エピローグ "prologue"
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大学の入学式を終えたその翌日。
待ち合わせをした4人は揃って学校へと向かう。
待ち合わせをした4人は揃って学校へと向かう。
律「ほら、早く早くー!」
紬「ふふ。もうりっちゃんたら、あんなに意気込んじゃって」
唯「あ!ねぇ、写真撮ろうよー!」
澪「昨日も撮っただろ」
唯「だって昨日はスーツだったでしょ?今日は初の私服なんだよー」
律「おっ良いな!記念記念」
律は澪の持っていたカメラをさっと奪い、
20秒のタイマーをセットした。
20秒のタイマーをセットした。
澪「あ!……もー。しょうがないな」
紬「まぁまぁまぁ。記念記念♪」
そして近くにあった小さなベンチにカメラを置き、
位置を念入りに調整したあと3人の間に駆け込んだ。
位置を念入りに調整したあと3人の間に駆け込んだ。
カメラがチチチ、と点滅する。
シャッターが切られるまでのあいだ、紬はこれからの大学生活について思いを巡らせる。
一体どんなことが待ってるんだろう。
一体どんなことが待ってるんだろう。
隣をチラリと見ると、唯が懸命に髪を整えている。
見慣れた黄色いヘアピン。制服を脱いでも、それは変わらずに彼女のシンボルだった。
見慣れた黄色いヘアピン。制服を脱いでも、それは変わらずに彼女のシンボルだった。
唯「……よし!」
―――うん。きっと、楽しいに決まってる。
紬は唯の肩に手を載せた。
半分は、無意識的に。もう半分は、意識的に。
半分は、無意識的に。もう半分は、意識的に。
唯は反射的に、載せられた手の持ち主を見る。
そして、紬の横顔にくしゃりとした笑みを向けたあと、
自分の右手をそっと、紬の手に重ねた。
自分の右手をそっと、紬の手に重ねた。
『パシャッ』
桜の花びらが木々を覆い尽くした、ある4月の出来事である。
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