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ゆいみお!第三話

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ゆいみお!第三話


ゆいみお!第3話です

「ふ~んふふふ~ん♪」
「唯、もっと端によって」
「おぉっと…悪いね、澪ちゃん」

夕飯の材料を買うべく、近くのスーパーへ向かう二人

「なんかご機嫌だな、唯」

鼻歌交じりに歩く唯に、澪が問いかける

「だって澪ちゃんと初めてお買いものに行くんだもーん」
「えっ?!」
「今までこうやって澪ちゃんとお出かけすることもなかったし」
「そ、そう…だな」

唯の言葉を受け、初めて二人だけで出かけてることに気付く澪

「さっきは一緒にお茶して、おしゃべりして…澪ちゃんと一緒にいれて嬉しいんだよね!」
「そうなの…か?」
「うん!だってこうやって澪ちゃんと一緒にゆっくりすること、ほとんどなかったから…」
「そう…だな」
「だからね、今日はすっごく楽しいんだよね!」

澪は唯の言葉に驚く
部活中、唯は律とふざけあい、澪はそれを注意し正す役割だった
だから、唯は真面目な自分とは一緒にいても楽しくないだろう、と思い込んでいた
唯たちが楽しそうにじゃれ合うのを横で見ながら、自分もあの輪に入れたら…と思うことがしばしばあった
しかし恥ずかしがりやな性格と、自分までふざけたら部が成立しなくなる。という思いから注意役に徹していた
そうしているうちに、唯は律との親交を深め、紬とも触れ合う機会が増えた
何より澪以外の3人は2年時に同じクラスであり、余計に澪が唯と関わる時間を奪うこととなった
しかし、先ほどの言葉で唯が自分といるのが楽しいということを知り、嬉しく感じる

「ねっ、澪ちゃんはどぉ?私といて楽しい?」
「うぇっ?!」

唐突な問いに戸惑う澪

「も、もちろん…楽しいに決まってるじゃないか!」

力を込め過ぎてつい大声になる澪

「えっ…う、嬉しいーっ!澪ちゃーん!」
「わっ!…っと、ちょ、ちょっと…唯」

嬉しさのあまり抱きつく唯
突然の抱きつきに驚き戸惑う澪

「えへへー、つい嬉しくってー」

澪から離れ、無邪気な笑顔を見せる唯

「もう…周りに人がいるんだから」

嬉しくもあるが、恥ずかしくもある澪
先ほどの抱き合っている際、周りの視線を凄く感じたからだった

「だったら、人がいないとこならやってもいいってことカナ?」
「うっ…そういうわけでは…でも…ま、まぁ…たまになら、いいか…な」
「えっ、そうなの?!やったー!!」

唯の抱きつきを許可する澪

「でも、梓にやるみたいにみんなの前ではなしだからな!」
「ぶーっ、いいじゃーん…ならみんなにやればいいんだよ!」
「お前は誰でもいいのか…」
「そ、そんなことないよー…うん分かった。二人っきりのときだけやるね」
「うん、それなら…」
「えへへー、次が楽しみだなー」

こうして新たに触れ合う機会を得て、唯と澪はお互いに嬉しく思った
そして近くのスーパーに到着する


「うーん…何にしようかなー」
「簡単なものが良いかな…」

夕食に何をするか悩む二人

「なんかこうして並んでお買い物してると、夫婦みたいだねっ」
「えぇっ?!ふ、夫婦ぅ!」

唯の突然の言葉に再び驚く澪

「な、なんで…そんなこと」
「だって澪ちゃん私よりおっきいし、頼りになるダンナ様って感じだよ♪」
「…私、女なんですけど…」
「あはっ、ごめんねー。冗談だよ、ジョーダン!」

唯にダンナ様と言われショックを受けたが、夫婦みたいという言葉にまんざらでもない澪であった

「あっ、カレーなんかどぉ?」
「カレーか…まぁそんな難しくないだろうし、大丈夫だな」
「よしっ、カレーにけってーい!」

こうして、本日の夕食はカレーに決まった

「カレーといえば、チキンだよねー」

そう言って唯は鶏肉を手に取る

「…ちょっと待て唯」

澪が唯を制する

「カレーといえば、ビーフだろう!」

真剣な顔で言い放つ澪

「えーっ、チキンのほうがあっさりしてておいしいよー」
「ビーフのほうがコクがでておいしいだろ!」
「チキンのほうがいいーっ!」
「いーや、ビーフだ!」
「チキン!」
「ビーフ!」

肉売り場で言い合いを始める二人
お互いこだわりがあるのか、譲ろうとしない

「…唯、ちょっと待って」
「えっ?!…チキンにする?」
「いや…周りの視線が…」

ヒソヒソ「ちょっと奥さん見ました?」 「いやねぇ、あんなとこで」 「最近の若いコは」ヒソヒソ

二人はいつの間にか、買い物中の奥様方の注目を浴びていた

「うっ…ちょっと恥ずかしいかも…」
「ちょっとどころじゃないよ…」

言い合いをやめ、その場から早く離れたいと思う二人

「じゃ、じゃあさ…チキンとビーフ、二つ作ればよくないか?」
「おぉー、澪ちゃん名案!」

澪の提案を受け入れる唯

「そうすれば、唯の勧めるチキンカレー食べるしな」
「そうだね!私もビーフカレー食べたい!」

こうして、夕食はチキンとビーフ2種のカレーとなった
材料以外にも食後のアイス、夜食のお菓子等を買い二人っきりでの買い物を終えた


「よーっし、やるぞー」
「怪我しないように気を付けないとな」

帰宅後買ってきた食材を並べ、料理を始める二人

「唯は野菜の皮をむいてくれ」

そう言って澪は皮むき機を唯に差し出す

「えーっ、私包丁使いたいー」
「いや…唯に包丁使わすには危ないと思って…」
「ぶーっ!澪ちゃんも憂みたいなこと言うー」

頬を膨らませ不満そうな唯

「もし唯に怪我されたら…唯の変わりは誰もいないし」
「えっ?!そんなことないよー。ギター弾けなくてもあずにゃんがいるし、澪ちゃんのほうが変わりがいないよ!」
「いや、私は唯と二人でやりたいんだ」

真剣な顔で訴えかける澪

「えっ…」
「今回の大会は、唯とやりきりたいんだ…だから、野菜切るのは私にまかせてくれないか?」
「…う、うん。分かったよ…澪ちゃん、怪我しないでね!」
「あぁ、気をつけるよ」

澪の説得に納得した唯。そして澪の熱さに感動したのか、唯は涙目だった

こうして調理は順調に進み、チキンとビーフ2種類のカレーが完成した


「おーっ、おいしそうだねー」
「うん、うまくできたみたいだな」

料理の出来栄えに満足そうな二人
ご飯の上に、半分ずつ乗ったチキンとビーフ2種類のカレー
それぞれの匂いが食欲を刺激した

「それでは、「「いただきまーす」」

「じゃあ、ビーフからいこうかな~♪」
「じゃあ、私はチキンから」

お互いが勧めたカレーを食べる

「んっ!コクがあってビーフあいしいね!」
「うん、チキンもさっぱりしてる中にキレがあってあいしいな」
「確かに澪ちゃんが勧める理由が分かったよー」
「チキンも唯が勧めるの分かるよ」
「ごめんねビーフ~、今度憂にも作ってもらうよ~」
「私も、今度マ…お母さんに頼んでみようかな」

こうして、それぞれのおいしさを知ることができた

「ん~、こうやって別々に食べるのもいいけど~…えいっ!」

2種類のカレーとご飯を混ぜ始める唯

「こら唯、お行儀悪いぞ」
「だって一緒に食べたいし~…んっ、んん!…澪ちゃん、混ぜるともっとおいしいよ!」
「ほ、本当か…」
「うん!これは新発見だよ!」
「唯がそこまでいうなら…」

澪もカレーを混ぜる

「どれ…おぉっ、確かに混ぜたほうがおいしい!」
「でしょー」
「チキンがビーフの濃さを消し、ビーフがチキンのあっさりさを消しちょうどよく…まさにカレーのアールヌーボーだ!」

あまりのおいしさに饒舌になる澪

「あはは、何それー」
「はっ!…つ、つい…」

唯に先ほどのコメントについて指摘され、恥ずかしがる澪

「絶対ゆいみおも上手くいくよね!」
「えっ…どういう意味だ?」
「私と澪ちゃんの好きなものをミックスして、それがおいしかったんだよ」
「う、うん」
「だから、私と澪ちゃんがやるゆいみおも絶対上手くいくよ!」
「おぉ…そういう意味か…あぁ、そうだな。上手くいくよ、絶対だ!」

唯の言葉の意味を知り、力強くゆいみおの成功を宣言する澪
こうして、二人で作ったカレーは大成功となった


「ふー、おいしかったね!」
「唯、カレーおかわりしちゃって大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫!あ、食後のアイス食べようかな?」
「おいおい、これから練習するんだぞ」
「あっ、そうだった!お風呂入って寝るつもりだったよー」
「おいおい、合宿の目的を忘れるなよ」

いつも通りの唯にあきれる澪

「そうだよね、練習するからアイスは我慢するよ!」
「おっ、偉いぞ唯」
「えっへん!やるときはやる女なんです!」
「まだ何もやってないけどな」
「んもうー、これからやるんだよ」
「そうか、悪かったな」

食事を終え、ようやく当初の目的である練習を始める二人
果たして何を演奏するのか?
そしてこれから二人にどんな出来事が…



以上です。またまた続きます

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