「こんにちはー。」
私が部室に行くと、いつもの様にお茶会が開かれている机の周りには先輩方が座ってお菓子を食べていた。
「あ…梓ちゃんこんにちは…」
「おーっす、梓。」
「こんにちは、梓。」
私が挨拶をすると、各先輩方から返事が返ってきた。一人を覗いて。
「うー…」
唯先輩が机の上に体を預けたまま、唸っていた。
「唯先輩、どうかしたんですか?」
「実は結のやつ…さっきから具合が悪いんだ。」
「さっきから保健室に行ったらって言ってるんだけど、部活休みたく無いって言いだして聞かないんだよ…」
「えっ…!?」
私は途端に心配になった。1年生の時の文化祭のように。
「唯先輩!駄目じゃないですか!ほら、行きますよ!」
私は何が何でも唯先輩を保健室につれていく事にした。
「えー…でもー…」
「でもじゃありません!人を不安にさせたままにしないで下さい!」
そう言って唯先輩を無理矢理私の肩につかまらせ、私達は保健室に向かった。
「…熱も高いし…これは今すぐ病院に行った方が良いですね…」
保健室の先生が私達に体温計を見せながら言った。
「うわっ…」
「高っ…」
澪先輩と律先輩が顔をひきつらせた。
38.6℃…ますます私は不安になる。
「じゃあ私が唯先輩を病院に連れて行きます。
帰り道も一緒ですし…近くに病院もあるので…。」
「そうか…じゃあ唯を頼むな。梓。」
「しっかり看病してやりなよ?唯のやつに無茶させたら駄目だからな。」
「でも手持ちはあるの?診察代とか薬代とか…」
「あ…」
正直、学生でアルバイトもしてない私には唯先輩の病院代が出せるほどの手持ちは無い。
こんなに心配してるのに…。
「良かったらこれ…使って…?余ったら返してくれればいいから…。」
ムギ先輩が一万円札を差し出してくれた。一瞬戸惑ったが、私はムギ先輩に感謝して唯先輩を病院に送る事にした。
「唯先輩…大丈夫ですか…?」
「うーん…寒いよ
あずにゃん…」
病院の待合室。私たちは順番が回ってくるのをそこで待っていた。
「仕方ないですね…これで我慢して下さい…」
夏服の私たちには上着は無い。寒がる先輩を見て、私は無意識に唯先輩を抱きしめていた。
正直いつもだったら恥ずかしがってただろう。でも唯先輩の為なら今は何でも出来た。
「えへへ…あずにゃんあったかい…」
「どういたしまして。」
「平沢唯さん。診察室にどうぞ。」
そのまま10分くらいしてからアナウンスが聞こえ、私達は診察室に向かった。
「…とりあえず解熱剤と痙攣止めを投与しました。後は薬を出しますので、家で様子を見てください。」
「はい、分かりました。」
先生の説明を聞き、私は少し安心した。
とりあえず一旦私の家で休ませよう。
私はぐったりしている唯先輩の代わりに薬を受け取り、代金を払い、そして唯先輩を肩につかまらせ病院を後にした。
「…気分はどうですか?」
「うん、だんだんと大丈夫になって来たよ~」
「そうですか…それは良かった…。」
ここは私の部屋。唯先輩を私のベッドに寝かせ、私は唯先輩に寄り添っていた。
「すっかりあずにゃんにお世話になっちゃったね~…」
「いえいえ、先輩が無事で何よりです。」
「まるでお嫁さんに看病してもらってる気分だよ…」
「なっ…何を言い出すんですか!この先輩は!///」
「あれ~?あずにゃん顔が赤~い。」
「も~っ!!///」
良かった。いつもの唯先輩だ。
私はすっかりいつものペースでいじられていた。…たしかに唯先輩のお嫁さんになりたいのは事実だけど…。
「じゃあ…暫くしたら私は帰るね。これ以上あずにゃんの迷惑になっちゃうといけないし…」
「えっ…!?だ…駄目です!!」
起き上がろうとする唯先輩を、気づけば押し倒していた。
「で…でも…」
「遠慮せずに今日は家で泊まっていってください!治るまで看病してあげますからっ!」
「い…いいの…?迷惑じゃない?」
「迷惑じゃありません!だいたい、唯先輩がこんなにも私を不安にさせるのがいけないんですよ…」
「え…?どうしてそこまで…?」
「鈍感ですね…唯先輩は…。ほっとけないんですよ!唯先輩の事…。いつもいつも心配ばっかりかけて…なのにいつも私を可愛がってくれて…。いつの間にかほっとけなくなったんですよ…。」
「あずにゃん…」
「もっと分かりやすく言いましょうか?…好きです…唯先輩…。ただの好きじゃなくて…その…恋人になって欲しいくらいに…」
「え…?」
私は勢いでそこまで言ってしまった。しかし嘘では無いし、後悔もしなかった。
あくまで噂だが、私の高校は女子高なのでごく稀に同性に告白する生徒もいるそうだ。
それに日本の国会でも先日、同性愛について議論が行われ、結婚まで法律で許可されたばかりだ。
だからこの際、自分に正直になってみただけの事。
唯先輩は驚きの表情で私を見ている。
「駄目…ですか…?」
「ううん…寧ろオッケーだよ…。だってこんなにも可愛いあずにゃんと恋人になれるんだもん。」
「じゃあ…!」
ぱぁっと自然に表情が明るくなったのが自分でも分かる。今、私達は結ばれたのだ。
「
これから改めて恋人としてよろしくね…あずにゃん♪」
「はい…こちらこそ宜しくお願いします。唯先輩。」
私達はお互い笑顔で挨拶をかわした。
まだまだぎこちないかもしれないけど、
ずっと一緒にいれればなぁ…と…
そしていずれ結婚できればいいなぁ…と思う私でした。
唯先輩…。これからこの気まぐれな黒猫は貴女に一生ついていきます。
だから、早く飼い慣らして下さいね?
とにかく今は幸せでいっぱいです!
by 中野梓
おわり
- 結→唯(まちがえてるトコあったヨ) -- (名無しさん) 2010-06-24 16:13:20
- 唯と梓こんな感じだよね -- (名無しさん) 2012-10-18 21:50:12
- 唯の漢字間違いあり、あと同性結婚ありにするとはいいな、素晴らしいよその国会。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-20 00:00:21
最終更新:2010年06月23日 22:52