ゆいみお!第五話
ゆいみお!第5話です
――――――――――――唯の部屋
「ふーっ、今日は練習したー」バフッ
自分のベッドに倒れこむ唯
「唯にしてはよく練習したよな」
「ぶーっ、いつも練習してるよ!」
「そうか、悪かったな」
「ぶーっ、いつも練習してるよ!」
「そうか、悪かったな」
唯をからかう澪。お風呂からあがり、アイスを食べたせいかクールダウンした二人
「ねぇー、澪ちゃん隣で寝ようよ―」バンバン
ベッドの空いている方をたたく唯
「いっ、いい!…わ、私は下でいいから!」ボフッ
床に敷かれた布団に顔をうずめる澪
「もー、恥ずかしがり屋なんだから―」
「そ、そんなんじゃない!」
「そ、そんなんじゃない!」
真っ赤な顔を枕に沈める澪
そしてうつ伏せになり、この日の出来事を振り返っていた
ほぼ1日を唯と一緒に過ごし、一気に新密度が増したように感じた
それは、今まで止まっていた二人の時計が動き出したかのように…
そしてうつ伏せになり、この日の出来事を振り返っていた
ほぼ1日を唯と一緒に過ごし、一気に新密度が増したように感じた
それは、今まで止まっていた二人の時計が動き出したかのように…
「じゃあ電気消すねー」
「ま、真っ暗には…しないで」
「ほいほーい…おやすみ、澪ちゃん」
「おやすみ…」
「ま、真っ暗には…しないで」
「ほいほーい…おやすみ、澪ちゃん」
「おやすみ…」
豆電球一つ残して薄暗くなった唯の部屋
澪は寝付けないでいた。寝てしまうと、唯と一緒だった日が終わるのが惜しいと思うから…
澪は寝付けないでいた。寝てしまうと、唯と一緒だった日が終わるのが惜しいと思うから…
「澪ちゃん、起きてる?」
「んっ?!…起きてるよ」
「ねぇ、一つ…聞いていい?」
「んっ?!…起きてるよ」
「ねぇ、一つ…聞いていい?」
もうとっくに寝てると思っていた唯から話しかけられ驚く澪
「…な、何だ?」
「あ、あのね…好きな人って…いる?」
「えっ…」
「あ、あのね…好きな人って…いる?」
「えっ…」
唯からの質問に言葉を詰まらせる澪
それは、恋愛とは無関係にあると考えていた唯から出た質問に驚いたからだ
それは、恋愛とは無関係にあると考えていた唯から出た質問に驚いたからだ
「えっ…えぇっと…」
「どうなの?」
「どうなの?」
好きな人…元々男性と縁のなかった澪は、全く思い当たらなかった
しかし、考えたときに真っ先に浮かんだのは…唯の顔だった
しかし、考えたときに真っ先に浮かんだのは…唯の顔だった
「…いない…かな」
「そう…なんだ」
「そう…なんだ」
が、澪の答えは「いない」だった
確かに唯は好きだが、それが恋愛対象の「好き」なのか分からなかった
唯とのコミュニケーションが減り、寂しいと思うことが多々あった
そして今日二人っきりで過ごして、唯と一緒にいるのがとても楽しいと感じたが…
それは友だちとしての「好き」ではないのかと澪は思った
それに、女の子が恋愛対象に入るのか…そんな思いがよぎり、澪は「いない」と答えた
確かに唯は好きだが、それが恋愛対象の「好き」なのか分からなかった
唯とのコミュニケーションが減り、寂しいと思うことが多々あった
そして今日二人っきりで過ごして、唯と一緒にいるのがとても楽しいと感じたが…
それは友だちとしての「好き」ではないのかと澪は思った
それに、女の子が恋愛対象に入るのか…そんな思いがよぎり、澪は「いない」と答えた
「そ、そういう…唯はどうなんだよ」
「私?!…私は…」
「う、うん…」
「私?!…私は…」
「う、うん…」
唯の答えを固唾を飲んで待つ澪
「私は…いるよ」
「えっ…そ、そう…なんだ」
「えっ…そ、そう…なんだ」
唯の答えは「いる」…この答えを聞いた時、澪の胸に何か急な痛みが襲った
「へっ…へぇ…そう、なんだ」
「うん…」
「うん…」
胸を締め付けられ、必死で声を絞り出す澪
そして心臓の鼓動がどんどん速くなる
そして心臓の鼓動がどんどん速くなる
「で、でも…唯に思ってもらうなんて…幸せな奴…だな」
「そう、かな…」
「そう、かな…」
もう聞きたくないのに、声が出る澪
「前までは…もう駄目かなって思ってたんだけど…」
「う、うん…」
「何だか…いけそうな気がしてきたよ」
「そ…そうか…が、頑張れよ…」
「う、うん…」
「何だか…いけそうな気がしてきたよ」
「そ…そうか…が、頑張れよ…」
もう何も喋りたくない、でも声がでる
最初は胸全体に広がった鈍い痛みだったが、今は鋭く澪の胸に突き刺さる
最初は胸全体に広がった鈍い痛みだったが、今は鋭く澪の胸に突き刺さる
「ゆ、唯の…好きな人って…どん…な…」
やめたいのに、止まらない
唯に問いかける声は、涙声となっていた
唯に問いかける声は、涙声となっていた
「…」
…唯からの返答はなかった
「…寝た…のか?」
背を向けており唯の顔は確認できないが、返事がないことから寝たと推測する澪
「おやすみ…唯」
――――――唯のことが好き
唯に好きな人がいる。この事実を知ったときに感じた胸の痛みから、澪はそう確信した
しかし気付いた時すでに遅し…
しかし気付いた時すでに遅し…
胸に痛みを抱いたまま眠れぬ澪、その一方で唯は…
「澪ちゃんの…バカ」(ボソッ)
唯も澪同様眠れずにいた
翌日は遅めの起床となり、朝食と昼食を一緒に摂ることとなった
その後1週間後の本番へ向けての練習を重ねた
それは夕方憂が帰ってくるまで行われたが、二人はいたって真面目だった
前日のようなふざけ合いもなく、笑顔も見せぬままに…
その後1週間後の本番へ向けての練習を重ねた
それは夕方憂が帰ってくるまで行われたが、二人はいたって真面目だった
前日のようなふざけ合いもなく、笑顔も見せぬままに…
以上です。また×4続きます
次回最終回(予定)です
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