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最後の戦闘を終えて数日後、大赦に呼び出された東郷美森。
覚悟を決め、大赦の使者の車に乗り込んだ美森だったが、車の向かったその先に待っていたのは……

園子「来てくれてありがとう、わっしー。 さっそくだけど今回のことについては、大赦の中でも意見が分かれてねぇ」
園子「わっしーのやったこと、それを止められなかった監督責任として……讃州中勇者部全員の処遇について」

東郷「み、みんなは関係ないの、私が一人で全部……」

園子「わかってるよぉ、わっしー。 言ったでしょー? 私はどんなことがあってもわっしーの味方だから」
園子「私はもうカミサマみたいなものだからね、だから神樹様に直接お願いをしてきたんだぁ」
園子「まず、讃州中勇者部は勇者のお役目から外れてもらう、これは大赦の決定事項でもあるんだけどねぇ」
園子「そして部員には全員お咎めなし。 これは結果バーテックスを倒した実績を踏まえてね、私がよくお願いしたから」
園子「それでね、これ以降、神樹様は勇者から供物を求めない」
園子「わっしー次第ではね、今まで捧げた供物をもとに戻してもいいって。 神樹様に無理言ってどうにか約束取り付けてきたよぉ」

東郷「ほ、本当に」

園子「うん、大変だったよぉ……」

東郷「ありがとう、ありがとう、本当に……」

園子「……お礼を言うのはまだ早いんじゃないかなぁー…… ねぇ、わっしー。 言ったよね、それも『わっしー次第』だって」

東郷「わ、私、私にできることだったら何でもするわ」

園子「本当? ……皆に供物を戻すには条件がひとつあってね。 それは、代わりにわっしー自身の身を捧げてもらうこと」

東郷「私の、身を」

園子「そうだよぉ。 ちなみに神樹さまにじゃないよ。 私に、ね。 言ったでしょ、私、カミサマみたいなものだから」

東郷「わ、わかった、わ」

園子「ふふふ、うれしいなぁ……わっしー、もっと近くに来て。 そう…… もう誰にも渡さないよぉ、わっしー……」


good end.
最終更新:2015年02月08日 20:57