H2・121

「えへへ~、やっぱりその衣装カッコいいねー」
「そうかしら//友奈ちゃんが喜んでくれて嬉しいわ」

東郷さんの家に遊びに来ていた私は、彼女に無理を言ってもう一度国防仮面の衣装を着てもらっていた。
元々ヒーローというものが大好きな私にとって、この衣装はとてもカッコよくみえて、さらにそれを大好きな東郷さんが着ているというのだからこの魅力は無限大だ。

「うん、本当にカッコいい!ねえ東郷さん、私もその衣装着てみてもいいかな?」
「いいわよ、友奈ちゃんったらそんなにもこの衣装のこと気に入ってくれたんだね」

私のお願いに快く頷いてくれた東郷さんから衣装を受け取り、さっそく着てみる。
そこでふと気づいてしまう、この服、まだ暖かい・・・、それに匂いも・・・。

「どうしたの友奈ちゃん?顔が赤いわよ」
「い、いや!何でもない!何でもないよ東郷さん!」

東郷さんに心配かけまいとそんなことを言う私だけど、彼女の温もりと匂いに包まれていると思うと、まるで抱き締められているようで、ますます顔を赤くしてしまう。

「友奈ちゃん、私に隠し事はしないで、こんなに顔を赤くして・・・、本当に大丈夫なの?」

私のせいでますます心配そうな顔をする東郷さんに申し訳なくなってしまった私は恥ずかしながらも正直に話すことにする。

「あのね・・・、この服にまだ東郷さんの温もりや匂いが残っててね、まるで東郷さんに抱き締められてるようで・・・、そんなこと考えてたらどんどん恥ずかしくなってきちゃって・・・、ゴメンね、心配かけちゃって」
「そう・・・だったの//」

私の話をきいて顔を赤くしながらも安堵したのか、嬉しそうに微笑む東郷さん。
よかった、やっぱり東郷さんは笑っている顔が一番ステキだ。

「友奈ちゃん、そういうことならもっと早く行ってね。」
「うん、本当にゴメンね東郷さん」
「本当に心配したんだから・・・でもそれなら良かったわ」

そう言うと、なんといきなり私に抱き付いてくる東郷さん

「と、東郷さん!?」

さっきよりも強く感じる東郷さんの温もりと匂い、さらに全身をとおして伝わってくる彼女の柔らかさ、そして耳元で聞こえてくる息遣い、これらの要因で私の頭はすぐに沸騰してしまった。

「あまり心配かけないでね、お願い、約束よ友奈ちゃん」
「う、うん!約束する!もう東郷さんに心配はかけないよ!」

口ではそんなことを言いながらも、心の中では東郷さんに抱き締めてもらえるなら、
ちょっとぐらい心配かけてもいいかなと考えてしまうダメな私がいた。

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最終更新:2015年05月17日 12:35