唯×紬 @ ウィキ

3-042

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匿名ユーザー

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「今日も暑かったね」

「そうね。こっちも暑かった」

「こう毎日暑いと嫌になっちゃうよ」

「昔から暑いの苦手だったものね」

「元気にしてるかなって、心配だったのよ」

「大丈夫だよ。もう子供じゃないんだから」

「そっちこそどうなの?夏バテとかしてない」

「ええ。大丈夫。こっちも相変わらずよ」




「そういえば、明日台風くるんだって。気を付けないとね」

「……こっちはまだ大丈夫みたい」

「……そっか。天気予報も違うんだね」

「……うん。遠いからね」

「でも、まだしばらく暑い日が続くみたいだよ」

「そうね。それは一緒ね」




「…今日はもうちょっとお話ししない?」

「うん。いいよ。私もそうしたいなって思ってた」



「ねぇ、私と一緒にいる時って、幸せ?」

「どうしたの、急に」

「なんとなく。聞きたくなって」

「幸せに決まってるじゃない」

「ありがとう。私もよ。一緒にいるだけで、幸せ」

「……なんか、電話越しだと妙に照れるね」

「そうだね。言葉だけだと、それはそれでこそばゆい気がする」



「……ずっと一緒にいられたらよかったのにね」

「……そうだね」

「思うほどうまくいかないね」

「きっと、なんでもそんなものなんだよ」


――――さみしい

「寂しいね」

「うん」

「会いたいよ」

「私もだよ」

「……時々ね、どうしようもなく不安になるの」


夜になると、こんな小さな部屋なのに

床もドアも壁も、抱えきれないほどに広い

風が窓を叩く音さえ、こんなにも響くから


「私、一人なんだって。そんなふうに考えちゃうから」



――――だいじょうぶだよ


「ここにいるよ」

「…え」

「私は、ここにいるよ」

「寄り添ってあげられないけど。手を握ってあげることすらできないけど」

「それでも」

「私はちゃんと、ここにいるよ」

「あなたのことが大好きな私は、ちゃんと、ここにいるから」

「……うん。ありがとう」


「わかってたはずなのにね。一人じゃないって」

「私だけじゃないんだって。同じ気持ちなんだって」

「ごめんね」

「ううん。私も、そんなふうに思っちゃうことあるから」

「言葉にしないと、形にしないと、不安になることもあるから」

「私こそ、ごめん」



「……なんか、変わらないね」

「何かあるとすぐにお互いが謝っちゃうこと?」

「よく分かってらっしゃる」

「私が悪い時でも、すぐ自分も謝るから」

「それはお互い様でしょ?」

「おっしゃるとおりで」




「……一つ、わがまま言ってもいい?」

「なんなりと」

「今日は、寝るまでお話ししてたいな」

「いいよ。私も、そうしたいなって思ってた」

「ありがとう。そういう所、大好き」

「そんな事言っても何も出ないよ」

「いいよ。今は。声が聞ければ、それだけで」

「そう?じゃあ、何から話そっか……」


おしまい



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