SS61指先 - (2012/05/04 (金) 02:31:32) の編集履歴(バックアップ)
SS61
指先
「ムギ先輩の指って綺麗ですよね」
部長会議で律が居ない部室。
残りの部員たちは部室でお茶を飲みお菓子に手をのばしていた。
「そう?梓ちゃんの指の方が小さくてカワイイと思うけど?あ、澪ちゃんの指も長くてカッコイイわよ?」
「私もムギの指が一番綺麗だと思う」
「唯先輩はどうですか?ムギ先輩の指綺麗ですよね?」
「そうだね。ムギちゃんの指は綺麗だね。私と比べるとほら」
四人はそれぞれの指を凝視する。
「何を基準に判断したらいいのか解りませんけど…やっぱりムギ先輩の指が一番綺麗ですね」
「そうだねぇ。この中ならムギちゃんが一番だよ…うん」
「唯先輩、なんだか棘のある言い方ですね。何か私の審査に不満でも?」
唯と梓が妙な空気を出し始めた。
「あずにゃんの言う事は間違ってないよ。でもね、ムギちゃんよりも指が綺麗な人、私知ってるよ」
「聞きましよう、唯先輩。ムギ先輩よりも指が綺麗な人なんて居るはずありません!」
―――りっちゃんだよ―――
「律先輩?まさか、律先輩の指がムギ先輩より綺麗なはずなんて…イメージ的にはささくれいっぱいの少年のような感じがします」
「律の指ってそんなに綺麗だったか?」
「幼馴染の澪ちゃんが解らないことは私達も…」
「みんな解ってないね。りっちゃんの指ってとっても綺麗なんだから」
「まぁいいです。律先輩が来たら私Tが判断します」
「りっちゃんは指さえも綺麗なんだよ?ほんと可愛いよね?澪ちゃん!」
「いやいや。そこで私にふられても…何か顔怖いぞ唯」
「まぁまぁ」
「お~い。部長のりっちゃん様のお帰りだぞ~。どした?何かあったのか?」
「律先輩!指見せてください!」
「指?なんで?」
「いいから早く見せてください!」
「なんだよ梓!ちょ、そっちの方向には手は曲がらん!」
「あずにゃん。りっちゃんの指は大切にだよ!」
―――僕は君の指さえも愛おしい―――
end