唯×紬 @ ウィキ

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yuimugi

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私は今、恋をしている。生まれて初めての恋。片想いだけど、私はその人のことが大好きだ。
その相手は――

紬「唯ちゃん?」

唯「うえぁっ!?」

ムギちゃんが、不意に私の顔を覗き込んだ。
突然目の前にムギちゃんの顔が現れて、私はドキドキしてしまう。

紬「どうしたの?戸締まりもしたし、帰ろう?」

唯「う、うん!帰ろうか!」

そう、私が好きなのは――ムギちゃんだ。
優しくしてくれたり、お菓子を持ってきてくれたり、好きなところはいろいろあるけど、
何よりも好きなのはその笑顔だ。
ムギちゃんが微笑みかけてくれるだけで、心がとてもあったかくなる。

紬「じゃあ、電気消すね?」

唯「うん…」

もし、私が好きって言ったら…ムギちゃんは受け入れてくれるだろうか。
…くれないだろうな。
ムギちゃんはもっと上品で美人な人の方がいいんだろうし、私なんかに振り向いてくれるはず、ないよね。
そうだ。私はただ、友達のままでいられれば、それでいいんだ…


紬「唯ちゃん、どうしたの?」

薄暗くなった部室で、ムギちゃんがまた私の顔を覗き込む。
そんなムギちゃんを見るのが苦しくて、恥ずかしくて、私は何も言えずに顔を背ける。

紬「具合悪いの?保健室行く?」

唯「なんでも…ない…」

苦しい。ムギちゃんのことが好きなのに、一緒にいるのが苦しい。
胸が張り裂けそうで、痛くて、悲しくて…私、私…

唯「う、うぅ…えぐ…」

紬「唯ちゃん?ど、どうしたの?」

唯「む、ムギぢゃ…ごべ、ごめん…私…」

なにやってるんだろう私。好きな人の前でいきなり泣き出すなんて…
とにかく、何か言わなきゃ。ムギちゃんを心配させちゃいけない。

唯「え…えっと…め、目にゴミが…」

紬「唯ちゃん」

ムギちゃんは私の名前を呼ぶと、突然私を抱きしめた。私は頭が真っ白になる。

唯「あ、あ、む、ムギ…」

紬「いつも唯ちゃん、梓ちゃんにこういう風にしてるから、落ち着くかなって…それで、どうしたの?」

私はムギちゃんに抱きしめられて、さっきまでの苦しい気持ちは消えていた。


今なら、言える。私はそう感じて、ムギちゃんの顔を見つめる。

唯「グス…あのね、ムギちゃん」

紬「うん?」

唯「私ね…ムギちゃんに恋してるの。本気で、大好きなの。」

紬「え…?」

唯「ただ…それだけなんだ。ごめんね、心配かけて」

ムギちゃんは驚いいたような顔で私を見つめていた。
もちろん受け入れてもらえないのはわかっている。
でも、自分の本当の気持ちを伝えられたし、後悔はなかった。

唯「返事とかはいいから…じゃあ私いくね、離して?」

でもムギちゃんは私を離さない。それどころかさらに強く抱きしめた。

唯「あの…ムギちゃん?」

紬「ごめんね」

唯「え?」

紬「泣くほど苦しかったんだね…私なんかのことで、そんな思いしてたんだね…」

唯「な、なんで謝るの?私…」

次の瞬間、ムギちゃんは私に唇を重ねた。私は今、何が起こっているのかよく分かからなかった。

紬「これが…私の返事。大好きよ、唯ちゃん」

唯「ムギちゃん…わ、私なんかで、いいの?」

紬「唯ちゃんじゃなきゃ、ダメなの」

唯「でも私、あまり美人じゃないよ?」

紬「唯ちゃんはとってもかわいいわ♪」

唯「でも、でも…」


紬「もう唯ちゃんたら、私のこと好きなんじゃなかったの?」

唯「す、好きだよ!」

紬「私は唯ちゃんのことが好きだからキスしたの。だから、それでいいでしょ?」

唯「う…うん」

なんだか夢みたいだ…本当にこれは現実なのだろうか。

紬「どうしたの?」

唯「な、なんだか夢みたいで…」

紬「じゃ、確かめてみよう?」

唯「え…んっ…!」

ムギちゃんは、再び私にキスをした。やっぱりこれは夢じゃない。
だってこんな柔らかくて甘い唇が、夢なはずない。

紬「どう?」

唯「うん…夢じゃないや」

紬「よかった♪」

唯「ねぇ、ムギちゃん?」

紬「なあに?」

唯「これからも、よろしくね」

紬「はい♪じゃあもう暗いし、一緒に帰ろう?」

唯「その前にもう一回だけ…いい?」

紬「もう、唯ちゃんたら欲張りなんだから」

唯「えへへ~」


おわり



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