梓「千円札で三万円分、と。硬貨もこれくらいかな……たまにやたら端数のあるサークルさんも多いからね」
梓「……もう少しおろしておいた方がいいかな。いい本たくさんあるのに予算足りなくてっていうのは切ないし」
唯「あれ?あずにゃーん!」
梓「ゆ、
ゆいせんぱい!?な、何でこんな所にいるんですか!?」
唯「んぅ?憂に言われてね、両替に来たんだー。千円札に換えてきてって」
梓「札束…だと…!?さすが憂……というか、唯先輩、そんな大金見せびらかしちゃダメですよ!」
唯「あ、そっか。ごめん、ごめん。
あずにゃんも両替?」
梓「あ、はい。えっと、ちょっとお祭りの下準備、というか……」
唯「お祭りかあ……ね、
ねえ、あずにゃん?」
梓「は、はい?なんですか?」
唯「本当はこのあと電話しようかなって思ってたんだけど……折角会えたから、今言ったほうがいいよね」
梓「はい?」
唯「あずにゃんは、今年のお盆暇かなあ?」
梓「お、お盆ですか?」
唯「えっとね、隣町で大きなお祭りがあるみたいなの。花火とかも上がって、屋台とかもたくさん出るみたい。それでね……」
唯「あずにゃんと一緒に行けたら、楽しいかなって……どうかな?」モジモジ
梓(はぅっ……な、何この可愛い生き物……!まさか、唯先輩から……これってデートのお誘いだよね)
梓「も、もちろ……あっ」
梓(お盆とかってあれと丸かぶりだよ!唯梓本たくさん買い漁ろう計画が……っ)
梓(何考えてるの私、そんなのより生の唯先輩だよ……唯先輩が折角誘ってくれてるんだから、そっちを取るべきに決まってるじゃない!)
梓「あ、あのっ……!」
唯「……ごめんね、やっぱり突然だったし、私とじゃいやだったよね?」
梓「えっ?あ、ち、違うんです!これはそんなんじゃなくて……」
唯「いいよぉ、無理しなくて」
梓「えっと、他にもお祭りに行く予定があって、それでちょっと迷ってただけで……唯先輩がいやとかそんなんじゃないですから!」
唯「あっ……そっかぁ、いやじゃなかったんだね。よかったぁ……あ、でもあずにゃんもお祭りの予定があるんだね」
梓「も?」
唯「うん、憂からも別のお祭りに誘われたんだけど……あずにゃんを誘うって決めてたからね。でもあずにゃん予定があるなら、憂の方に行こうかな」
梓(憂……何処に誘おうとしてるのよ。……それなら……でも……ううん、いずれ知ってほしいって思ってたし)
梓「じゃあ、唯先輩……その、私と一緒に行きます?私が行こうとしてるところでよければ、ですけど」
唯「え?う、うん!行くよ、行きたい!あずにゃん祭り!どんなところなの?」
梓「あずにゃん祭りってなんですか……えっと、お祭りといっても砕いて言うとバザーみたいな感じで……」
唯「そうなんだぁ……じゃあ、
お買い物に行く感じなの?」
梓「そうですね、とにかくたくさんの人がいてそれをかき分けかき分け、買いに行く感じです……あと、それでですね」
唯「なあに?」
梓「唯先輩、
これから私のうちに来られますか?見せておきたいんです……その、私が今まで買ってきたものと、これから買いに行こうとしてるもの」
梓「いつか、知ってほしいと思ってたことですし……はい、その結果唯先輩に嫌われることになっても……受け入れなきゃですから」
唯「あずにゃん……?もー、あずにゃん、私があずにゃんを嫌いになることなんてないからね!」
梓「……ありがとうございます、唯先輩」