恋人
コンコン…カチャ
約束の時間から少し遅れて、私は静かに窓を叩いた。すると、すぐに唯ちゃんがその鍵を開けて顔を覗かせる。
紬「遅れてごめんなさい…出てくるのに戸惑っちゃって」
唯「…急いでね。そろそろ憂がお風呂出ちゃうから」
唯「…急いでね。そろそろ憂がお風呂出ちゃうから」
靴とわずかな荷物を持って家の中に入ると、暖かい空気が私を包んだ。でものんびりしている暇はない。私たちは急ぎ足で階段を登った。
どうして私は今、こんなことをしているのか…理由はごく簡単。唯ちゃんの家に泊まるためだ。
これだけなら別に珍しくもない理由だろう。今どきの女子高生だったら、友達の家に泊まるくらい普通にあるはず。
でも…それが恋人の家だとしたら?話は違ってくるだろう。それを家族や周りの人に話す人はまずいない。
そして今の私たちの状況は、後者にあてはまる。このお泊まりは周りの皆には内緒。私たちだけの秘密なのだ。
どうして私は今、こんなことをしているのか…理由はごく簡単。唯ちゃんの家に泊まるためだ。
これだけなら別に珍しくもない理由だろう。今どきの女子高生だったら、友達の家に泊まるくらい普通にあるはず。
でも…それが恋人の家だとしたら?話は違ってくるだろう。それを家族や周りの人に話す人はまずいない。
そして今の私たちの状況は、後者にあてはまる。このお泊まりは周りの皆には内緒。私たちだけの秘密なのだ。
唯「ふぅ…なんとか部屋まで来れたね」
紬「うん…」
紬「うん…」
「お姉ちゃーん!もう寝るのー?」
階下から憂ちゃんの声が聞こえてきた。あぶない。もう少し遅れてたら間違いなく鉢合わせしていただろう。
唯「うん!おやすみー!…ふぅ、これでもう平気だよ」
紬「うん…ぎりぎりだったね」
紬「うん…ぎりぎりだったね」
唯「でも…ホントに隠れる必要あったのかなぁ。憂なら大丈夫だと思うけど」
紬「だって…平日の夜に泊まりに来るなんてどう考えても不自然じゃない。…それに」
唯「…ムギちゃん」
紬「だって…平日の夜に泊まりに来るなんてどう考えても不自然じゃない。…それに」
唯「…ムギちゃん」
私は唯ちゃんの肩を掴むと、倒れ込むようにベッドに横たわった。
紬「こんなことするんだもの…朝、気まずくて憂ちゃんの顔見れないわ」
唯「…そっか。ところで家の人にはなんて言ってきたの?」
紬「お友達の家に泊まるって。念のために、唯ちゃんの携帯の番号教えちゃった」
唯「まぁ、何も嘘ついてるわけじゃないし大丈夫だよね」
紬「あら、一つあるじゃない?」
唯「あ…そうだよね。私たち、友達じゃないんだよね」
紬「そうよ。私たちは…」
唯紬「恋人…」
唯「…そっか。ところで家の人にはなんて言ってきたの?」
紬「お友達の家に泊まるって。念のために、唯ちゃんの携帯の番号教えちゃった」
唯「まぁ、何も嘘ついてるわけじゃないし大丈夫だよね」
紬「あら、一つあるじゃない?」
唯「あ…そうだよね。私たち、友達じゃないんだよね」
紬「そうよ。私たちは…」
唯紬「恋人…」
声がぴったり合ったことがおかしくて、私たちはお互いの顔を見て吹き出した。
幸福感と緊張感と罪悪感と、唯ちゃんを独占することのできる優越感。
色々な感情が入り交じって、おかしなテンションになってしまう。
私は高まる鼓動を抑えて、静かに唯ちゃんに言った。
幸福感と緊張感と罪悪感と、唯ちゃんを独占することのできる優越感。
色々な感情が入り交じって、おかしなテンションになってしまう。
私は高まる鼓動を抑えて、静かに唯ちゃんに言った。
紬「…唯ちゃん」
唯「なあに?」
紬「触っても…いい?」
唯「…うん。いいよ…」
唯「なあに?」
紬「触っても…いい?」
唯「…うん。いいよ…」
私は唯ちゃんの胸にそっと手をやった。唯ちゃんは小さく体を震わせたけれど、黙って私の手を受け入れてくれた。
紬「…唯ちゃん、すごく柔らかい」
唯「そう…かな…ふふっ…♪くすぐったいよ…」
紬「…今度は、唯ちゃんが触って?」
唯「…うん」
唯「そう…かな…ふふっ…♪くすぐったいよ…」
紬「…今度は、唯ちゃんが触って?」
唯「…うん」
唯ちゃんはおずおずと私の胸に手のひらを乗せた。服の上からでも、はっきりとそのぬくもりが感じ取れる。
唯「…痛くない?」
紬「うん、平気…」
唯「そっか…よかった」
紬「…ねぇ唯ちゃん、そろそろ…」
唯「も、もう?ちょっとその…恥ずかしいよ」
紬「…私だってそうよ。でも大丈夫。私たち恋人なんだから。二人一緒なら、大丈夫」
唯「…うん」
紬「うん、平気…」
唯「そっか…よかった」
紬「…ねぇ唯ちゃん、そろそろ…」
唯「も、もう?ちょっとその…恥ずかしいよ」
紬「…私だってそうよ。でも大丈夫。私たち恋人なんだから。二人一緒なら、大丈夫」
唯「…うん」
私は唯ちゃんの着ていたシャツをゆっくりと脱がせてあげた。唯ちゃんも、私のブラウスのボタンをゆっくり外す。
…私たちの手は、同じように震えていたけれど。
…私たちの手は、同じように震えていたけれど。
頬を赤く染めた唯ちゃんは、驚くほどに大人びていて、官能的な雰囲気を醸し出していた。
紬「唯…ちゃん…ホントに…いいの?」
唯「うん…さっきムギちゃんも言ったでしょ。…二人一緒なら大丈夫だって」
紬「うん…唯ちゃん、愛してる」
唯「うん…ありがとう……」
唯「うん…さっきムギちゃんも言ったでしょ。…二人一緒なら大丈夫だって」
紬「うん…唯ちゃん、愛してる」
唯「うん…ありがとう……」
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恋人 sage 2009/12/18(金) 04:33:29 ID:3Dj1vZtE(4)
恋人 sage 2009/12/18(金) 04:33:29 ID:3Dj1vZtE(4)
こんな時間が、いつまでも続いたらいいのに。しばらく私は、そう願わずにはいられない時間を過ごした。 私は唯ちゃんの笑顔、ぬくもり、優しさ…唯ちゃんの全てを手に入れてしまった。 それは幸せなことのはずなのに、どこか恐ろしいことにも感じられた。 人を愛するって、こんなに重いことなんだ。私は初めて感じるその感情に戸惑っていた。 でも私は、唯ちゃんを絶対に離さない。だって、私は――
紬「…唯、ちゃん」 唯「……ん?」 紬「…大好き」 唯「うん…私も、大好き」
私の胸の上で、唯ちゃんは優しく笑った。それは、今まで見たことのない、優しい笑顔だった。
終