唯×紬 @ ウィキ

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yuimugi

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その日の朝、私はいつもより遅く家を出た。
それは寝坊をしたわけじゃない。、ある人と一緒に登校するためだ。その人というのは…

紬「あ…来た」

駅の前でしばらく待っていると、のんびりと歩いてくる唯ちゃんの姿が見えた。
よかった、今日は憂ちゃんは一緒じゃないみたいだ。

紬「唯ちゃん、おはよう♪」
唯「あ、ムギちゃん!おはよー♪」
紬「今日は一人?」
唯「うん、憂は後から来ると思うー」
紬「そうなんだー…」

ということは、あまりもたもたしていられない。
いや、別に憂ちゃんがいてもいいんだけど、これからすることを見られるのはなんていうか…恥ずかしい。

唯「ムギちゃーん」
紬「なっなに?」
唯「今朝はいつもよりあったかいねー」
紬「そ…そうかしら。私は寒いと思うけど」
唯「そう?ムギちゃんは寒がりなんだねぇ」

まぁ、確かに暖かいとは思うけど…それに同意するわけにはいかない。
してしまうと、これから渡すものを喜んでもらえないかもしれないから。

紬「…あの、唯ちゃん」
唯「んー?」
紬「きょ、今日のお誕生会、楽しみね」
唯「うん!ところでムギちゃん、例のブツはございますでしょうか…?」


紬「もちろん!ケーキ、とっておきのを用意するわ!お菓子もたくさん!」
唯「ありがとムギちゃ~ん♪」

って、そうじゃなくて…私は意を決して、唯ちゃんに向き直った。

紬「ゆ、唯ちゃん!」
唯「ん?どしたの?」
紬「こ…これ!」

私はカバンから袋を取り出すと、唯ちゃんに差し出した。
唯ちゃんは面食らったような表情で、それを受け取った。よかった、渡せた…

唯「なあに?これ」
紬「皆より一足早いけど…唯ちゃん、お誕生日おめでとう。私からのプレゼントです」
唯「え…あ、ありがとうムギちゃん!」
紬「開けてみて?」
唯「うん、じゃあ……わぁ、かわいい!」

私からの唯ちゃんへの誕生日プレゼント、それは…自分で編んだ毛糸の帽子だ。
喜んでくれるかどうか不安だったけど…どうやらその心配は杞憂に終わりそうだ。
だって唯ちゃんは、真っ先に被ってくれているから。

唯「えへへ…似合うかな」
紬「うん…とっても」
唯「これもしかして、ムギちゃんが編んでくれたの?」
紬「ホントはマフラーとかセーターにしようと思ったんだけど、時間がなくて…」
唯「そうだったんだ…ありがとムギちゃん。これすっごく被り心地がいいよ!」


紬「そっか…よかったわ。気にいってもらえたみたいで」
唯「えへへ~ムギちゃん帽子~♪これで今年の冬は安心だ~♪」

私の作った帽子を被って笑う唯ちゃんは、とても魅力的な笑顔を私に向ける。
こんな笑顔が見られるなんて…がんばってよかったかな。

唯「おっとっと前が…あはは、ちょこ~っとだけサイズ大きいかも」
紬「ご、ごめんなさい!す、すぐに編みなおして…」
唯「いいよいいよ!どうせすぐ大きくなるから!」
紬「え…そう?」

子供ならまだしも、高校生以降で頭のサイズはそんなに変わるのかなぁ…と気にはなったけど、まぁ、いいか♪
ちょっと大きめの方がかわいいし…

唯「ムギちゃん、こんなかわいい帽子くれてホントにありがと♪一生大事にするよ!」
紬「こ、こちらこそありがとう…そんなに大事にしてくれるなら、私もうれしいわ♪」
唯「帽子だけじゃないよ?私、ムギちゃんも一生大事にする!」
紬「え!そ、それって…えぇぇ…」

い、今のはまさか…そういうこと!?
いや、ただ単に友達としてとか、そういう意味なんだろうけど…でも、それでも…


紬「…ふふっ♪」
唯「ムギちゃん、なんかうれしそうだね♪なんでー?」
紬「うん…プレゼント、ちゃんと渡せてよかったなって」
唯「そっか♪」
紬「あ、早く学校行かなくちゃ!誕生日に遅刻したら大変!」
唯「うん!じゃ急いで行こうムギちゃん!」
紬「きゃっ…?」

唯ちゃんは不意に私の手を掴むと、勢いよく走り出した。このドキドキは、走ってるからなのか、それとも…
まぁ、どちらでもいいかな。だって今私は、こんなにも幸せなんだから。


おしまい♪



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