・ちゅ・・」
梓「!?ゆ、ゆいん・・・んちゅ・・んは・・」
唯「んちゅ・・・はむ・・・ちゅく・・ぷは」
梓「ぷはぁ・・・はぁはぁ・・・どういうことですか・・?」
唯「いや~私であずにゃんを汚してあげようかなーと。これって傷つけるに入るかな?」
梓「・・・入るといえば入る・・・のかな?」
唯「じゃあこれでおあいこだね♪」
梓「へ?」
唯「これで恨みっことか無しだよ。いいね?」
梓「うぅ・・・ゆいせんぱぁい!!」
唯「おお!あずにゃんから抱きついてくるとは!・・・ん?」
梓「?」
唯「き、傷が・・・」
梓「わ、わたしに移っていく?!」
唯「こ、これは・・・?」
梓「唯先輩、傷を相手に移すことも出来るんですか!?」
唯「いや、これは多分・・・あずにゃんが私の傷を移しているんだよ」
梓「へ!?な、なんで!?」
唯「多分、あずにゃんが私の傷をもとに戻したいと思ったからだと思うよ」
梓「そ、そんなことで・・・」
唯「あ、傷がちょうど半分くらいになったね」
梓「あ、そうですね。ってそんなことよりも
唯「ふふ、おそろいだね」
梓「う///も、もういいです。」
唯「あずにゃーん」ギュー
梓「わわっ!きゅ、急にどうしたんですか!?////」
唯「今なら抱きついても傷移らないね」
梓「そうですけど///」
唯「ずっと抱きついとけば傷も早く治るのかな?」
梓「そうかもしれませんね//」
唯「じゃあ、ずっと抱きついとこ///」ギュー
梓「・・・ふふっ。早く傷治しちゃいますか//」ギュ
唯「うん」
オワリ
最終更新:2011年05月27日 20:40