唯×紬 @ ウィキ

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yuimugi

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律「澪ー、一緒に帰ろうぜー♪」
澪「ちょ、ちょっとしがみつくな!」

今日も澪ちゃんとりっちゃんの二人は仲良く一緒に帰っていく。
その姿はまるで恋人同士のようで、思わず私の頬は緩んでしまう。

憂「梓ちゃん、帰ろ♪」
梓「あ、うん!」

憂ちゃんと梓ちゃんも、楽しそうに話しながら部室を後にしていく。
わざわざ迎えに来るなんて、あの二人もとっても仲良しなんだなぁ…私の頬はさらに緩む。

やっぱり、恋は必ずしも男女だけで成立するものではないと思う。女の子同士でも恋はできる!これが私の持論だ。

でも…皆にとってそれは変なのだろうか。
皆はただ友達として付き合っているだけなのに、それを恋愛とみなしてしまう自分は、やっぱり変なのだろうか…

唯「ねぇねぇ、ムギちゃんってばぁ」

ふと気付くと、私は唯ちゃんに肩を揺らされていた。
唯ちゃんは怪訝そうに私を見つめている。

紬「あ…ごめんなさい、なあに?」
唯「もう帰ろう?皆帰っちゃったよ」
紬「うん…そうね」

そういえば…唯ちゃんはどうなんだろう。恋をしたことはあるのだろうか。
本人はそういう話はあまりしないけど、もしかしたら…私は気になって、聞いてみることにした。


紬「ねぇ唯ちゃん…恋したこと、ある?」
唯「えぇ!?な、なあにいきなり?」

私の質問に、唯ちゃんは驚いたような素振りを見せた。
無理もないか、私からこんな話を振るなんて今までなかったし。

紬「唯ちゃんはかわいいし、今まで誰かに好きっていわれたことあるんじゃない?」
唯「やだなぁ、ないよそんなのー!私なんか全然モテないって!」
紬「そう…なんだ」

唯ちゃんの答えに、安心している自分がいた。
よかった。唯ちゃんも私と同じなんだ…

唯「でも、なんでそんなこと聞くの?」
紬「うん、ちょっと…あ、もう一つ聞いていいかしら?」
唯「なに?」
紬「唯ちゃんは…お、女の子同士で…その…」
唯「女の子同士で…なに?」
紬「れ…恋愛するのって、どう思う?」
唯「へ?」

唯ちゃんはぽかーんと口を開けて私を見た。
ああ、何を聞いちゃったんだろう私…やっぱり、聞かない方がよかったかな。

紬「ご、ごめんなさい、聞かなかったことに…」
唯「そうだなぁ…私はなかなか難しいと思うな。」
紬「え…」

唯ちゃんの言葉は私にとって思いがけないものだった。
唯ちゃんなら、ありだよ~って、軽く受け入れてくれるものだと思っていたのだ。


紬「ど、どうして?」
唯「やっぱり女の子同士だと友達っていうのが普通だよー」
紬「でも、女の子同士でも好きにはなるでしょ?」
唯「好きにはなるだろうけど…ドキドキしたりはしないと思うんだよねー
 澪ちゃんやりっちゃんだって多分一緒にいてドキドキしたりはしないと思うよ」
紬「そ、そっか…」

確かに…いくら仲がよくても、互いに意識をすることがなければ恋愛とは呼べないはずだ。

なんだか唯ちゃんの話を聞いているうちに、自信がなくなってしまった。やっぱり私の考え方、変なのかな…
そんなことを考えていると、不意に唯ちゃんの顔が目の前にあることに気がついた。

唯「でもね」
紬「な…なに?」
唯「私はムギちゃん見てるとドキドキするよ?」
紬「え…?そ、それどういう…」
唯「もう、ムギちゃんったら…こういうことだよ」

次の瞬間、私は唯ちゃんに抱きしめられていた。
唯ちゃんの柔らかい感触が、制服ごしに私の体を包みこむ。
私は何が起きているのか、すぐには理解できなかった。

紬「あ…えっと、ゆ、唯ちゃん?これ、一体…」
唯「私はムギちゃんにならできるってことだよ」
紬「な、何を?私、よく…」
唯「だから…恋だよ」


恋ができる。唯ちゃんは確かにそう言った。それを誰に?私だ。
つまりこれは…唯ちゃんにこ、ここ…告白されたってこと…!?

紬「こ、恋って…えぇ!?」
唯「私、ムギちゃんと一緒にいると楽しいし落ち着くし、それに…」
紬「それに…?」
唯「ムギちゃんのこと…だ、大好きだから」
紬「……」カーッ…

大好き。
この一言だけで、私は頭が沸騰しそうに熱くなるのを感じた。

唯「ムギちゃん!?顔真っ赤だよ!大丈夫?」
紬「う、うん…でもさっき唯ちゃん、女の子同士は難しいって」
唯「それはあくまで普通はってことで、私は別だよ!」
紬「どうして?」
唯「だって私、ムギちゃんのことすごく好きだから」
紬「……」カーッ…
唯「ムギちゃん?」
紬「ご、ごめんなさい…私、こんなに一度に好き好き言われるの、初めてだから」
唯「あははー、大丈夫、そのうち慣れるよ!それで…ムギちゃんはどう?」
紬「どうって?」
唯「私と恋できる?」
紬「できるも何も…もうしちゃったわ」
唯「そっか…ねぇムギちゃん、ちょっといい?」
紬「え?なに…」
唯「大好きだよっ♪チュッ」


頬に押し当てられた柔らかい感触が唯ちゃんの唇だとわかるまで、10秒ほどかかっただろうか。
それがわかった瞬間、私は何も言えなくなってしまう。

紬「ゆ…ゆゆ…」
唯「えへへー♪ムギちゃんっ♪」

唯ちゃんに抱きしめられながら、私は思った。

…しばらくは、唯ちゃんと一緒にいる時のドキドキは消えそうにないや。


fin



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