ゆいみお!第四話
ゆいみお!第4話です
夕食を済ませ、やっと練習を始める二人
「まずは演る曲決めないとね!」
「そうだな。演奏時間は5分だから、よく考えないと」
「ならメドレーなんてどぉ?題して、ふでぺんの恋はふわふわはーと!」
「いや…私たちの曲名つなげただけだし…それだとむちゃくちゃで、聞いてる人分かんないよ」
「えへへ、やっぱり?」
「そうだな。演奏時間は5分だから、よく考えないと」
「ならメドレーなんてどぉ?題して、ふでぺんの恋はふわふわはーと!」
「いや…私たちの曲名つなげただけだし…それだとむちゃくちゃで、聞いてる人分かんないよ」
「えへへ、やっぱり?」
舌を出してとぼける唯
「まったく…もう時間ないんだぞ」
「そうだよね!真剣に考えるよ!」
「今までは真面目じゃなかったのか…」
「そうだよね!真剣に考えるよ!」
「今までは真面目じゃなかったのか…」
唯の言葉に呆れる澪
「やるならふわふわだろうけど…でもギターとベースだけじゃきついかな…」
「う~ん…ふでぺんはあずにゃんとやったし…」
「ぴゅあぴゅあは新曲だから、まだ練習したいし…」
「う~ん…ふでぺんはあずにゃんとやったし…」
「ぴゅあぴゅあは新曲だから、まだ練習したいし…」
難航する曲決め
「…そっか!澪ちゃん、私あれやりたい!」
「えっ?!…何だ?」
「私の恋はホッチキス!」
「えっ?!…何だ?」
「私の恋はホッチキス!」
唯が提案したのは、2年の新歓ライブで演奏した曲だった
「ホッチキスか…確かに二人でやるには向いてるかもな」
「それに、私またツインボーカルやりたい!」
「えぇっ?!あれをっ!」
「それに、私またツインボーカルやりたい!」
「えぇっ?!あれをっ!」
唯の言うツインボーカルとは、新歓ライブで歌い出しの歌詞を忘れた唯の代わりに澪が歌った出来事だ
普段は唯と澪がメインボーカルとコーラスを務ており、二人がメインで歌ったのはわずかだが、この時だけだった
普段は唯と澪がメインボーカルとコーラスを務ており、二人がメインで歌ったのはわずかだが、この時だけだった
「ねっ、せっかく二人でやるんだから澪ちゃんも歌おーよー」
「うぅ…どうしよう」
「うぅ…どうしよう」
新歓ライブ後、唯からツインボーカルをやろうと誘われた澪だったが、恥ずかしさからずっと拒否していた
そうしているうちに唯は誘うことをしなくなり、梓とのコミュニケーションを積極的にとるようになった
澪は今では拒否したことを後悔している
もしツインボーカルを受諾していたら、唯とコミュニケーションをもっととれていたのに…と
今再び唯からツインボーカルの提案…1年前は頑なに拒んだが、現在の澪の答えは
そうしているうちに唯は誘うことをしなくなり、梓とのコミュニケーションを積極的にとるようになった
澪は今では拒否したことを後悔している
もしツインボーカルを受諾していたら、唯とコミュニケーションをもっととれていたのに…と
今再び唯からツインボーカルの提案…1年前は頑なに拒んだが、現在の澪の答えは
「よし、やろう!それでいこう!」
「えっ?!やったー!また断れたらどうしようかと思ったよー」
「うっ…」
「えっ?!やったー!また断れたらどうしようかと思ったよー」
「うっ…」
唯の言葉に胸が痛む澪
唯が澪に断れたことを気にしていたことを、初めて知る
唯が澪に断れたことを気にしていたことを、初めて知る
「唯、ごめんな」
「えっ?!何のこと?」
「前にツインボーカルを断ったことだよ」
「えっ?!何のこと?」
「前にツインボーカルを断ったことだよ」
1年前の自分が断った件を謝る澪
「…なんだー、いいよー。全然気にしてないから!」
「えっ…そうなのか」
「私だって、澪ちゃん恥ずかしがってるのに無理やりやらせようとしたし」
「そんなことは…」
「それに、今澪ちゃんがやろうって言ってくれたからいいんだ!」
「そうか…ありがと、唯」
「えっ…そうなのか」
「私だって、澪ちゃん恥ずかしがってるのに無理やりやらせようとしたし」
「そんなことは…」
「それに、今澪ちゃんがやろうって言ってくれたからいいんだ!」
「そうか…ありがと、唯」
全く気にしてない、という唯に感謝する澪
「えへへー、そんな感謝されることじゃないよ―」
感謝の言葉に照れる唯
「よし、じゃあとりあえず1回通しでやってみるか!」
「うん!澪ちゃん、ちゃんと歌ってね!」
「あ、あぁ分かった…」
「うん!澪ちゃん、ちゃんと歌ってね!」
「あ、あぁ分かった…」
部屋に響くギターとベース音。そして美しいハーモニーを見せる唯と澪の声
そして1曲演奏し終える
そして1曲演奏し終える
「…うん、なかなかいいじゃないか!」
「だよね!すっごくいいよぉ!」
「でも唯はちょくちょく間違っていたな」
「うっ…澪ちゃんだって、間で声小さくなってたよ!」
「うっ…ごめん、気をつけるよ」
「だよね!すっごくいいよぉ!」
「でも唯はちょくちょく間違っていたな」
「うっ…澪ちゃんだって、間で声小さくなってたよ!」
「うっ…ごめん、気をつけるよ」
演奏に確かな手ごたえを得、お互いの失敗点を指摘し合う二人
2年弱軽音部で培ってきた演奏力が発揮された
2年弱軽音部で培ってきた演奏力が発揮された
「でもただ演奏するだけだと物足りないな…」
「そうだね…あっ!ねぇねぇ澪ちゃん、ギターソロやりたい!」
「ソロか…時間余るから、いれてもいいかもな」
「よーし、ギュイギュイギュルルーンギャルルル!って感じでカッコよくやりたいな!」
「そうだね…あっ!ねぇねぇ澪ちゃん、ギターソロやりたい!」
「ソロか…時間余るから、いれてもいいかもな」
「よーし、ギュイギュイギュルルーンギャルルル!って感じでカッコよくやりたいな!」
楽しそうにエアーギターをする唯
「…なら私も、ベベベベンベベ、ベベーンってやりたい!」
澪も載せられエアベースをする
「あはは、澪ちゃんベンベンしか言ってないよ―」
「ゆ、唯だってギュルギュルしか言ってないだろ!」
「ゆ、唯だってギュルギュルしか言ってないだろ!」
顔を真っ赤にして反論する澪
「ギュルだけじゃないよ、ギュイも言ってるよ」
「あんま変わんないじゃないか!」
「あんま変わんないじゃないか!」
こんな会話を交わしながら、二人は練習を重ねた
お互いに足りない点を指摘し、それぞれのソロを考えながら
そして時間はあっという間に過ぎる
お互いに足りない点を指摘し、それぞれのソロを考えながら
そして時間はあっという間に過ぎる
「あっ、もうこんな時間なんだ」
「えっ…ホントだ、集中してたから全然気付かなかったよ」
「えっ…ホントだ、集中してたから全然気付かなかったよ」
部屋の時計は午前1時を回っていた
「お風呂に入んなきゃね」
「そうだな、練習してたら汗かいたよ」
「部活やってるときはかかないけどね!」
「お茶ばっかしてるだろ!」ビシッ
「そうだな、練習してたら汗かいたよ」
「部活やってるときはかかないけどね!」
「お茶ばっかしてるだろ!」ビシッ
澪が唯に軽くチョップをいれる
「いたっ!」
「えっ?!あっ…ごめん…ついやっちゃった…」
「えっ?!あっ…ごめん…ついやっちゃった…」
ツッコミをいれたことを謝る澪
「えへへー、全然大丈夫!」
「そ、そうか…よかった」
「そ、そうか…よかった」
笑顔でVサインを見せる唯に安心する澪
「なんか嬉しいなー」
「えっ、何が?」
「澪ちゃんにツッコまれて、何かもっと仲良くなれた気がするよー」
「そ、そう…か?」
「えっ、何が?」
「澪ちゃんにツッコまれて、何かもっと仲良くなれた気がするよー」
「そ、そう…か?」
ツッコまれて喜ぶ唯を不思議に思う澪
「だって澪ちゃん、りっちゃんにしかこうやってツッコまないし」
「ま、まぁ…な」
「だから、りっちゃんに近付けた気がして嬉しいんだ!」
「…」
「ま、まぁ…な」
「だから、りっちゃんに近付けた気がして嬉しいんだ!」
「…」
幼馴染の律にツッコミをいれるのは、1つのお約束みたいなつもりでやってきた
長い付き合いの二人だからこそできる事だ
そして今唯が律に近付けたと喜んでいる
唯がもっと自分と親しくなりたい、と思っていることを知り嬉しく思う澪
長い付き合いの二人だからこそできる事だ
そして今唯が律に近付けたと喜んでいる
唯がもっと自分と親しくなりたい、と思っていることを知り嬉しく思う澪
「よし、澪ちゃんお風呂一緒に入ろう!」
「えぇっ?!…家のお風呂だぞ…ムギの別荘みたいに入れるのか?」
「えぇっ?!…家のお風呂だぞ…ムギの別荘みたいに入れるのか?」
唯の誘いに戸惑う澪
「大丈夫だよ!憂とよくはいってるから」
「えっ?!う、憂ちゃんとはいってるのか?」
「うん。姉妹なんだから当然だよ!」
「そ、そういうものなのか…」
「えっ?!う、憂ちゃんとはいってるのか?」
「うん。姉妹なんだから当然だよ!」
「そ、そういうものなのか…」
一人っ子の澪にとっては分からない世界の話だった
そして姉妹は、高校生でも一緒にお風呂に入るものだと理解する澪だった
そして姉妹は、高校生でも一緒にお風呂に入るものだと理解する澪だった
――――――――――平沢家お風呂
「ねっ、二人でもはいれるでしょ」
「あ…あぁ…」
「あ…あぁ…」
今唯と澪は一緒に一つのお風呂にはいっている…向き合ったままで
「なんか向かい合ったままだと恥ずかしいね…」
「だ、だから私が先に髪とか洗うって言ったのに…」
「いいじゃーん、せっかくふたりっきりなんだから!」
「だ、だから私が先に髪とか洗うって言ったのに…」
「いいじゃーん、せっかくふたりっきりなんだから!」
現在の状況に恥ずかしがる澪と、平気な唯
合宿でみんなとお風呂にはいる機会はあったが、大きかったためにこれほど密着することはなかった
合宿でみんなとお風呂にはいる機会はあったが、大きかったためにこれほど密着することはなかった
「澪ちゃんはやっぱスタイルいいよねー」
「うぇっ!…な、なんだよ急に」
「えーっ、なんか改めて見るとねー」
「うぇっ!…な、なんだよ急に」
「えーっ、なんか改めて見るとねー」
突然自分の体を褒められ照れる澪
「ゆ、唯だって…太らない体質、羨ましいぞ」
「えーっ、でも澪ちゃんぐらいのほうがいいよー」
「なんなら変わってほしいぐらいだよ…」
「えーっ、でも澪ちゃんぐらいのほうがいいよー」
「なんなら変わってほしいぐらいだよ…」
唯の食べても太らない体質を羨ましがる澪
「でも、澪ちゃんはこれでいいんだよ!澪ちゃんは澪ちゃんなんだから」
「えっ、そ…そう…か?」
「そうだよ!だからそんなに落ち込まないで!」
「あ、ありがと…」
「えっ、そ…そう…か?」
「そうだよ!だからそんなに落ち込まないで!」
「あ、ありがと…」
唯に励まされ照れる澪
「あとは綺麗な髪や、長くてぷにぷにな指とか…澪ちゃんの体はもっといいとこあるよ!」
「あ…ありがと…」
「あ…ありがと…」
のぼせたのか、どんどんと顔と体が赤くなる澪
「ゆ、唯…だって…」
「えっ?!」
「柔らかくてあったかいし、かわいらしい手で…ふわふわな髪とか…いいとこたくさんある…よ」
「…」
「えっ?!」
「柔らかくてあったかいし、かわいらしい手で…ふわふわな髪とか…いいとこたくさんある…よ」
「…」
唯の体について褒める澪
そして、澪同様に顔を体が赤くなる唯
そして、澪同様に顔を体が赤くなる唯
「…」
「…」
「…」
その後の二人は、お風呂に上がるまで会話を交わすことはなかった
顔と体を真っ赤にしたままで
顔と体を真っ赤にしたままで
以上です。また×3続きます
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