唯「ム、ムギちゃん!」
紬「なあに?唯ちゃん」
唯「これ!」
紬「なあに?唯ちゃん」
唯「これ!」
私がムギちゃんに差し出したのは、ほんのりと甘い香りが漂うピンクの紙袋。
中には、昨日買ったクッキーが入っている。
中には、昨日買ったクッキーが入っている。
紬「これは…?」
唯「あ、あのね、いつもムギちゃんにお菓子もらってばかりじゃ悪いから…今日は私がクッキー持ってきたの」
紬「わぁ…ありがとう唯ちゃん!」
唯「う、うん…買ってきたやつで悪いんだけど」
紬「そんなことないわ。とっても美味しそう♪」
唯「そう?えへへ…じゃあムギちゃん、食べて…」
紬「じゃあ、皆が来たら食べましょう♪」
唯「え?」
紬「さっそくお皿に移さなきゃね!あ、飲み物は紅茶で大丈夫かしら」
唯「ム、ムギちゃん違うの、それは…」
紬「心配しなくたって大丈夫よ。せっかく持ってきたんだから、きっと皆喜んでくれるわよ?」
唯「ムギちゃん…」
唯「あ、あのね、いつもムギちゃんにお菓子もらってばかりじゃ悪いから…今日は私がクッキー持ってきたの」
紬「わぁ…ありがとう唯ちゃん!」
唯「う、うん…買ってきたやつで悪いんだけど」
紬「そんなことないわ。とっても美味しそう♪」
唯「そう?えへへ…じゃあムギちゃん、食べて…」
紬「じゃあ、皆が来たら食べましょう♪」
唯「え?」
紬「さっそくお皿に移さなきゃね!あ、飲み物は紅茶で大丈夫かしら」
唯「ム、ムギちゃん違うの、それは…」
紬「心配しなくたって大丈夫よ。せっかく持ってきたんだから、きっと皆喜んでくれるわよ?」
唯「ムギちゃん…」
ムギちゃんは勘違いしている。そのクッキーは、ムギちゃんだけに食べてほしくて持ってきたのに…
紬「あ、やっぱりミルクティーの方がいいかしら?」
唯「……ばか」
紬「え?」
唯「ムギちゃんのばかっ!」
唯「……ばか」
紬「え?」
唯「ムギちゃんのばかっ!」
突然唯ちゃんが大きな声を出したので、私は驚いて固まってしまった。
紬「ゆ、唯ちゃん…?」
唯「……」ガタン
唯「……」ガタン
唯ちゃんは机に突っ伏して黙り込んでしまった。その肩は、小刻みに震えているようだった。
どうしたんだろう、私なにか気に障ること言ったかな…あ、もしかして…
どうしたんだろう、私なにか気に障ること言ったかな…あ、もしかして…
紬「唯ちゃん…もしかしてココアが飲みたかったの?」
唯「……」
唯「……」
唯ちゃんは黙ったままだ。飲み物のことで怒ってるんじゃないとしたら…一体なんだろう。
ふと、机の上のクッキーが目に入った。もしかしたら…
ふと、机の上のクッキーが目に入った。もしかしたら…
紬「唯ちゃん」
唯「……」
紬「もしかして、クッキー…」
唯「……」チラ
紬「今すぐ食べたかったの?」
唯「……」ガク
唯「……」
紬「もしかして、クッキー…」
唯「……」チラ
紬「今すぐ食べたかったの?」
唯「……」ガク
唯ちゃんは一瞬顔を上げかけたけれど、すぐに下げてしまった。これも違うとなると…ダメ、わからない…
―――――
…ムギちゃんがここまで鈍感だとは思わなかった。いい加減察してくれたっていいのに…
でも、こういうところがムギちゃんのいいところでもあるのかもしれない。それに…
でも、こういうところがムギちゃんのいいところでもあるのかもしれない。それに…
的外れなことばかりだけど、私が拗ねてる理由を一生懸命に分かろうとしてくれる、こういうところを私は好きになったんだと思うから…
唯「…ムギちゃん」
紬「は、はいっ?」
唯「…クッキー、食べて」
紬「え?今?」
唯「…そう。早く」
紬「う、うん…いただきます」
唯「…おいしい?」
紬「うん…おいしいわ」
唯「そっか…よかった♪ムギちゃん、このクッキー全部食べていいからね」
紬「え?ぜ、全部?」
唯「そ、全部!これはムギちゃんのために持ってきたんだから」
紬「そ、そうだったんだ…あ、これを私が皆で食べようって言ったから怒ってたの?」
唯「…うん」
紬「唯ちゃん…ごめんなさい、わかってあげられなくて」
唯「ううん…私こそ、ばかって言ってごめんね」
紬「でもこのクッキー、一人で全部食べるには多すぎない?」
唯「え、そうかなぁ?」
紬「それにあまりたくさん食べるとふ、太っちゃうし…だから半分こしましょう?皆には内緒で。ね♪」
唯「…うん♪」
終わり